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第3章 少年期 学園編
187話 選曲が迷走中
しおりを挟む(まぁ、ここにはカラオケがないから、曲の楽器演奏は僕の脳内だけってのは中々寂しいものがあるけどね・・・(。-∀-))
こうして念話でジュール達と楽しく念話している間にも、僕は無意識に自分のカラオケ定番メドレーを口ずさんでいたのだった・・・・
「~~♪~~~♫~~~~~♬~~♩~~~~」
仁「・・・ご機嫌だね・・・・」
彩ちゃん「・・・本当ね、でも、どうする?アトリー君の好みだと“儀式“って感じじゃないし、やっぱり、ゲームの方の楽曲も範囲に入れようか」
夢ちゃん「うん、そうだね、その方がいいと思うよ!」
仁「うん、僕も賛成」
彩ちゃん「じゃあ、またさっきと同じ要領で良さそうな“曲”を流して見て、雰囲気似合いそうだったら候補リストに上げる感じで行こうか」
仁&夢ちゃん「「りょーかい!」」
再びスマホに集中しようとした時・・・
ソル「アトリー様、仁さん、彩さん、夢さん、そろそろ、夕食のお時間になりますので、その作業は夕食後になさってはいかがでしょうか?」
と、ストップが入った。
彩ちゃん「あれ?もうそんな時間になるの?気づかなかったわ」
夢ちゃん「あ、本当だ・・・」
仁「結構時間掛かってたんだね、この作業・・・」
ソルの言う通り、選曲に時間がかかり過ぎていて、こんな時間になっていた事に、今、気が付いた仁達、僕も夢中で再生される“歌“を聞いていたので、時間を気にしていなかった。
「楽し過ぎて気づかなかったよ。んー、じゃあ、“選曲“はまた後にしますか。仁さん達もそれでいいですか?」
仁「うん、そうだね、また後でしようか」
「じゃあ、夕食後に僕の部屋で続きをしましょう」
彩ちゃん「えぇ、じゃあ、それで」
彩ちゃん達の了承も得て夕食後に僕の部屋で“選曲“を再開される事になった。その後は皆んなと一緒に夕食を食べに食堂に赴くと、“神器化“した“祭事服“の事を聞いたヘリー姉様とライ兄様に心配され、“送還儀式“でのお役目の事では物凄く励まされた。
(まぁ、それほど名誉で重要な役目って事だね( ・∇・))
夕食を食べ終わった僕達は早々に皆んなで僕の部屋に移動することに、でも何故かヘリー姉様とライ兄様も一緒についてきた。
(なんで着いて来たのかな?姉様達。それに心無しか楽しそうではある・・・うーん、まぁいいか・・・(*´Д`*))
部屋に到着して皆んなに適当に座って貰ったら、早速、本題である“選曲“の作業に入った、はずだった・・・
ライ兄様「ふーん、面白いな、“異世界の歌“は聞きなれないが不愉快ではない、むしろ心躍る感覚がするな」
ヘリー姉様「そうね、言葉は全然理解できないけど、以前アヤ達に聴かせて貰ったのとは雰囲気が全然違うわね」
彩ちゃん「あー、それはあまり刺激的な“曲“だと驚くかなって思って、この世界でも通用しそうな“クラシック“、伝統的な?“曲“にしたからね。今聞かせたのは向こうでは私達ぐらいの年齢の若者達に人気な歌手や“アニメ“、物語かな?その中で流れている“曲“なの、近年の“流行曲“はだいたいこんな感じの旋律ね」
ヘリー姉様「あら、そうなの?だいぶ、なんとゆうか、その、過激な感じね?」
ライ兄様「俺はこの“曲“は気に入ったぞ♬」
僕が彩ちゃんに強請って気になっていた“曲“をフルで聞かせてもらっていると、姉様達も静かに聞いていた。“曲“を聞き終わった後の感想が今の会話だったのだが、ライ兄様は凄く気に入ったようだが、ヘリー姉様はそんなにお好みではなかったようだ。
(まぁ、僕が“儀式“関係なしに、ヴィジュアル系やロック系の激しい“曲“を聞かせてくれっておねだりしたからな。そこに、今後僕が歌っていても不思議に思われないように、前世でもよく聞いていた曲を混ぜて貰ったしな、ちょっと偏り過ぎか?(。-∀-))
「ご、ごめんなさい、ヘリー姉様、退屈でしたよね。彩さんも無理を言いました。すみません」
と、申し訳なくなって謝ると・・・
ヘリー姉様「!、アトリー、そんな謝る事ではないわ、私が勝手について来ただけなのだから。私はアトリーが楽しそうにしている姿が見たかっただけなのよ。今の“曲“が私の“音楽“の好みでは無かっただけ、アトリーが好きならいくらでも聞いていいのよ。まぁ、それもアヤ達の迷惑にならない範囲でだけど・・・」
そう言って、チラッと彩ちゃんの方を伺ったヘリー姉様、それに応えるように彩ちゃんは笑顔で、“迷惑ではないからいつでも聞いていい“と許してくれた。
そうは言っても、流石に脱線し過ぎたので今度こそ本番に入り、今まではアニソン中心だったのをゲームサウンドに切り替えて、“儀式“の雰囲気に合いそうなものを彩ちゃん中心に“選曲“してくれた。
(おー、この子は本当ゲーマー、いや、ゲームサウンドオタ?なのか?いや、他の“楽曲“も入ってたから、ただ普通に“楽曲“を聞くのが好きなだけか?(-᷅_-᷄๑))
ジャンル問わず大量の“楽曲“が彩ちゃんのスマホに入っていたので、思わず感心してしまった。
ヘリー姉様「・・・それにしても、凄い量の“楽曲数“ね、どうしてこんなに“音楽“ばかり入っているの?それに、この小さな板に良くそれだけの量の音、音だけでは無く、写真?や動画?もたくさん入っているのでしょう?」
(あ、それ、僕も思った、写真や動画は日常的に増えるのはわかるけど、“音楽“だけは自分で入れないと無理だもんね、ジャンル問わず昔のものから最新の曲まで、エグいぐらいの量の“曲“が入ってるもん、いくら容量が大きいからって限界があると思うだよね・・・(*´ー`*))
彩ちゃん「・・・うーん、そうね、私のこのスマホ、最近、父に買って貰ったばかりで、最新機種の中で1番容量が大きい物なの。それでちょっと試しに前の機種からデータ、情報の引き継ぎが終わっても凄い容量が余ってたから、試しにどれくらいの“曲“が入るか試してみたの、そしたら次から次に結構な数が入ってもまだ容量が余ってて、入れる作業に疲れて途中で断念してしまったのよ。それでもこの数の“曲数“なのよ」ふぅ
(断念してもこれだけ入ってるって、どんだけ大きいGB数のスマホなんだコレ・・・Σ(-᷅_-᷄๑))
どうやら、彩ちゃんはスマホの限界チャレンジをしてみたようだが、あえなく失敗したようだ。僕はそれよりスマホの容量に驚愕した、彩ちゃんの話に姉様達も驚いていたが、コレだけの“曲数“が入ってもまだ容量が余っている、あの小さな板状のスマホを恐ろしい物を見る目で見ていた。
その時、彩ちゃんが小さな声で、“だから、2テラは多過ぎって言ったのよね・・・“と、つぶやいたのを聞いた僕は・・・
(ふぁ⁉︎2TB!?それもうテレビ用の外付けHDD並みじゃん⁉︎∑(゚Д゚)それが今のスマホでも搭載されてるってどれだけだよ!?現代の技術!!)
それはもう驚いた。電子機器の進歩に・・・
ジュール『2TB?それって、そんなに凄いの?』
(ん、あぁ、そうだね、・・・向こうのテレビ放送を約242時間録画できる容量って言えば分かるかな?)
先程まで部屋の自分の寛ぎスペースでまったりしていたジュールが、僕の驚き方に興味を示し不思議そうに聞いてきた。僕はこの例え方で理解できるかは分からないけど、一応、前世で調べた時の記憶を掘り返して答えた。
ジュール『うーん、それって、こっちの世界の“記録の魔道具“で映像を242時間分録画できるって事?』
(うー、それは・・・どうかな?記録するデータの容量次第だもんなぁ・・・それに“音楽“だけで2TBってどれだけ入るか分からないしなぁ・・・そもそも、あの魔道具の情報記録の仕組みが分かんないからな、まぁ、似たようなものか?・・・・うん、分からん!大体そんな感じだよ!きっと!多分!ヽ(´o`;)
天華『考えるのを放棄しましたね・・・』
夜月『まぁ、記録魔道具の記録容量の限界は使用されている魔石の質によるが、記録する映像自体の情報データが、どれくらいの数値になるかが分からなければ意味がない、そう言う所はスマホの容量の話も機械に詳しくないと理解できない、要はどちらも中身の仕組みを理解できないと意味がない、と言う事だな』
ジュール『そう言う感じ?』
(う、うん、そう言う感じ!(^◇^;)まぁ、なんとなく、凄くたくさん入るってことで!)
ジュール『うん!分かった♪』
ジュールの純粋な質問に正確な答えができなくて焦りまくった僕だが、夜月のサポート?で子供の純粋な質問攻めを回避することができた。こんなやりとりをしている間に姉様達の話題が“アニソン“や“アニメ“についての疑問に移っていた。
ヘリー姉様「まぁ、その“アニメ“、“アニメーション“?って言うものは、“描いた絵が動く“物ってことかしら?」
彩ちゃん「えーっと、ちょっと違うかしら?そ、そうねぇ・・・あ!何か書くものもらえるかな?アトリー君」
「あ、はい、カインお願い」
彩ちゃん「あ、カインさん、紙を多めに貰えますか?」
カイン「畏まりました。少々お待ちください」
(絵を描いて説明するつもりかな?( ´∀`))
ヘリー姉様の微妙な勘違いに気づいた彩ちゃんが何か思い付いたみたいなので、僕は頼まれた物を用意するようにカインに頼んだ。
カイン「こちらで宜しいでしょうか?」
と、差し出したのは数十枚の質の良い用紙と、僕が作り出したこの世界でのボールペン。
(この世界、鉛筆はあったんだけど、インクペンが無くて、最近まで中世ヨーロッパ時代みたいに、羽ペンかGペン見たいなのをインクにつけて使ってたんだよね。僕は羽ペンをわざわざインクにつけて字を書くのがめんどくさくて、このポールペンを作ったんだけど、まだインクが納得がいくものができてないから、今のインクに合わせて作ったら、ちょっと線が太くなっちゃったんだけど、・・・まぁ、許容範囲だよね・・・毎度ペンにインクつけて書くよりまし、それに手が汚れなくていいし・・・(*´ー`*)ただ、コレ作った時に物凄く驚かれたけどね・・・)
天華『そんな事もありましたねぇ・・・』
夜月『あったな・・・』
ジュール『あったねぇ・・・・』
春雷&雪花『『・・・お疲れ様です?』』
コレを作った時の騒動を思い出し遠い目をしていると、天華達も疲れた声を出した。春雷達は何か察したのか、天華達に労りの言葉をかけていた。
(でも、今度はマジックペンを作るんだ!コレは名の通り、魔法を駆使して紙以外のものに描いても落ちないペンを作るんだ!(((o(*゚▽゚*)o))))
天華『あぁ、また研究熱が・・・』
天華の呟きも何のその、やりたい事をに夢を膨らませている間に、彩ちゃんが紙の隅に、次々可愛いデフォルメされた黒猫が歩いている絵を描いていた。その光景を不思議そうに見ているソルや姉様達、専属使用人達も遠目ながらも様子を見ている。
(意外と可愛い絵を描くね彩ちゃん・・・( ´ ▽ ` )黒猫さん可愛い♡)
じっと見ていると、最終的には16枚ほどの絵を描き終えた彩ちゃんが、絵を描いた紙の隅をパラパラとめくり“アニメーション“の原理を説明した。
パラパラパラッ
彩ちゃん「・・・わずかに姿が違う複数の絵をこうして繋ぎ合わせて、記録の魔道具で録画した物を“アニメーション“、“アニメ“と呼ばれるものなの、コレは今は黒インクで描いたものだけど、今はカラー、色がついたものが主流よ。ただ、この“アニメーション“は絵だけで音が入ってないから、後付けで“効果音“、人が歩くときの足跡や物が落ちたりした時の音など、人物の声も入れていくの、その時に“主題歌“と言って“アニメ“が始まる前と最後に“音楽“を流すのよ。それを“アニメソング“、“アニソン“って略して私達は呼んでるわ」
ライ兄様「へぇ、面白いな、でもなんでその“アニソン“をわざわざ入れるんだ?無くても良いだろ?」
仁「そうなんだけど、この“アニメ“ってのは全国で配信、いや放送?とにかく、全国で見る事ができるんだ。それを見るために一家庭に一台は必ずある、テレビって“映像“を見るための、家電、魔道具みたいな物があるんだけど、それで誰でも見れるんだ。この“アニメ“以外でも色んなものが時間帯によって放送されてて、世界で起こった事件の情報を見れるものや、地域の有名店を紹介するものなどの目的の違う映像もあるんだけど、“アニメ“はその中でも、かなりの数が制作されているんだ。それで差別化の為に、この“アニメ“はこんな感じのイメージの“アニメ“ですよって、雰囲気を感じさせる為に“アニソン“が流れるんだよ・・・確か・・・多分?」
(大体はあってるけど、今の説明だと主題歌とイメージソングを混同したような感じに聞こえるけどね、イメージソングって、主題歌、テーマソング、とは別だし、主題歌は挿入歌としても使われるしな、まぁ、今ここではそんな深い説明は必要ないからいいか・・・(*´ー`*))
ライ兄様「うーん、差別化の為なら確かにいるか・・・、それで雰囲気の違う“楽曲“がたくさんあるんだな?」
と、ライ兄様は納得顔。
夢ちゃん「うん、そんな感じだね!」
ヘリー姉様「それにしても、その“テレビ“って凄いですわね。一般市民の方でも“映像再生の魔道具“を持っているようなものなんでしょう?」
ヘリー姉様的にはテレビの普及率に興味が出たようだ。
彩ちゃん「そうね、そんな感じかな?、テレビはこのスマホの画面を大きくしたものだと思えば良いわ、大きさは様々あるけど、うちではあの窓枠ぐらいかしら?」
と、言って僕の部屋の窓を指差した。
(わぁー、あれって100インチぐらいあるんじゃなかろうか?(°▽°)ショッピングモールの広告モニター並みじゃんWW)
ここは公爵家の屋敷、それなりに大きな窓枠だ。それと同等の大きさのテレビとなるとかなりの大型テレビだ。
ヘリー姉様「まぁ、意外と大きいわね」
彩ちゃんの家のテレビの大きさにびっくりしていると、夢ちゃんは“それは一般的じゃないよぉー、うちはその三分の一ぐらいの大きさだよ、その代わり数が多いよ、うちぐらいの大きさが大体一般的かな?“と、常識を訂正、仁も“うちは彩の家の半分ぐらいかな?あと小さめのが二つあるね、一家庭に一台の場合と、家族の人数によって大きさの異なるテレビを複数買っている家が多いね“と家のテレビ事情で情報捕捉。
そんな話をしている間に時間は就寝時間に近づき、僕はうつらうつらし始めた。
(うー、もう寝る時間か、ね、眠い・・・“曲“決まってけど、・・・今日中でないと、ダメって訳じゃないからいいか?・・・あ、眠気が・・・)
ヘリー姉様「あら、もうこんな時間ね、アトリーが寝ちゃいそうだわ」
ライ兄様「あぁ、ほとんど寝てるな」
彩ちゃん「あ、まだ“曲“が決まってないわ、どうしよう・・・アトリー君が寝ちゃったら決められないわ」
ヘリー姉様「ごめんなさいね、私が他の話ばかりしてたから・・・」
「ぅん、大丈夫です。今日中に決めなきゃだめとは、言われてないので・・・、また明日、でも・・・んー、それか、仁さん達がある程度、決めてくださったら、その中から、後日、僕が・・・ふぁー、選びますぅ・・・」
そう言った後は限界が来てそのまま寝てしまった。“送還儀式“の“選曲“は決まらずじまいで・・・
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