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第3章 少年期 学園編

2話 自己紹介と王女サマ

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 入学式終了後、自分のクラスの教室でクラスメイトと教師が揃うのをソルと聖獣皆んなと待っていると、クラスメイトの最後の1人と女教師が同時に教室に入って来た。

?「全員、静かにして下さい」

 入って来た女教師が生徒に声を掛けると、先程まで小さな話し声がしていた教室内が静かになった、静かになった教室内を見回した女教師と一瞬 目が合った気がする。

「?」(なんだろう?)

?「はい、では、皆さんに1人ずつ自己紹介をして貰いますが、まず私から自己紹介します、今回このAクラスの担任になりました、ロザリー・ノービレ・レーラーです、私の担当科目は魔法学の基礎座学です基本的にはこの教室での講義になりますのでこれからよろしくお願いしますね、・・・では、前列右側の貴方から自己紹介をお願いします」

 レーラー先生は簡単に挨拶した後、生徒に自己紹介を促し こちらをチラッと見た。

(へー魔法学の基礎座学の先生かそれにしても先生の格好って魔女っぽいな、魔法専門の先生は皆んなあんな感じなのかな?)

 レーラー先生の格好が黒いローブに幅広のつばの黒いとんがり帽子まさに物語に出て来るような魔女の格好をしていたのだ。
(まぁ、色々装飾もされた おしゃれな感じだけどね)

(先生の髪色がパステルブルーに瞳がピンクなんて、どこのラノベの主人公先生かなって感じだよ顔も可愛い系だしねぇ~でもなんでさっきこっち見たのかな?)

 元からこの世界の人達は様々な色を持った人が多いかったけど、この先生は かなり派手な色味をしているなぁ、なんて思っていると自己紹介は進んでいて残り10人ぐらいまで来ていた。

(あ、これは・・・)

 今、自己紹介をした男子生徒の名前に宝石名が入っていた事に気づいた、この宝石名を名前につけるのはこの国特有の風習らしい、基本的に産まれて来た赤子の瞳を見て魔力の強さを押しはかる目安としている世界なので、その瞳が宝石のように透明度が高く色味が濃いほど良いとされて来た。
 そこに目をつけたこの国の初代国王はこの国の特産品である宝石から 閃きを得て自分の子供にその瞳の色と同じ宝石の名前を付けた事から、
この風習の“輝石命名”《きせきめいめい》が定着したらしい、だがこの風習は貴族内だけそれも本当に宝石と見間違うぐらい綺麗な瞳を持った子供にしか付けてはならないと制限されている、貴族の子供の“輝石命名“の申請時には必ず王家お抱えの“輝石命名専属の認定士“のチェックが入り宝石の見本と比べられて透明度や色味のチェックでOKが出ないとその名前が付けれない。

 まぁ、僕もこのチェックはちゃんと受けたって言うか僕の場合は父様もお祖父様もこの“輝石命名“の認定士の資格を持っていたのでうちの兄弟は結構簡単に名付けられたらしい、元々王家の血筋は魔力の強い人が多いから産まれてくる子供も確実に魔力が強いと確定されている様なもの、いちいち認定士を呼ぶのはめんどくさいからって“輝石命名“の権利を与えられてるんだってさ。(さすが、王権社会、職権濫用なのか?母様の時はわざわざ王都まで赴いて認定してもらったらしいし)

 なので、さっきの男子生徒は名前が宝石名を文字ってあったので魔力の強い子供だとすぐに分かるのだ。

(ブラウトパ君ねぇ・・・“ブラウントパーズ“かな?確かに透き通った茶色の瞳だね)

 と、呑気に考えていたら既にあと一人でソルの自己紹介の番になっており、すぐ隣の僕も自己紹介する順番が迫っていた。

(え~っと、天華達の紹介はしたほうがいいのかな?)

 と、聖獣皆んなに聞いてみたけど『話し掛けられても面倒だからしなくて良い』と意見が一致したので天華達の紹介はしない方向で自分の自己紹介に専念する事にした。

レーラー先生「はい、次どうぞ」

ソル「はい」

 ソルの番が回ってきて立って自己紹介を始めた。

「皆さん初めまして、すでに知っているとは思いますが改めて自己紹介をさせていただきます、僕の名前はソルドア・ノブル・ソンブラと申します、以後お見知り置きください」

 と、かなり簡単な挨拶をした、他の生徒達は自分の家の爵位や得意な魔法など色々と自分をアピールしていたけどソルは名前だけを言って終わった。

(相変わらず、身内以外にはドライだねぇ~)

 ソルは身内と自分が興味を示したもの以外には全く態度が違う、特に僕や聖獣の皆んなに絡んでくる輩には塩対応だ。

レーラー先生「え・・・、えっと、じ、じゃあ次どうぞ…」

 レーラー先生もあまりの速さに困っていたが次に進めた、他の生徒も呆気に取られていたが次が僕の番だと分かると僕に視線が集中してきた。

(まぁ、そうなるわな)

 僕はその場に静かに立って自己紹介を始めた。

「初めまして皆さん、僕の名前はアメトリン・ノブル・デューキスと言います、僕の事は色々と知っている方も多いでしょうから細かい説明は省きますね、僕はこの学園に普通の学生として入学したので普通に友人達と楽しい学園生活を送りたいと思います、皆さんも僕の事はお気になさらず楽しい学園生活を送ってくださいね」

 ニッコリ、と笑って席についた。

天華『中々 立派な牽制ですね?』

(わざとだよ、こう言っとけば無駄なことして来ないでしょう?かなり直球な牽制だったとは思うけどこれぐらいしないと空気読めないお馬鹿さんがちょっかいかけて来そうだからね、まぁ、普通に話しかけてくれれば普通に対応するよ、それにこの言葉の裏も分からない奴が来たらそれはそれで天然記念物に指定したいぐらいだよWW)



・・・・・・・と、そんな事を言ってた時もありました、あの後フリーズした空気を一生懸命レーラー先生が変えようと奮闘しクラスの生徒 全員の自己紹介が終わって色々な連絡事項とこれから始まる学園案内の注意事項などを終わらせて 生徒全員が廊下に出て学園案内が始まる前に僕達がまずイネオス達と合流しようとBクラスの方へ歩き出そうとしたら。

?「お待ちなさい、そこの貴方、貴方にはわたくしとの学園案内の同行を許して差し上げますわ!」

(・・・・・ワァオッ!天然記念物がいたよ!てか 誰だよ君)

天華『確かこの国からかなり東にある《アナトリ王国》の第8王女だったはずです』

(へー、第8王女ねぇ~、・・・って“王女“多いな!ん?えっ、天華が知ってるって事はこの王女サマ、僕のクラスメイトなの?)

天華『そうですね』

(わぁ~、あの自己紹介 聞いて話し掛けて来てこのセリフ言うってある意味すごいわ~)

天華『えぇ、かなり言葉の裏が読めない王女様なんでしょうね』

 天華が呆れた様子で言った。

夜月『ん、イネオス達がこちらに来てるぞ』

(あ、本当だ)

王女「ちょっと!聞いてますの⁉︎」

 僕が黙ったまま答えないのでイライラし出した王女サマが声を荒げた。

「あ、あぁ、僕に声を掛けてたんですね、全然気づきませんでした」

 と、しれっと嘘をついた。

王女「貴方!わたくしと学校案内に一緒に行かせてあげると言ってるのに全然気づかないなんて!ふざけてますの⁉︎」

「え?、ふざけてませんよ?僕はただ貴方に興味が無いだけです、なので学校案内の同行もご遠慮申し上げます、では、御前を失礼します」

 そう告げて、白を基調とした学生服の背中に付いた群青色の短い飾りマントをはためかせて踵を返し こちらに来ているイネオス達に向かって歩き始めた僕、数秒して後ろの方から何か叫んでいる声が聞こえたが何を言ってるか分からなかったので無視してイネオス達と合流した。

イネオス「あ、あの、アトリー様?、良いんですか?あの方・・・」

 後ろで僕に向かって叫んでいる王女を見ながら遠慮がちに聞いて来た。

「うん?あぁ、気にしないで、お誘いをお断りしただけだから」

イネオス「・・・あぁ、そういう事ですか、分かりました、ではこのまま一緒に学園案内に参加できますか?」

「うん、大丈夫だよ」

(うんうん、彼らも中々こんな状況に慣れて来たみたいだね)

 僕と交流を持ちだしたこの3年間で似た様な状況に何回も遭遇したイネオス達はいつもの事と慣れた様子でさっさと思考を切り替えて学校案内が始まるのを待つことに。

(しかし、どこの国でも必ずいるんだねぇ自分の言うことを聞くのが当たり前って思ってる王族は…前に会ったのは何処の王族だったけっ?)

天華『そうですね、前回のは確か隣国の“ズューウス王国“の王子だったと思います」

(あ、そうそう、それだ!確か第5王子だったかな?あの時はちょうどイネオス達が家に遊びに来てた時だったよね~、一緒に外で遊んでたイネオス達の事を馬鹿にしたから、つい頭に来てキレ散らかしたのを覚えているよ、あの時は大人気ない事をしたと反省している、王子の名前は覚えてないけどね…)

天華『確かにあの時のは酷かったですね、あの後 王子は立ち直れたでしょうかね?」

(あー、そこは聞いてないや、父様に聞いたのは国に帰った後王族としての再教育を受けることになったと言ってたくらいかな?まぁ実際は緩い禁固刑らしいよ)

夜月『ふむ、反省しても王族としては再起不能だな』

(だねぇ~可哀想に親の教育がちゃんとなってないせいで子供が粗相したのに、その親に未来まで潰されるなんて酷い話だよね、あんな風になるまで大人は誰も止めなかったんだろうかね?)

夜月『その子供の性格にもよるが止めても聞かなかったんだろうさ、自業自得の部分もあると思うぞ?』

(はぁ~、異世界は厳しいねぇ~)

ジュール『アトリー、案内の先生来たよ~、あー、後ろの子まだ五月蝿いよ』

 僕が静かに前を向いて黙っている時は聖獣達と話していると知っているソルやイネオス達は僕に話し掛けて来ないのでジュールが案内の先生が来た事を教えてくれた、その際にまだ後ろの方で騒いでいる王女をチラリと見たジュール。

(あ、教えてくれて有り難うジュール、でも後ろのは気にしちゃ駄目、近寄ってくるから)

ジュール『は~い、あ、でも遅かったみたい、ごめんねアトリー』

 ジュールは申し訳なさそうに耳を下げて謝った、その可愛い仕草のジュールを撫でつつ(あぁ、仕方ないよ、ああ言うのは諦めが悪いからね)と、慰めておいた。

 ジュールに見られたからか無視されるのに限界が来たかは分からないが王女サマは怒った表情でこちらにズンズンやって来る、僕は王女サマの方を振り向き真正面から彼女を見た。

王女「我慢なりませんわ‼︎アメトリン・ノブル・デューキス!これは命令です‼︎わたくしに同行しなさい‼︎そしてっ、な、なんですの⁉︎貴方達は⁉︎」

 僕に詰め寄って来そうになった王女との間にソルを真ん中に両脇をイネオスとベイサンの3人が並び壁を作るように立った、へティは僕の横で厳しい目で王女サマを見ていた。

ソル「アナトリ王国第8王女殿下、これ以上はアトリー様にお近づきにならないで下さい」

イネオス「これ以上 進まれますと王女殿下にとって不本意な結果を招きますのでどうかお下がり下さい」

 これは警告だ、僕に敵視された状態で近づくと自動的に“神罰“が降るのを知っているソル達があえて間に入り警告を出してくれているのだ。

王女「な!なんですって⁉︎アナトリ王国の王女の私に向かってただの貴族子息が意見するなんて生意気よ!そこを退きなさい!これは命令よ‼︎」

「命令…」ぽそっ

 その言葉を今2回聞いた僕は彼女を威圧しようと魔力を練り上げ始めた、「パチッ!」僕の表面に電気が軽く走ったのを見た夜月が。

夜月『落ち着けアトリー』

(大丈夫、少し威圧するだけだよ)

 今だに僕の前を退かないソル達に向かって喚き散らしている王女サマ。

(しかし、この王女サマ、今 自分がどんな目で見られてるの分かってるのかな?)

 今は学園案内のために一年生全員が廊下に出ている状態だ、近くにいる同級生の中には他国の王族だろうか顔を顰めている生徒がちらほらいる、そんな大勢の人の前でこの王女サマはみっともなく喚き散らしている、そのことに関しては何も思ってないのか、自分が国の代表として来ている自覚がないのか、とか色々思う事があるけど、
 それより何よりここは王女サマの母国内では無く他国である、しかも“外での身分は適応されないとされるオヌールユウェル王立学園内“で“王女“と言う身分を持ち出し他国の貴族の子供に対して“命令“をするなんて非常識極まりない行動をしていることに関してちゃんと事前に説明は受けてないのだろうかと、アナトリ王国は自国の王女殿下の教育はどうなってんだ?とそっちの方に僕は苛立っていた。(しかも呼び捨てだし)

王女「いい加減にしなさい‼︎わたくしが用があるのは後ろにいるアメトリン・ノブル・デューキスと聖獣様達だけなのよ‼︎」

?「いい加減にするのは貴方の方だ、学園案内の手伝いに来てみれば俺の可愛い弟やその友人達に対して聞くに耐えない言葉を吐き続けている王女サマを見つけることになるとは、王女サマ、ここは貴方の母国ではないのだ皆が皆 貴方の言う事を聞くとは限らない」

?「しかも 学園に入る際に誓約書にこの学園内では身分を持ち出してはならないと書いてあったでしょう?ちゃんと誓約書をお読みになったのかしら?」

 僕の後ろからやって来たのは今年16歳になる僕の兄弟で双子のライ兄様とヘリー姉様だった。

「あ♪、ライ兄様♪、ヘリー姉様♪」

ライ兄様「アトリー、大丈夫か?」

 僕の隣まで来ると優しく頭に手を置き聞いてくるライ兄様の手はこの3年間で剣術にも磨きがかかって凄く大きく逞しくなっていた、容姿はあまり変わらないが身長が伸び体格ががっしりとしているのは父様と言うよりお祖父様に似てきたシーライ兄様。(185センチ以上ありそう)

ヘリー姉様「アトリー、間に入るのが遅くなってごめんなさいね、ソル君達も大丈夫?」

ソル「僕達は平気ですヘリー様、気に掛けて頂き有り難う御座います、ですがあの方がアトリー様に自分に同行するよう強要して来たので聖獣様方が臨戦体制に入ってしまわれました」

 そうジュールと夜月が僕の前でいつでも相手に飛びかかれる体制に入ってた、天華は僕の腕の中で王女サマを睨んでいる。

ヘリー姉様「あらあら、あの方 本当に誓約書をちゃんと見ていなかったのね、なんでこんな初歩的なことも出来てないのかしら、王女サマなのよね?」

 初っ端から毒舌全開で王女サマを煽ってくるヘリー姉様、僕の腰まで伸びた横髪を耳にかけて頬を撫でてくる手つきは優しい、ここ最近は益々美貌と毒舌に磨きがかかり学園では生徒会長もこなすキャリアウーマン顔負けの才女として先生方の信頼も得ているヘリオラ姉様。

 この3年間でライ兄様も風紀委員長として活躍して何をしても周りの女生徒達から黄色い声が上がり、男子生徒からは尊敬の眼差しで見られるぐらいのイケメンぷりだとか。
 ヘリー姉様は王族顔の最たる美しさに加えとても頭がよく有能でプロポーションも抜群なので国内は勿論、他国からも釣書が絶えず送られてくるらしい、
こんな感じで色んな意味で成長著しい双子の兄弟。

そして、そんな兄様と姉様に挟まれながら顔を真っ赤にさせて震えている王女サマを見ている僕

(わぁ~日本猿が温泉に入っている時ぐらい顔が真っ赤になってる~)

天華『なんて、的確な表現なんでしょう、こちらの方には通用しませんでしょうけど』

夜月『だな』

ジュール『この人お猿さんかな?でさ、この人もう噛んでいい?』

 アホな例えをしている僕に共感してくる天華と夜月、でもジュール的にはあの王女サマは嫌いな人判定らしい。

ジュール「ガゥッ!グルルルルッ!」

王女「ヒィッ!」

「ジュール、駄目だよ、まだ何もされてないからね、王女サマ、貴方もいい加減 他の方のご迷惑になってるって気づいて欲しいですね、時間は有限、限りあるものなのですから、先程も申しましたが貴方とはご一緒できませんし、元よりする気もないです」

 ピシャリと、お断りを入れた僕、周りの生徒達は王女サマに対して そんな態度をとって大丈夫なのか?とドン引きしている雰囲気が漂っている。

ヘリー姉様「アトリー・・・、貴方・・・・・ちゃんとお断りできて偉いわね♪」

 と、ニコニコ笑顔で僕の頭を撫でるヘリー姉様、その事に対して周りはそこは褒める所じゃないよ⁉︎と、ビックリした顔をしている。

ヘリー姉様「王女サマの御付きの方々、早めに王女サマを回収して下さいね」

 姉様は鋭い声でのいつの間にか王女サマの横に御付き侍女らしき人と剣は所持してないが護衛らしき女性騎士の二人に話しかけた。

(御付きの人いたのかよ、早めに出てきて止めろよな、この暴走王女を!)

ヘリー姉様「あぁ、そう言えばあなた方に伝言がありましたわ、「我がデューキス家をコソコソ試すなんて事をしなくても正面からお越し頂ければそれ相応のおもてなしをいたしますよ」と、お父様、デューキス公爵家当主からの伝言ですわ、ちゃんとお伝えして下さいね?」

 ニッコリ黒い笑顔でアナトリ王国の王女とその御付きの人に向かって言い放った、その言葉を聞いた3人、特に御付きの大人達が顔色を悪くしたのが分かった。









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