50 / 50
第一章
第五十話 エピローグ【第一章 完】
しおりを挟む
白い光が、まぶたを通って網膜に差し込む。
その眩しさに少し眉根を寄せながら、エリスは少しずつ薄目を開いた。
世界の輪郭が、ぼんやりとして形を結ばない。
「……!」
「……!!」
遠くのほうで、何か声が聞こえる気がする。
――誰じゃ?何を、叫んでおる?
「……様!」
「……さま!!」
少しずつ、声が近づいてくる感覚。
だがそれは、実はすぐ目の前で呼びかけられていたようだった。
――……ああ、なんじゃ……。
「――お嬢様!」
「――エリスさま!!」
「……コウガ、リィ。涙と鼻水を拭けい。大変なことになっておるぞ」
結ばれた輪郭は、よく見知った顔。
涙をボロボロ流してエリスの顔を覗き込む、コウガとリィ、二人の顔だった。
「おおお!お嬢様が目を覚まされた!!」
「大丈夫ですか、エリスさま!!」
さらにエリスの顔近くまで殺到する二人のうち、とりあえずコウガの方だけを手で押し退けながら、エリスはゆっくりと身体を起こした。
そこは、昼下がりの庭園……だった場所。
すっかりめちゃくちゃに荒らされてしまったその場所に、エリスは帰ってきていた。
「お嬢様!あのクソ野郎はどうしたんだ!?」
肉食動物のように喉を鳴らして顔を突き出したのは、オリヴィスだ。
「……安心せい、ギタギタにしてやったわ。奴が現れることはもう二度とないじゃろう」
コウガとオリヴィスが揃って、おお、と感嘆の声を上げる。
「流石はエリスお嬢様ですね。あれほどの相手を倒してしまうなんて」
ウィスカーは、魔力の余韻を漂わせていた。
見れば満身創痍だったはずの三人の身体は、僅かな傷痕を残してほぼ完治している。ウィスカーが回復魔法を使ったのだろう。
――しかし。
エリスの浮かない顔に気がついたのは、コウガだ。
「お嬢様、何か気になることでも?」
「……カイエは、黒幕ではなかった。さらに後ろに、何者かがいる。わらわの命が欲しい、何者かがな」
その場にいた全ての者が、その言葉に絶句する。
まだ敵はいる。先程の激闘を思い返し、皆の身体に緊張が走った。
誰も口を開かない。重い静寂が辺りを包む。
そんな空気の中……手を握ったり開いたりしながら、エリスは身体の感覚を確かめていた。
――魔力は……やはり持ち帰ることはできなかったか……。
エリスがかつての姿、力を一時的にでも取り戻せたのは、魔界に超々高密度で満ちる、闇の魔力のお陰だった。
地上に戻った今、その全ては、再び失われてしまっていた。
あのカイエを従えるほどの力を持つ、神と呼ばれる謎の敵。そんな脅威に対し、今のエリスの状態はあまりに心許ないものだった。
魔界に残れ、というアドラの提案は、冷静に見れば間違いなく最善手と言えただろう。
――じゃがな?
エリスが、ギリッと奥歯を噛み締める。
――なぜわらわが……魔王たるわらわが、尻尾を巻いて逃げ出さねばならぬのじゃ!
――ふん。別に……今の生活が惜しいわけでは全くない。……こんな面倒で不自由で騒がしい生活など、な。じゃが……それでも、神などとほざく輩の影を恐れて手放すなど、癪、極まりないわ!!
いつ相手が次の手を打ってくるかわからない。
だがそれまでに、必ず魔王の力を取り戻し、この地上で堂々と迎え撃つ。
燃え立つような怒りと……そして、わずかな焦燥を抱いて、エリスは心の中で叫んでいた。
――来るなら来てみよ!返り討ちにしてくれる!わらわのものは、わらわが必ず自分自身の手で……!!
「――お嬢様!!」
「んああ!?」
顔を険しく歪めていたエリスは、突然の大声にバタバタと体勢を崩した。
「なんじゃコウガ!突然……」
「俺は……もっと強くなります!!」
「……は?」
「もう二度と!お嬢様を、危険な目に遭わさぬよう……俺は、強くなります!!」
未だ涙の跡を周りに残しながら……だがコウガの眼には、尋常でない決意と気迫が漲っていた。
「例えどんな奴が敵として現れても!俺が必ず、お嬢様を護り抜いてみせます!!」
「……コウガ」
「ズリぃぞ!自分ばっか良い格好するんじゃねえ!……お嬢様、あたしも、必ず強くなるから!!『聖拳』の名に賭けて、もっともっと強くなってみせるから!!次こそ――絶対護ってみせるから!」
オリヴィスがコウガを押し退けながら……真っ直ぐにエリスを見つめ、力強く、そう言った。
「オリヴィス……」
「わ、わたしも!」
リィが、小さい体で一生懸命前に乗り出して、手を上げた。
「わたしも、魔法をいっぱい勉強して、お菓子作り以外でも、エリスさまのお役に立てるように頑張ります!」
「……リィ」
「ふふふ。では、僭越ながら私が教師をしましょうか。リィさんなら、すぐに一流の魔導士になれると思いますよ」
ウィスカーが微笑む。
「はい!お願いします!頑張って強くなって……わたしもエリスさまを、お護りします!!」
リィが、その小さな手をぐっと握り込んだ。
――お主ら……。
……魔王エリスは、ずっと一人だった。
生まれた時から……いや、生まれる前から、ずっと一人だった。一人で、人々の嘆きが生み出す地獄の業火を、耐え抜いてきた。
魔王軍を作り上げた後も……屈強な部下たちを、大勢揃えても。絶対強者として君臨したエリスはやはり、一人だった。
だから誰も……そんなことを、言ってはくれなかった。
――わらわを護る、か。
考えたこともなかった。
いや、かつての地獄の中で……望んだことは、あったのかも知れない。
――なにを、偉そうに……。まったく、こやつらは。
ふっと、エリスの肩から力が抜ける。
先ほどまで胸を締め付けていた、棘のある鎖は消え……
強敵の脅威に晒されている状況は変わらないにも関わらず、エリスの心は……不思議と穏やかだった。
「ふふ」
思わず小さな笑みをもらしたエリスは、慌てて口元を押さえる。
それから、一度空を見上げ……ぐっと強気の表情をつくって皆の顔を順に指差した。
「ふん。ど阿呆どもめ。カイエの力を見たじゃろうが。死ぬ気で努力せねば、とても到達できぬレベルじゃぞ?明日から地獄の猛特訓じゃ。……まさか口だけではないじゃろうな?」
「無論です!!このコウガ、必ずやお嬢様をお護りするに足る力を身につけて見せます!」
率先して、コウガが己の胸を叩いた。他の皆も、揃って力強く頷く。
その様子を見て、エリスは少しだけ目を細めた。
「……ふふ。まぁ――期待、しておるわ」
「はい!!」
再び綻んだ口元を、エリスは、今度は隠そうとはしなかった。
「さあ、善は急げだ!早速修行を開始するぞ!……そして、聖女様の剣として恥じぬ力を!!」
「……ん?」
コウガの言葉に怪訝な表情を向けたエリスの横から、先ほどまで使用人たちの様子を見ていたシェリルがひょっこりと顔を出した。
「あら、コウガさん、その、聖女の剣って、イイんじゃない?ほら、二つ名として」
「ぬ?な、なるほど……【聖女の剣】コウガ……これは良いですな!!いかがですか、お嬢様!?」
晴れやかな顔を見せるコウガの頬を、オリヴィスが肘鉄で押し退ける。
「だから、さっきからでしゃばりすぎだっつーの!あんたは【変態騎士】で十分だろ!」
「だからそれを言うなと!……あ、いや、お嬢様が考案された二つ名に異議があるとかそういうことではないのですが」
「よし、じゃああたしの【聖拳】は、聖女の拳の略ってことにするかな」
「な?!パクリは許さんぞオリヴィス!」
「あらぁ、聖女様の名前を使ったのはウチが最初よ?【聖女様のお墨付き】ウィンベル商会をどうぞご贔屓に!だもん」
シェリルがカラカラと笑う。
「ふむ。私も、【エルフの至宝】という呼ばれ方は少し面はゆい感じだったのです。これを機に、何か考えましょうかね」
「あ、じゃあさ。【聖女のヴァッテリー】なんてどうだ?魔力あるし」
「使い捨てですね……」
オリヴィスの提案に苦笑するウィスカー。
「わ、わたしも二つ名欲しいです!……聖女の……何がいいでしょう?」
ホンモノの聖女が小さな首を傾げる。
途端に騒がしくなった、侯爵邸の庭園。
その様子を眺めながら……
「いや……あのな?」
エリスは半笑いを浮かべる。
そして……両手を振り上げ、思いっきり叫んだ。
「だから、わらわは聖女などではない!」
――第一章 完――
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
後書き
ここまでお読みいただき、本当にありがとうございました。
これにて、魔王エリスの奮闘記は一旦の区切りとなります。
もしお時間ありましたら、ひと言で構いませんので、是非感想をお聞かせいただけますと嬉しいです。
また、本作品は『第15回ファンタジー小説大賞』に参加しております。もし楽しかったと思っていただけましたら、投票ボタンをポチッと押していただけますと幸せです。どうぞ、よろしくお願いいたします。
その眩しさに少し眉根を寄せながら、エリスは少しずつ薄目を開いた。
世界の輪郭が、ぼんやりとして形を結ばない。
「……!」
「……!!」
遠くのほうで、何か声が聞こえる気がする。
――誰じゃ?何を、叫んでおる?
「……様!」
「……さま!!」
少しずつ、声が近づいてくる感覚。
だがそれは、実はすぐ目の前で呼びかけられていたようだった。
――……ああ、なんじゃ……。
「――お嬢様!」
「――エリスさま!!」
「……コウガ、リィ。涙と鼻水を拭けい。大変なことになっておるぞ」
結ばれた輪郭は、よく見知った顔。
涙をボロボロ流してエリスの顔を覗き込む、コウガとリィ、二人の顔だった。
「おおお!お嬢様が目を覚まされた!!」
「大丈夫ですか、エリスさま!!」
さらにエリスの顔近くまで殺到する二人のうち、とりあえずコウガの方だけを手で押し退けながら、エリスはゆっくりと身体を起こした。
そこは、昼下がりの庭園……だった場所。
すっかりめちゃくちゃに荒らされてしまったその場所に、エリスは帰ってきていた。
「お嬢様!あのクソ野郎はどうしたんだ!?」
肉食動物のように喉を鳴らして顔を突き出したのは、オリヴィスだ。
「……安心せい、ギタギタにしてやったわ。奴が現れることはもう二度とないじゃろう」
コウガとオリヴィスが揃って、おお、と感嘆の声を上げる。
「流石はエリスお嬢様ですね。あれほどの相手を倒してしまうなんて」
ウィスカーは、魔力の余韻を漂わせていた。
見れば満身創痍だったはずの三人の身体は、僅かな傷痕を残してほぼ完治している。ウィスカーが回復魔法を使ったのだろう。
――しかし。
エリスの浮かない顔に気がついたのは、コウガだ。
「お嬢様、何か気になることでも?」
「……カイエは、黒幕ではなかった。さらに後ろに、何者かがいる。わらわの命が欲しい、何者かがな」
その場にいた全ての者が、その言葉に絶句する。
まだ敵はいる。先程の激闘を思い返し、皆の身体に緊張が走った。
誰も口を開かない。重い静寂が辺りを包む。
そんな空気の中……手を握ったり開いたりしながら、エリスは身体の感覚を確かめていた。
――魔力は……やはり持ち帰ることはできなかったか……。
エリスがかつての姿、力を一時的にでも取り戻せたのは、魔界に超々高密度で満ちる、闇の魔力のお陰だった。
地上に戻った今、その全ては、再び失われてしまっていた。
あのカイエを従えるほどの力を持つ、神と呼ばれる謎の敵。そんな脅威に対し、今のエリスの状態はあまりに心許ないものだった。
魔界に残れ、というアドラの提案は、冷静に見れば間違いなく最善手と言えただろう。
――じゃがな?
エリスが、ギリッと奥歯を噛み締める。
――なぜわらわが……魔王たるわらわが、尻尾を巻いて逃げ出さねばならぬのじゃ!
――ふん。別に……今の生活が惜しいわけでは全くない。……こんな面倒で不自由で騒がしい生活など、な。じゃが……それでも、神などとほざく輩の影を恐れて手放すなど、癪、極まりないわ!!
いつ相手が次の手を打ってくるかわからない。
だがそれまでに、必ず魔王の力を取り戻し、この地上で堂々と迎え撃つ。
燃え立つような怒りと……そして、わずかな焦燥を抱いて、エリスは心の中で叫んでいた。
――来るなら来てみよ!返り討ちにしてくれる!わらわのものは、わらわが必ず自分自身の手で……!!
「――お嬢様!!」
「んああ!?」
顔を険しく歪めていたエリスは、突然の大声にバタバタと体勢を崩した。
「なんじゃコウガ!突然……」
「俺は……もっと強くなります!!」
「……は?」
「もう二度と!お嬢様を、危険な目に遭わさぬよう……俺は、強くなります!!」
未だ涙の跡を周りに残しながら……だがコウガの眼には、尋常でない決意と気迫が漲っていた。
「例えどんな奴が敵として現れても!俺が必ず、お嬢様を護り抜いてみせます!!」
「……コウガ」
「ズリぃぞ!自分ばっか良い格好するんじゃねえ!……お嬢様、あたしも、必ず強くなるから!!『聖拳』の名に賭けて、もっともっと強くなってみせるから!!次こそ――絶対護ってみせるから!」
オリヴィスがコウガを押し退けながら……真っ直ぐにエリスを見つめ、力強く、そう言った。
「オリヴィス……」
「わ、わたしも!」
リィが、小さい体で一生懸命前に乗り出して、手を上げた。
「わたしも、魔法をいっぱい勉強して、お菓子作り以外でも、エリスさまのお役に立てるように頑張ります!」
「……リィ」
「ふふふ。では、僭越ながら私が教師をしましょうか。リィさんなら、すぐに一流の魔導士になれると思いますよ」
ウィスカーが微笑む。
「はい!お願いします!頑張って強くなって……わたしもエリスさまを、お護りします!!」
リィが、その小さな手をぐっと握り込んだ。
――お主ら……。
……魔王エリスは、ずっと一人だった。
生まれた時から……いや、生まれる前から、ずっと一人だった。一人で、人々の嘆きが生み出す地獄の業火を、耐え抜いてきた。
魔王軍を作り上げた後も……屈強な部下たちを、大勢揃えても。絶対強者として君臨したエリスはやはり、一人だった。
だから誰も……そんなことを、言ってはくれなかった。
――わらわを護る、か。
考えたこともなかった。
いや、かつての地獄の中で……望んだことは、あったのかも知れない。
――なにを、偉そうに……。まったく、こやつらは。
ふっと、エリスの肩から力が抜ける。
先ほどまで胸を締め付けていた、棘のある鎖は消え……
強敵の脅威に晒されている状況は変わらないにも関わらず、エリスの心は……不思議と穏やかだった。
「ふふ」
思わず小さな笑みをもらしたエリスは、慌てて口元を押さえる。
それから、一度空を見上げ……ぐっと強気の表情をつくって皆の顔を順に指差した。
「ふん。ど阿呆どもめ。カイエの力を見たじゃろうが。死ぬ気で努力せねば、とても到達できぬレベルじゃぞ?明日から地獄の猛特訓じゃ。……まさか口だけではないじゃろうな?」
「無論です!!このコウガ、必ずやお嬢様をお護りするに足る力を身につけて見せます!」
率先して、コウガが己の胸を叩いた。他の皆も、揃って力強く頷く。
その様子を見て、エリスは少しだけ目を細めた。
「……ふふ。まぁ――期待、しておるわ」
「はい!!」
再び綻んだ口元を、エリスは、今度は隠そうとはしなかった。
「さあ、善は急げだ!早速修行を開始するぞ!……そして、聖女様の剣として恥じぬ力を!!」
「……ん?」
コウガの言葉に怪訝な表情を向けたエリスの横から、先ほどまで使用人たちの様子を見ていたシェリルがひょっこりと顔を出した。
「あら、コウガさん、その、聖女の剣って、イイんじゃない?ほら、二つ名として」
「ぬ?な、なるほど……【聖女の剣】コウガ……これは良いですな!!いかがですか、お嬢様!?」
晴れやかな顔を見せるコウガの頬を、オリヴィスが肘鉄で押し退ける。
「だから、さっきからでしゃばりすぎだっつーの!あんたは【変態騎士】で十分だろ!」
「だからそれを言うなと!……あ、いや、お嬢様が考案された二つ名に異議があるとかそういうことではないのですが」
「よし、じゃああたしの【聖拳】は、聖女の拳の略ってことにするかな」
「な?!パクリは許さんぞオリヴィス!」
「あらぁ、聖女様の名前を使ったのはウチが最初よ?【聖女様のお墨付き】ウィンベル商会をどうぞご贔屓に!だもん」
シェリルがカラカラと笑う。
「ふむ。私も、【エルフの至宝】という呼ばれ方は少し面はゆい感じだったのです。これを機に、何か考えましょうかね」
「あ、じゃあさ。【聖女のヴァッテリー】なんてどうだ?魔力あるし」
「使い捨てですね……」
オリヴィスの提案に苦笑するウィスカー。
「わ、わたしも二つ名欲しいです!……聖女の……何がいいでしょう?」
ホンモノの聖女が小さな首を傾げる。
途端に騒がしくなった、侯爵邸の庭園。
その様子を眺めながら……
「いや……あのな?」
エリスは半笑いを浮かべる。
そして……両手を振り上げ、思いっきり叫んだ。
「だから、わらわは聖女などではない!」
――第一章 完――
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
後書き
ここまでお読みいただき、本当にありがとうございました。
これにて、魔王エリスの奮闘記は一旦の区切りとなります。
もしお時間ありましたら、ひと言で構いませんので、是非感想をお聞かせいただけますと嬉しいです。
また、本作品は『第15回ファンタジー小説大賞』に参加しております。もし楽しかったと思っていただけましたら、投票ボタンをポチッと押していただけますと幸せです。どうぞ、よろしくお願いいたします。
0
お気に入りに追加
232
この作品の感想を投稿する
みんなの感想(7件)
あなたにおすすめの小説
【完結】聖女にはなりません。平凡に生きます!
暮田呉子
ファンタジー
この世界で、ただ平凡に、自由に、人生を謳歌したい!
政略結婚から三年──。夫に見向きもされず、屋敷の中で虐げられてきたマリアーナは夫の子を身籠ったという女性に水を掛けられて前世を思い出す。そうだ、前世は慎ましくも充実した人生を送った。それなら現世も平凡で幸せな人生を送ろう、と強く決意するのだった。
冷宮の人形姫
りーさん
ファンタジー
冷宮に閉じ込められて育てられた姫がいた。父親である皇帝には関心を持たれず、少しの使用人と母親と共に育ってきた。
幼少の頃からの虐待により、感情を表に出せなくなった姫は、5歳になった時に母親が亡くなった。そんな時、皇帝が姫を迎えに来た。
※すみません、完全にファンタジーになりそうなので、ファンタジーにしますね。
※皇帝のミドルネームを、イント→レントに変えます。(第一皇妃のミドルネームと被りそうなので)
そして、レンド→レクトに変えます。(皇帝のミドルネームと似てしまうため)変わってないよというところがあれば教えてください。
【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?
みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。
ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる
色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く
追放された聖女の悠々自適な側室ライフ
白雪の雫
ファンタジー
「聖女ともあろう者が、嫉妬に狂って我が愛しのジュリエッタを虐めるとは!貴様の所業は畜生以外の何者でもない!お前との婚約を破棄した上で国外追放とする!!」
平民でありながらゴーストやレイスだけではなくリッチを一瞬で倒したり、どんな重傷も完治してしまうマルガレーテは、幼い頃に両親と引き離され聖女として教会に引き取られていた。
そんな彼女の魔力に目を付けた女教皇と国王夫妻はマルガレーテを国に縛り付ける為、王太子であるレオナルドの婚約者に据えて、「お妃教育をこなせ」「愚民どもより我等の病を治療しろ」「瘴気を祓え」「不死王を倒せ」という風にマルガレーテをこき使っていた。
そんなある日、レオナルドは居並ぶ貴族達の前で公爵令嬢のジュリエッタ(バスト100cm以上の爆乳・KかLカップ)を妃に迎え、マルガレーテに国外追放という死刑に等しい宣言をしてしまう。
「王太子殿下の仰せに従います」
(やっと・・・アホ共から解放される。私がやっていた事が若作りのヒステリー婆・・・ではなく女教皇と何の力もない修道女共に出来る訳ないのにね~。まぁ、この国がどうなってしまっても私には関係ないからどうでもいいや)
表面は淑女の仮面を被ってレオナルドの宣言を受け入れたマルガレーテは、さっさと国を出て行く。
今までの鬱憤を晴らすかのように、着の身着のままの旅をしているマルガレーテは、故郷である幻惑の樹海へと戻っている途中で【宮女狩り】というものに遭遇してしまい、大国の後宮へと入れられてしまった。
マルガレーテが悠々自適な側室ライフを楽しんでいる頃
聖女がいなくなった王国と教会は滅亡への道を辿っていた。
貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた
佐藤醤油
ファンタジー
貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。
僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。
魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。
言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。
この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。
小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。
------------------------------------------------------------------
お知らせ
「転生者はめぐりあう」 始めました。
------------------------------------------------------------------
注意
作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。
感想は受け付けていません。
誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。
《勘違い》で婚約破棄された令嬢は失意のうちに自殺しました。
友坂 悠
ファンタジー
「婚約を考え直そう」
貴族院の卒業パーティーの会場で、婚約者フリードよりそう告げられたエルザ。
「それは、婚約を破棄されるとそういうことなのでしょうか?」
耳を疑いそう聞き返すも、
「君も、その方が良いのだろう?」
苦虫を噛み潰すように、そう吐き出すフリードに。
全てに絶望し、失意のうちに自死を選ぶエルザ。
絶景と評判の観光地でありながら、自殺の名所としても知られる断崖絶壁から飛び降りた彼女。
だったのですが。
【本編完結】さようなら、そしてどうかお幸せに ~彼女の選んだ決断
Hinaki
ファンタジー
16歳の侯爵令嬢エルネスティーネには結婚目前に控えた婚約者がいる。
23歳の公爵家当主ジークヴァルト。
年上の婚約者には気付けば幼いエルネスティーネよりも年齢も近く、彼女よりも女性らしい色香を纏った女友達が常にジークヴァルトの傍にいた。
ただの女友達だと彼は言う。
だが偶然エルネスティーネは知ってしまった。
彼らが友人ではなく想い合う関係である事を……。
また政略目的で結ばれたエルネスティーネを疎ましく思っていると、ジークヴァルトは恋人へ告げていた。
エルネスティーネとジークヴァルトの婚姻は王命。
覆す事は出来ない。
溝が深まりつつも結婚二日前に侯爵邸へ呼び出されたエルネスティーネ。
そこで彼女は彼の私室……寝室より聞こえてくるのは悍ましい獣にも似た二人の声。
二人がいた場所は二日後には夫婦となるであろうエルネスティーネとジークヴァルトの為の寝室。
これ見よがしに少し開け放たれた扉より垣間見える寝台で絡み合う二人の姿と勝ち誇る彼女の艶笑。
エルネスティーネは限界だった。
一晩悩んだ結果彼女の選んだ道は翌日愛するジークヴァルトへ晴れやかな笑顔で挨拶すると共にバルコニーより身を投げる事。
初めて愛した男を憎らしく思う以上に彼を心から愛していた。
だから愛する男の前で死を選ぶ。
永遠に私を忘れないで、でも愛する貴方には幸せになって欲しい。
矛盾した想いを抱え彼女は今――――。
長い間スランプ状態でしたが自分の中の性と生、人間と神、ずっと前からもやもやしていたものが一応の答えを導き出し、この物語を始める事にしました。
センシティブな所へ触れるかもしれません。
これはあくまで私の考え、思想なのでそこの所はどうかご容赦して下さいませ。
私がいなくなった部屋を見て、あなた様はその心に何を思われるのでしょうね…?
新野乃花(大舟)
恋愛
貴族であるファーラ伯爵との婚約を結んでいたセイラ。しかし伯爵はセイラの事をほったらかしにして、幼馴染であるレリアの方にばかり愛情をかけていた。それは溺愛と呼んでもいいほどのもので、そんな行動の果てにファーラ伯爵は婚約破棄まで持ち出してしまう。しかしそれと時を同じくして、セイラはその姿を伯爵の前からこつぜんと消してしまう。弱気なセイラが自分に逆らう事など絶対に無いと思い上がっていた伯爵は、誰もいなくなってしまったセイラの部屋を見て…。
※カクヨム、小説家になろうにも投稿しています!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。
印象的な伏線と、感動的な伏線回収が素晴らしい!
ストーリー展開も、有象無象のアニメの様な後半はひたすらに悶々が続くような事が無く、キャラが立ったままなのが良い。
思わず続きは〇ク〇厶での常套句を探してしまった。
感想どうもありがとうございます!久しぶりに感想頂いたーと思ったら、すごく評価頂いていて、とても嬉しいです!
1ページ目の「魔王じゃぞ?魔王じゃぞ?」が可愛くて、早々に胸を撃ち抜かれました。
もう3票を使ってしまったのが悔やまれます。
もっと早くこの作品に出会えていたら〈投票する〉をポチッしたのに……くぅ。
感想ありがとうございます!投票したかったと言ってくださったお気持ちだけで、自分にとっては十二分です!嬉しいです!!
我は魔王ではないが、愉快な話であるな。
応援しておるので、日々精進に励めよ。
嘘です。大ファンです。頑張ってください。
感想ありがとうございます!思わず、笑ってしまいました笑。ファンだと言っていただいてとても嬉しいです。今後とも応援お願いいたします!