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第2章 少年期

56話 商業ギルド盗聴事件

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 どうも、僕です、今、僕は商業ギルド2階にある上位貴族専用の個人商談用個室に来ています。

 そして、付き添いで来てくれたカイルさんがめちゃんこ険しい顔で怒りオーラ全開にしながら ある魔道具を睨みながら考え事をしています。
 正直、怖いです。

 中の異変に気づいた護衛騎士が1人確認に来た、だがカイルさんのお怒りモードを見て何かがあったと察したようだが何があったのか聞きたいけど肝心のカイルさんが黙ったままなので途方に暮れていると、まだ部屋の外で待機していた護衛騎士達が中を覗いて声を掛けてきた。

護衛騎士2「何かあったのか?」

護衛騎士3「状況を説明してくれ!」

護衛騎士1「ちょっと待ってくれ、俺にも分からないんだ」

 と、最初に入って来た護衛騎士さんが質問責めに合っていると。

カイルさん「皆さんお静かに、これから説明しますのでそこの3人は中に入って下さい、後3人は今のまま廊下で警戒待機して下さい」

「「「「「「はっ!」」」」」」

 カイルさんの一言で護衛騎士の皆さんが素早く指示に従った。

(ほぇー、さすがカイルさん!)

カイルさん「申し訳ございません、アトリー様、この魔道具の件は私にお任せいただけますか?」

(うん?任せろって事は何か考えがあるのかな?)

「うん、良いよ、僕では何をして良いか分からないからカイルさんに任せる、貴方の思うようにして」

カイルさん「有り難う御座います、アトリー様、必ずや犯人を見つけて見せます」

 と、綺麗なお辞儀をしてニッコリ笑った。

「宜しくね」

(ひぇー、笑顔が黒い!犯人さんにご冥福を捧げねば!)

ジュール『早すぎじゃない?まだ捕まってないよ?』

(いやいや、カイルさんを敵に回したんだからきっとすぐに捕まってえらい目に遭うに決まってるよ!)

ジュール『あー、確定なんだ?』

(そう言う事!)

 その後のカイルさんの行動はそれはもう早かった、室内に入れた護衛騎士達に指示を出し、父様にも連絡を入れ、犯人を炙り出す手筈を整えた。
 カイルさんが僕に求めたのは当初の目的通りに行動する事だけだった。

(要は預金口座の残高確認をお願いすれば良いって事かな?でもそれだけで犯人を炙り出せるのかな?)

 そう思いつつ、カイルさんの指示に従い大人しく部屋で待っているとココに案内してくれた受付の女性がお茶を持って来てくれた。

受付嬢「失礼致します、お茶をお持ち致しました」

 と、僕の前にお茶とお茶菓子を置き「ギルドマスターはもうすぐ来られますのでもう暫くお待ち下さい」と、言い退出して行った。

(うーん、あの受付のお姉さんは白かな?あの人にここに連れて来られた時にはもうこの魔道具は置いてあったしね、嫌な感じもしなかった)

天華『そうですね、次は今から来るギルドマスターがどう言う人かによりますね』

(うん、そうだね、ギルマスの人柄によっては組織ぐるみなのか個人の企みなのかそれによって対応も異なるから当初の予定通りにするようにって事なのかな?)

天華『それも有りますでしょうが、多分 今回は個人の犯行のような気がしますね』

(?、どうして?)

天華『カイル殿はこの街のギルドのマスターの性格を把握されているのではないかと私は思います』

(ん?、あぁ、確かにココは公爵家の領地だからこの街のギルマスの人柄などは把握してるか…、て、事はギルマス自体も巻き込んで商業ギルド内の大掃除を企んでいるのかな?カイルさん)

天華『えぇ、そうかも知れませんが私はギルドマスターがこの事を気づいているのか、いないのか、それによると思っています』

(あー、知っていてわざと泳がせて捕まえる機会を待っている曲者なのか、全く知らずにのさばらせている愚か者なのか、って事?でも商業ギルドのマスターが自分の管理しているギルドで不正行為に気づかないはずは無いと思うけどなぁ、多分この魔道具で知り得たギルドと上位貴族や有名な大商会との取引内容を何処か別の貴族か商会に横流ししてギルドに損失を出してるに違いないだろうし)

天華『まぁ、それは私もそう思いますが底抜けの馬鹿というのはどこにでもおりますからね』

(うーん、その方向だとカイルさんはそのギルドマスターをこの件で管理不行き届きで失脚させようとしている可能性も出てきたね)

天華『なので、ギルドマスター次第ではこの後のギルド内の見学が無くなる可能性が出てくると思います』

(あぁっ!それは困る!見学楽しみにしてるのにぃ~!特に職人ギルド内の職人が作った商品とか見てみたいのにぃ!)

夜月『ふふっアトリーならそう言うと思ったぞ』

(えーだって、気にならない?一流の職人さんの作った作品とかさー、綺麗な装飾とか見るの僕 大好きなんだけどなー)

ソル「アトリー様、どうかなさいましたか?」

 黙ったままお茶に手を付けない僕を心配したソルがソファーの後ろから覗き込む様に声を掛けて来た。

「あぁ、何でもないよソル、ちょっと考え事をしていただけだから」

 と、僕の膝の上で寛いでいる天華を手で差しながらいうと、納得したように頷いて元の位置に戻った。

(話していて出されたお茶の事すっかり忘れてたよ、出されたお茶に手を付けないのは失礼にあたるからね一口は飲まないとねー)

 出されたお茶を一口飲もうと茶器に手を伸ばした時。

コンコンッ

護衛騎士1「失礼します、ギルドマスターがお越しになりました」

カイルさん「お通しして下さい」

護衛騎士1「はっ、承知しました」

(ありゃ、もう来ちゃった、あ、お茶 美味しい…)

 お茶を飲みながらやり取りを聞いていると少しした後にもう一度ノックがあり入室の許可を求めて許可するとギルマスが入って来た。

 入って来たのは短髪のロマンスグレーみたいな綺麗な灰色の髪をオールバックにして綺麗に整えた口髭、理知的な薄茶色の瞳はいかにもやり手の大企業の会長さんみたいな人が入って来た。

(あー、こりゃ前者の曲者さんって感じだね)

 入って来た相手をちゃんと見ようと静かに持ち上げていたティーカップをソーサーに戻しソーサーごとテーブルに戻した、すると僕に気づいたギルマスは入り口でフリーズした。

(またかぁ)

 ギルマスが再起動するのをジッと見ながら待っていると。

ギルマス「はっ!、お待たせして申し訳御座いません!」

「いいえ、お気になさらないで下さい、初めまして、僕はデューキス公爵家当主の三男、アメトリン・ノブル・デューキスと申します、以後お見知り置きを」

 膝の上に乗っていた天華をソファーに下ろし立ってから軽く挨拶をした、そしてわざと聖獣皆んなを紹介せずに相手の挨拶を待った。

ギルマス「…ご丁寧に挨拶いただき有り難う御座います、初めまして私はバリエル・メタッロミーヌ支部の商業ギルドのマスターをしております、テンデロ・ハンデルと申します」

 挨拶を交わした後ソファー座るのを勧められて互いに腰を落ち着けると早速ギルマスが要件を聞いてきた。

ギルマス「本日はどのような御用向きでお越しになられたのでしょうか?」

(ほー、僕に対して一つも媚びた言葉飾りも使わないなんて中々職務に忠実そうだね、それとも子供だと侮っているのかな?)

「あぁ、今日はですね 僕の預金口座の預金額の確認をしに来たんです、カイル、ギルドカードを…」

カイルさん「はい、アメトリン様、コチラになります」

 と、懐から出したカードをギルマスと僕が対面で座っているソファーの間にあるローテーブルの上にそっと置いた、近くにはあの例の魔道具が置いてある、カイルさんはわざと魔道具が目につくようにギルドカードを魔道具の近くに置き反応を見ていたらしい。

 ギルマスはカイルさんの動きを目で追っていたがテーブルに置いてあった魔道具に目線が一瞬だけど動いたこれが決定打になりカイルさんが静かに微笑みながらこう告げた、

カイルさん「商業ギルドは我らの主人を馬鹿になさっておいでですか?」

と、一瞬のことだった恐ろしいほど静かな声でギルマスの後ろに立ち耳元で囁いていた。

(わぁー、やっぱり只者じゃなかったねカイルさん!凄く早かった!ギルマスの後ろにあんな早く移動するなんてしかも音も立てなかったよ!忍者みたい!)

ギルマス「っ!」

バッ!

カイルさん「ハンデル殿、ご説明頂けるのですよね?」

 カイルさんから反射的に距離を取ったギルマスに姿勢を正したカイルさんが笑顔で魔力威圧を放ちながら再度話しかけた。

ギルマス「くっ、・・・・わ、分かりました!ご説明致しますので!い、威圧を や、やめて頂きたい!」

カイルさん「…良いでしょう、先に告げておきますが我が小さな主人の前で嘘偽りを並べ立てると容赦しませんからね…」

「わぁー、カイルは器用だねぇ、そんな限定的な場所に魔力威圧を当てる事ができるなんて凄いね!僕にはちょっと無理だなぁ、ねぇソルもそう思わない?…って、あぁ、ソル、そんなに魔力威圧を出したら1階の人にも影響が出ちゃうよ?」

カイルさん「…特に小さな従者の方がね」

 カイルさんが動いたと同時にソルもソファーの後ろから僕の真横まで移動してきて カイルさんよりほんの少し遅れるぐらいの速さでギルマスに魔力威圧を放っていた、カイルさんと比べて魔力威圧の範囲が大き過ぎて1階まで届いてそうでヒヤヒヤしていると、僕に言われて少しずつ魔力威圧を緩めていった。

ソル「すみません、アトリー様、加減が上手くできなくて…」

「うん、僕もできないから…、今度一緒に訓練しようね」

(うーん、近頃ソルが防衛反応が過剰になっている気がする…気のせいかな?)

夜月『いや、気のせいでは無いと思うぞ、この前の襲撃事件以来 ソルドアは神経過敏になっているんだろう』

(あー、そっか、確かにあの時はめちゃくちゃ落ち込んでたからなぁ、「何もできなかった」って、うーん、ソルは気の張り過ぎなんだよね)

夜月『そう言うアトリーは気が緩みすぎだと思うぞ?』

(あははっ、それは神様達の結界があると どうも安心しちゃって気が緩んじゃうんだよね)

夜月『確かに、結界があれば安全かも知れないがいつ如何なる時も警戒は怠らないようにしないとな』

(うん、分かったよ、次から気をつける、ソルには少し肩の力を抜くように言わなきゃね)

「ソル、僕は大丈夫だよ、有り難う…、ほら、ここに座る?」

 と、ソファーをポンポン叩いてみた。

ソル「いえ、後ろで控えております」

 と、真面目な反応が返ってきた。

「真面目だなぁ、ソルは」

 苦笑いしながら言うとキリッとした顔で後ろに立ったソル、やれやれと思いつつ前を向きカイルさんにギルマスの聴取を促した。

「さて、カイル続きを…」

 カイルさんが頷き僕の横に立ちギルマスに良い笑顔で向き合った、その後はカイルさんの独壇場でギルマスに根掘り葉掘りこの魔道具の事を聞き出しギルマスが犯人として目星を付けている男性のギルド職員が1名いる事が判明した、
 だがそのギルド職員が実際にしたと言う決定的な場面を目撃してないのでしらを切られる可能性があるので今の所 泳がせているらしい、そもそもその職員は数ヶ月前に“カーエド商会“と言う そこそこ大きな商会から推薦を受けて行儀見習いとして入って来たばかりだとか、
 最初は見習いらしく失敗をしながらでも何とか真面目に仕事をこなしていたそうだ、2ヶ月を過ぎた辺りからそのギルド職員がお茶入れや使用した“個別商談室“の片付けを任される様になった辺りから不自然な取引の延期や同じレシピの登録権利の奪い合いなど数件の揉め事が相次いで起こっていたらしく、不審に思ったギルマスが調べてみるとどの揉め事にもこのギルドの“個別商談室“を利用していたことが判明し、その使用していた個室を必ず出入りしていた人間が例の行儀見習いで一時的に雇っている男性ギルド職員1人だけだったらしい。

(ふーん、聞いた限りでは状況証拠は確実にその男性ギルド職員が犯人だと示しているけど物的証拠が何1つ無いと言う事か…)

 そして今回とうとう、この“上位貴族専用の個別商談室“にギルマスの知らない備品が置いてある事に先程気付いたが相手の尻尾を掴むために知らぬふりをしたと、ギルマスとしても初めてこの魔道具を見たらしく、どのような効果の魔道具かは知らないそうだなのであえて放置して相手の反応を見る事にしたらしい。

 ギルマスいわく、この魔道具は他の“個別商談室“の中に置いてある備品に似せて有るらしく自分も、この“上位貴族専用の個別商談室“に置いてなければ気づかなかっただろうと言っていた、それに相手もギルマスがわざわざ相手をする商談には手を出してはいなかったみたいでギルマス本人が被害を被ってはいなかったらしい、まぁ、商業ギルド自体にはそれなりの損失被害が出たらしいけど。

カイルさん「ふむ、では相手は今まで慎重に仕掛ける相手は選んでいたようですね、ですが今回、当家の要件を盗み聞する為にわざわざ この個室にこの魔道具を設置したと、しかも堂々とテーブルの真ん中に置くなどと…、ここまでの成功が相手に至らぬ自信を与えたようですね、見つかるなんて微塵も思って無いのでしょう」

(確かに、中々無いよ盗聴器具をテーブルのど真ん中に堂々と置くなんて、それにこれどう見てもこの部屋の雰囲気とマッチしてないもん見る人が見たらすぐに気づくだろうし、実際 僕が気づいたからね)

カイルさん「舐められたものですね、そのギルド職員今は何をしているのでしょうか?」

ギルマス「そうですね、受付業務をしていると思います、受付といってもお越しになられた方に要件を聞き適切な窓口に案内する係ですね」

カイルさん「そうですか、その間に個室の後片付けなどをしていると、言う事なんですね?」

ギルマス「はい、そうなりますね、あとは多少の雑務ぐらいです」

カイルさん「では、この魔道具を回収するのは私達が出たあとですか…、でしたら、一度用事を済ませてから出た後に誰かをここに残して魔道具を回収しにきた所を捕縛しますか」

ギルマス「そうですね、それでしたら魔道具を手に取った瞬間を見計らって捉えれば言い逃れできないと思います」

「うーん、そうかなぁ?「片付けていたら知らない魔道具見つけたから今届けようとした」だなんて言って言い逃れそうです」

カイルさん「そうですね、アメトリン様の仰る事は大いにありそうですね、どうしたものでしょうか、この魔道具をそのギルド職員の物だと決定づけさせないといけないと言う事ですよね」

(そうなんだよねぇ、そこが1番難しいところなんだよね)

ジュール『何悩んでるの?アトリーちゃん?』

(ジュール、それはね、この世界は科学が発展してないから物的証拠を証明するのは難しいんだよ、だから悩んでるの、防犯カメラなんて無いだろうしね、あとは捕まえてみて相手の家の家宅捜索してこの魔道具と同じ物が複数見つかるのを期待するだけしか相手の犯行を証明する事ができないんだよ、それでもこれを相手が設置したって言う証拠にはならないけどね、この世界の、と言うよりこの国の事件捜査のやり方はどうなってるか知らないけど物的証拠の使用者の証明ってどうやってしてるんだろう?)

天華『そうですね、仮に宝石を盗まれた女性がいたとしましょう、その女性は常日頃からその宝石を大事に使い身につけていた、その事を不特定多数の人間が覚えていたとしましょう、その宝石を盗み売ろうとした人物が捕まりなおも犯行を認めずこれは自分のだから盗んでないと言い張っても、盗まれた女性がいつもその宝石をつけていた事を知る人達がいる事でその宝石はその女性の物と証明できる、とそう言った方法が1番信用できる物的証拠の証明になりますね』

(あーじゃあ、不特定多数の人の証言が不可欠と言うこと?)

天華『まぁ、必ずしも不特定多数の証言がなくても、大体の高価な物には所有者の名前などが彫って有る事が多いですし、販売した店舗が必ず購入した客のデータを持っているので高価な魔道具でも大体の物が個人の所有者を証明する事ができますね』

(うーん、顧客データか…この魔道具はそんなに高価ではないし使い捨てらしいからその線での証明は難しかもね~)

 盗聴用の魔道具を見ながら唸っているとふと手に取ろうとした時。

(うん?汚れ?いや違うか指紋?、ピカピカの魔道具に指紋をつけるなんてなって無いなぁ・・・!、指紋‼︎、ねぇ、天華この世界でも指紋って個人の特有の模様してるの?前世では同じ指紋を持つ人は複数存在しないとされているけど)

天華『!、そうですね、この世界でも人間の構造はほとんど変わらないですから、個人の特定には信憑性があるかと、あとは魔力の質などで個人を特定できますよ』

(そうなんだ!じゃあまずは指紋の採取からやってみようかな?魔力の特定はどうしたら良いんだろうか…)

夜月『それは王城にそのような専用の魔道具があるのではないか?ダンジョンでもたまに出現する魔道具らしいからな数は少ないが人の魔力を見分ける事ができる“魔力視スキル“を持つ者がいるはずだ、そこの父君の執事もやろうと思えばできるのではないか?』

(あー、そう言えば僕もやろうと思えばできるね、ソルも、でもそれを言い出さないのは事件関係者がいっても偽証だと証言を跳ね除けられるからだろうね…そこに法螺吹きなんて言われて向こうに付け入れられると面倒だから)

夜月『ふむ、確かに、それは相手に有利に働くのであればそれは避けたいと言う事だな』

(そう言う事、じゃあ、やっぱりまずは指紋だね)

 僕は聖獣皆んなと相談した後カイルさんとギルマスにある物を頼んだ。

(さぁ、釣りでも始めましょうかね)

 ニヤリっと、悪い顔で笑ってみた。










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