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第3章 少年期 学園編

130話 違和感

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 どうも、おはようございます!僕です!

 昨日は色々あって散々な目に遭いました!特に帰宅した後の採寸と着せ替えショーでゴリゴリに体力を奪われ。夕食を食べ終わった後にお風呂に入って、明日のダンジョン攻略の相談をしようと僕の部屋で皆んなに集まって貰ったけど。全員がヘトヘトになり過ぎていてすぐに解散する事になってしまった。

(僕なんかはいつの間にか寝落ちしてて、皆んながいつ部屋を出たかさえ分からなかったよ・・・( ´ ▽ ` ))


ーーーー・・・・その時の様子がこちら・・・・

ソル「アトリー様、明日は何か依頼を受けてからダンジョンに入ります、か?・・・あれ?」

イネオス「?・・・アトリー様?・・・・あ、・・・」

ヘティ「・・・まぁ、気持ちよさそうに寝てらっしゃいますわ・・・、ふぁ~、あ、ごめんなさい、寝てらっしゃる、アトリー様を見たら、私まで眠くなってきましたわ・・・」

 ソルが意見を求めアトリーを見ると。上座にある1人用ソファに座っていたアトリーは、気づいたらいつの間にかソファの手摺りに頭を乗せてスヤスヤと寝息を立てていた。

イネオス「・・・うん、それ、分かる・・・ふぁ~、・・・・、僕も眠いもの・・・」

ソル「・・・ベイサンもいつの間にか寝てる・・・・、ふぁ、なんだか、僕も眠くなってきた、今日はもう話はここまでにして、明日の朝に話そう・・・はふぅ、・・・」

 ヘティの隣に座っていたベイサンもすでに夢の中の住人となっていて、座った状態で頭を揺らしていた。心地良さそうに寝息を立てるアトリーやベイサンの姿に、すでに疲れて限界だった3人も眠気に勝てず、あくびを上げながら目を擦った。

イネオス「・・・うん、分かった・・・また明日・・・ふはぁ~~」

ヘティ「えぇ、また明日、おやすみなさい・・・」

ソル「うん、おやすみなさい・・・」

 そうして、うつらうつらしながら、イネオスとヘティ、ソルは自室に戻り。ベイサンはジル叔父様のお屋敷の執事に抱き抱えられ、自室に送られていき。僕は専属執事のカインに抱えられて、寝室に運ばれて、そのまま朝までぐっすり寝ていたそうな・・・


ーーーー・・・そして今朝・・・

「おはよう皆んな、昨日はごめんねいつの間にか寝ちゃってて、まともに相談できてなかったね」

ヘティ「いいえ、私達も眠気でそんな話できなかったと思いますから、気になさらないでください」

ソル「僕も、部屋に戻ってすぐに寝台に入ったら、いつの間にか寝てましたし・・・」

イネオス「僕もだよ・・・」

ベイサン「僕なんていつの間にか自分の部屋の寝台に寝てて、びっくりしたよ・・・」

 と、朝のティータイム中に会話している僕達、今日は少しのんびりして、ダンジョンに向かう事になっていた。

(そう言えば、昨日、父様にダンジョンの行く回数を聞くの忘れてたな、連続何日までなら許してくれるかな?途中お休みも取らないといけないから・・・3日に一回かな?・・・・・あ!新作の武器の試運転もし忘れてた!Σ('◉⌓◉’)・・・・まぁ今日行って試せばいいか・・・)

「そうだ、今日はギルドに依頼を受けに行く?」

ヘティ「その事なんですが今日は何階層を目標に潜りますか?それによって素材の・・・・・ーーー」

 色々考えてはいたけど、まずは今日のダンジョンでの目標をテキパキ決めて、素早く装備を整えダンジョンに出発!と、したが今回はジル叔父様だけが不参加だった。(昨日の事件の捜査で忙しいだろうなぁ、お疲れ様っ感じ・・・あ、でも、このせいで今日のダンジョンに行くのは中止になると思ったけど、意外にも中止にならずに済んで良かったよ)
 そして、サブマスはと言うと、僕達が依頼を受ける為にギルドに行ったら、おすすめの依頼書を持って待ち構えていた。
 僕達の実力に合った依頼だったので、これといった反対意見もなく、その依頼書を僕とイネオスの2パーティーで分けて受け持ち、手続きが終わったらすぐに出発した。
 すると出発した馬車の後ろに向かって誰かが叫んでいたようだが、何を言っているか分からなかった。でも表情は見て取れてすごく怒っていたのは確かだ。
 その叫んでいる人は冒険者ギルドの職員らしき人だったので、一緒に馬車に乗っているサブマスに視線をやるとニヤニヤ笑っていた・・・
 どうやら指名依頼の契約を理由にギルドの書類仕事から逃げてきたようだった。
(後でギルマスに怒られても知らないんだから・・・)

 そっと、そんな事を頭の片隅で思い、呆れた顔でサブマスを見ているとダンジョンについた。

 到着と同時にいつものざわめきがおき、昨日と似たような反応は日常茶飯事、うまくスルーしてダンジョンに突入!

 周囲の反応はなんのその。一度来たので階段の場所は分かっているから、3階層まで素早く到着。そしてまたそこからダンジョンの探索を開始。

「あ、また宝箱見つけた・・・・ん?何か他にも忘れているような・・・あ!昨日の宝箱開け損ねてた!!」

ソル「・・・そう言えば、開けるの忘れてましたね・・・」

 昨日のダンジョン探索でゲットした宝箱を帰宅後に皆んなで開けようと約束していたのにも関わらず、その日の疲れのせいで皆んなその事を忘れて、早めに就寝したのだった・・・

イネオス「すっかり忘れてましたね」

ヘティ「私も、忘れてましたわ・・・」

ベイサン「僕も・・・」

「やー、昨日は皆んな疲れてたから、色々忘れてたね・・・今日こそは帰ったら開けようか。あ、そうだ、皆んなに聞くの忘れてたんだけど、明日はダンジョンに行く?お休みにする?」

ソル「そうですね・・・・・・」

 昨日に引き続き宝箱を見つけた僕は、昨日皆んなに聞き忘れていた話題を話しながら、再び探索し始めた。色々と話して決まったのが、ダンジョンの探索は連続して2日までで2日したら次の日は1日お休みにすること。そして翌日からまたダンジョン探索を始める、と言うサイクルになった。
 宝箱は基本発見者の物として、見つけたその日に皆んなで開け、宝箱のアイテムがどうしても欲しい物だった場合は発見者に交渉可能と言うことで決まった。

 今日は昨日探索した場所とは反対側にあった川沿いを探索し、街のような遺跡を発見。
 時々出てくる魔物を倒しながら探索を進めていると、その街の遺跡の中心部に大きめの建物があったので中に入った。すると意外とあっさり次の階層への階段を見つけた。

「あ、あった・・・簡単過ぎ?・・・」

サブマス「はははっ、初心者向けのダンジョンなんてこんなものだ、魔物も弱いしな」

「そっか・・・」

(こんなものか?“嗜好の海底神殿“はもうちょっと手応えがありそうだったけどなぁ。うーん、やっぱり色んなダンジョンに入ってみないと分からないか・・・)

天華『まぁ、そこは学園を卒業してからのお楽しみでしょう』(アトリーは忘れているようですが。“嗜好の海底神殿“は一応、“上級ダンジョン“に入るので難易度は段違いなんですけどね・・・)

(だねぇ、早く卒業したいなぁ、でも、学園生活も楽しみたい・・・悩ましいなぁ~(*´Д`*))

 そんな話をしているうちに階段を降り4階層へ。その後も探索はサクサク進み、この日受けた依頼の品もゲットして、6階層まで降りてダンジョンの探索を終了。
 帰ってから夕食の時間までの間に皆んなで集まり、今日までに見つけた宝箱を開封してみた。
 昨日ゲットした宝箱の中身は“色彩豊かな美しい刺繍がされたシルクスパイダーの布地を使ったストール“で。今日ゲットした宝箱には“グレートダッシュボアの大角“だった・・・

「何故、“グレートダッシュボア“?フロアボスだったのか?討伐報酬?・・・いや倒したのは昨日だしな・・・・まぁ、いいか・・・」

 宝箱から出てきたアイテムはわずかな疑問を抱かされたが。そこはいつも通り“どう考えても分からない事はスルー“の精神でスルーし、このアイテムをどうするかと言った話になったっときに、綺麗なストールはそのままヘティに進呈しようとしたら、ヘティに全力でお断りされてしまった・・・・
 仕方がないので他にいる人がいないか見回してたら、ソルが「アトリー様のお母様にプレゼントなさったらどうですか?」と、言ったので他の皆んなも全力で頷いた。

(皆んなとのダンジョン探索で出てきたものだから、皆んなで分けっこしようとしただけなのに・・・(。-∀-))

 ストールはどうみても女性用だったので、友人の中の紅一点のヘティに渡すのが妥当だと思った僕の考えは、どうやら少数派だったらしい・・・

*基本的に考えて宝箱を見つけた人がその中身の処遇を決めるもの。普通の人なら自分の近しい親族などにプレゼントするなり、お金に困っていれば売るなどするものだが、基本そこの常識がいい具合におかしいアトリーだった・・・

 結局、ストールは僕の母様にあげる事になり、残った“大角“はそのまま記念にとっておく事になった。

 そんな感じでその日の話し合いは終わり、翌日はお休みとしていたので、各々ドゥーカ領の領都を観光するといった予定となり、僕は両親とお出かけとなった。
 そこにいつも通りソル親子も入るので合計5人でお出かけだ、そして姉様達は引き続き仁達のパーティー用正装の制作のアドバイス係になった。

(あ、また武器の性能テストし忘れた・・・・( ;∀;))


ーーーー・・・・・翌日、朝・・・・

(正装のオーダーメイドの打ち合わせも今日で3日目に入るな、仁達、昨日の時点でかなりグッタリしてたけど、大丈夫かな?)

 お出かけ準備を済ませて玄関ホールで父様達を待っていると、姉様達と仁達がお見送りしに来てくれていた、見るからに仁はげっそりしていて、彩ちゃん達は笑顔だけどちょっとお疲れのようだった、その3人の横でカミィ姉様とヘリー姉様達はニコニコ、カイ兄様もいつも通りニコニコ、ライ兄様はグッタリしていた。

(なんだ、あの落差は・・・1日目は僕達も色々やられて疲れたけど、あれほどではなかったよ?昨日はドレスやジャケットの細かいところを決めるって言ってたけど、そんなに大変か?)

天華『まぁ、慣れない人には大変なんでしょう』

(あー、それもそっか、僕はいつも通りって感じだけどね、それに僕、ああ言う布地とかレースとか見るの嫌いじゃないし、前世では自分で色々縫ってたからねぇ・・・・コスプレが殆どだけど・・・( ´∀`)それにしても王城でのパーティーの開催なんてかなり急だよなぁ)

夜月『確か、本来なら6月辺りに学園で行うはずだった、新入生の歓迎パーティーだったのだろう?』

(そうそう、開催する時期と仁達の来る時期が被っちゃって、中止になっちゃったんだよね、んで、なんかわちゃわちゃやってる間に夏休みになったちゃったんだよ、そのまま今年の歓迎パーティーは無しになったと思ったけど、仁達もきてるからって理由で夏休み明けの9月に持ってきちゃったのかな?)

ジュール『それにしても、お知らせが急だと思うなぁ~』

(だよねぇ、知らせが来たのが8月頭だったし…、まぁ、学園生は元々あるのは知ってたから、それ用のドレスとかは用意してあっただろうし。もし丈が合わなかったとしても少しお直しすれば済む範囲だろうけど、仁達はそんなの持ってなかったもんね。マルキシオス家であった夜会の時は、兄様や姉様達の持ってたドレスやタキシードでどうにか間に合わせたけど、流石に王城でのパーティーでお下がりはまずいよねってなって、今一から制作してるんだよねぇ。
 ここは王都から結構離れてるから、服飾の職人がバタバタしてなくて、余裕を持って制作できるからちょうど良かったよね。でも一緒にダンジョンで冒険者活動するはずが、全部衣装制作に時間取られちゃって可哀想・・・(。-∀-))

天華『時間があまりありませんもんね。王都に戻ってから頼むのは無理がありますし、滞在期間が1番長いのがドゥーカ領でしたから仕方ありません』

(そうだよねぇ、今度ダンジョンで何かいい物がゲットできたらプレゼントしよう。後、今からのお出かけ先で美味しそうなお菓子見つけたら買ってこよう(´・Д・))

天華『3人とも甘い物が好きそうでしたからいいじゃないですか?』

 とか、話してたら父様達が玄関ホールに来て、お出かけスタートした。お見送りしてくれていた仁達や姉様達に手を振り、馬車に乗って街に繰り出し、楽しくお買い物。予定通り姉様達や仁達にお土産をチョイスして、領地でお留守番してくれているお祖父様やお祖母様達にもお土産を買った。父様達とのお買い物は楽しく満足した、でも、さっきから感じる言い知れぬ違和感に馬車の窓から街を見渡し、こう呟いた。

「なんか、街が落ち着かない・・・」ボソッ

 何か具体的説明できるわけじゃないけど、自分を取り巻く空気感が張り詰めているように感じた。

母様「アトリー?どうかした?疲れちゃったかしら?」

「いいえ、母様、何でもないです。でも今日、他に行かないといけない所がないなら、もうお屋敷に戻りませんか?また明日のダンジョンの準備もしたいですし」

母様「あら、そう?他にはこれと言ってはないのだけど、昼食を食べてから帰りましょうか」

父様「そうだね、昼は外でとると言って出たからね、それでいいかな?アトリー?」

「はい、急に我儘言ってごめんなさい父様、母様、ソル達にも・・・」

父様「いいよ、気にしなくて、でも何か気になったかな?」

 父様達は僕の急なお願いに怒ることもなく聞き入れてくれて、僕の異変に気づいてくれた。

「うーん、何か、街中が落ち着かないんです。いつもなら色んな人に注目されても気にしないんですが。何と説明していいか分からないんですけど、周囲の空気がそわそわするんです・・・」

(街中だから、“探索系スキル“とか使ってないんだけど、なんか落ち着かないんだよね。だからと言って気になる魔力があるか見ようとして“精霊視スキル“使うと、急にたくさんの精霊と魔力が見えちゃって視界が悪くなるしなぁ。うーん、悪い感じがするわけでもないし、でも気になるから“気配感知のスキル“を小規模で展開しとくか?)

 通常街中では護衛騎士もいるし、自分の周りの加護の結界があるからといって、“探索系スキル“を使ったりしない僕だけど。こんなに違和感があるならそれも考え直すべきかと思い直していると。

父様「・・・ふむ、そうか・・・・・、アトリーは街の空気感が敏感に感じとれているのかもね。この間の子供誘拐の事件の関係もあって、街全体で警戒体制に入っているんだよ。そのせいでちょっと物々しい空気になっているじゃないかな?」

「・・・そう何ですね、・・・それなら納得です」

(うーん、それはしょうがないか、犯人捕まえなきゃならないもんね。ならこの空気感にも慣れなきゃかな?)

 多少の違和感はあるものの、街全体の警戒体制ならば仕方ないと言い聞かせて、気にしないようにする事にした。

父様「まぁ、今日はまだ慣れないだろうから、昼食を食べたら屋敷に戻ってゆっくりするといいよ」

「はい、なるべく気にしないようにします」

*この時、街の警戒態勢の話は事実であったが、アトリーの感じた違和感の正体は別にあった。それは今回の件に邪神教が関わったと判明した時点で、アトリーの警護の為に増やした人員が原因だったりする。通常の5倍の影が周りを警戒しているため、その警戒の緊張感をアトリーは感じていたのだ。それと、アトリーを守ろうとする精霊達が騒がしく動き回っている事も原因の一つだったりする。




アイオラト(今、領内の誘拐に関係した者達は全て捕獲したが、新たに入ってくるかもしれない“邪教“関係者の警戒の為に、ジルから借りた影騎士とうちの影との差に違和感が出たのか?何にせよ、もう少し“影控え《かげびかえ》“が上手い者に交代させないと、いつか気づかれてしまいそうだな・・・)

 と、メンバーチェンジを考える、父アイオラトだった・・・













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