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第3章 少年期 学園編

148話 称号当て・・・ 勇者候補:花村 仁 視点

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 時間は少し巻き戻り、アトリーが加護の確認の為に鑑定を受ける事になったため、アトリーの両親と親戚の大人3人を残し、他の子供達が休憩室を後にした時の話。

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  勇者候補:花村 仁 視点

 王族専用の休憩室を出て歓迎パーティーの会場であるダンスホールに向かう廊下、僕達は先程のアトリー君の様子について話をしていた。

ライ「しかし、アトリーがあんなに恥ずかしがるなんてな・・・どんな称号を持ってるんだ?」

ヘリーさん「そうね、多分、たくさんあるんでしょう。アトリーは謙虚だから色んな称号がついても無闇に言いふらさないでしょうからね」

彩ちゃん「ねぇ、その称号ってどんな風に付けられる物なのかしら?私達には“勇者候補“とか“無類の可愛い物好き“とか、色々つているんだけど、いまいち規則性が分からないのよね・・・」

夢ちゃん「私のには“勇者候補“の他に“料理上手“とかついてるんだけど、その人の趣味とか?も関係してるのかな?」

「あー、僕には“二重人格“ってついてるんだけど、どう言う事だろうね?」

(これ、本当、意味分かんない。僕の何処が二重人格なんだろう?( ´ ▽ ` )?)

 自分についた称号に疑問を持ち、頭を傾げていると彩ちゃんや夢ちゃんを初め、冒険者活動をいつもしているメンバーが「あー、それは・・・」、と言った感じの表情をしていた。

彩ちゃん「仁、それはあなたの行動から来た称号だと思うわよ。まぁ、あの時の仁は人格が変わったように見えるってだけで、本当に別の人格があるわけじゃないけど、それぐらい落差が激しいから付いたんでしょうね・・・」

「ん?行動?」

夢ちゃん「喧嘩している時のことだよぉ・・・」

「・・・あー、そんなに人が変わったように見えるのかなぁ?」

 夢ちゃん達が言うには、どうやら僕は喧嘩の時が1番態度が変わるらしい。自分では意識していないが他の人から見るとどうも二重人格を疑われても仕方ないぐらいの豹変っぷりだと言われた。

「うーん、納得いかないなぁ・・・あ、そうなると、行動や趣味?みたいなもので称号がつくことが多いってことなのかな?」

ヘリーさん「・・・どうでしょうね。仁さん達が持ってる“勇者候補“の称号は今の立場、周りの認識から来ているものもあるみたいだし、一概にはそうとは決めつけられないのよね・・・」

「へー、称号がつく原因は幅が広そうだね、んー、そうなるとますます、アトリー君に付いている称号の内容が気になっちゃうね。どんな称号がついてるんだろう?」

(あんな風に恥ずかしがってたから、きっと凄い不本意な称号なんだろうな。いつも大人っぽい感じのアトリー君が恥ずかしがる称号って凄く気になる!)

 そう思うと凄く気になり出した僕。

夢ちゃん「そうだね!アトリー君なら色々と凄い称号を持ってそうだよね♪」

彩ちゃん「でも、恥ずかしがってたから、そこまで凄い称号じゃないかもよ?」

夢ちゃん「えーそうかなぁ?」

「うーん、でもアトリー君の事だから皆んなが予想できない称号を持ってそうなんだけどなぁ~」

彩ちゃん「まぁ、言いたい事は分かるけどね・・・」

夢ちゃん「だよねぇ~、あ!そうだ!ソル君とかはアトリー君の付いている称号、何か知らない?」

ソル君「・・・申し訳ありません。アトリー様の個人的な情報は従者である僕が軽々にお話しする事ができません」

夢ちゃん「あ、そうかー、こっちではステータスを知られるのはプライバシーの侵害に当たるのかぁー、うーん、そうなると無理に聞くのはダメか~・・・・あ!じゃあ、皆んなで予想してみるのも面白そうじゃない⁉︎」

 アトリー君の称号の事に興味津々な夢ちゃんは、アトリー君のことをよく知っているソル君に手っ取り早く聞いてみたが、とても真面目なソル君は、職務上アトリー君のプライベートな情報は話す事ができないと、きっぱり断られてしまった。そう言われた夢ちゃんは、現代日本でも問題になっているプライバシーの侵害が問題になっている事を思い出し、あっさり納得して引き下がった。だが次に名案とばかりに思いついたのは、アトリー君の持つ称号の予想を立てるゲームだった。

「あ!それいいね!面白そうだ!夢ちゃんナイス!アトリー君が来た時に予想したのが当たったか聞いてみようよ♪」

(予想するのは自由だからね!( ^∀^)それに本当に当たったらそれはそれで面白いだろうし)

彩ちゃん「それは良いけど、一口に“称号”って言っても幅が広すぎじゃない?どんな種類の称号がアトリー君についてるか分からなのに、ピンポイントで称号名を当てるのは難しすぎよ」

「あー、そうだった、立場的なものに趣味とか行動だっけ?他にもジャンルをあげたらキリがないかぁ・・・」

 良いゲームになりそうだと思った、アトリー君の称号当ては称号の種類の多さに断念せざる終えなくなったと思い、肩を落とすと・・・

ライ「あぁ、それなら3年前の情報で良いならちょとした助言は出来るぞ?」

夢ちゃん「えっ、いいの⁉︎」

ヘリーさん「ちょっとライ!」

ライ「そうカッカするなヘリー、俺達の知ってるアトリーの称号は3年前に公にされた物だろ?皆んな知っている事だ、って事は、アトリーはその後についた称号のどれかがアトリーが恥ずかしがっているんだろ?だからこれに関しては隠す必要はないはずだ」

ヘリーさん「・・・それはそうでしょうけど・・・はぁ、良いわ、称号そのものは言わないで、称号に関係する種類だけなら助言して良いわ」

 最初は乗り気ではなかったヘリーさんだったが、最終的には渋々ヒントだけならと了承してくれた。

ライ「分かってるよ。それに最初から称号を教えたらつまらないだろう?」

ヘリーさん「はぁ~~、後でアトリーに怒られても知らないわよ」

ライ「平気平気。アトリーはこれぐらいで怒らないさ、恥ずかしがりはするかもしれないがな」

ヘリーさん「ふぅ~・・・」

 ライの言った言葉に呆れた様子でため息を吐きながら首を振ったヘリーさん。ライは人好きのするいい笑顔でニカッと笑った。その対照的な双子のやり取りに他の皆んなが微笑ましそうに笑った。

リアさん「皆様、こちらが用意された席になります。席は決まっておりませんのでお好きな場所にお座りになられてください」

 そう会話しているうちにいつの間にか会場に戻って来ており、休憩室で話していた通りの場所にテラスへ出る扉があった。案内してくれていたアトリー君のお母さんの専属メイドのリアさんが丁寧に扉を開き案内してくれた。

ライ「あぁ、案内ありがとう。ジン、話は席に座ってからにしよう」

リアさん「では、皆様、すぐにご昼食の準備をいたしますので少々お待ちください」

 そう言ってリアさんはテラスを出ていき、代わりにライやヘリーさんの専属使用人さん達と、日頃お世話になっている僕達専属の使用人さん達が次々入って来て僕達の側に来た。

専属メイドのナターシャさん「ジン様、お席が決まりましたら順次お料理をお持ちいたします。ご希望の物がございましたらご遠慮なくお申し付けくださいね」

 優しい笑顔で笑いかけてくる専属メイドのナターシャさんは、髪の色や瞳の色が茶色で僕達の親達とそう年齢の変わらない親しみが持てる女性だ。こちらの世界に来て最初の頃のズューウス国のお城で生活いていた時は、常に若い女性のメイドさんが室内にいて落ち着かない日々を過ごしていたけど、(料理も美味しくなかったしね)このウェルセメンテ国の公爵家のお屋敷に来てから、やっとのんびり過ごせるようになった、それは全てこの人のおかげだ。
 今では親しい年上の友人や母親みたいな存在で、ナターシャさんは自分の子供のように接してくれている。こんな公の場所ではしっかりメイドさんとして接してくるけど、僕達の好き嫌いも把握されていて、ナターシャさんに任せておけば最も最適な料理が出てくるのを知っているので無駄口は叩かず・・・

「ナターシャさんにお任せします」

 と、言っておけば正解だ。

ナターシャさん「はい、畏まりました」

 周りでも皆んなに専属の使用人さん達が色々と聞いて回っていて、僕は先に適当な席に腰を下ろしテラスから見える庭園を眺めた。
(あ、後で聞いた話だけど、王城内で公爵家の使用人達が僕達の世話をするのは特別な許可があったからできたそうだ。本来ならお城の使用人達が全て対応するものなんだけど、僕達やアトリー君、聖獣様達の世話は通常通りすると決められたことは異例なんだって。その理由が王城には様々な貴族家の紹介で入ってきた使用人が大半で、その中に僕達狙いの人がいるから、そんな人達を近づけさせないようにする為らしい。その点公爵家の使用人達は職務に忠実だから信用できると言う事らしい・・・。ある意味、王家と公爵家の信頼が強くないとできない待遇だって事が凄く分かった事だった・・・(-᷅_-᷄๑))

「はぁ~~、お城は何処を見ても綺麗だなぁ~~、あ、写真撮っとこ♪」

 パシャッ

 写真専用にしていたスマホをジャケットの内側ポケットから取り出し記念に撮影した。

(お、良い感じの画角だちょうど皆んなが入るから写真撮っとこ( ◠‿◠ ))

 パシャッ

 もう一枚、別の方向をを撮ろうと体を捻ったらソル君やロシュ君、イネオス君達が、僕が座った席とは別のテーブル席に座っていたので、庭園をバックにそのまま記念に撮影すると。

ライ「なんだジン、また撮影してるのか?」

 僕の横の席に座ってきたライに覗き込まれたので。

「ライ、はい、チーズ!」パシャッ

ライ「おおっ?」

「ぷふっ!」

 急に言われたことに意味がわからなかったライの困惑した表情が撮れて思わず笑いが漏れた。ライとは歳が近いからなのか、初めて会ってから数日でとても気安く話す事ができるようになっていて、結構早い段階で互いの名前を呼び捨てにするぐらいまで仲が良くなっていた。今回も僕達がパーティーに参加するに当たっての正装作りをする時も色々とアドバイスを貰ったり、基本的なマナーを教えて貰ったりとしている中で、向こうの世界の事を色々と話していて、彼らが興味を持ったこのスマートフォンについても説明していた。

ライ「おいジン、前から思ってたんだが、その“はい、ちーず?“ってなんだ?」

 ライはこちらにはない習慣にも興味を持ったようで、興味津々で僕に聞いてきた。

「ん?あ、そうか、こっちではこんな掛け声しないのかな?」

ライ「掛け声?聞いた事ないな・・・」

「えーっとね、この“はい、チーズ“ってのは、写真を撮るときに掛け声?みたいな物だよ。写真撮影時にそう声を掛けれれたら、同じように返すと、その“はい、チーズ“って言ってる口の動きが自然な笑顔になるんだ。だから向こうの世界では頻繁に“はい、チーズ“って言って写真を撮るんだよ」

ライ「へぇ~、面白いな、こっちではその“しゃしん?“撮影はできないからな、その掛け声も初めて聞いたよ」

「そうなんだ?その場を記録する魔道具があるって聞いたけど・・・」

ヘリーさん「そうですね。ジンさん達の持ってる“けいたいでんわ?“でしょうか?その中の“かめら“と言う機能に似たものはこちらの世界で魔道具としてありますね。でも、それはジンさん達が仰ってた、“動画“でしたらありますが、“しゃしん“みたいな“静止画“は撮れませんし。他国の魔道具でも聞いた事はありませんわ」

「あ、それって、動画だけ撮れる“ビデオカメラ“の魔道具版って感じのやつかな?」

 ライと写真についての話をしていると、自分の専属使用人と会話を終えたヘリーさんが、彩ちゃんと夢ちゃんを連れて僕達の向かい側の席に座りながら会話に入ってきた。ライの双子の妹のヘリーさんとは最初、顔を合わすと挨拶をするぐらいの仲だったのだが、夢ちゃんや彩ちゃんが積極的に話しかけたりしたおかげで、僕も軽く会話するぐらいまでになった。(まだ、ヘリーさんの敬語は取れないけどね・・・)

彩ちゃん「そうね、私達の世界のカメラって、動画も静止画もどちらも撮れるのが普通だから、こっちでは機能が別々なのが普通なのかしらね?」

(あー、確かに、日本では今でもインスタントカメラって、使われてはいるけど、電化製品としてのカメラは動画も静止画も両方とも撮れるのが常識だもんな・・・('ω')僕の中では“魔道具=電化製品“って感覚だったから、同じカメラでも静止画が取れないのは不思議な感じがするな・・・)

夢ちゃん「あ、それだったら“静止画用“の魔道具って、“動画用“魔道具の“劣化版?“か“壊れている“って勘違いされている可能性あるかもよ?」

 夢ちゃん達も自分達の専属に料理の希望を伝え終わって会話に参加してきた。

ヘリーさん「・・・それは、あり得ますね。以前にそのような話を聞いた事があります。“かめら“、こちらでは“記録の魔道具“と呼ばれていますが、その“動画が撮れる記録の魔道具”と似た形状の魔道具が、国内の何処かのダンジョンで見つかったと話題になった事がありました。それは魔力を込めると最初は“動画が撮れる記録の魔道具”同様に起動したのですが、魔力を止め、記録した映像の確認をしたら、最後に写していた風景から映像が始まって、その風景から動かなかったそうです。ですからその魔道具は何処か壊れていて廃棄処分になったと聞いています。それからはその様なちゃんと稼働しない魔道具を”ハズレ魔道具“と呼んでいるそうですよ」

(へぇ、確か“記録の魔道具“って魔力を流している間だけ動画が撮影できるやっだったよね?ヘリーさんが言ってる魔道具は魔力が途切れたタイミングで静止画が撮影されるのか、面白いな、他になんか機能ついてるのかなぁ( ´ ▽ ` ))

 ヘリーさんの説明にあった魔道具は、まさしく写真撮影用の魔道具だと分かった僕はその魔道具により一層興味が出た。そんな事を思っていると。

夢ちゃん「えっ!それ完全に写真用のカメラじゃん!ん?それってインスタント、じゃなかった、一回きりだったのかな?何回も繰り返して使ったのか、同じ様な静止画の映像が増えて記録される映像の数が決まっていたのか・・・流石に一回だけの使い捨てってわけじゃないだろうし・・・うーん、見てみたい、できるなら欲しい・・・」

(確かに、それ僕も見てみたいし、ちょっと欲しいかも、だってファンタジーの世界のカメラなんて気になるから見るだけでもしてみたい!( ^ω^ ))

ヘリーさん「そうですね、詳細は聞いてませんので魔道具の機能は分かりませんが、実物を取り寄せる事はできると思いますよ?」

「「「えっ⁉︎できるの⁉︎じゃあ、お取り寄せで!!」」」

 コクコクッ

 僕と彩ちゃん、夢ちゃん3人が息ぴったりに答えると、少し引き気味に無言で頷いたヘリーさん。

「「「やったー!」」」

ライ「はははっ!お前達ほんと仲良いよな!それにしても“動画の記録魔道具“も色々機能の違いがあったが、“しゃしん用の記録魔道具?“にも機能の種類がありそうだな」

「そうだね、僕の知ってる写真のカメラは、使い捨ての物や画像が保存できる物とかが色々あるよ、その“動画の記録魔道具“にはどんな種類があるの?」

ライ「そうだな、あの魔道具は滅多に出回らないからな・・・確か、父上が子供の成長記録用に何個か持ってたな。聞いた話だと録画時間が短いが何回も撮り直しが可能のものや、録画回数が一度きりの物に再生回数が限定されている物など、色々あるらしい。形も様々あるし・・・あ、そう言えばさっきの話に出ていた“洗礼と祝福の儀“の時の映像も父上が残していたな。あれは耳飾り型の一度記録すると消えない、再生回数に制限が無い蓄積型だったはずだ、俺らの“洗礼と祝福の儀“の時の映像もあるって話してたな」

「えっ、そうなの?凄い!見てみたい!アトリー君の“洗礼と祝福の儀“の映像もだけど、ライ達の小さい時の映像も見てみたいな!」

彩ちゃん&夢ちゃん「「私も見てみたい!」」

ライ「お、おう、そうか、そんなに楽しいもんじゃないぞ?」

 ライが説明してくれた魔道具の種類の多さにも驚いたが、その魔道具で公爵家の兄弟全員の子供時代の記録が残っているとあって、そちらの方の衝撃が凄かった。

(ライ達の小さい時の映像が残ってるなんて凄いな!その魔道具、性能が凄い良いんだろうな、値段も高そうだ。さすが公爵家!)

 前のめり気味に頼んだ僕達にライはのけぞるように答えた。

ヘリーさん「その映像を見せてさしあげたいですけど、その魔道具はお父様がお持ちですから・・・」

「そうなんだ、それなら公爵様に直接聞いてみるよ♪」

(よし、公爵様が戻ってきたら1番に聞いてみよう!( ^ω^ ))

 早速この後の行動を決めてウキウキ気分で料理がくるの待ちながら、先程も話題に上がっていたアトリー君の持っている称号予想の話になった。

夢ちゃん「そう言えば、ライ君、アトリー君の称号予想の助言してよ♪」

ライ「お、そうだったな、うーん、どれにするか・・・」

彩ちゃん「どれにするって・・・もしかして、そんなに多かったの?アトリー君の称号」

ライ「あぁ、まぁな、“洗礼と祝福の儀“の際に表示される称号は何もないことの方が大半だ。あっても1つぐらいが普通なんだが、アトリーは初めから3つあったんだ。今はもっと増えているかもしれないけどな・・・」

彩ちゃん「3つも⁉︎凄いわね・・・」夢ちゃん「私達も最初は1つしかなかったよ」

「そうだね、最近やっと2つ目がついたばかりなのに、アトリー君は最初から3つも付いてたんだ・・・それにまだ増えているかもって・・・凄い・・・」

 自分達についている称号が2つ付いているだけでも凄いと聞かされていた僕達。でも、アトリー君には最初から3つも付いていたのが凄いと感心したのだった。













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