163 / 394
第3章 少年期 学園編
77話 説明は大事
しおりを挟むどうも!おはようございますっ!僕です!・・・が!今日は朝早くから物凄くわちゃわちゃしています!
それは昨日夜会でのご飯の後の事だった・・・
+ーーーーー+ーーーーー+ーーーーー+
(んん?なんか真っ暗?・・・ここどこだろう?)
席から立ち上がると急に目の前が真っ暗になった、そのまま変な空間に取り込まれたように感じ、今の現状を把握しかねている状態だ。
(よく見ると、所々キラキラ光ってる、星?かな?夜空?なんか落ち着く)
目が慣れてきたのか、周りの風景が認識できるようになった、夜空のようなどこまでも続く広い空間に、自分はふわふわと浮かんでいるような感覚を覚える、その感覚が心地良く眠気を誘っている。
(やばい、今ここがどこかも分からないのに寝ちゃいそう・・・)
少し危機感を持ちつつも、この空間の心地良さに負けそうになっていると、夜空のような暗い空間に突然、月のように丸い優しい光の球が現れた、その光の球がこちらに段々近づいて来ているのが分かり、少し焦って逃げようと思うが、身体が思うように動かない事に今更ながら気づいた。
(や、やばい!本格的にやばい⁉︎・・・ん?・・・なんか知ってる気配?)
近づいてくる光の球に既視感を覚えよく見てみた、すると光の中によく知る人物の姿が浮かび上がり、僕の目の前でしっかりと姿を現した。
『済まない、アトリー、私のせいで君の身体が強制的に眠りに落ちてしまった』
出会って秒で謝ってきたのは、僕をこの世界に導いてくれた地球の神の月詠様だった、相変わらず美しい顔《かんばせ》を申し訳なさそうな表情に歪めていた。
(んんん⤴︎?・・・・・て、事はここは僕の夢の中?)
眠りに落ちた=夢の中と認識した僕だが、月詠様が気にして欲しいのはそこでは無いのだろう、マイペースに自分の夢の中にしては自由が効かないと、思っていると。
『厳密には私の“意識“と繋がった夢の中だ、今は強制睡眠の説明の為にアトリーが取り込んだ、そうだな…、“月光力“とても便宜上つけておこうか、月の光を介して送られて来るエネルギーみたいな物を利用して、アトリーの夢に介入している、元々この“月光力“は私の様に“夜を司る神“や、“月に関する特性を持った者“に影響を及ぼすものなのだが、今回は私の加護が原因でアトリーの身体にまで影響が出てしまったようだ、なので多少不便を強いるが早急な説明のため私の“意識“とアトリーの夢を繋げたのだ』
(おぉ、だから、この空間が夜空のようにキラキラ光って綺麗だったんだね、凄く落ち着くと思ったら、月詠様のおかげだったかぁ、そう言われるとまた眠くなって来るねぇ)
その説明を聞いて安心したらまた眠気が襲って来た。
『ア、アトリー、き、君は相変わらず無自覚に人を褒め倒す・・・、あ、まだ眠らないでくれ!まだ、説明しなきゃならないことがある!』
顔を赤くして照れている可愛い月詠様にニマニマ見ながら、この夜空の様な空間を漂っていると、まだ聞いとかなきゃならない事があるらしかった。
(おぉっ!は、はい何ですか?)
気持ち、正座している気分で聞くと、
『簡単に言うと、今回の件で君が夜になるとすぐに眠ってしまうと言う事がバレてしまった』
(???、と、言うと?)
いまいち話の内容が飲み込めない僕に、月詠様が丁寧に教えてくれた。
『そもそも、君には私の加護の内容は君に絶対的な防御を意識した“守護結界の加護“を付けていた、それに加えて君が大きく成長したいと言ったので、私の夜を司る力を使い、成長に合わせた睡眠時間を取らせるために、特定の時間になると眠気を誘うようにと効果を加えていたのだが、それがアトリーが今世で初めて夜空に月がのぼっている時間の屋外に出て、長時間に渡り月の光、“月光力“を浴びた事により、睡眠を誘う効力の加護が強化されてしまい、強制的な睡眠を誘発させてしまったみたいなんだ』
(えぇ!確かに“身長が欲しい“とは言ったけど、そこまで気を配ってくれたんだ、あ、じゃあもしかして、僕が立ち上がってる時にここに来たって事は・・・)
『そう、周りからしてみれば君が急に昏倒したように見えていただろう、それほど急激な眠り方だった、今回の件は初めてだったから周りは大騒ぎしてしまったが夜月に頼んで、“月光力“の事は出さずに加護の効果と、“日中の行動での疲れ“が影響して、急に眠り込んだと誤魔化して説明させた、これはアトリーが月の光を浴びると簡単に昏倒すると知られるのは危険だと判断したから、わざわざ誤魔化した、それに次も同じようになるのか、今回限りなのかは断定はできない、なのでアトリーは今後、積極的に月の出る夜には外に出ない様にしてくれ』
(うわぁ!うわぁ!どうしよう、これ絶対とんでもない迷惑かかってるよ!心配もさせてるし!しかも夜会の最中に!!招待客に変に思われてないかな⁉︎どうしよう!どうしよう⁉︎)
『アトリー、アトリー、落ち着いて、君が思っているような規模で大騒ぎしたわけではないよ、騒いでたのはあの場にいた身内だけだから』
大騒ぎになったと聞いて慌てている僕を、月詠様が落ち着かせて再度説明してくれて念押しに『いいね!』と、強く念押しされたので深呼吸をして素直に頷いた。
『それとは別に、副次効果として“守護結界の加護“も強化された、前まで結界にはアトリーの害になるものは全て弾いたり、粉砕させたり、とできていた効果に加え、さらに武器や魔法を消滅させる事ができたり、反対側に通過させたりできるようになって、あと、今までオートモードでの結界の効果は弾く一択で、他の効果を使うにはその場で自分で意識して変更してきた、効果範囲の調節と加護の様々な効果の選択が、オートモードでも事前に設定可能になった。
最後に今までアトリーの正確な座標を示していたアメトリンのブローチが必要無くなった、今日の“月光力“の吸収量が月が2つあったこともあり、とても多かったからかアトリーの位置が正確に辿れるようになったな、だからなのか効果範囲の選択が可能なったと思われる』
(・・・・・わぁ・・・・・ぶっ壊れチートの加護だぁ、弾いたり、粉砕させる上に消滅させて、通り抜けたりもできるんだぁ・・・・・マジ、あざっすっ!m(__)m)ガバッ
もうね、土下寝したよ、こんな凄い加護を“僕なんか“ の為につけて貰えてるなんて、マジ申し訳ない・・・、罪悪感満載でこれから月詠様にどう報いれば良いのか、何か返せないか、そんなことばかり考えていると、
『アトリー、君の悪い癖だぞ、以前にも言ったが“僕なんか“と思ったら駄目だ、自分を卑下するのはやめなさい…、それに私が勝手にこのような加護を付けたのだから、見返りなんて望んでいない、・・・でももし、それでも何か返したいと思うのなら、アトリーがこの加護に誇りを持って、この世界での人生を謳歌して好きに生きてくれることが、私には何よりの喜びで最高の贈り物だよ』ふっ
キュンッ
寝そべったまま顔を上げた状態の僕の額を、指で突きながら言われた言葉にキュンッと来て、その後の月詠様の全てを愛しむ優しい笑顔にノックアウトされた。
(っ!!!美しすぎる!!心臓がもたない!!!(゚∀゚)) ガクッ _(┐「ε:)_
『ア、アトリー?アトリー⁉︎大丈夫か⁉︎おい!』
(・・・有り難う御座います、月詠様、『う、うん?』いつも励ましてくれて本当に有り難う御座います、僕、月詠様のその言葉を胸に長生きします!!)ガバッ(ノД`)⤴︎
(・・・・・ご尊顔が近い・・・、尊死できます、ご馳走様でふっ・・・(*´∇`*))ボッシューッ
『アトリー⁉︎・・・ーーー』
照れもあり顔をうつ伏せていると、言われた言葉が徐々に心に染み込んできて嬉しさが溢れた、何とか感謝を伝えて最後に顔を上げると、目の前に月詠様の顔が間近にあって、僕の心が嬉しさと萌でキャパオーバーを起こし、そのまま寝てしまった僕。
+ーーーーー+ーーーーー+ーーーーー+
そして、今日の朝・・・
快眠ですっきりと目覚めた僕は周りを見渡すと、両親はすでに起きてリビングに移動していていなかった、ジュール達におはようと挨拶した後もボーッとその気配を感じていると、夜月を通して『急に寝ちゃうから心配したよ』と伝言をくれた月詠様、その言葉にさらに嬉しさが込み上げて、再びあの時の月詠様の笑顔を思い出してしまい顔を真っ赤にさせて、かろうじて気絶せずに「大丈夫です、月詠様の加護のおかげで目覚めスッキリです」と返した僕を誰か褒めてくれ・・・
そのあと、萌でベッドでのたうち回っているのを、寝室に僕を起こしに来たソルに発見され心配されたが、「な、何でもないよ!」と返して誤魔化した。
そんなやり取りの後、まだ心配そうにしつつも僕が目を覚ました事を隣の部屋にいる父様達にソルが報告すると、慌てた様子で父様達が寝室に入ってきて抱きしめた。
「「っ!!」」ギュッ!
(母様達にやっぱりたくさん心配させちゃった・・・)
その後も朝早くから、次々兄弟やマルキシオス家の皆んなもやって来ては心配したと抱きしめてくれた、おかげで嬉しさと照れ臭さで胸はポカポカし、寝室内は人の多さでわちゃわちゃしてる。
そのわちゃわちゃしている室内を見ていると、集まってくれた皆んなに嬉しさと照れ臭さを感じると同時に、これだけの人達に迷惑をかけて心配させてしまった事に申し訳ない気持ちになり(何か言わないと)と思い、
「えっと、夜月から事情は聞きました、皆さんに沢山ご迷惑をおかけしまして申し訳ございませんでした、この通り身体にはどこも悪い所はなく、気分もこの上なく良好です、ご心配していただき有り難う御座います」
(あぁ!よく考えると、倒れる前に婚約破棄騒動に頭突っ込んだし、それを丸投げして僕、夜会途中退場してる⁉︎あ~!もっと他にも謝らなきゃいけない事もあったのに!こんな感じじゃ呆れられちゃうかな、でもこれが僕の精一杯の謝罪です!本当にご迷惑おかけしました!)
月詠様に言われた言葉があるから、自分を卑下する言葉は使わない、でも自分の行動と加護などの事で凄く迷惑をかけたのは事実、そこの道筋はしっかり立てて誠心誠意、謝罪と感謝を伝えたかったが、後から別の謝罪案件を思い出し、言葉のチョイスをミスったと思いつつも深々頭を下げると。
「「「「「迷惑なんかじゃない!」」」」」「「「「「心配するのは当たり前!」」」」」「「「「「あと、畏まりすぎ!!」」」」」
(つっ・・・、僕、今回は凄い迷惑をかけたと思うよ?なのにそれをそんな簡単に許してくれるの?それに全部ちゃんと謝罪できてないから絶対呆れられたって思ってたのに・・・)
あんな騒ぎを起こして心配させたのに、夜会もちゃんとこなせなかったのに、迷惑かけと思うのに・・・
でもこうして声を揃えて言われて、嬉しいって思っちゃって、嬉しくて、嬉しすぎて、感動で目に涙が溢れてきて、でも嬉しいからへにゃってブサイクな笑顔で笑った。
「ふふっ、う、うれしい、あ、ありがとう・・・」
(僕、こんなに涙腺ゆるかったかな?最近自分が情緒不安定なのは分かってる、でも、いいや、嬉し泣きだもん)
泣き笑いする僕に両親がそっと両側から抱き締めてくれて、温もりを感じたら安心してしまい、もっと涙が出てきた。
母様「あぁ、アトリー、そんなに泣かないで」
父様「アトリーいつも謝り過ぎだよ」
母様が優しくハンカチで僕の涙を拭い、父様は優しく背中を撫でてくれる、その優しさが嬉しくて泣き笑いが止まらない、こうしている間にも他の人達は優しい目で僕を見守ってくれている。
「あ、あの、ぐすっ、とうさま、かあさま、ぐすっ、ぼ、ぼくうれしいの、ぐすっ、うれしいのに、涙がとまらないの、ぐすっ」
そう言うと両親が隙間が無くなるくらいぎゅーっと抱きしめてくれて、幸せいっぱいになって、暫くすると涙が止まった、泣き過ぎて少し頭が痛いし、目も真っ赤だけど、心が幸せいっぱいだから、笑顔は止まらなかった。
(月詠様の言葉も、家族全員の言葉もどれも嬉しくて、こんなに幸せな事って他にある?)
まだ自分に与えられた神々の加護に戸惑う事もあるだろうけど、加護をくれたティーナちゃんや天照ちゃん、月詠様達の思いをしっかり受け止めて尊敬の念を持って、今後の生活の糧にし、自分の生きたい人生を送ろうと思い直した瞬間だった。
泣き止んだ僕を見て両親以外の皆んなが安心した顔で部屋を出て行った、最後にソルが出て行こうとしてたから、呼び止めて。
「ソル、心配かけてごめんね、後、床にぶつかりそうになった僕を受け止めてくれて有り難う!」
さっきまでずっと壁際で僕との“感情共感“で一緒に泣きながら、見守って心配してくれていたソルに精一杯感謝を伝えた、すると、ソルの顔がやっと顔が緩み笑ってくれた、ソルはいつも僕の事を家族と同じぐらい心配してくれるから、今回も目の前で僕が倒れたのを見て1番不安になっていたはずだ、だからソルには僕の1番の笑顔で感謝を伝えるんだって決めていた。
ソル「・・・は い、とても、っう、心配しました、アトリー様が、うぅっ、お目覚めになられて、ぐすっ、本当に良かったです・・・ぐすっ」
「ぐすっ、あははっ、今度はソルの涙が移っちゃった、ぐすっ」
母様「あらあら、まぁまぁ、2人してそんなに泣いたら、目が腫れちゃうわよ、ふふっ」
今度は逆にソルの安堵した事での嬉し泣きで涙が止まらなくなった僕達を、互いの親達が慰めることになり、朝食に少し遅れると知らせを出して、互いに思う存分泣いた所で、母様が“生活魔法“の“キュア“でパンパンに腫れた目を治してくれた。
母様「さぁ、これでもう大丈夫ね、アトリーはお着替えしてから朝食を食べに行きましょう、ソル君はアトリーのお手伝いしてくれるかしら?」
アトリー&ソル「「はい♪」」
母様「ふふっ、いつも通りね、じゃあ母様達はあちらで待ってますから、着替えたら来て頂戴ね?」
「はーい!」
父様「ふふっ、朝食に行く前にアトリーに嬉しいお知らせがあるからね、早く着替えを済ましておいで」
「はい!!」
父様が何やらサプライズを用意してくれているみたいなので、オーリー達にも手伝って貰い急いで着替えを済ました、今日はとてもシンプルな服装だったので思いのほか準備に手間も掛からなかった、髪型もあまり手間のかからない編み込みの一本結びで終わらせて、父様達が待つリビングに行くと、父様、母様は優雅にお茶を飲んでいた、そして、ソルのお母さんのセラスさんはいつの間にかリアさんと同じように母様の後ろに立っていた。(ついでに言うとジュール達3人は僕が起きてからずっと小さな姿で僕の周りをついて来ている)
(さっきまでソルの背中を摩ってたのに、いつの間に部屋を出て母様の後ろに控えていたんだろうか・・・)
相変わらず、不思議なソルのお母さん、たまにしれっとメイド達に紛れていたこともあるから、ホント謎の人物だ・・・
(やっ、まぁ、ソンブラ家も裏稼業の一族なのは知ってるけど、こんなに自然に周りに溶け込む人はそうそういないよ?)
多分、諜報系の仕事が向いてる人なんだろうなぁとか思いつつも、父様、母様の前のソファーに座り着替えが完了した事を告げる。
「父様、母様、お待たせしました、着替え終わりました」
父様「うん、実に動きやすそうな格好だね、とても似合っているよ」
母様「えぇ、アトリーは何を着ても似合うわね、ふふっ」
「??有り難うございます?」
急に普段着と変わらない格好を褒めてくる両親に、頭の中の?マークの量産が止まらない。
父様「ふふっ、さて本題だよ」
「は、はい!」(ドキドキッ、ワクワクッ、嬉しいお知らせって何だろう?)
父様「今日の予定は・・・・・、“海中ダンジョンの探索“です!」ドンッ!
「・・・・えっ!えぇっ⁉︎え、え、いいんですか?僕達が?」
(ダンジョンに入る約束は取り付けていたけど、今日、急に入る事になったのは何故だろう?)
父様「ふふっ、やっぱり驚いているね、喜んでくれたみたいで良かった、でも今日“水中ダンジョンの探索“をできるのは正確には、アトリーと聖獣様達だけなんだ」
父様は悪戯が成功したと言った顔で笑い、話を続けた。
「僕と聖獣達だけ?」
父様「そう、あのダンジョンは精霊様達がアトリーのためにプレゼントしたから、最初に入っていいのはアトリーと聖獣様達だけなんだそうだ」
やけに限定的な条件だなっと思った僕はすぐに、この条件を突き付けてきた精霊達の言葉を天華達が伝えたんだなっと察した、そして少し困った顔でそう話す父様に、少し心配そうに僕を見てくる母様を見ていると。
(これは僕が1人で中に入って行くのを心配している顔だな、まぁ、確かに魔物がいるダンジョンの中に、まだ10歳の子供を1人で行かせるのは心配だよね・・・)
「あ、あ~、そう言う事ですか・・・、分かりました、頑張って行ってきます、・・・・その前に、天華?あの、ダンジョンって入り口の扉がしまってたじゃない?だからその、ダンジョンの扉を開けるのが僕じゃなきゃダメってこと?」
天華:『いいえ、“水中ダンジョン“の中の1フロアはアトリーが探索しないと他の方を入れる気はなさそうです』
少しでも母様の心配を取り除こうと、いつも通り膝の上にいる天華から情報を聞き出してみる。
「そうか、1フロアだけね、他の人は入れないんだね、そこに僕だけに見せたいものがあるのかな?・・・そもそも、あの“水中ダンジョン“の構造は上か下に降りていく階層式なのかな?それとも、1つのフロアにただ広大な空間が広がっているだけのダンジョンなのかな?後者の方だとかなり時間がかかると思うんけど・・・、うーん、そうなると内装も建物の中みたいなのか、自然で溢れているのか、それによって出てくる魔物も色々と分かれてくるよね?」
天華:『それこそ、中に入ってみない事には分かりませんが、“水中ダンジョン“の中の構造はの多分、階層式だと思いますよ、『1フロアだけでいいから』と言ってたので』
「あぁ、続きがあるような言い方だから階層式なんだね、ならそんなに広くないし時間もかからないかな?内装は行ってからのお楽しみか♪」
天華との会話を済ませ、心配そうな母様に向き直り。
「母様、階層式のダンジョンの1階層はそんなに広くないし、出てくる魔物も強い物は出て来ませんから、今回、色々と心配を掛けましたけど、僕はそんなに弱くはありません」
キリッと真剣な目で母様に言うと、
母様「!、ふふっ、・・・そうね、アトリーは強い子だものね、私が信じて待っていなきゃダメね、分かったわ、アトリー、ダンジョンを楽しんできなさい、そして、母様に何があったか、色々お話ししてね?」
「!、はいっ♪」
そうして、母様の後押しも得られて、ご機嫌な僕に父様が“鑑定“の使用許可の確認を今度からしなくていいと、使用許可制度を撤廃してくれた!嬉しくて小躍りしたいくらいだった、その時父様は少し悲しそうな顔をしていたけど、すぐにいつもの笑顔に戻っていた。
父様「さて、そろそろ、お腹も空いて来ただろう?朝食を食べに行こうか」
「はい♪」
その後すぐに皆んなで部屋を出て、ご飯が用意されている広間にご機嫌で歩いて行った。
246
お気に入りに追加
4,393
あなたにおすすめの小説

チートな転生幼女の無双生活 ~そこまで言うなら無双してあげようじゃないか~
ふゆ
ファンタジー
私は死んだ。
はずだったんだけど、
「君は時空の帯から落ちてしまったんだ」
神様たちのミスでみんなと同じような輪廻転生ができなくなり、特別に記憶を持ったまま転生させてもらえることになった私、シエル。
なんと幼女になっちゃいました。
まだ転生もしないうちに神様と友達になるし、転生直後から神獣が付いたりと、チート万歳!
エーレスと呼ばれるこの世界で、シエルはどう生きるのか?
*不定期更新になります
*誤字脱字、ストーリー案があればぜひコメントしてください!
*ところどころほのぼのしてます( ^ω^ )
*小説家になろう様にも投稿させていただいています

奪われ系令嬢になるのはごめんなので逃げて幸せになるぞ!
よもぎ
ファンタジー
とある伯爵家の令嬢アリサは転生者である。薄々察していたヤバい未来が現実になる前に逃げおおせ、好き勝手生きる決意をキメていた彼女は家を追放されても想定通りという顔で旅立つのだった。

【完結】クビだと言われ、実家に帰らないといけないの?と思っていたけれどどうにかなりそうです。
まりぃべる
ファンタジー
「お前はクビだ!今すぐ出て行け!!」
そう、第二王子に言われました。
そんな…せっかく王宮の侍女の仕事にありつけたのに…!
でも王宮の庭園で、出会った人に連れてこられた先で、どうにかなりそうです!?
☆★☆★
全33話です。出来上がってますので、随時更新していきます。
読んでいただけると嬉しいです。

【完結】精霊に選ばれなかった私は…
まりぃべる
ファンタジー
ここダロックフェイ国では、5歳になると精霊の森へ行く。精霊に選んでもらえれば、将来有望だ。
しかし、キャロル=マフェソン辺境伯爵令嬢は、精霊に選んでもらえなかった。
選ばれた者は、王立学院で将来国の為になるべく通う。
選ばれなかった者は、教会の学校で一般教養を学ぶ。
貴族なら、より高い地位を狙うのがステータスであるが…?
☆世界観は、緩いですのでそこのところご理解のうえ、お読み下さるとありがたいです。

大聖女の姉と大聖者の兄の元に生まれた良くも悪くも普通の姫君、二人の絞りカスだと影で嘲笑されていたが実は一番神に祝福された存在だと発覚する。
下菊みこと
ファンタジー
絞りカスと言われて傷付き続けた姫君、それでも姉と兄が好きらしい。
ティモールとマルタは父王に詰め寄られる。結界と祝福が弱まっていると。しかしそれは当然だった。本当に神から愛されているのは、大聖女のマルタでも大聖者のティモールでもなく、平凡な妹リリィなのだから。
小説家になろう様でも投稿しています。

【完結】それはダメなやつと笑われましたが、どうやら最高級だったみたいです。
まりぃべる
ファンタジー
「あなたの石、屑石じゃないの!?魔力、入ってらっしゃるの?」
ええよく言われますわ…。
でもこんな見た目でも、よく働いてくれるのですわよ。
この国では、13歳になると学校へ入学する。
そして1年生は聖なる山へ登り、石場で自分にだけ煌めいたように見える石を一つ選ぶ。その石に魔力を使ってもらって生活に役立てるのだ。
☆この国での世界観です。

私と母のサバイバル
だましだまし
ファンタジー
侯爵家の庶子だが唯一の直系の子として育てられた令嬢シェリー。
しかしある日、母と共に魔物が出る森に捨てられてしまった。
希望を諦めず森を進もう。
そう決意するシャリーに異変が起きた。
「私、別世界の前世があるみたい」
前世の知識を駆使し、二人は無事森を抜けられるのだろうか…?

「宮廷魔術師の娘の癖に無能すぎる」と婚約破棄され親には出来損ないと言われたが、厄介払いと嫁に出された家はいいところだった
今川幸乃
ファンタジー
魔術の名門オールストン公爵家に生まれたレイラは、武門の名門と呼ばれたオーガスト公爵家の跡取りブランドと婚約させられた。
しかしレイラは魔法をうまく使うことも出来ず、ブランドに一方的に婚約破棄されてしまう。
それを聞いた宮廷魔術師の父はブランドではなくレイラに「出来損ないめ」と激怒し、まるで厄介払いのようにレイノルズ侯爵家という微妙な家に嫁に出されてしまう。夫のロルスは魔術には何の興味もなく、最初は仲も微妙だった。
一方ブランドはベラという魔法がうまい令嬢と婚約し、やはり婚約破棄して良かったと思うのだった。
しかしレイラが魔法を全然使えないのはオールストン家で毎日飲まされていた魔力増加薬が体質に合わず、魔力が暴走してしまうせいだった。
加えて毎日毎晩ずっと勉強や訓練をさせられて常に体調が悪かったことも原因だった。
レイノルズ家でのんびり過ごしていたレイラはやがて自分の真の力に気づいていく。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる