上 下
19 / 22
甘い時間

しおりを挟む
 リアムが半身を起こし、ジュリアンの片脚を高々と持ち上げる。ジュリアンの恥ずかしい部分が、リアムの目の前に曝け出された。

「や、やだ! 見るなっ……」

 手で隠そうとするけれど、もう一方の大きな手で制される。膝を曲げられ、足の指先に口づけを落とされた。

「ック……そ、んな……汚、い……」

 ジュリアンは足を引っ込めようとしたが、しっかりと掴まれた足はビクともしない。

「お前の全てを愛してやる、っつっただろーが」

 リアムがいつものからかうような瞳ではなく、少し気怠さを背負ったような瞳でジュリアンを見つめる。言葉を紡ぐことすら忘れ、思わずジュリアンは魅入った。

「ッハァ……あっあっあっ……ハァ。んんぅ、ふぅっ、ハァ、ハァ……だぁめぇ……んはっ、ハァ……はぁんっ……」

 足の指を舐められて、擽ったさとその奥に潜む快感のツボを刺激され、ジュリアンが身を捩る。

 や、こんな……すごい、感じる……なんて……

 足の指の間を丁寧に舐められた後、指を徐に咥えられる。

「んっ、あぁぁぁぁっっ!!」

 思いっきり吸われて、ジュリアンの猛りがビクビクと大きく震える。高く掲げられた脚から見える淫乱な蕾が、誘うように収縮する。

「ハァ、ハァ、ハァ……」

 大きく息をつきながら呼吸するジュリアンの唇を塞ぎ、ネットリとした舌を捩じ込み、リアムがジュリアンの口内を蹂躙する。

 優しくするって、言ったのに!!

 酸素不足と激しい舌の動きに、ジュリアンの頭がクラクラする。

 胸の尖りを掴まれて、背中が猫のようにしなる。こよりのように捻られると、更なる快楽がジュリアンを襲った。

「んんっ、んんふっ……」

 少し開いた唇の隙間から、どちらか分からない欲蜜が滴り落ちた。

 唇を離したリアムの顔が、ジュリアンの真正面に迫る。

「優しく愛す、とかやっぱ出来ねぇ。お前の躰に触れてると、どうしようもない疼きが俺を支配しちまう」

 リアムの肉欲を映し出す瞳の炎に、ジュリアンの肉欲が絡み合う。

 こんな激しい欲情が僕の中に眠っていたなんて、リアムに出会うまでは知らなかった……

「本能のままに、抱いて。僕を、求めて……」
「ジュリ……」

 リアムが紅く染まったジュリアンの胸の先端にチュッと口付けてから咥え、舌先で弄ぶように転がす。リアムの頭に手を置き、表現しようのない愛しさをなんとか伝えたくて、ジュリアンは優しく彼の髪を梳くように撫でた。

 そんな想いを知ってか、リアムの乳首への愛撫はだんだんと激しさを増し、唇で挟んで捏ね、強く引っ張る。

「はぁんっ!!」

 や、また……

 はしたないジュリアンの下の蕾が収縮し、猛りに血液が力強く流れ込み、触れてもいないのに痙攣しているかのようにピクピクと震えている。

 触って、欲しい……早く、この欲望に濡れたここに触れて僕を高みへと連れて行って欲しい。

 腰をくねらせ、艶めかしい動きで誘うジュリアンに、リアムがニヤリと笑う。


「何が欲しいんだ、プリンス?」

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

メゴ ~追いやられた神子様と下男の俺~

てんつぶ
BL
ニホンから呼び寄せられた神子様は、おかしな言葉しか喋られない。 そのせいであばら家に追いやられて俺みたいな下男1人しかつけて貰えない。 だけどいつも楽しそうな神子様に俺はどんどん惹かれていくけれど、ある日同僚に襲われてーー 日本人神子(方言)×異世界平凡下男 旧題「メゴ」 水嶋タツキ名義で主催アンソロに掲載していたものです 方言監修してもらいましたがおかしい部分はお目こぼしください。

悪役のはずだった二人の十年間

海野璃音
BL
 第三王子の誕生会に呼ばれた主人公。そこで自分が悪役モブであることに気づく。そして、目の前に居る第三王子がラスボス系な悪役である事も。  破滅はいやだと謙虚に生きる主人公とそんな主人公に執着する第三王子の十年間。  ※ムーンライトノベルズにも投稿しています。

彼は罰ゲームでおれと付き合った

和泉奏
BL
「全部嘘だったなんて、知りたくなかった」

悩ましき騎士団長のひとりごと

きりか
BL
アシュリー王国、最強と云われる騎士団長イザーク・ケリーが、文官リュカを伴侶として得て、幸せな日々を過ごしていた。ある日、仕事の為に、騎士団に詰めることとなったリュカ。最愛の傍に居たいがため、団長の仮眠室で、副団長アルマン・マルーンを相手に飲み比べを始め…。 ヤマもタニもない、単に、イザークがやたらとアルマンに絡んで、最後は、リュカに怒られるだけの話しです。 『悩める文官のひとりごと』の攻視点です。 ムーンライト様にも掲載しております。 よろしくお願いします。

王子様のご帰還です

小都
BL
目が覚めたらそこは、知らない国だった。 平凡に日々を過ごし無事高校3年間を終えた翌日、何もかもが違う場所で目が覚めた。 そして言われる。「おかえりなさい、王子」と・・・。 何も知らない僕に皆が強引に王子と言い、迎えに来た強引な婚約者は・・・男!? 異世界転移 王子×王子・・・? こちらは個人サイトからの再録になります。 十年以上前の作品をそのまま移してますので変だったらすみません。

【BL】SNSで出会ったイケメンに捕まるまで

久遠院 純
BL
タイトル通りの内容です。 自称平凡モブ顔の主人公が、イケメンに捕まるまでのお話。 他サイトでも公開しています。

屈強な男が借金のカタに後宮に入れられたら

信号六
BL
後宮のどの美女にも美少年にも手を出さなかった美青年王アズと、その対策にダメ元で連れてこられた屈強男性妃イルドルの短いお話です。屈強男性受け!以前Twitterで載せた作品の短編小説版です。 (ムーンライトノベルズ、pixivにも載せています)

転移したらなぜかコワモテ騎士団長に俺だけ子供扱いされてる

塩チーズ
BL
平々凡々が似合うちょっと中性的で童顔なだけの成人男性。転移して拾ってもらった家の息子がコワモテ騎士団長だった! 特に何も無く平凡な日常を過ごすが、騎士団長の妙な噂を耳にしてある悩みが出来てしまう。

処理中です...