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歌を忘れたカナリア
しおりを挟む歌を忘れたカナリアは
透明感のある美しい歌声を忘れた彼女
後ろの山に棄てましょか
心を共に捨ててしまった
いえいえそれは かわいそう
可哀想なそのありさま
歌を忘れたカナリアは
歌を忘れた彼女は
背戸の小藪に埋けましょか
深い心の藪に身を隠す
いえいえそれは なりませぬ
お願い、戻ってきて
歌を忘れたカナリアは
歌を忘れた彼女は
柳の鞭でぶちましょか
自分で自分を傷つける
いえいえそれは かわいそう
見るに忍びない 自分を責める彼女
歌を忘れたカナリアは
歌を忘れた彼女は
象牙の舟に 銀のかい
鉄格子の檻の中
月夜の海に浮かべれば
白昼夢の海を揺蕩う
忘れた歌を 思い出す
忘れた歌を 思い出して
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