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第4章 少年期〜青年期 学園3学年〜卒業編
9話 原因と影響、影響の効果
しおりを挟む夜月:『・・・よし、落ち着いたな・・・、じゃあ、その“神力“の制御方法を今から教えるぞ・・・』
「「「「「へっ!?」」」」」
夜月の発言に全員がびっくり・・・・・
最近の寝不足の原因を探った結果、何故か再び“神力“を身に纏うことになってしまった僕はパニック、そして“神力“の自分意外にもたらす影響にさらに大パニック、母様はそんな大パニック状態の僕を宥める為に、自分の身体に出る影響などお構い無しに、僕を抱きしめて落ち着かせてくれた。やっとパニックが治り落ち着いた僕に、上記のように夜月がそう言い放ちそれを聞いた全員が今度は驚いた。
「せ、制御方法があるの!?」
そんなの聞いてないとばかりの僕の言い方に・・・
夜月:『無いとは言ってないぞ・・・』
と、ジト目で僕を見てくる夜月。
「・・・あ、確かに・・・・」
(夜月は僕にそれを教えようとしてたんだね。・・・それなのにあれだけ騒いで恥ずかしすぎる(//∇//)も、申し訳ねぇ・・・)
そう言えば、パニックになっていた僕を落ち着かせようとしてたな、と、思い出してちょっと恥ずかしくなってきて、反省・・・
天華:『アトリーは先程まで混乱してましたからね。お母君が落ち着かせてくださって助かりました』
「むぅ・・・・」
(そんな言い方だと、僕が人の話を聞かないお馬鹿さんみたいじゃないですかぁ(´ε` ))
「・・・ん?あれ?前は事前にそんなものがあるって聞いてないよ?今からその制御方法を試してできるものなの?」
天華に揶揄われている感じがして少し膨れていると、ふと、以前“神力“を纏った時の事を思い出した。
ジュール:『できるよ、あの時アトリーはちゃんと“神力“を扱えてたから』
「ジュール?それはどういう事?でも僕は実際、最終的には“神力“を暴走させていたでしょ?」
天華:『アトリー、それは違います。普通は神々の力である“神力“を貸し与えられた瞬間に、慣れない力を制御できずに暴走させる事はあっても、“神力“を解放した後に力を抑える事ができずに暴走することは無いですよ』
「ん、ん?力の出力が最大になったから制御できなくなったんじゃないの?」
夜月:『アトリー、神々から人に貸し与えられる“神力“は限られている。アトリーがあの時、神々から貸し与えられた“神力“はあの時アトリーの身体の負担を考えて、あの邪神をこの世界から追い出せるギリギリの量を渡されていた。
なのに“神力解放状態“をあれだけ維持できたのは普通じゃなかったんだ、貸し与えられアトリーの力として使った“神力“は消費されると、神の奇跡の力ではなく、ただのマナ、魔素などの自然の力となり、この世界に散らばり栄養分になって世界の自然が活性化させる。そして活性化された自然の力がまた巡り巡って神々の“神力“となるんだ。
だから人の体内に残る“神力“は減っていって、放出される“神力“の勢いは衰えていくものだ。けどあの時のアトリーにはそんな症状は出ていなかった。
・・・あの時は神々も事が混み合っていたことで原因の究明ができず理由は分からなかったが、ついさっき神々も今回のことでその理由が判明し、それが今の“神力解放“にも繋がったようだと仰っている』
「・・・え?僕が“神力“を暴走させた理由が?今回の“神力“の解放に関係あるの?」
ジュール達の言い方では以前の僕の“神力“を制御する能力には問題がなかったかの様な言い方だったが、僕自身は制御ができずに寝込んだ思い出しかなかったのでその言葉に疑問を持った。だが夜月の最後の説明では普通、借りた“神力“は消費していき最後には勢いがなくなるものらしい。なのに勢いがおさまるどころか、“神力解放“の勢いを持った状態をずっと保っていた事が今回の“神力解放“の原因?だと、ティーナちゃん達は推察したらしい・・・・
天華:『アトリー、今回の“神力の解放“それは言葉のまま、“貴方の神力の解放“なのです』
「「「「「・・・・・!!??」」」」」
父様「“アトリーの神力“!?」
母様「な、何て事なの・・・」
「・・・・僕の??・・・・」
家族全員が騒然とし驚く中で、僕はイマイチ理解がいかず、(いや、多分、この時は思考が理解するのを拒否したのだろう。)首を傾げていると・・・
ジュール:『アトリー、その今、アトリーから出てる“神力“は誰からの借り物じゃなくて、アトリー自身が創り出した“神力“なんだよ。それがさっきの瞑想で解放されたんだって・・・』
「・・・僕が創り出した“神力“?・・・・っ!・・・そ、そんな、僕は神様じゃないのに!?」
夜月:『アトリー、落ち着け、必ずしも神々だけが“神力“を持っている訳ではない。現世の人の中にも自力で“神力“を発現させた例はある。“神力の発現“の経緯は数多あるが、今回のアトリーの場合は一回だけとは言え、主神様の“神力“を貸し与えられた事で、元々神々との相性がいい魂を持つアトリーの体質と魔力が“神力“に触発され変質し、時間をかけて身体に馴染み今回の瞑想で一気に“神力“を解放させたのだろう。
・・・だから、アトリー、その“神力“は元々お前の魔力だったもの、その“神力“をアトリーが制御できないはずはない』
「えっ!この“神力“が元は僕の魔力?・・・魔力が“神力“にどうやってなるの?」
夜月:『そうだな、簡単に説明すると、先程、魔力を何かに吸われる感覚があっただろう?その何かは魔力を“神力“に変換する体内にある機関、目に見えない臓器のようなものだ、最初はその内部機関がアトリーの中で完璧に生成されるまで、最低限の魔力や魔素を外部から毎日得ていたようだが、数ヶ月前に内部機関、・・・そうだな、“魔力を神力に変換し創り出す機関“、名称を“神創機関《シンソウキカン》“とでも呼ぶか、その“神創機関“の種のような物があの事件の際にできて、主神様から貸し与えて頂いた“神力“を暴走させていたと思われる。
そして、ここ数ヶ月前に“神創機関“は完全に成長し生成が完了していたようだが、アトリーは気付いていなかった、いや私達でさえその種ができたことすら気づかなかった、通常なら生成が完了すると同時に、“神創機関“を持っている本人から魔力を得て、“神力“に変換をするはずだったが、アトリーの完璧な魔力操作で魔力を得ることのできなかった“神創機関“は枯渇状態だったんだろう、アトリーが夢見が悪く寝不足だったのは、この“神創機関“がアトリーの魔力“を得ようともがいていた事で精神的な負荷が掛かったのではないかというのが神々の見解だ・・・』
「そ、そうなんだ・・・」
(え、じゃあ、もしかして三年前からの度々あった夢見の悪い寝不足の日も、その“神創機関“の生成に必要な魔力や魔素不足のせいだったのか?( ̄▽ ̄))
天華『…その可能性は大いにあります』
(そっかー(*´Д`*))
そんな憶測を立てている間も夜月による“僕の神力“についての説明は続いていた。
夜月:『・・それが今日、寝不足の原因であるこの“機関“の正体を探るために、アトリーは瞑想しながら魔力で探った事で、やっと魔力と接触できた“機関“が過剰にアトリーの魔力を吸い上げた、その急に得た魔力を“神力“に変換し吹き出た状態が、今の“神力解放“の状態になっているんだろう、だから、アトリーがちゃんと“神力“に意識を向けて、“制御する“といった意志を持てば簡単に制御できるはずだぞ』
「う、うん、分かった、やってみる・・・・」
夜月の言った通り、目を閉じて、今、自分から吹き出している“神力“に意識を向けた。
(・・・・何か懐かしいような、優しい温かな感じがする・・・ずっと昔から一緒だった掛け替えのない何か、その力の使い方を熟知してるそんな感覚・・・)
そんな感覚を感じながら、魔力の放出を抑える要領で“自分の神力“を少しずつ内側に収めていくと、次第に身体から吹き出していた光が収まり、通常通りに戻った。
「ふぅ・・・・なんか、眠くなってきちゃった・・・」ぐしぐしっ
母様「アトリー、大丈夫?」
驚き疲れたのか、神力の放出が収まって案したのかは分からないけど、急な眠気に目を瞬かせ擦ると、僕を抱きしめていた母様が心配して僕の頭や背中を撫でる。
「うぅ~、だいじょうぶです・・・」
夜月:『急な“神力“の解放で疲れたのだろう、アトリー、そのまま寝るといい・・・』
「う~ぅ、ねむたいけど、ききたいことが、ある、・・・』
天華:『それは後でもできますから、今は寝た方がいいですよ。私達はいつでもアトリーの質問に答えますから、ね?』
ジュール:『また後でねアトリー、今はお休みなさいだよ』
「うぅ~~、・・・う、ん、じゃあ、またあとで・・・・」すぅ~~~
母様に撫でられて、ジュール達や他の家族にも寝るように促され、眠気の限界が来た僕はそのまま母様の腕の中で寝落ち、その後は夢も見ないまま夕食の時間まで眠り続けていた・・・・
・・・アトリーが寝てしまったあと・・・・
神獣:夜月 視点
「うぅ~~、・・・う、ん、じゃあ、またあとで・・・・」すぅ~~~
:『寝たな・・・』
ジュール:『寝たねぇ・・・』
天華:『寝ましたね、限界だったんでしょう』
:『だろうな、・・・お母君、そう心配するな、今回は以前よりそう長く寝込みはしない、そのうちすぐに目を覚ます』
アトリー母「!、・・・ほっ、そう、ですか、良かったです・・・・」
アトリーの母親であるシトリスは私の言葉に、先程まで心配した表情を崩し、安心した様子で抱き込んでいた自分の息子のアトリーを、そっと寝台に横たわらせた。
天華:『それより、お母君は体調に変化はありませんか?』
アトリー父「あ!そうだ、シリー、気分が悪いとかないかい?」
アトリー1番上の姉「そうですわ、お母様、平気ですか!?お母様に何かあったらアトリーが悲しみますわ!」
アトリー2番目の姉「そうです!あまり無茶をなさらないで!」
アトリー母「大丈夫、どこも異変はないわ、気分も悪いと言う事もないし・・・心配かけてごめんねさいね・・・でも、何故か肌艶が良くなったような??」
天華の問いかけに次々家族が心配し出したが、アトリーの母シトリスは不思議そうに自身の手を見て首を傾げた。
:『ふむ、・・・これは“神力“の活性化がうまく作用した結果だろう、アトリーもお母君を傷つけてくなくて無意識に力を調整していた可能性もある・・・』
(元々、年齢以上に若く見えるお母君の細胞を活性化させたのだ、変化は分かりづらいか・・・)
そう言うとアトリーの家族は安心した様子を見せ、表情を明るくした。そうほっとした後、アトリーの父親であるアイオラトが真剣な表情で私達を見た。
アトリー父「聖獣様方、この後少々お話をお聞きして宜しいでしょうか?」
:『あぁ、良いだろう、色々と聞きたいこともあるだろうからな・・・・』
(さっきはアトリーの“神力“を落ち着かせるために色々と説明を省いた部分があるからな、アトリーの父親として聞きたいことは山ほどあるだろう・・・特に、“神創機関“、書いて字のまま“神“をも創り出す可能性がある機関だからな、アトリーの今後を考えると知っておかねばいけない項目だろう・・・)
そうして、その後はソルとアトリーの専属達、それに私達神獣の中からはジュールをアトリーの部屋に残して、別の場所での話し合いとなった。
(アトリーの家族とは言え、話せる範囲はそう広くないからな、すぐに終わるだろう・・・)
そう思いながら部屋を後にして、その日はアトリーが目を覚ます前に私と天華は話し合いを終えたのだった・・・・・
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