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第3章 少年期 学園編

202話 新たなる歴史・・・ リトス教 神官 視点

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 リトス教 神官 視点

 今日、この日、私は歴史に残る光景を目にした・・・

 私はウェルセメンテ王国王都神殿所属のどこにでもいる司祭の1人だ。平和な日々を神々に感謝しながら生きている平凡な人族の1人だ。今日はこの神殿で行われる伝統的な“勇者送還の儀式“が行われようとしている・・・
*人のよっては“送還儀式“や“勇者召喚の儀式“などを一纏めに“儀式“などと呼ぶが、“勇者送還の儀式“と言うのが正式な名称だ。

 その“勇者送還の儀式“が何故今の平和な時代に行われるかと言うと、この国ウェルセメンテ王国の隣国であるズューウス王国が、今年の4月に神々がこの世界の安寧の為に定めた“神意の法“、“神法“を破り、神々の許可もなく“勇者召喚の儀式“を行ったのだ。それにより、不当にこの世界に召喚された“勇者候補“の少年少女達を元の世界に送り帰すことになったのだ。

(神々の怒りを恐れぬ、不信心者達には呆れてかける言葉も無い・・・)

 この世界の神々が定めた“神法“にはそれぞれ意味があるのだから、それを無視し犯す、その心情には何一つ共感を覚えない。

 当初その知らせが入ったっ時は、それはもう蜂の巣を突っついた様な騒ぎで、ズューウス王国に強く遺憾であると抗議した。その後リトス教内で、それ以上の驚きと疑問を起こした出来事があった、本来なら召喚された“勇者候補“達はリトス教総本部のある、イエロザーパト聖教国で保護する事が妥当な所なのだが、その事で神々から直々に、ウェルセメンテ王国の貴族であるデューキス公爵家で保護するようにと神託が下ったという事だ。
 その理由がデューキス公爵家の三男が主神様の加護を持ち聖獣様方がいるからだとか、リトス教の神職ならば誰もが知っている人物だが、私は今はウェルセメンテ王国の神殿に所属はしているが、今年の頭に本部から派遣されてきたばかりなので実際に本人にあった事はない。なので一度、彼をみた事のある神官に印象を訪ねてみた。

服助祭「えっ?“あのお方“の事ですか?・・・うーん、そうですね…、私も一回しかお会いした事がないのですが、一言で言うと、“印象的な瞳をお持ちで、息を飲むほど美しく、神聖な空気を纏うお方“でした。あのお方のお人柄とかは私には分かりかねますが、それ以上の事は他の方に聞いても一緒だと思いますよ?・・・何せ、あのお方はデューキス公爵家の末子であられるので、ご家族からはとても大事にされておいでですから、詳しい情報がほとんどありませんからね。数年前に出回った噂は全て嘘だったと言うこともありますので、今のどの噂も当てにはなりませんし・・・」

 と、言う話を聞き、確かに彼に関する噂はあてにできないなと思った。

(ふむ、“印象的な瞳をお持ちで、息を飲むほど美しく、神聖な空気を纏うお方“か、話を聞くに魔力量はかなりおありのようだが、外見の印象だけではなんとも言えないか、実際に会って見ない事には何も分からないな・・・しかし、このまま“勇者候補“達をこの国の公爵家預かりにするとなると、“勇者候補“達はこの国の所属となるのだろうか?)

 この時は“デューキス家の三男“にそれほどの興味を持ってはいなかったし、“勇者候補“達の処遇にはまだ未確定な部分も多い中、一月後に召喚された“勇者候補“の少年少女達が、やっとこの国にやってきた。王都に入ったその日に、王立学園で件の彼と“勇者候補“達が対面したそうだ、だが、その日は何かの揉め事で王城預かりとなり、次の日からは問題なく公爵家の屋敷で過ごしていると知らせが入ってきた。

(“勇者候補“達の希望だったとはいえ、王都入りしてすぐにこちらの神殿に一度も訪れず、学園に通い出したのはどうかと思ったが、今回の“勇者召喚“の件に以前滅びたと思われていた“邪神教“の存在が確認されたことで、“勇者候補“達の安全確保のため、いち早く聖獣様方との合流が優先されたのは仕方がない事だな・・・)

 そう言う事情があったのなら、仕方ない、自分でもそうするだろうと思いつつも、私はデューキス公爵家の三男の存在に疑問を覚えた。

(聖獣様方のお側にいた方がいいと言うのは理解できるが、そこに彼がいる必要があるだろうか?神々の指示ならば聖獣様方の何方かが“勇者候補“達に付き添えばリトス教総本部で“勇者候補“達を保護する事ができたのではないか?)

 聖獣様方を授かったとは言え、彼は“主神様の加護“を持っただけの人族だ、約100年ぶりの“主神様の加護持ち“の出現は確かに珍しく貴重な存在ではあるものの、歴史の中で全く存在しなかったわけではないし、他の神々の加護を持った者は複数いる、それに比べて“勇者候補“達のように異世界からやってきた人物は、この世界では唯一無二の存在なのだから、最も優先するべき存在は“勇者候補“達なのは確かなはずだと、その時、私はそう思っていた・・・

 約1ヶ月後・・・・

 “勇者候補“達がこの国を訪れて1ヶ月と少しが経ち、もう少しで学園が長期の夏休暇に入ろうとしていたその日、ここ数年の内で1番頻繁になってきた出来事で驚きの記録が打ち出された、それは本部から神託の知らせだ、ここ数ヶ月で下った神託の数が過去5年分の神託数を上回った・・・歴史に残るであろう新記録だ。
 まぁ、余談はさておき、その日、私やその他、司祭以上の高位神官達がこの神殿の大司教様の部屋に呼ばれ、その神託の内容が通達された・・・

大司教様「皆さん急な召集にも関わらず集まって頂きありがとうございます。軽くお聞きになったと思いますが本部の大聖堂の方にあった、主神様からの神託の件です。今からの話は、ここに呼び出された者達以外には他言無用でお願いします。これはこの神殿内の神官達だけの機密となりますので、他の地区の教会神職にも話してはなりません。・・・よろしいですか?」

 優しい口調とは反対に有無を言わせぬ圧力を感じながらも、私やその他の神官達は無言で頷き同意を示した。

 その後聞いた神託の内容は予想外のことだった、なぜなら“勇者送還の儀式“をこの国のこの神殿で行うと言うものだった、その内容に集められた神官達は驚きを隠すこともなく、皆、一様に呆然としていた。
 何故ならリトス教の長い歴史の中で“勇者送還の儀式“は、リトス教の総本部であるイエロザーパト聖教国内の大聖堂でしか行った事がなかった。それは基本的に“勇者召喚“はその時代の厄災の被害が大きい国が儀式の提案をし、提案した国で“勇者召喚“も行われる、厄災の件が解決するまで“勇者候補“はその国の賓客として扱い、各国から“勇者候補“達に送られてくる支援を取りまとめる役割をする。そして、厄災の憂いがなくなると“勇者候補“は改めて“世界を救った勇者“として讃え、“勇者“が元の世界に戻りたいと望んだ場合、“勇者送還の儀式“はイエロザーパト聖教国の大聖堂で盛大に行うと言うのが通例となっていた。
 元々これと言った決まりが存在していた訳ではなかったが、歴史上初となるであろう神々からの神託に、一同は頭を抱える羽目になったのは確かだ・・・

 そう言うことで、この日から私達は各国の妨害の可能性もあると仮定して、礼拝堂を改装工事中として、参拝者を入れないようにして、秘密裏に“勇者送還の儀式“の為の準備に奔走する事になった。

(デューキス公爵家が“勇者候補“達を連れて夏の休暇の旅行で、人の目を惹きつけている間に神殿内での準備が進むといいのだが・・・)

 “勇者送還の儀式“の話を聞いた翌日、デューキス公爵家当主の提案で、夏の長期休暇の旅先を海岸線にして、“勇者候補“達が海外に移動すると見せかける事で、“勇者候補“達を手中に収めようと画策する他国の手の者や、今だに“勇者候補“達を諦めていない、“勇者召喚“に関わったズューウス王国の王侯貴族と、それを裏でそそのかした邪神教関係者達の目を王都から逸らす作戦をすることになった。
 その作戦のおかげで学園の夏休暇に入ってから多少なりと動き易くはなったが、それでも、この神殿でこのような大規模な“儀式“が行われることが初めてなこともあり、本部からの指導員の指示に従い少しずつ“送還儀式“の準備がなされていた。

 デューキス公爵家の旅行が始まってから数十日経ったある日、懸念していたことが起こったと知らせが入る。“勇者候補“達を含めた子供達の誘拐を目的とした襲撃が、マルキシオス侯爵領の港で起こったと報告が入り、私達はその知らせに眉を顰めた。

(ズューウスの高位貴族からの依頼との事だったが、やはりまだあちらの権力者達は“勇者候補“達の利権を諦めてなかったのか?それとも例の邪神教が裏から手を引いているのか?)

 その後も各所を旅行している一行に細々とした問題が起きたと知らせが入り、それのどれもにデューキス家の三男の彼が関係している事が判明。

(・・・しかし“邪神教“や隣国の貴族達は“勇者候補“達だけではなく、あのデューキス家のご子息も狙っているのか?)

 この知らせの中で何度も名前が上がるデューキス家の三男の名前に、私や他の神官達は彼が狙われるのか不思議でたまらなかった。何故、一国の一貴族の末子が主神様の加護を持つといえど、執拗に狙われるのはおかしいと疑問だった。

 確かに、数年前に“邪神教の贄“として狙われていたと聞いていたが、それにしても“邪神教“の執拗な行動の数々は理解ができなかった。

(彼自身に何かがあると言うのだろうか?確かに彼は歴代の主神様の加護持ちの中では、かなり主神様からの寵愛を受け優遇されていて、膨大な魔力をも保有しているとも聞いたが、“邪神教“は何故そこまでして彼を手に入れたがるのだろうか?彼は大国の王族の血を引く公爵家の子息だ。それに神の加護もあって、この世界の誰よりも手を出す事が難しい存在であるはずだ、“邪神教“のような後ろ暗い活動をしている者達が、自分達の正体がバレるような危険を冒してまで、成功することは無い無意味な計画を立て彼を狙う理由はなんだ?・・・やはり、彼の加護に何かしら秘密があるのか?・・・)

 そんな時、私はデューキス子息が7歳の時の“洗礼と祝福の儀“を受けた時から議論されていた、彼の神々の加護についての論争の事を思い出した。

 今回の件で異様なほどの面倒ごととの遭遇率、いや、“邪神教“の執着の原因が、以前から議論されていた推論の一つである、“彼の加護は本当にただの主神様の加護なのか?“と言うものや、“彼の加護は記録に残る主神様の加護の恩恵の内容より大きく逸脱しているので、本当は別の神の加護の影響もあるのでは?“と言うものだ。
 まず、これまで存在が確認された“主神様の加護“を持った人達には、様々な神からの恩恵が与えられていたと、リトス教の“神々の恩恵の記録“と言う記録書に書いてあった。
 その書物から抜粋すると、“スキルの成熟速度や取得のしやすさなどの恩恵は程度の差はあれど、どの神々の加護でもある。それとは別に“主神様の加護“では主神様の寵愛の度合いで、運がよくなったり、珍しい特質を持っていたり、未知のスキルが新たに発生し易くなったりと、数多くある恩恵は基本的に加護を受けた本人の能力の向上に特化するものが多いと推察される“、とあり。
 その記録と比較すると、今回、加護を受けた彼に対しての神々の“寵愛度“が異常に高いと感じる神官達が一定数いて、その中でもあまりにも前例のない恩恵の数々に、一部の者達は彼の加護は本当に普通の“主神リトスティーナの加護“なのか?と疑う者達が出てきていたのだ。
 他にも彼の加護の表記には私達には読めない文字で書いてある神々の加護があるので、その神々が異常に高い“寵愛度“を示していて、前例の無い恩恵を与えているのでは?と、その彼の加護に関する疑問を持つ一部の神職達の中でも、色々と推論が分かれて論争が生じたのだ。
 この読めない文字の神にの加護についても、加護を与えたのはどの神なのか?と言う神の名前の特定や、加護の恩恵はどんなものかなど色々と推察や議論がなされているが、神の名前は主神様を除いた6柱の誰であるかと言った論争は、彼のスキルの構成を見てみなければ、どの神から恩恵を受けているか明確に判断ができない事もあって、未だ決着はついていないらしい。
 そして今までで主神様の加護を受けた者が聖獣様を授かったり、常時発動されてる結界での保護の恩恵というのは、記録に似たような記実があったらしいが、聖獣様を授かったと言うより、主神様に聖獣様の場所まで導かれ紹介されたと言った感じで、結界の恩恵は常時発動と言うより、条件が満たされた場合のみと言った例があり、彼が与えられている恩恵の下位互換のような記録だったようだ。
 “神罰“に関しては以前にも何度か“主神様の加護“を持った者を守るために、主神様が直々に下した例は歴史に残っているが、それも命の危機に瀕すような事があった時であって、彼のように日常的で彼に近づく者全てが対象になる事は歴史上初めてであり得ないことだ。

 そう言った主張をする神官達に対して、“それはただ単に歴史の記録になかった恩恵が、大国の公爵家と言う注目を集めやすい立場の人物が加護を得たことで、今まで表に出なかった神々の恩恵が露見しただけではないか?“と言う主張をする者を出ていた。

 そんな論争もある中、私は今回の報告を聞いて、

(デューキス子息の加護は本当に“主神リトスティーナの加護“だったのか?彼が加護を誤魔化しているのか?・・・いや、“洗礼と祝福の儀“では、誤魔化しなどできはしない、なら、やはり異例な恩恵は他の神々の加護なのか?それなら彼の加護は正しいと言うことだ、だが、腑に落ちない、授かった聖獣様や常時発動している結界の加護は他の神々の加護の恩恵だとしても、主神様直々の神罰の件はどう説明するんだ?・・・・)

 彼に関しての疑問が膨れ上がった・・・

 そして、数日後、デューキス公爵家が旅行から戻ってきて、学園の夏の長期休暇が終わろうとしていた。私達の“儀式“の準備も大詰めになり、他に重要なのはリトス教本部から“歌い手“と、その“歌い手“が使用する“神器“がこちらに来るのを待つだけとなった。

(ふぅ、大体の設備の準備は済んだし、私の方はあと少しで仕上げだ、神殿の警備も厳重になってきたな・・・それにしても、神殿内に人が少なくなるとどうしても、手が届かないところが出てくるな・・・)

 秘密裏に進めるために、神殿に所属していた神官達の大半は、王都の市民街にある複数の教会に派遣という形で、神殿から出しているのだが、本来なら今もこの大きな神殿の掃除や整備など様々な雑事をしてくれているはずなのだ、だが現状は人手不足のため、神殿に残っている自分達でできる範囲の事をしていたのだがどうしても掃除などに手が回らず、所々が汚れてきているのだった。特に個人の自室が・・・

 その現状を見た大司教様が外に派遣していた各々の側近を呼び戻す許可をだした。

(大司教様も数日後に行われるパーティー衣装の支度を1人じゃできないからだろうな・・・)

 そうこうしているうちに学園の新学期が始まった翌日、王城で歓迎パーティーが開かれた。その日は学園で毎年行われる新入生の歓迎パーティーを、“勇者候補”達を歓迎するという意味も持たせたパーティーにして、学園生だけではなく各国の使者達や王族達も招待した大規模なパーティーとなっていた。そこにはもちろんリトス教の総本部がある、イエロザーパト聖教国の代表として、外交官を任されている枢機卿と、復帰させるつもりなのか、元聖女だった助祭が聖女の服装で参加するようだ。この神殿からリトス教の代表して大司教様が、そのパーティーに参加するために朝早くから式典などで使用する衣装を着込み、いそいそと王城へ向かって行った。

(まぁ、枢機卿や大司教様達がパーティーに参加している間にも私達は引き続き“儀式”の準備だけどね・・・)

 最近の忙しさのせいか少し僻みっぽくなったが、王城に向かう大司教様達の馬車を笑顔で見送り、私は“儀式の場“となる礼拝堂に戻り、作業を続けることに…、だが少しして、他の留守番組の神官達と礼拝堂で作業をしていると、礼拝堂の最奥に飾られている主神様の神像が強い光を放った。一瞬のことだったのだが、その光を浴びた私達はあまりにも強い神気に、心臓を握り締められたかのような錯覚に陥り、息苦しさからその場で床に手をついて膝まづくほどだった。

(!!、っ、な、なんだ今の光は・・・な、何が起きたんだ!?)
















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