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第4章 少年期〜青年期 学園3学年〜卒業編
7話 エルフとは・・・
しおりを挟むどうも~!僕です!他種族の王族達との色々な要件の話し合いが終わった後、時間一杯までたわいも無い会話をして、意外と良い子達だったので今後は普通に交流が持てると良いなと思う僕です。
(それに、仲良くなっていつかは彼らの国にただの冒険者として尋ねて見たいしね、仲良くなっといて損はないだろう。(*゚∀゚*))
そんな打算的な考えもしつつ、今日はもう帰る時間になった。
エルフ王女「今日はお話を聞いていただき、本当にありがとうございました。おかげで色々なことが分かり有意義な時間を過ごせました。ではまた明日」
「はい、また明日学園で・・・」
ダークエルフ王子「今後も同級生として交流させてください」
鬼族王子「良ければ、私も交流を持たせてください」
「えぇ、ぜひ、宜しくお願いします」
と、最後は今後のお付き合いの約束をして、この日は解散することに、にこやかに会話をしながら部屋の扉を開けると、そこには外に追い出された側近エルフ達とイネオス達が睨み合っていた・・・
(おう?君達なんで睨み合ってんの?(*´Д`*)?)
「イネオス?どうしたの?今日はまだ帰ってなかったんだ?」
イネオス「あ、アトリー様、先程帰ろうとしたら、馬車降車場の所でデューキス公爵家の馬車がアトリー様をお待ちのようでしたので、一応、急な予定があって遅れていると説明はしましたが、念のためお知らせまでにこちらに来ました」
「あ、そうなんだ、時間もいつもより結構たってるからね、オーリー達を待たせちゃったか・・・、知らせてくれてありがとう。皆んな」
(あ、そうだ急に話し合いが入って家に知らせてなかったから、いつも通りの時間に迎えがきたのか・・・そうなるとオーリー達は結構待ってたんじゃないか?申し訳なぇな(*´Д`*))
ソル「すみません、一応、お屋敷の方に知らせるように頼んではいたんですが、行き違いになったようですね。説明してくれてありがとうございます」
(あらら?ちゃんと知らせてたんだ、行き違いか・・・それはそれで申し訳ねぇ・・・(。-∀-))
急な予定でお迎えの馬車の時間を遅らせるのを忘れていた僕に、イネオス達が気づいてオーリー達に説明をしてくれて、その上で僕にもその事を知らせるためにここまで来てくれていたみたいだ、その事を感謝すると共にオーリー達を待たせてしまった事を申し訳なく思っていると、ソルがちゃんと知らせを送っていたようだが行き違いがあった見たいで苦笑いした。僕達が和やかに会話している最中でも何が気に食わないのか、側近エルフ達は僕やイネオス達を睨みつけてくる。それを僕達は完璧に無視して話を続ける。
ヘティ「いいえ、私達もちょっとした用でこの時間までいましたから、丁度よかったですわ」
ベイサン「あぁ、ついでですから気にしないでください」
「そうなんだ、じゃあ皆んなも今から帰るんだね?一緒に帰ろうか?」
イネオス「良いのですか?」
後ろにいた王族達をチラッと見てそう聞いてくるイネオスに、笑顔でもう話は終わったからと言って、後ろを振り返り王族3人に別れの挨拶をすると・・・
側近エルフ1「!良いのですか!?姫殿下!?このまま返して!」
側近エルフ2「そうです、中であったことの話は聞きましたが彼をそのまま放置するのは危険では!?」
と、急に僕を引き止めるような事を言い出した。
(あー、僕の精霊に好かれる体質を利用したかったのかな?(。-∀-))
春雷『もしかしたら、アトリー様と王女を結婚させて、自国に取り込むつもりかもしれませんよ?』
(えー、それは無理でしょう?(*´Д`*))
エルフ王女「良い加減にしなさい!!」
「「「!!っ」」」
エルフ王女「あなた達はまだ何にも理解できてないのですね?あなた達の様な態度の人達がいくら引き留めようともデューキス様は頷かないでしょう。それにデューキス様は元々、誰の指示も聞く必要はないのです。この国の王でも、聖教国の教皇でも、我が国の女王でも、精霊達ですらも、誰の指図も受けはしないのです。いや受ける必要もない。この方に唯一影響を与えることができるのはこの世界の神々だけで、この方が自分達の思い通りになることなどないのです。そう何度も聞かされてきたではないですか・・・それに力で従わせようなどとした時は、デューキス様の前ではあなた達の誰もが精霊の力を借りる事もできず、反対に精霊達から契約を打ち切られるはずです。「「「!?」」」私は今回のことでちゃんとそのことが理解できました。なのにあなた達はいつまで自分達が有能だと勘違いをしたままでいるつもりです?あまりにも行動が目に余るようならば、あなた達だけでも帰国させますよ?」
「「「っ!!?」」」「そ、そんな・・・」「そんな事、不可能なはずだ・・・」「有り得ない、でも・・・あの状況を・・・」
王女の言葉は精霊に関して、自分が優位だと思って疑っていなかった側近エルフの、高く伸びたプライドと言う名の鼻っ柱をポッキリおったようだ。
(アララー、カワイソウニに・・・・(*´ー`*))
天華『全然、可哀想なんて思ってないでしょう?』
(ン?ナンノコトカナ?( ̄∇ ̄))
念話で天華と漫才をしている間に側近エルフ達の話は、先程まで睨み合っていたイネオス達の話になっていた。どうやら彼らは僕への鬱憤をイネオス達で解消しようと標的を変えたようだ・・・・
側近エルフ1「っ、姫殿下がこの方への敬意を示す理由は理解しました。ですがっ、そんな敬うべきお方に対して、この者達は気軽に声をかけているのは納得いきません!」
側近エルフ2「そうです!姫殿下がデューキス殿と話をしていると言っているのに、無礼にも部屋に入らせろと言って来たのですよ!」
ベイサン「はぁ、・・・無理やり入らせろとは言わなかったじゃないか、扉の前でお伺いを立てさせてくれと言っただけで・・・」
側近エルフ2「!、それが無礼だと言ったのだ!お前達のような精霊を見ることができない“下賤な人族達“が姫殿下の話し合いを中断させるなどあってはならない!!」
「あ“?」ゆらっ
(今、こいつなんて言った?)ニコッ
「「「「「!!」」」」」
この側近エルフは僕の前で言ってはならない事を言った。僕は自分がどれだけ貶されても気にはしないが、僕の家族や友人達を貶されるのは我慢がならない。
イネオス「アトリー様、落ち着いてください、ここは僕に任せて頂けますか?」
「・・・わかった・・・」
「「「「「ほっ・・・」」」」」
僕の怒りに暴言を吐いた側近エルフ達以外の全員が気づき、顔色を青ざめさせていたが、僕はその怒りをすぐに笑顔で隠し、目の前でイネオス達を貶した側近エルフに向かって魔力威圧を放とうとした。そこに、イネオスが冷静に待ったをかけて、自分に任せてほしいと言うので僕は少し考えて、イネオスに対処を任せた。僕が引き下がったのを見た全員が安心したように息を吐いた。
イネオス「王女殿下、これからこの方達に少々無礼な物言いをするかも知れませんが、よろしいでしょうか?」
エルフ王女「えっ、…えぇ、構いませんわ」
イネオス「ありがとうございます」にこっ
側近エルフ達「「「なに!?」」」「姫殿下、この者達に無礼をお許しになるのですか!?」「お前が私達に意見をするだと!?」「低俗な人族が私達に楯突くなどあってはならない!」
イネオス「あなた方、うるさいですよ。ここは様々な立場や種族の方達が通う学園の公共の場なのです。もっと静かに喋れないのですか?」
側近エルフ達「「「なっ!!」」」
イネオス「それとも、あなた方エルフ族は公共の場で騒ぎ立てるのが常識なのでしょうか?そうなると僕達はその常識に賛同できそうに無いですね」
側近エルフ1「何を次々と出鱈目なことをっ」
イネオス「おや、静かに話すことができたんですね?では、そのままでお話しください、あなた方は今、私達が精霊が見えないから“下賤で低俗“なのだと言いましたが、あなた方の仰り様だと精霊が見えれば誰でも高貴な存在として認識している、それをエルフ族の全ての方々がそう言う認識でいると言うことでよろしいですか?そうなると、この国の王でも精霊が見えないから“低俗、下賤“だと、そちらの王族の方々もそう思っておられるのですか?」
「「「「「!!?」」」」」
側近エルフ3「な、そんなことは言ってないっ」
ベイサン「いや、今そう言っていただろう?“精霊を見ることができない下賤な人族達“って、そう言って“精霊が見えない人族を一括りに下賤で低俗“だと・・・」
側近エルフ達「「「っ!」」」
ヘティ「あら?自分が仰った言葉をお忘れになられたのかしら?ですが、すでに仰った言葉は取り消せないのですよ?」
(わぁー、失言の撤回すらさせない気だ。( ・∇・)・・・しかも、今回は上司である王女殿下から言質を取った上でわざと慇懃無礼な態度を取ってる・・・)
と、ここ数年で培った撃退法が炸裂。イネオス達は僕と長く付き合っていく上で起こる、この手のトラブルの対処のやり方が年々秀逸になって来ていた・・・
(もう、最近じゃ僕が怒る前に自分達を貶そうとする輩を黙らせてるもんな、それぐらいイネオス達が成長して強くなってる、僕は皆んなが順調に育っていて嬉しいよ( ´∀`))
天華『全く、相変わらず、どこ目線のセリフですか?イネオス君達はアトリーが怒ると国際問題的に後始末が大変になるから、自分達で対処できるようになったんでしょう?』
(そうとも言う・・・d( ̄  ̄))
天華『でもまぁ、ただ後始末の問題だけで対処できる様になったんじゃなくて、今までいつもアトリーに守られているだけだったことが許せなくて、自分達で解決できる様になりたいと言った気持ちが強かったんでしょうね。以前のようにアトリーに守られているだけでも良かったはずですが、それをアトリーの友人として良しとせず努力して対処しようと思ってくれたことには、私は賞賛を贈りたいですが・・・・』
(ムフフフッ♪常に僕と対等な友人として居たいって思ってくれるイネオス達は僕の自慢の友達だよ!!( ^∀^)ドヤァ)
『『『はいはい、ドヤ顔しない』』』
僕が念話で天華達に向かってドヤっていると、イネオス達に言い訳すらも封殺されてしまった側近エルフ達は、真っ赤な顔でイネオス達を睨んで・・・
側近エルフ3「これだから、無知なくせに口だけは達者な人族は自分の立場をわきまえない・・・」
とぼやく事しかできないでいた。
「無知ね・・・あなた達が自国ではどう言った立場の家の出身かは分かりませんが、この国の学園に入学するにあたって、全ての生徒は身分も種族も問わず平等に扱うものとする、と決められています。その人種差別的な発言は、自分達は良識が欠けた学園の規約も理解できない、低脳な愚か者だと公言してるようなものです。それにその発言が自国と自国の姫君の顔に泥を塗っているのですよ?「「「!?」」」あなた達は自分達の言動が、他者からどう捉えられているか、本当に理解できていますか?ここはエルフ族だけがいる自国では無いですよ?あなた達の常識は通用しない他国です。あなた達は自国の看板を背負ってこの学園に来たのではないですか?」
(もっと良い方向でエルフの素晴らしさをアピールするならまだしも、他種族を貶す事で自分の種族の有能性を誇示する事しかできないなんて、異世界の定番の知的で誇り高いエルフとは程遠いよ、それにあれだけこの国の貴族子息子女に人種差別的な言葉を言い切ってたって事は、彼らはこの事で国際問題でも起こして戦争にでもしたかったのか?それともただの知識のないお馬鹿さん?(*´ー`*)・・・あ、ただのお馬鹿さんだった場合は、僕の中のエルフの知的なイメージが台無しなんだけどね・・・それはそれで嫌だなぁ・・・(*´Д`*)エルフの王女様はまともそうなのになぁ・・・)
側近エルフ達「「「くっ!!」」」
自分がイメージしていたエルフ像とは違った彼らに、僕は勝手に期待して勝手に落胆しているのは自覚している、だが、そうは言ってもこの世界のエルフ達はこの国や他の国でも自分達は魔力が多く魔法に精通し、精霊と契約、対話することで、どの種族よりもこの世界の自然の摂理に1番詳しい知識者だと豪語していたらしいから、あながち僕の持っていたエルフ像とはかけ離れている訳ではない。
そんな尊敬できるはずだった僕の知的で誇り高いエルフ像をぶち壊してくれた、側近エルフ達、いや、残念エルフ達はやっと自分達がして来たことが恥ずかしいことだったのか理解したのか、今は俯いて絶望したような表情をしていた。
「自分の種族に誇りを持つことはいいことですが、それを盾に多種族、他者を貶したり下に見るのは、自分自身や自分の種族も同時に貶して他者からの評価を落としているものなんだと、知ってください」
「「「「「!!」」」」」
僕の言葉でハッと気付かされた様な表情をしたのは残念エルフ達だけではなく、この場で事態を見守っていた他の種族の王族やその側近達もいた、彼らは自分達が無意識にでも多種族を下に見ていたことに、今気づいたと思っているならいいなと思いながら僕はその場を去る事にした。
「さて、色々言いましたが最後に、この学園にいる間は様々な種族の人達との交流を強くお勧めします。まぁ無理に実行しろとは言いませんが、少しでも興味があるなら自分から少しでも歩み寄ることも大事ですよ。僕は将来的には世界を旅して回りたいと思っていますから、どの種族の方達とも等しく御付き合いしていくつもりですし・・・では、そろそろ迎えの者達が心配するといけないので失礼させていただきますね」
と、言うだけ言って、向こうの人達の返事を待たずにソルやイネオス達を連れて歩き出した。
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