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第3章 少年期 学園編
20話 プチ切れ♪
しおりを挟む?「どけよ!邪魔だろ!貴族のボンボン!」
予定より少し遅くなったが当初の目的を達成して、後は帰るために馬車がギルド前に来るのを、クエストボード前で皆んなと話して待っていると、いきなり後ろから怒鳴られた。
僕達はびっくりし怒鳴り込んできた人を見ると、怒鳴ってきた人はまだ子供で、それこそ僕達と変わらないぐらいのヤンチャそうな赤茶の髪色をした少年だった。
赤茶髪の少年「お、おい!聞こえないのか⁉︎ボードが見えないじゃないか!どけよ!」
再度、怒鳴られてやっと僕達に向かって言っていると分かった時に、素早く前に出てきたのはオーリーと専属使用人達だった、少し離れた所で僕達の様子を見ていた彼女達は、それぞれの主人の側についた。
(おぉ!これが本当のフラグ回収だったのか!)
オーリー「君、こちらのボードには依頼書は貼ってありませんよ、隣のボードを見なさい、それと今の物言いは我が主人に対して無礼極まりないです、謝罪しなさい」
赤茶髪の少年「はぁ⁉︎なんで俺が謝んなきゃ行けねぇんだよ!ボードの前でくっちゃべって邪魔してるアイツらが悪いだろうが!」
確かに僕達はクエストボードの前で話していた、だがFランクのボードは横に2つ並んであって、今はお昼過ぎた時間なので貼ってある依頼書は一旦引き下げられて、再度受付に近い方に貼り直されている、そして僕達は何も張られていない、もう1つのクエストボードの前で、他の人の邪魔にならないように話していたのだが、どうやら彼はわざわざ僕達にいちゃもんをつけたいが為に、何も張られていないボードを理由に怒鳴ってきているのだ・・・(正直無理があると思う)
オーリー「謝罪する気がないのですか?後、このボードには何も貼られていないのに邪魔も何もないと思いますが…」
赤茶髪の少年「っ!・・・ふんっ!へっ、大人の後ろに隠れて出てこれねぇような貴族のボンボンになんかに謝る必要なんかねぇな!」
「はんっ」と、勝ち誇ったように鼻で笑われた僕達は顔を見合わせ一拍置いて笑った。
「クスクスッ、僕が話そうか?」
ベイサン「ウッククッ、お願いできますかっ、ククッ」
イネオス「クフフッ、いえ、僕でも良いですよ?クフフッ」
へティ「クスクスッ、えぇ、お願いしますわっ」
ソル「クッフフッ皆さん、笑いすぎですよっ」
「そんな言ってるソルだって笑ってるよ?クスクスッ」
ソル「クッ、す、すいませんっクフフッ」
赤茶髪の少年「おい!何がおかしいだ!お前ら!」
笑いが止まらない僕達にムカついたのか、また怒鳴り出した赤茶髪の少年、自分が笑われている事が分かって真っ赤になって怒っていた。
「クッ、ゴホッ、んっ、ん、ご、ごめんね、君があんまりにも変な言いがかりをつけてきたから、少しおかしくなっちゃって…、それに僕達は君が怖くて隠れているんじゃなくて、僕から手を出さないだけだよ、それより君も冒険者なの?」
僕は片手を上げて赤茶髪の少年に話しかけた、手を挙げたことで護衛騎士達が剣から手を離す。
こう言う場合、僕達に何かあればこの少年はただでは済まない、それを分かっていて僕達からはあえて相手にしないのが貴族子息、子女としての常識だ、それを理解していない少年の煽りに、笑い1つ出るのは仕方ない事だった、ただ笑ってしまったお詫びに、と言ってもアレだが真面目に対応しようと話を直接聞いてみた。
赤茶髪の少年「はぁ⁉︎俺が冒険者じゃなくてなんだってんだ⁉︎それに言いがかりなんてつけてねぇ!俺はギルドのルールに従って、クエストボード前でくっちゃべってる邪魔なお前達を注意しただけだ‼︎」
「あれ?そんなルールあったかな?」
少年がギルドのルールだと言い出したので、冒険者登録の時に貰った、ギルドの決まり事が書いてある冊子を取り出し見て見た、他の皆んなも同じように冊子を手に中を読み始めている。
(う~ん、やっぱり書いてない・・・ルールって言うより、ごく当たり前の事しか書いてないんだよね、ギルド建物内で喧嘩しないとか並ぶ順番を守るとかね)
「う~ん?」と、頭を傾げていると。
サブマス「どうかしましたか?」
先程まで僕達の登録手続きをしてくれていた、サブマスのグノーメ・シエリーさんが奥の受付から出てきた。
赤茶髪の少年「サブマス!俺、アイツらに注意してやったんだっ!」
少年はサブマスを知っていたようで、これまでの経緯をドヤ顔で話した、サブマスは話を聞いているうちに顔色を悪くして険しい顔をして僕達を見た、
僕は少し困った顔をして苦笑いしつつ首を横に振ると、サブマスはホッとした顔をした後に・・・
サブマス「ヨンガン君の話は分かりました、確かに他の人の施設内の使用の妨げになっては行けないとは書いています…」
ヨンガン少年「ほらなっ!俺が言った通りだろ!」
渾身のドヤ顔でこちらを見てきたヨンガン少年。
サブマス「で・す・が・“今回は“何も貼っていないクエストボード前で話しているだけで、他の人の邪魔をしているわけではないのです、なので、あちらの方々がギルドのルールを破っている訳でもないのに、「邪魔だ!」と言って怒鳴ったヨンガン君は、あちらの方々に謝罪しないのはいけない事ですよっ」
(“今回は“って前も似た様な事してるのかな?少年は…)
ヨンガン少年「な、なんでだよっ!俺はあの貴族のボンボン達にルールを教えてやったんだぞ!それなのになんで俺が謝んなきゃなんねぇんだよっ!前は怒らなかったじゃねぇか!」
サブマス「こらっ!“貴族のボンボン“だなんて!そんな言葉どこで覚えてきたんですか!ヨンガン君!その言葉をこれ以上使うと“不敬罪“で斬られますよっ!!」
ヨンガン少年「っ!なんでだよ!“ふけいざい“って!なんで斬られるんだよ!俺は教えて貰った通りちゃんと注意しただけだぞ!それに貴族のボンボンは貴族の子供って意味だろ!なのになんで言っちゃいけないんだよ!」
サブマス「⁉︎、ヨンガン君!そんな間違った意味で誰に教えてもらったんですか!」
サブマスに怒られたことで、先程までの勢いは何処へ行ったのか半泣きになってきたヨンガン少年、その少年の発言から良くない情報を聞き取った僕。
(おやおや?どうやら悪い大人がいるみたいだね)
天華『その様ですね…』
ジュール『う~~ん?あの子からなんか甘い匂いがする、アトリーのお母さんがしてたみたいなの~』
(うん?香水?この少年が?貴族の女性がするみたいな?う~ん、少年はどう見たって普通の一般市民より、少し貧困してそうな家庭にいる服装をしているから、そんな高価な物を使用してないはずだけど…、そんな匂いどこから付けてきたんだろうね?もしかして・・・ねぇジュールその匂いは強い?)
ジュール『ううん、凄く弱い、肩あたりから匂うよ?』
(弱くて、肩から…ね、分かった有り難うジュール、あ、そうだ同じ匂いのする人はこの中にいるかな?)
ジュール『うん、いるよ!あそこ!』
ジュールにギルド内で同じ匂いがするか探って貰ったら、ギルドの食堂 兼 酒場のこちらが良く伺えるテーブル席で、僕達のやり取りをニヤニヤ笑いながら見ているグループがいた、ジュールにお礼を言い、そのグループを観察してみると。
(あれか、見た所、卒業したてか成人したての、16~8歳ぐらいの何処かの貴族の子息達かな?良い装備もつけてるし冒険者で間違い無いと思うけど、あまり強そうではないね、貴族の三男とかかな?女の子もいるし香水の香りはあの子のかな?彼らが少年に嘘を教えたのか?ん?でも何故だ?この少年に恨みでもあるのか?それに“今回は“、ね・・・)
「オーリー、ちょっと良いかな?」
彼らが少年を唆したと仮定しても、そこまでする必要があるのか不思議に思った僕は、サブマスと少年のやり取りを見ていたオーリーを小声で呼び、要件を耳打ちした。
「・・・・・って、聞いてみて?」
オーリー「はい、畏まりました」
オーリーは僕の指示に従い次の質問をした。
オーリー「お話中の所すみません、シエリーサブマスター、少し気になったのですが、この少年は前にも似た様な事をしでかしているんですか?」
サブマス「えっ、あ、はい、数日前に新人の冒険者の方々が、早朝のクエストボード前で、他の新人の冒険者達の依頼閲覧を妨げていた事がありまして、ヨンガン君が注意した事ですぐに退いて下さったんです」
オーリー「そうなんですか、しかし早朝の冒険者ギルドの依頼閲覧の妨害をするなんて事、そう簡単にできますか?これだけ大きなクエストボードに近づけさせないなんて、結構大人数だったんですね?そんな大人数に向かって彼は注意するなんて、そんな危険な事をしたんですか?」
オーリーは疑問に思ったことを次から次へと聞き出した。
(いいぞ、オーリーその調子!)
サブマス「い、いいえ、そ、その、人数は4人ほどだったんですが…その、4人の冒険者のご身分が貴族籍でしたので他の皆さんを、その、身分を使って牽制なさっていたんです」
ヨンガン少年「え!そうなのか⁉︎・・・・でもさっき・・・・」
(ふむ、4人か人数はあってる…、それに少年はその4人が貴族の子供だって知らなかったみたいだね…)
「ヘェ~、そんな迷惑な貴族籍の冒険者がいたんですね、人の迷惑を考えないなんて恥ずかしい限りです、同じ貴族籍の冒険者として非常識な方々とは一緒にして欲しくないですね…、しかし君はその貴族のボンボンなんて言葉どこで教えて貰ったの?いくらその言葉が貴族に使っちゃいけない言葉とは知らなかったとは言え、普通は一回でも貴族に向かって言ったりすると、貴族によっては重い罰を与えるんだよ?それなのにそんなタチの悪い嘘を何も知らなかった君に教えた人は性根が腐っているか、その人達も本当にその事を知らなかった可能性もあるね」
「ねっオーリー」とオーリーに話を振りながら後手でカインと護衛騎士達に合図を送る、すると僕の話を聞いていた例の貴族子息のグループが席を立ち、コソコソとギルドの入り口に行こうとしていた。
オーリー「そうですね、アトリー様、少年、その事を教えてくれた人はどなたか分かりますか?その方の認識も正した方がその方の為になりますからね」
ヨンガン少年「え、あ、でも、その人達も貴族だったぜ、さっきサブマスが言ってた人達だからさ、ほらあの人達だよ」
と、案外素直に答えた少年が指差した先に、案の定この場から逃げ出そうとしている貴族子息達の4人組がいた、少年に存在を知らされて焦った表情で振り向いた4人。
「「「「っ‼︎・・・」」」」
(大当たりか…、しかしこの4人はさっきの騒動は見ていなかったのか?)
ギルドに着いてすぐの騒動を見ていた者なら、僕達にちょっかいを掛けてくるなんて事は絶対にしないだろうと思っていたが、どうやら彼らは騒動の後にギルドに入ってきた様だった。
(自分達と同じ貴族籍の子供、それもまだ未成年で使用人と護衛騎士がついている僕達に、わざわざ少年を使って嫌がらせして来るなんて、本当に性根が腐っているんだろうね)
僕達のような使用人や護衛騎士達が常に付くような貴族の子供は、有力貴族の子供の可能性が高く、ちょっかいをかければタダでは済まされない事の方が大半なのを分かっていて、何も知らない少年を焚きつけた彼らはニヤニヤしながらそれを見ていた、と言う事は彼らはよほど前回彼に注意された事に腹を立てていたらしい、自分達が悪いのに少年を自分の手を汚さずに始末しようとしていた彼らは、性根の腐ったクズだと言う事が確定した。
オーリー「そこの方々、少しよろしいでしょうか?」
貴族子息1「な、なんの用でしょうか?ぼ、僕達は先を急いでいるので遠慮します」
サブマス「少しお話をお聞きしたいだけですので、たいしてお時間はかかりませんよ、ご協力お願いします」
貴族子息2「っ!急いでいると言っているだろ!」
サブマス「急いでどこに行かれるのですか?少し話しお聞きしたいだけです、それともお話しできない様なやましい事でもお有りですか?」
貴族子息2「くっ!」
サブマスが有無を言わさない迫力で貴族子息1と2を追い詰める、貴族子息2人がサブマスに問い詰められている間に、他2人の貴族子息と令嬢がこっそり入り口に向かって移動している、それを監視していた カインと護衛騎士達が妨害した。
カイン「お2人とも、ご友人を置いてどこに向かわれるのですか?」
ニッコリ笑い問いかけると引き攣った笑顔で令嬢が、
貴族令嬢「っ、わ、わたくしは彼らと関係は無いので先に帰らせて頂きたいですわっ」
貴族子息3「じ、自分も関係無いっ、そ、そこを退いてくれっ!」
カイン「そうですか・・・、ですが、彼らはそう思っていらっしゃらないようですよ?」
と、彼らの後ろを指した、サブマスと口論していた2人の貴族子息達が、この男女2人の逃亡に気づき顔を真っ赤にさせて睨んでいた。
貴族子息1「おっ、お前ら!何自分達だけ逃げようとしてんだ!そもそもお前達があのガキに痛い目見せようと言って始めた癖にっ!何 関係無いとか言ってんだ!!」
と、怒声を上げた。
貴族子息3「何の事だ⁉︎俺はそんな事言ってないぞ!お前達が楽しそうにガキに嘘を教え込んでいたじゃないか!」
貴族子息2「な、何だと‼︎お前がそう教えろって言ったんじゃないかっ‼︎」
そこからはこの貴族子息達の言った、言ってない、やった、知らないの聞くに耐えない応酬が始まり、サブマスや周りの冒険者達も呆れかえる程の罪の擦りつけ合いに発展した。
(うっわぁ、クソめんどくせぇ、もう帰って良いかな?腹へった)
天華『口が悪いですよ、アトリー』
お腹が空いて僕がイライラしだした頃。
貴族子息1「大体あのガキが俺達に刃向かって、ギルドのルールだって偉そうに注意してきやがったから!「ちょっと珍しいスキルがあったか知らないが、自分が強い気でいやがる、あの貴族のボンボンに、あの平民のガキを使って同じ思いさせて、平民のガキを不敬罪で無礼打ちにさせればいい」なんて言い出したのはシャシー!お前だろ!それに1番に賛成したのはハインツだろうがっ!」
シャシー嬢「な、何よ!嬉しそうに賛成して「あの勘違ってるガキどもの護衛に斬られて痛い目見ればいい」って言ってノリノリであの子に「アイツらみたいな貴族の子供は、“貴族のボンボン“って言って呼んだらすぐ振り向いて話聞いてくれるから、ちゃんと注意できるぞ」なんて嘘教えてたのはダイドとギリーでしょっ!!」
ついに決定的な言葉を発した貴族子息と令嬢の言葉に、周りはシンッと静まり返って唖然としていた、その空間には言い合いをしていた貴族子息達の荒い息遣いだけが聞こえていた。
プチッ
「はぁ~~っ、・・・よくもまぁ、たったそれだけの理由で、何の咎も無い少年を死なせようとするなんて、とんだ恥知らずですね」
コツッ コツッ コツンッ ブァッ! ズンッ!
「うぐっ!」 「ぐぅっ!」 「ひっ!」 「ひぃっ!」
「「「「「「うっ!」」」」」」
ついに堪忍袋の尾が切れた僕はオーリーの前に出て、醜い言い争いを繰り広げていた4人組に向け“魔力威圧“を放った、その余波で周りの冒険者達にも威圧が広がってしまったが気にせず話を続ける。
「本当、どうしようもない貴族の風上にも置けない屑、いや、人間の屑ですね、貴方達は学園を卒業し成人したて、もしくは成人したての一応はまだ貴族籍がある準貴族でしょう?そんな貴方達がこんな事をして、貴方達の生活の目処が立つまで後見人として庇護下に置いてくれている、ご両親やご兄弟の面子を潰し、家名に泥を塗るとか考えなかったんですか?」スッ
「そ、その瞳はっ!いっぐぁ!」 「な、なんでこんな所にっ!うぐぅっ!」 「お、終わった…ひぐぅっ!」 「あ、あの方々の…ひっぎぃっ!」 ググッ! パチッバチンッ!
僕の魔力威圧で這いつくばっている4人に、目を合わせるようにかがみ込んで目を合わせると、今、やっと自分達が迷惑を掛けた相手が、どこの貴族家の子供か理解したようだった、(今更気づいても遅い)僕はこれ以上彼らの声が聞きたくなくて、4人にだけ魔力圧を上げ、軽い電気を放出させ4人を気絶させた。
「貴方達は大いに反省した方がいい…、あぁそれと君、ヨンガン君だっけ?」
ヨンガン少年「っ!、な、何だよっ」
今だに流れ出る僕の魔力威圧の中で、果敢にも先程と変わらない口調で返事を返した。
「君はもう少し知識をつけた方がいい、今回みたいな悪い大人、いや、大人になりきれていない悪い貴族や人を騙す狡賢い人はいくらでも居るんだから、信頼できる大人達に何でも聞いて、知識を身につければ生きていく上で武器やスキル以上に役に立つ、まぁ、それも人の嘘を見抜けるようにならないと意味がないけどね、それが大前提だ、・・・君にできるかな?できないのならいつの間にか罠に嵌められて人知れず消えていくだけだけどね・・・・・
まっ、君がどうなろうと僕には関係無い事だけどね♪」ニッコリッ
フッ 「くっ」ガタッ ガタッ 「はぁ」ドサッ ゴンッ
ニッコリ笑い素早く放出していた魔力を自分の中に引っ込めた、するとあちらこちらで膝から崩れ落ちるように床に座り込む人達が続出した。
(あらら、魔力を放出しすぎたかな?)
天華『そうですね、今日のアトリーは魔力制御が少し緩いですよ』
(あ~、そうかも?疲れが溜まってんのかな?お腹も空いたし)
ソル「アトリー様、落ち着かれましたか?」
「あぁ、ソル、大丈夫、少しイラッと来ただけだから、もう怒ってないよ、皆んなも平気?今日はちょっと魔力制御が甘くなっていたから、魔力威圧の余波がいつもより少し多かったよね、ごめんね?」
へティ「アトリー様、大丈夫ですわ、アトリー様のお怒りは理解できますから、お気になさらないで下さい」
へティの言葉に他の3人も同意してくれたのでホッとした。
「有り難う皆んな、さて、お腹も空いてきたし帰りたいんだけど…、シャリテギルマス、ここの後始末はお任せしても?」
ギルマス「えぇ、構いませんが経緯をお聞きしても?」
騒ぎに気づいて応接室にいたギルマスとエレオスさん、スペルビアさん達が2階に続く階段の中ばまで降りてきていた。
「そうですね、簡単に言いますとそこで気絶している4人組と、こちらの少年との間で起こった諍いに巻き込まれた形ですかね?詳細はサブマスからお聞きください、一部始終を見ていらしたので・・・、んっ、すみませんが僕達はこのまま帰らせて頂きますね「えっ⁉︎」どうやら僕達の帰りが遅いのを心配して、迎えがきたみたいですから」
ギルマス「!、え、えぇ、そうですね、後日、詳しくお話を聞かせて頂くかもしれませんがそれでも宜しいですか?」
「はい、それで構いません」
サブマス「ど、どう言う事ですか?」
いまいち状況が掴みきれていないサブマスを放置し、話をつけた僕とギルマスはギルド正面入り口に視線を移した。
ガチャッ カツンッカツンッ
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