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第3章 少年期 学園編

179話 思い出作り?

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 どうも、僕です。今日は仁達の思い出作りの為にちょっとしたテーマパークに来ています。

 夢と希望を届ける、あの某テーマパークのような場所・・・ではありません!剣と魔法を駆使しした、スリル満点の闘技施設にきています。

(あー、何で僕はここにいるんだろうか?(。-∀-))

 そう何故か、今、僕は、闘技場の中心部で大剣を片手に持った状態で、この国の第3王子のロズ殿下と睨み合っています・・・・

ロズ殿下「おい!よそ見をするな!僕との大事な試合だぞ!」

「えーっと、ひとつお伺いして良いでしょうか、ロズ殿下?何故僕はここに呼び出されたんでしょうか?」

 全くもってこの状況になった理由が分からず、とりあえず目の前にいる第3王子に聞いてみた。

ロズ殿下「何故とは?お前が闘技場で試合がしたいと言ったのではないか?」

 と、心底不思議そうに言ってきた。

「んんっ???そんな事は言ってませんが・・・・どう言う事でしょう??」

(いつの間にそんな事になったかな?全然覚えがないんだが?(-᷅_-᷄๑)ロズ殿下から手紙きたっけ?)

天華『いいえ?私は見てないですよ?』

(だよね?)

 さらに謎が深まった・・・・

 先日、大泣きに泣いた日の午後、イネオス達を招いて、仁達との思い出作りのプランを立てている時に、ベイサンが王都内にある闘技場で行われている剣闘大会の話をしたことで、仁達が現代日本では見る事はできない、本物の剣闘大会に興味を示したので観に行くことになり、翌日の14日が休日であると同時に剣闘大会の大会最終日だったそうだ。今回は冒険者や騎士、剣の腕に覚えがある人達が自由に参加できる。剣術のみで戦うトーナメント式の大会だったので、最初は予約した優先席で皆んなと試合を観戦し、大会出場者に声援を送り楽しんだ。試合も全部終わり、次のお出かけ先に行こうとしたら、何故か僕は大会終了後の闘技場でロズ殿下と試合をすることになってしまっていた・・・・

(本当、意味わかんねぇ、それに用意されてる剣が“大剣“なんだよ・・・訳分からん・・・(ㆀ˘・з・˘))

春雷『アトリー様は大剣をお使いになりませんものね?』

(うん、僕の戦闘スタイルには合わないからね( ´ ▽ ` ))*アトリーの戦闘スタイルは、魔法で相手を翻弄しつつ隙をつく、“効率重視タイプ“なので大振りの大剣は使用しない。

 と、不思議がっていると。

ロズ殿下「ん?どう言うことだと?・・・お前、僕の手紙を読んで“力比べの試合“をするために闘技場に来たんじゃないのか?」

「??えっ、て、手紙?そんな物貰ってませんが・・・」

ロズ殿下「じゃあ、何故、今日ここに来たんだ⁉︎」

「?何故って、普通に友人達と今日行われていた。剣闘大会の決勝戦を観戦しに来ただけですが・・・・」

ロズ殿下「ん?観戦??」

(んん?何んか話が噛み合わないな??(・_・;?)

 何やら話が噛み合わない、互いに頭に?マークを浮かべ首を傾げていると・・・

スタフお兄様「ロズ!ここで何をしているんだ!!」

ロズ殿下「げっ!スタフ兄上!」

 と、大きな声がしてそちらを振り向くと、選手入場ゲートから凄く険しい顔で、数人の近衛騎士らしき人達を連れて現れたのは、この国の王太子殿下であるスタフお兄様、その様子を見るにロズ殿下を探していたようだ。

スタフお兄様「あ!アトリー君、君もいたのか、身体の具合はもう良いのかい?」

 僕がいるに気がつくとすぐに体調を気遣ってくれた。

「あ、はい、もうどこも悪くはないです!・・・それは良いのですが、今日はスタフお兄様はどうなさったんですか?・・・あ!ロズ殿下と剣闘大会の観戦にいらしてたんですか?」

(兄弟でお出かけだったのかな?・・・ん?一緒に観戦しに来たんだとしたら、何で今、僕とロズ殿下が試合する流れになったんだ??(-᷅_-᷄๑))

夜月『それにしては随伴の騎士が多くないか?』

(ん?そうだね?騎士ばかりいる?世話役の従者とかがいないね?)

 結局、訳が分からんと首を捻る僕。その様子を見て、僕の勘違いに気づいたスタフお兄様は、簡潔に事の経緯を説明してくれた。

スタフお兄様「ん?いいや、今日は城を抜け出したロズを探しに来たんだよ。“王子教育“の勉強中にいつの間にか“脱走“したと報告が入ってね。クオツと手分けをして探していたんだけど、途中でここにいると報告を受けて捕まえに来たんだ。それにしても、またアトリー君に迷惑をかけたみたいだね。ごめんね」

 と頭を撫でられた。

「??“脱走“?剣闘大会の観戦じゃなくて?」

(ありゃ?また勉強から逃げだしたのか?)

ジュール『よく“脱走“ばっかりするね。この王子・・・』

(だね、もう脱走癖は治らないかもね・・・(。-∀-))

 どうやらロズ殿下はまたしても勉強中に逃げ出してきたようだ。それを兄王子達が探していたようで、ここにいることを突き止めて迎えにきたようだ。今はスタフお兄様に襟首を掴まれて不貞腐れている。周囲も騎士達に囲まれているのでもう逃げ場はないだろう。(あ、ソルや仁達、イネオス達は今は闘技場の四角い石舞台の横でうちの専属使用人達と一緒にいるよ(*゚▽゚*)ジュール達もね!)

 僕とスタフお兄様との会話を聞いていたロズ殿下は急に怒り出し・・・・

ロズ殿下「むっ、“脱走“じゃない!それに観戦しに来た訳でもない!僕の“挑戦状“を受けたコイツからの呼び出しでここに来たんだ!」

 と、訳のわからないことを言い出した。

スタフお兄様「“挑戦状”?」

「ちょ、“挑戦状“?先程はお手紙と仰っていた物の事ですか?でも、そのような物、僕はどちらも受け取ってません。送り先をお間違えになったのでは?」

(そんな物を受け取った覚えは全くないよ?それに“挑戦状”って僕になにを挑もうとして・・・ん?もしかしてコレ?剣での試合?しかも大剣?)

 と、先程から持たされていた大剣に目をやった。

スタフお兄様「ロズ、どう言う事だい?お前は外出禁止の上、外部との交流も一切禁止されている筈だよね?何故、手紙?“挑戦状”?とやらを出せたんだい?」

ロズ殿下「あ!・・・・っ・・・」

(おいおい、この子はどんだけおっちょこちょいなんだ?自分でバラしてたら意味ないじゃん・・・・(*´Д`*))

天華『ある意味、素直な子供なんでしょうかね?』

夜月『ただの“間抜け“なのではないか?』

ジュール&精霊達『『『“間抜け“に一票!』』』

(あらら、評価が辛辣ぅWW( ´∀`)でも、否定はできんなぁ)

 ズモモモモッ、と、音がしそうなくらい迫力がある良い笑顔で、ロズ殿下に詰め寄るスタフお兄様。そして、外出禁止の上に外部との接触は一切禁止だったのにも関わらず手紙?を出した事を自分でバラしてしまって、“しまった!”と言う顔をしたロズ殿下。いけない事をしたと全て顔に出てしまっている、もう、どう考えても言い逃れできない状況と証言に、僕はただ呆れるしかなかった・・・

スタフお兄様「・・・はぁ、おおかた気の弱い使用人に無理矢理、手紙を持たせて出させたんだろうけど、今デューキス公爵家ではロズのからの手紙は一切受け取らないようになっている。だからアトリー君が手紙を受け取ってないのはわかるが、ロズ、お前がアトリー君と試合すると勘違いしているのは何故だ?それにアトリー君は返事を出していない筈なのに、どこでアトリー君がここに来る事を知ったんだい?」

(へー、うちでロズ殿下のお手紙は受け取ってないんだ、知らなかった~・・・・んー、それなら確かに何で僕がここにいるのを知ってるんだ?しかも試合するって勘違いしてるし・・・・どこで情報を聞いて勘違いしたんだろう???)

夜月『ふむ、この王子の事だ、また何処からか適当に聞いた話を、自分の都合のいいように解釈をしたんだろうな、それでここまで来るとは面倒な奴だ』

(あははは、ロズ殿下、行動力だけはあるんだよなぁ( ´∀`)あ、あれだ、よく言う、“働き者の無能が1番厄介“って奴だね♪てか、大会終了後のこの闘技場まで貸し切るとか、マジやり過ぎじゃ無い?)

夜月『アトリーもそこそこ表現が厳しいな・・・』

 なんて、皆んなと念話していると、ロズ殿下は気まずそうな顔をして口を開いた。

ロズ殿下「えっ、あっ、それは・・・」

 その後、スタフお兄様の追求にロズ殿下は、ここまでの経緯をポツリポツリと話した。その経緯を聞いてスタフお兄様初め、その場にいた人達は全員呆れた顔を隠そうともしなかった。

(はぁ~、手紙の返事がないのによくそこまで勘違いできたもんだ・・・(*´Д`*))

 ロズ殿下の説明によるとスタフお兄様の予想通り、自分の身の回りの世話をしてくれている気の弱い使用人に手紙、ならぬ“挑戦状”をデューキス家に直接持って行かせ、返事を持ち帰るようにいいつけたと。帰ってきた使用人は手紙での返事は貰えなかったが、僕が闘技場で待っていると言ったと。
 だが、本当の所はデューキス家ではロズ殿下の手紙は受取拒否、中身を見て貰えなかったお使いの使用人は偶然聞いた僕のお出かけ先を聞いて、それを殿下に報告したのではと、話を聞いていたオーリーが予想した。最後に・・・

オーリー「先日、アトリー様方が庭園で皆様とお茶会をなさっている時に、王城の使用人の制服を着た方が近くを通ったのをお見かけ致しましたので・・・」

 との事。

(あらー、これはオーリーの予想は確定かな?(。-∀-))

 その話を聞いたロズ殿下は・・・

ロズ殿下「う、嘘だ!僕にここに来るように言ったのはあいつの方だ!」

 と、僕を指差し、そう叫んだ。

スタフお兄様「ロズっ!往生際が悪いぞ!」

ロズ殿下「いいえ!コイツが僕との試合を避けたいが為に嘘を言わせているんだ!」

スタフお兄様「っ!ロズっ!まだそんな事を!そもそも、お前が勝手に出した手紙の内容を知らないアトリー君や、その専属使用人が嘘をつく必要はないんだからな!いい加減、自分の勘違いだったと素直に認めなさい!」

 ここまでしてしまって後に引けなくなり自分の非を認めきれず、僕がオーリーに嘘を言わせたと罵るロズ殿下、そんな殿下を叱るスタフお兄様、僕はその様子を見ながら“(あらあら、思春期の子供に自分が悪い事をしたって言い聞かせるのは大変だろうなぁ~)“とか呑気に考えていた。だが、僕の友人達はこめかみに怒りマークをつけて静かに怒っていて。ジュール達もあからさまに不機嫌になっていた。

(あー、ちょっと雰囲気がヤバめ・・・せっかく皆んなで楽しく剣闘大会を観戦したのに、最後の方で空気悪くしたくないなぁ(ㆀ˘・з・˘)・・・それに、この先もロズ殿下を相手するのに時間を取られたくないし、どうしたもんかぁ・・・・・あ、そうだ!殿下が言ってた“挑戦状“の内容を聞いて、気が済むまで相手してあげればもう絡んでこなくなるかな!?(*゚▽゚*))

夜月『むぅ、何もアトリーがそこまでする必要はないと思うが?』(この間もそんな感じで面倒ごとを引き受けて倒れたんだからな・・・)

(でもねぇ、いっその事、“力の差“ってやつを思い知れば大人しくなると思うだよねぇ、ほら、よく言うじゃん?“マウンティング“?ってやつ?( ´∀`)それをしとけば向こうから近いてくることは無くなるんじゃ無いかな?相手は男の子だから、力で敵わないって分かれば意外と素直になると思うよ(°▽°))

天華『ふむ、“躾“ですか?』

(“躾“って・・・んーまぁ、そう言う感じかな?(*´Д`*))

 と、言うことで、早速スタフお兄様にそれを提案。すると・・・

スタフお兄様「いいのかい?アトリー君、今日は友人と遊びで来てたんだろう?」

「あ、はい、それはこの試合が終わった後でもまた遊びに行くんで大丈夫です♪・・・それより、ロズ殿下、今から行う“力比べの試合“で僕が勝ったら、今後このような呼び出しはやめて頂きたいんです。僕は自分のやりたい事が山ほどあるので暇がないですから」

ロズ殿下「むっ、良いだろう!僕に勝てればなっ!」

 気遣ってくれるスタフお兄様に笑顔で答え、ロズ殿下は軽く煽った。僕の挑発にロズ殿下は自分が勝つと信じ、自信満々の様子だ。

「言質取りましたからね・・・さて、早速試合をしましょうか」

 ニヤリと笑って試合を催促する。

(自信満々だね、さては、僕が普段、軽い刀を使ってるからって、大剣を扱うことが苦手だと思ってるな?人は見かけに寄らないって事を思い知らさせてあげよう。ふふふふっ( ˊ̱˂˃ˋ̱ ))

天華『アトリー、顔、顔っ』

(おっと)

 僕の腹黒い笑みに怪訝そうな顔をするロズ殿下、スタフお兄様は僕らを心配そうに見つめる。ソルや仁達、イネオス達は僕がした笑いを見て可哀想なものを見る目でロズ殿下を見ていた。

「あ、そうだ、ロズ殿下、試合の勝敗や規則はどうしますか?」

ロズ殿下「先程まであっていた、剣闘大会の同じ魔法なし、スキルなしの自分の身体一つ剣術のみでの試合で、どちらかが舞台から先に落ちるか、負けを認めるかで勝敗をつけよう。武器はその大剣で行う、まぁ、その大剣をお前は振るう事ができればの話だがな」ニヤリッ

「ロズ殿下からご心配頂けるとは、僕もまだまだですね。ですが、そのご心配は無用ですよ。むしろ、ご自分のご心配をなさった方がよろしいのでは?」フッ

ロズ殿下「何っ⁉︎強がれるのもここまでだぞ!!」

スタフお兄様「はぁぁ~~~~っ・・・」

 軽く鼻で笑いさらに煽って来る僕に顔を真っ赤にさせるロズ殿下を、僕は内心冷めた感情で観察していた。その様子をスタフお兄様は手を頭に当てて深いため息を漏らしていた。
 そして、今の話を聞いていた仁達は「アトリー君相手に力比べとか、無謀だよね、見た目詐欺なのに・・・」とか、「さっきの不敵な笑い、ゲーム内での“アメトリン“そっくり・・・」とか、「ボコボコにする気満々だね、ロズ殿下、立ち直れるといいなぁ・・・」とか、色々言ってるのが聞こえてきたが、僕は全て聞こえないふりをした。

(煽り耐性0かよ・・・先行き心配だなぁこの王子様・・・・(*´ー`*))
















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