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第4章 少年期〜青年期 学園3学年〜卒業編
2話 成長してるねぇ
しおりを挟む距離感のバグった皇子様と王女様を上手く?教室に送り出して、自分の教室にたどり着いた僕は、いつも通り教室の中央、1番後ろの席へとたくさんの人の視線を感じながら移動、そこでいつも僕達よりだいぶ早く教室に来ているロシュ君に挨拶。
「やぁロシュ君、おはよう」
ソル「ロシュ、おはよう」
ロシュ君「あ、おはようございます。アトリー様、ソル君」
いつも通り優しい笑顔で挨拶を返してくれるロシュ君、ここ最近メキメキと身長が伸びてきて、ついこの間の春の身体測定時に僕の身長を越されてしまった・・・
そのことで僕は地味にショックを受けてしばらく僕は落ち込みました。今はもう立ち直ったのですがたまに隣に立たれると少し劣等感が湧きます。だが、僕も、それなりに身長は伸びてはいるんです。同じように春の身体測定で身長を測ったときは158センチになってた。てか、前世での身長を軽く越しました。なので、今はこれで満足しています・・・・多分・・・そして、ソルは何故か165センチ、いくらこの国の人が西洋系の人種と似てるからって“でかくなり過ぎやろ!“って心の中で叫びましたよ。はい・・・
(くっ、1番チビになってしまった・・・・くそっ!皆んな僕に身長を寄越せぇっ!!( *`ω´))
*ついでにロシュ君は159センチ・・・1センチは誤差だと思いたい・・・でもヘティは161センチ・・・・くっ!(T ^ T)
そんな事を思いながら立って話をするロシュ君とソルを見比べてため息を吐いた。
(まぁ、ベイサンはまた1番上だったんだよなぁ・・・・)
夜月『確か、167センチだったか?』
(うん、でもさ、驚いたのはイネオスだよ!166センチだって、前までは僕とソルの間をうろうろしてたのに、急にソルの身長まで抜いてたんだよね!成長期の男子って恐ろしい・・・(-᷅_-᷄๑))
夜月『まぁ、アトリーもその内グンッと伸びる時期がくるさ・・・』
(そうだといいなぁ( ̄∇ ̄))
夜月から軽い慰めをもらいつつ、いつもの指定席に座った、少しするとさっきまで話題に上がっていたイネオス達が教室に入ってきた。
「イネオス、ベイサン、ヘティ、おはよう、今日は少し遅かったね、何かあったの?」
イネオス達「「「アトリー様、おはようございます」」」
以前ならクラスが違う3人と廊下で軽い会話をして、それぞれの教室に向かっていたのだが、今学年から3人は学力が上がり僕達と同じAクラスに入ったので、教室でも一緒に過ごせるようになった。以前から、皆んなと同じ教室で授業を受けたいねって話していたので、その夢を叶えるために3人は凄く努力してAクラスに入れる学力をこの約2年間でつけたのだ。そんな彼らが教室に入ってくるのを僕が見つけて、朝の挨拶をするとソルやロシュ君達も互いに挨拶を交わした。すると少し疲れた様子のイネオスが今日遅れてきた理由を話してくれた。*この時に例の3人組も教室に入って来ていた・・・
イネオス「それが、僕は直接見てないかったんですが、学園に来る道中で数台まえの馬車が故障で急停止したところに、後ろを走っていた馬車が避け損ねて追突したようで、その後に他の馬車を数台を巻き込んでしまったそうで大事故になってたんです。おかげで道をしばし塞がれてしまってましたので着くのが少々遅れてしまいました」
ソル「しかしそれは災難だったね、それで、君達の馬車には平気だったか?」
イネオス「あぁ、僕達の馬車はそんなに速度を出してなかったし、余裕を持って止まれたみたいだからね、巻き込まれずに済んだよ、ただ、道を塞いでしまった馬車の撤去に時間がかかってね、おかげで時間ギリギリに着いてしまったんだ」
「そうだったんだ、大変だったね、でも皆んなに怪我なくてよかった」ほっ
ベイサン「怪我はないですけど、その馬車を退けるのに苦労しましたよ。時間に余裕を持って屋敷を出ていたとはいえ、事故の処理の為の衛兵隊を呼んでそれから馬車を退けるなんて、そんなに悠長に待てる時間もなかったんで、うちの使用人が他の馬車が通れるようにする手伝いを申し出たんですが、何故か一台の馬車の持ち主が壊れた自分の馬車を動かすのを渋りまして、そこで少し揉めたのでこんな時間になりましたよ・・・」
(ありゃりゃ、馬車の巻き込み事故に遭遇したんだね?それにしても・・・)
ロシュ君「?変ですね?早くどかして貰った方が他の方の迷惑にならなくて済むのに・・・」
「それは確かに変だね?何処の通りであった事故か分からないけど、後から来る馬車の人達と揉める前に動かしたほうが良いはずだよね?そのままにしておくとドンドン馬車が溜まってきて渋滞するし、揉めて喧嘩になるのがわかりそうなものなのに、何か都合の悪いものでも載せてたのかな?」
ヘティ「どうでしょう?私達は馬車一台分が通れるように手を貸して、すぐにそこを離れましたから、それに馬車が通れる頃には衛兵隊の方々が来られてましたので、その場は衛兵さんにお任せして最後まで事故処理を見ていませんの。それと、事故が起こったのは貴族街を出て、学園に向かう方向の北の大通りを走っていた時です。馬車を動かすのに渋っていた持ち主は商人の方のようでしたわ。事故に巻き込まれて壊れた馬車もよく見る、荷馬車のような形をしてましたし・・・」
「ふーん、なんか怪しいね、もし何か法に触れるものを運搬中だったなら今回の事故の件で何か発覚したかもね?まぁ、けど、イネオス達が事故に巻き込まれなくて本当に良かったよ」
今日の遅刻ギリギリとまではいかないが、学園に来るのが遅くなった理由が、馬車の故障事故に遭遇したのが理由だったらしい。でも、今日のような馬車の故障事故はそう珍しい物ではない、だが朝の通勤ラッシュの大通りで起きたことで少し大事になったようだ。イネオス達が乗っていた馬車が事故に巻き込まれなかったのは良かったが、ベイサン達が言っていた怪しい商人はそのうち捕まるかもなと思いつつ、そのあとは気に留めることもなく、他の話題を話だし、いつの間にかその事を忘れていた・・・・
そうして、軽く話している内にチャイムがなり、教室に担任の先生が入ってきた。
担任教師「全員着席!出席をとる!」
ちょっと神経質そうな感じで皆んなに着席を促したのは、3学年に入ってから新しく担任になった背が高く細身の男性教員、名前は“アオマン・ノブル・ダスカロイ“先生、ダスカロイ子爵家は学問の分野で有名で、ダスカロイ家の血筋は学校の教員や家庭教師になっている人がほとんどだそうだ。僕の上の兄弟の家庭教師の人の中にもこの一族の先生がいたそうで、教育や学問に関しては信頼の高い一族だ。だが先生は入婿だそうで、奥さんがダスカロイ子爵家の当主らしい、そのせいか結婚前の家の爵位に未練があるらしく、事あるごとに実家が伯爵位だと言って爵位を傘にきた行動が目立つ、少々態度が偉そうな人だ。まぁ、このクラスに大半は高位貴族が大半だし、何なら他国の王族が多いのでそんな威圧的な態度はこの教室ではしない、たまに僕の友人であるソルやイネオス達を忌々しそうに見ている時がある、でも、今の所、友人達にはこれと言った嫌がらせはしていないようなので、今は放置している。
そして、出席を取り終わると、次は今週の予定や学園の重要行事などの話になった。
担任「では、次は今学年から始まる野外実技実習の件だ。第3学年に入ると全員が参加することになる授業なので知っているとは思うが、去年までやっていた武術や魔法の実技授業の成果を発揮させるために行うものだ。なお、今年の実習先は例年通り王都近郊にある森で魔物の討伐や薬草の採集などを行うので、日にちが決まり次第、追ってまた連絡する。その際には準備を怠らないように・・・」
(あー、そう言えばそんなものがあるって言ってたなぁ、野外実習かぁ・・・大丈夫かな?(。-∀-))
ジュール『何が?』
(んー、色々と?( ´ ▽ ` ))
ジュール『色々?って何?』
天華『ジュール、それは、実技授業の成果を見るためって事ですから、当然、動物や魔物などの討伐が項目に入っているでしょう。ですが、アトリーが森に行くと・・・』
ジュール『あぁ!ここら辺の動物や魔物の大半がアトリーが大好きだもんね、森に入っただけで大人しくなっちゃうから授業にならない?』
(まぁ、そういう事、それに、大人しいって言っても普通の人達からすると脅威になる魔物達にたくさん囲まれたりすると、向こうから襲って来なくても人間は怖くて自分から攻撃しちゃうでしょう?そうなると向こうも応戦したりするから互いに怪我人がたくさん出ると思うと、やだなぁって思ってね?(*´Д`*)できれば僕が見ている範囲でどちらも怪我はしてほしくはないんだよねぇ・・・どうやったら、仲の良い動物や魔物達と人間達が衝突しないで済むかな?(*´ー`*)それに僕は彼らに剣を向けたくはないしねぇ)
冒険者活動をしている内に仲良くなった動物や魔物達を、授業の一環だからと言って問答無用で傷つけることはできない僕は、今回の野外実技実習に不安があった。
(彼らと出会わないようにした方がいいのか、僕がその日はお休みした方がいいのか、なんか良いアイディアない?( ´ ▽ ` ))
ジュール『そうだねぇ・・・』
天華『どうしましょうか・・・・』
夜月『難しいな・・・』
なんて事を話し合っている間にホームルームは終わり、1時限目の授業が始まっていた、僕は慌てて授業を真面目に聞くようにして、その後は良いアイディアもないまま昼食の時間になってしまった。
ソル「アトリー様、移動しましょう」
「ん、そうだね・・・」
いつものように皆んなで昼食を取るために、いつもの小屋裏に移動しようとしたその時・・・
?「少々、宜しいでしょうか?」
と、背後から声をかけられた。
「はい?」
と、返事を返しながら後ろを向くと・・・
(えっ、珍しい、彼女1人だけで声をかけてくるなんて・・・・(*゚∀゚*)後の2人は何処かな?後から来るとか?最初の時の再現かなんかなの?)
声をかけて来たのは見覚えのある“エルフ族“の女子生徒で、以前はよく僕に話しかけて来ていた“エルフ女王国セリニデュシス“の第2王女、“フィエルテ・ファム・ロア・セリニデュシス“だった、今回は珍しく彼女1人だけで声をかけて来たので、珍しく僕は驚きを顔に出し、つい周囲を見回してしまった。
セリニデュシス第2王女殿下「突然お声掛けして申し訳ありません。デューキス様、以前は大変な無作法をしてしまってから、ずっとお詫びをしたいと思っておりましたの、それに、わたくしとした事がまだ自己紹介もせぬまま、一方的にお話を聞いていただきたいと無作法しまってましたことを、今朝、今更ながらに思い出しました。改めて、ご挨拶と謝罪を含めたお話をしたいとお思い今回お声をお掛けさせて頂きました。ご不快でなければ本日の放課後に再度お時間をいただけないでしょうか?・・・」
(おぉ!?急に下手に出てきた!?それに、無作法に気づいたのが今朝とな!?Σ('◉⌓◉’)・・・もしかして、今朝、僕が後輩くん達を叱ってたのを聞いて気づいたとか??(・Д・))
天華『そうかも知れませんね?彼女達は正しく王族であったことで、一国家の公爵家の子息は自分の話を優先して聞いて当然と思っていたんでしょうが、今回に至ってはそんな常識は通用しません。
アトリーは今現在で、この世界では神の次に敬うべき対象です、それを大人達から聞いていたにも関わらず、そのことを正しく理解できず、自分の自己中心的な常識のままで今まで通りの行動し、自分のことは知っていて当然、話しかければ誰もが喜んで話相手になって当然と思っていていた。
なのに何故か話しかけた相手に無視され避けられた、そんな事が初めてだったかは知りませんが、大体、少し考えればわかるはずです。急に現れて自己紹介の無しに話があるからとついて来なさいと言われてついて行く人はいないでしょう?そこら辺の小さな子供でさえしませんよ?そんな事、でも、そんな根本的な常識ですらあの緩い考えのおつむには今まで理解できなかったんでしょうね。
それが多分、今朝のやり取りを聞いて、そこでやっと自分より身分や地位が上の存在に対しての礼節というものを思い出した。そして他2人もそれに気づき、彼女にアトリーと話す順番を譲った。そんなところでしょう。まぁ、なんにせよ、思い出すのが遅すぎますが・・・それに王族だからと言って自分より格下の者には尊大な態度をとっていいと言う理由にはなりませんがね・・・』
(天華の評価が辛辣ぅ~~(*゚∀゚*)でも、これでやっと一歩前進かな?)
急に今までにない礼儀正しい態度で僕に話かけてきた彼女に対して、天華の辛口コメントが炸裂。僕は彼女が事前にアポを取るといった気遣いができる様になった事と、今までとは全く違う態度の変わりように驚きはしたものの、これでやっと互いに自己紹介とちゃんとした対話ができそうで僕は少しホッとしていた。
(成長したって事でいいのかねぇ?(*´Д`*))
「・・・分かりました、放課後にご用件をお聞きします。場所はこちらが用意する場所でよろしいでしょうか?」
セリニデュシス第2王女殿下「はい、構いません」
「では、授業が終了しましたら、この教室から指定の場所まで移動いたしましょう。あと、お付きの方がおられる様でしたら、ご遠慮なさらずに連れて来られてください、自分も従者を連れていきますので・・・」
向こうの話の内容によっては聞かれると困ることが出そうなので、この教室ではなく具体的な場所を言わずに場所の移動を提案してみたが、反対意見はなく、話し合いの場所の移動に同意してくれた。
セリニデュシス第2王女殿下「・・・お気遣いありがとうございます。では後ほど・・・」
「えぇ、後ほど・・・」
そう言って僕らは穏やかに話を終わらせ、それぞれ昼食を取るために別れた。
(さて、今日の放課後はどうなることやら・・・(。-∀-))
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