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第3章 少年期 学園編
61話 領地に向けて出発!
しおりを挟む翌朝・・・・・
はい!どうも、おはようございます!僕です!
今日は領地に向けて出発する日です!
朝早くから旅支度をして素早く朝ご飯を食べて、用意された馬車に荷物を乗せている間に、屋敷の使用人達に別れの挨拶を済ませ、いつも通り父様、母様と一緒の馬車に乗り込んだ、外まで見送りに出て来てくれた使用人皆んなに手を振り馬車が出発、周りは公爵家の護衛騎士達が60人程が取り囲んでいる。
「ふふ~ん♪ ふっふ~ん♫ふ~ん♬」
父様「ふふっ、今日はご機嫌だねアトリー」
「はい♪、久しぶりに父様達と旅行に行けるのが楽しいです♪それに旅行中は父様、母様とずっと一緒にいれるので嬉しいです!」
ガバッと、隣に座っていた母様に抱きついた。
母様「あらあら、アトリーたら珍しく甘えん坊さんね?」
そう言って母様は優しく頭を撫でてくれた。
父様「ふふっ、ここ最近色々と忙しかったから、寂しかったのかな?」
「う~、そうです・・・10歳になっても母様達に甘えるのはダメだと思ってるんですけど・・・」シュンッ
(う~ん、僕ってこんなに甘えん坊だったかなぁ、ほんの数週間 両親が構ってくれなかっただけで、こんなに寂しいって思うなんて・・・精神年齢が退行して来てる気がする・・・)
以前は父様達が数週間居なくても平気だったのに、最近は離れ難くなって来ている、自分の精神年齢が前世含めると45歳以上のはずなのに、感情の制御が上手くいっていないと、項垂れる僕。
夜月『そう落ち込むなアトリー、以前も言ったが体年齢に精神が引っ張られているだけだ、そう難しく考える必要はないさ』
と慰めてくれる夜月。
(うー、でもぉ、今までの態度から一変して、急に年相応の行動をし出したら変じゃない?)
天華『大丈夫ですよアトリー、ご両親はそんな事思ったりしません、遠慮なく子供らしい振る舞いをすれば良いんです、今までが異常だったんですから、少しぐらい甘えても貴方を突き放したりしませんよ」
(う・・・、うん、分かったよ、で、でも母様達がドン引きしたらどうしよう・・・)
ジュール『大丈夫、大丈夫、心配ないよ~』
と励ましてくれた。
(う、うしっ!母様達に、ほどほどに、甘えるぞ!頑張るぞ!おー!)
ジュール達(((それは頑張る所か?)))と、思われているとは知らずに気合いだけは十分な僕だった・・・そんな会話がされている間、周りの大人達はシュンッとしたアトリーの仕草が可愛くて身悶えしているのに気づいていない。
そんなやり取りをしている間に、父様が母様とは反対側の僕の席に移動してきて、僕の頭に手を置き。
父様「アトリー、君は“まだ“10歳だ、だからまだまだ私達に甘えて良いんだよ、君は知らないかも知れないだろうけど、君の他の兄弟達も10歳の頃はそれはそれは甘えん坊でね、君が見てない所で父様と母様を困らせていたんだよ」
「?僕の見ていない所で?ですか?」
父様「そうだよ、たまに父様達が領地から王都に用事で赴いている時なんかにね、皆んな色々とおねだりをして来たものさ、でもアトリーの前ではそんな姿は絶対に見せないようにしているんだよ、皆んなね、アトリーの前ではカッコいいお兄さんや、素晴らしいお姉さんでいたいからって、我儘を言わないようにしてたんだってよ、ふふっ」
「え!兄様や姉様達がですか⁉︎」
(兄様、姉様達がカッコつけていたとは!ん?そう言えば、皆んな学園に行き出した辺りから急に大人び始めていたな・・・・学園で他の人達に触発されてそんな風になり始めたのかと思っていたが・・・どうやら違うようだね)
父様「ふふっ、最初はカミィが学園で家族に、アトリーに会いたいと寂しがっていた時に兄弟がいる友人から「今度、兄弟達に会うまでにお姉ちゃんとしてしっかりした姿を見せて、カッコいいって言われて尊敬されるのと、今のままでウジウジした姿を見せて、カッコ悪いって思われて幻滅されるの、どっちが良い?」って聞かれたそうだよ、
それを言った友人にはダメなお兄さんがいてね、その子はお兄さんの事を「家の兄さんは正直、尊敬はできないよ」って、言ってたって、そこからカミィは頑張って、下の兄弟達に尊敬されるお姉さんになる為に努力して、甘えるのも我儘言うのも下の兄弟達が見ていない所でし出したんだ、それを他の兄弟達も真似して、学園に行き出したら皆んなアトリーの前では良いお兄さん、お姉さんをするのが慣例化しちゃってね、私達が王都に用事で行くたびに沢山甘えて来てくれていたよ、だからアトリーも遠慮はしなくて良いんだよ」
そう言って父様は僕の頭に置いた手で優しく撫でてくれた。
(おぅ・・・、カミィ姉様がカッコつけの発端だったか、いや確かに、学園に行く前のカミィ姉様は僕から離れたくないと、駄々をよく捏ねていたな、そう思うと大人になったなぁ・・・、しかし、その友人の兄は何をして、そこまで言われるような事をしたんだ?・・・逆に気になる!)
「そうなんですね、姉様、兄様達もそんな甘えん坊の時期があったんですね、ちょっとホッとしました、いつ見ても姉様、兄様達は凄く勉強もできて強くて優しいカッコいい自慢の姉様、兄様達でしたから♪」
母様「ふふっ今の話は皆んなには内緒よ?」
「ふふっ、はい母様、内緒ですね♪」
母様「ふふっお約束よ、だから、アトリーが母様に甘えても皆んなには秘密にするからね、沢山甘えてちょうだいね」
父様「さっきは久しぶりにアトリーの甘えた姿を見て、私は安心したよ、この長期休暇中にも沢山甘えて我儘を言って良いんだからね」
モジモジ、モジモジ「・・・・はい、で、でも、僕は、父様、母様と一緒にいれたら満足です・・・・」
父様と母様の貴重な時間を、自分に割り裂いて貰えるだけで十分だと伝えたかったのだが、
(うぅ~、自分の要望?を言うのがこんなに恥ずかしいとはっ!)
と、モジモジと指を絡ませ合いながら勇気を出して照れて言うと。
「「「っ!!」」」
ガバッ!っと両側から両親に抱き締められた。
父様、母様、リアさん「「「か、可愛いっっっ!」」」
父様「はぁ、どうしてこの子はこんなに可愛いいんだろうか⁉︎」
母様「もう、何でこんなに謙虚で可愛いのかしら⁉︎」
リアさん「照れたアトリー様は貴重で可愛すぎです!それに我儘が我儘じゃないっ!もうこれは天使じゃないかと!」
(リ、リアさん!何ですかそれは!てか、リアさんが一緒に乗っているの忘れてた~!それなのにこんな恥ずかしいやり取りを~!あぁ!穴があったら入りたいっ!!)
「えっ、あ、その、ぅう、あ、あの、は、恥ずかしいですぅ・・・・」
父様、母様達だけではなく、リアさんにまであんなお願いの仕方を見られてしまい、僕は羞恥心で顔が真っ赤になったのが分かり、顔を手で覆って身悶えた。
母様「うふふっ、アトリーったら本当に天使みたいに可愛いいんだから」
父様「そうだね、天使なアトリーのお願いを聞くために、旅行中はずっとこのまま3人で一緒に行動しようか、ふふっ」
母様「まぁ♪いい提案ねラト、2人で沢山アトリーを甘やかしましょう♪」
父様「あぁ♪沢山 甘やかそう、滅多にないアトリーの我儘だからね♪」
(えっ!い、いやそう言う意味で言ったんじゃないよ!一緒に旅行ができるのが嬉しいって思っただけなんだけど!しかも天使を定着させないで!!)
夜月『ん?同じ事じゃないのか?』
(やっ、そうだけど、そうじゃないって言うか!)
ジュール『良いじゃん3人一緒で』
(あぁ~~~!何で伝わらないかなぁ~~!父様と母様が近くにいてくれるだけで嬉しいって言うか、見守ってくれたら満足って意味なんだけど~)
天華『言質を取られてしまってますので、もういっその事盛大に甘えてみてはどうですか?アトリー』
(はうぅ~~、嬉しいけどぉ、何だろうこの恥ずかしさ?なんか、嬉しいような恥ずかしいような、むずむずするぅ~!)
心の中で盛大に言い訳をしていたが、それとは裏腹に思っていた以上に両親の提案が嬉しくて、つい顔が緩んでニヤついてしまっていた、これが“面映ゆい“《おもはゆい》と言う心境なのかと思った。
この時、恥ずかしさで顔を真っ赤にさせながらも、嬉しさではにかむ僕を見ていた大人達は安堵した様子で見守っていた。
父様(最近は特に聞き分けが良すぎて、構ってあげれなかった日が多かったから拗ねてはいないかと心配だったが、アトリーがこうして一緒にいてくれるだけで嬉しいと言ってくれたことに、つい安堵してしまった、だが、ただ一緒にいるだけで嬉しいと言うのは、あまりにも寂しすぎるよ、アトリー、今後はもっと家族としての時間を取ろう・・・そして沢山の家族としての思い出を作らないとな)
そうして、アトリーのお願いは今後も定期的に叶えられることとなリ、以後 親兄弟の愛情あふれる“家族団欒の日“は、アトリーのチート能力をフルに使い公爵家の習慣と化した。
馬車内でわちゃわちゃしている内に今日の宿に着いた公爵家一行、馬車が宿の入り口で停車し全員が降りると、真っ先にソルが僕の赤くなった顔を見て心配してくれていたが、これは熱があるとかでは無いので大丈夫だと言うと、ソルは心配そうではあったが引き下がってくれたのでよしとする、その代わりに父様と母様が後ろで、ニコニコしている事に不思議そうに頭を傾げていた。
(ソルの心配はありがたいが、今はそれどころではない!首を傾げる仕草も可愛いがっ!恥ずかしさが天元突破しそうなんだよぉ~~!)
恥ずかしさで赤くなった顔を手で覆いたいが、他の人達がいるような場所でそんな行動ができなくていると、母様が手を取り頭を撫でてくれた。
(むぅ~、母様のなでなでは感情の鎮静効果抜群だ!でも、原因は母様達なのにぃ~!しかし、落ち着くのは事実なので素直に受け入れますけどね!)
『『『クスクスッ』』』
(そこ!笑わない!)
ジュール達がわざわざ念話で笑いを届けてきて揶揄われた。
母様「さぁ、アトリー中に入ってゆっくりしたら一緒に夕食を取りましょうね、ふふっ」
「はい、母様・・・」
照れながら返事を返した僕を見たソルが、あぁ、と納得したのが釈然としない、その間も母様は僕の手を離すことはなく、ずっとニコニコと僕を見ていた。
(えぇい!どうにでもな~れ~!)
最終的には開き直ることにした、今回の部屋割りで当然のように両親と同室にされて、部屋に案内されて中に入り旅装束から室内着に着替える、両親と同室と言っても部屋の中で寝室が別にあったので一安心出来たのもそこまでだった、何故なら母様と父様は今日は一緒に寝る事を前提でことを進めていた、父様の専属従者 兼 執事のカイルさんと母様の専属メイドのリアさんをも巻き込み、僕は逃げ場がない状態にされてしまった・・・
(グフッ!フロアを貸切にしてあるにも関わらず、僕を母様達と同じ部屋にした事といい、この部屋の中にある複数の寝室を、自分達が寝る予定以外の残った、ただ一つの寝室をわざと荷物で溢れ返すなんてっ!それにカイルさんなんてしれっと、「申し訳ありませんアトリー様、本日は旦那様方とご一緒に就寝していただく事になってしまいました」とか言ったんだよ!あの人!そして、いつの間にやったんだよ!って話だ!・・・・・はぁ、いや、カイルさんが悪いわけじゃない、父様がそう指示したんだと思うけど・・・、それより父様達は10歳の子供と一緒に寝て楽しいのかね?)
そこそこ、身長も大きくなって年相応に成長している僕は、自分が両親のベットに入ったら狭いんじゃないかと思っている、それに両親と一緒に寝るのは10歳児としては少し複雑な気分だ。
(まぁ、前世でも1番下の兄弟で唯一の男の弟は、冬になると自分の部屋に暖房がなく寒いからといって、母の電気毛布が付いている布団に潜り込んでよく一緒に寝ていた、それを17歳で身長174センチのガタイのいい弟がしていたんだから、僕ならまだギリギリOKなのか?弟は後々ホットカーペットを買ってやったら自分の部屋で寝始めたしな、二畳用のホットカーペットが少し狭くて斜めになって寝てたけどね、“〼“こんな感じで・・・)
と、そんなことを悶々と思いつつ、変な思い出をも思い出している時にはすでに、夕食を済ませお風呂にも入り終わって寝る準備も万端、ソルや兄様達におやすみのハグ挨拶も終わらせると、母様に手を引かれて母様達の寝室に連れて行かれて、あっという間にベッドの真ん中に寝かされてしまった。
(うーん、凄まじく手慣れた様子で連れて来られて、寝かされてしまった・・・・うん、手際が良すぎでしょう?なして?)
母様「アトリー、ずっと考え事していると危ないわよ?」
「あ、はい」
(あぁ、僕が注意力散漫だったんですね・・・分かりました、もう大人しく寝ます)
父様「さぁ、今日はもう休もう、お休みアトリー」
母様「アトリー、お休みなさい、いい夢を」チュッ
「はい、お休みなさい、父様、母様」バフッ
父様に頭を撫でられ、母様には頭にキスを貰い、ちょっと照れくさくなって枕に顔を埋めると、後頭部を撫でられる感覚があり眠気を誘う。
『『『お休みアトリー』』』
(お休み皆んな・・・ZZZzzzz)
寝室に備え付けのソファーの上で寛いでいる皆んなとも念話で就寝の挨拶を交わし、その日はすぐに眠りに落ちた。
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