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第2章 少年期

間話 神罰の後2

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   天照 視点

『で、対策はあるのだろう?ティーナ』

『フフフッ、さすが月詠!正解よ!対策はもう思いついているわ!名づけて!〈大きいなら小さくなれば良いじゃない!作戦‼︎〉』

ババーンッ

 と、効果音まで付けて変なことを言い出したティーナちゃんを私と月詠は白けた顔で見つめていた。

『・・・・・、で?、結局どう対処するのです?』

『ひどい~!2人ともノーリアクションなんて ひどすぎる~っ‼︎』

『良いから早く対処法を話せ』

『むー!もうっ!良いわよ!話せば良いんでしょ話せば!』

 ティーナちゃんがプンプン怒りながら説明し出した。

『ふんっ、じゃあ説明するわよ!、まず私の世界では様々な動植物が生息しているのだけどその中に魔物と呼ばれる生物がいるのは知ってるわよね?』

『えぇ、知ってます、空気中のエネルギーを魔素として取り込み蓄えることで普通の動物が魔物に変異するんですよね?』

『そう、その普通の動物が魔物に変化する際に魔法や特殊なスキルを身につける種類がいるんだけどその特殊なスキルを身につける動物の中に稀に“縮小化“のスキルを持った魔物がいるのよ その特殊スキルをあの子達にプレゼントしようかなって、そしたら成長しても“縮小化“のスキルで体の大きさを小さくしてアトリーちゃんと一緒に過ごすことができるでしょう?』

『ふむ、“縮小化“かそれならば成長しても体の大きさを今の大きさまで縮めることが出来るようになるんだな?』

『うん、このスキルなら元の大きさから下の小さいサイズなら好きなサイズで止める事ができるからその場の気分によって大きさを自由自在に変えることができるから役に立つわよ!』

ドヤァ

 説明しながらドヤ顔を決めたティーナちゃん。

『これで、神獣達の憂いがなくなりますね』

『あぁ、そうだな』

 月詠と2人で安心しているとティーナちゃんがこんな事を言い出した。

『でも、あれよね、小さくなるだけじゃ面白味に欠けるわよねぇ』

『『面白味?』』

『そう、面白味、だって ただ小さくなるだけじゃあ 余りにも芸が無いじゃない?』

『そう思わない?』と言われたが

『イヤイヤイヤ、それだけであの子達の悩みが解消できるのならそれで良いじゃないですか』

『え~でも、後になって他にも身体の事で悩みが出て来たら また対策しなきゃならなくなるじゃ無い?』

『それは そう だが…』

 私や月詠も他に悩みが出てくるのかは予想がつかないので何とも言えない。

『だから、こんなのはどう?あのね・・・・・』

 と、ティーナちゃんは思い付いたスキルを説明してくれた、私達は説明を受けて場合によっては必要かも知れないと思いその提案に乗り自分達の創った神獣に合う新しい特殊スキルを作る事となった。

『・・・・・、分かりました、それであの子達の役に立つのでしたら私達も新しい特殊スキルを作りましょう』

『仕方ないな、私はそんなに良い物を作れ無いかも知れないが協力させて貰う、アトリーが喜んでくれるといいが…』

『そうですね、そこも考慮しないといけませんね』

『そうよねぇ、よし、頑張ろう!』

 握り拳を作り気合を入れるティーナちゃんに ちょっと嫌な予感を覚えたが あまり頑張らなくて良いですよ とは言え無い雰囲気だった。

『あ、そ、そうだティーナちゃん、データスキャンはどのくらい進んでいますか?』

『うん?、・・・あ、い、今 、私は王都のスキャンをしてる最中だよ』

『今、『あ、』って言いましたね』

『あぁ、言ったな、今 スキャンの事を完全に忘れていたな』

 私達はジト目でティーナちゃんを見つめた。

『うっ・・・、少し忘れてただけじゃない!でも スキャンは止めてないわよ、っ⁉︎・・・今の・・・何?』

『『⁉︎ 』』

 急にティーナちゃんが頭を押さえて驚いた表情をした。

『どうしたんです?ティーナちゃん?』

『今、スキャンをしていたら妨害された?いや、そんなはずない、この世界の生物で一斉スキャンを妨害できるわけない!もう一度同じ所を入念にスキャン!』

 私の問いかけにも気づかず焦ったようにもう一度スキャンを開始したようだ。

『どうしたんでしょうか、ティーナちゃんがあそこまで焦るなんて…』

『何かあったのは間違いないと思うが向こうの世界の事は我々には干渉できないからなティーナが落ち着くまで待つしかないな』

 月詠が言う通り私達 地球世界を管理する神々であっても無闇矢鱈と他の世界に干渉する事は余程の事がない限り手出しはできない、先日の神獣を作る時も地球世界のエネルギーを使って創り、この世界に譲渡した形だからアトリーちゃんに彼等を渡すことができたのだ。
 なので私と月詠はティーナちゃんが落ち着くまで待つ事にした。

『・・・・・っ!、嘘、居無い⁉︎さっきは複数の人がいたはず!視認確認するしか ない か…確かあそこは王都近くの山の洞窟内・・・・ここっ!』

 声を上げたティーナちゃんが空中に映像を映し出した。

ブゥンッ

『『『っ⁉︎』』』

『これ、は・・・』

『酷い…』

『神官服か?』

 映し出された映像には広い洞窟内に祭壇がある祭儀場で数人の神官服を着た人間の首が切られて絶命している遺体が散らばった悲惨な現場だった。

『どうゆうこと?さっきまでココにいた人間は生きていた、なのにほんの数秒で全員死んでる…』

『おい、先ほどまで生きていたのは間違いないんだな?』

 月詠が確かめるように聞くとティーナちゃんは静かに頷いた。

『では、ここにいた人間の数と遺体の数はあっているか?』

『『?』』

 月詠が人数の差を聞いてきた私は意味が解らず首を傾げていると。

『えっと、そうねちょっと待って…』

 ティーナちゃんが映像内の散らばっている遺体の数を確認している。

『!、足りないわ!しかも2人!』

『やはり か』

『月詠はどうして分かったんです?』

『あぁ、それはな この血が散らばっている中で祭壇の両脇にある場所だけが切り取られたかの様に綺麗だからだ』

 月詠は映像が映る画面内の祭壇横の床を指差した、目を凝らしよく見てみるとそこにはポッカリと丸く穴が空いたように切り取られたみたいな綺麗な床板があった、そして、そこから何かが動いた形跡も無い。

『本当ですね、しかも歩いたりした後がありませんね』

『多分、そのまま転移魔法を使って逃げたんだわ』

『だろうな、それよりティーナそいつらの後は追えるか?』

『!、やってみるわ!』

 そこからティーナちゃんは黙り込んで作業に集中し始めた。

『見つかるでしょうか?』

『分からない、だがこの世界の主神であるティーナのスキャンを弾く者がこの世界にはいるとは思えない…、そうするとなると、後は他世界のなおかつティーナより神格が上の位の神以外あり得ない…、しかし、ここを拠点としていた、その宗教団体が崇める神とは何の神だ?この世界を管理している神では無いのだろう?』

『そう言えば私も知りませんね、後でティーナちゃんに聞いてみますか?』

『そうだな、名が分かればどの神か分かるかもしれない』

『っ!』

『どうでした?ティーナちゃん』

『ダメだった…』

 やはり、ティーナちゃんより格上の神が関わっていることは間違いない様ですね、私は少し落ち込みながら答えたティーナちゃんの背中をさすりながら月詠を見る。

『ティーナ、その宗教団体の名前と崇めている神の名は分かるか?』

『名前?、えーと、確か“新マルモーヴェ教“だったはず…崇めている神の名は分からないわ』

『“マルモーヴェ“・・・、マル、モーヴェ、か?、確かどこかの国の言葉で“邪悪“と言う意味だったはずだ、自ら“邪悪“と名乗るとはふざけた神だ』

『“邪悪“、地球世界の言葉と言うことは私達の世界にも関わり合いがあると言うことですね、ですがティーナちゃんの世界にちょっかいが掛けられる様な神格が高い神は管理者権限を持つ私達5柱の中でも私達を除くと1人ぐらいしかいませんが“彼“はそんな暇はないはずですし、“彼“の気質からしてそんな事をすれば自らの神格を落とすことになりますから絶対にしないでしょう、と、なると他世界の管理者権限を持った神格の高い神ですか…』

『しかし、この宗教団体はアトリーを付け狙っているのは偶然か?』

『『!』』

『確かに、なぜアトリーちゃんなのでしょう、何が目的で付け狙うのでしょうか いくらアトリーちゃんが魔力が多く質も良いからと言っても狙うにしては難易度が高すぎでは?、今世のご家族は王家の血を引いた公爵家で高位貴族の中では武力、財力共に国の中ではトップクラスに入るのですよね?』

『そうね、言っちゃ悪いけど魔力が多い子供はそこそこいるはずよ 質は兎も角、なのにわざわざ警備の厳しく手を出すと厄介なあの公爵家の子供のアトリーちゃんに目をつけてしつこく攫おうとするのは不自然だわ』

『アトリーでなければならない理由・・・、この世界の神では無い別世界の神がわざわざアトリーを狙う理由・・・、それにアトリーの前世を台無しにしていた神の存在・・・、まさか・・・・・』

 アトリーちゃんの前世と今世の嫌な既視感。

 全員がこの状況に嫌な予感を覚え始めた・・・・



>ーーーーー<>ーーーーー<>ーーーーー<

 何処かの古い神殿の様な場所・・・


     ???? 視点


 先程の神気はこの世界の神の力か?すぐに移動したとは言え、気づかれた可能性があるな、もう少し慎重に事を進めるか…

?「我らが主よ、これから どうなさいますか?」

 黒く豪華な装飾が施された神官服を身に纏った 痩せこけて短い顎髭を生やした中年の男が我の前で跪き話しかけてきた その後ろには青髪を肩あたりで短く切り揃えた年若い妖艶な女が跪いてこちらを見ている。

『我は今から数年眠りにつき力を蓄える その間お前達は新たな信徒を増やせ、そして我に魔力を捧げよ』

?「承知しました、あの国の信徒達はどうなさいますか?」

『もう、役には立たんだろう 放っておけ、それより周辺の国々から敬虔な信徒を得るのだ』

?「周辺の国々からですね、分かりました 主の仰せの通りに・・・」

 中年の男と若い女は跪いたまま深く頭を下げた それを見て我は眠りにつく準備をした。

『我が目覚めるまであの子供には手出しは許さん監視だけは怠るな他は好きにするといい、ではもう寝る』

?&?2「「お休みなさいませ、“フィズィ様“」」

 2人の言葉を聞きつつ 我は体を横たえた、この世界の神に感知されないように何重にも隠蔽を施した神殿で意識を深く闇に沈めた。

>ーーーーー<>ーーーーー<>ーーーーー<


   天照 視点

 私達は嫌な予感を覚え早急にアトリーちゃんの身辺に不審な人物がいないか確認した。

『ふぅ、今の所は怪しい影はないようね、でもこれから先 絶対奴らは現れると思うのそれにアトリーちゃんの前世を含め変な神に目を付けられた可能性は捨てきれない、それにその神が同じ神なのか別々の神なのかは分からないけどね』

『そこは私達も地球世界の方も入念に調べて何かしらの痕跡がないか探してみます』

『そうだティーナ、さっきの洞窟の祭壇周りを神の力を使用した痕跡がないか入念に調べてみてくれ、場合によっては神気の波長で力を行使した神が特定出来るかもしれないからな』

『分かったわ、そこは私が入念に調べる、そっちもアトリーちゃんの前世にちょかいだした神の特定を頼んだわ』

『あぁ、こちらも神気の痕跡を探してみる、後は近隣の世界の神々への聞き込みだな』

『ではそちらは、私が聞き込みしてきましょう タイミングが合えば “次元神様“の神界が近くを通ればそちらにも報告をあげて調査協力いただけるかお伺いしてみます』

『天照ちゃん…それは大丈夫なの?』

 ティーナちゃんが心配するのも仕方がない“次元神様“とは次元を司る神々の長で全ての世界の神々の上に立ち全ての神々が“神の王“と敬う存在だ、
そんな方に1人の人間の調査協力を頼むのは大丈夫なのかと言い合いのだろう

『大丈夫ですよ、この事は世界共通異次元協定法の協定法違反に当たる可能性があるので調査協力を進言しても問題ありません』

『あぁ、それね、でもあれって昨今増えてきた“違法異世界召喚“や“無断異世界転生“ブームの規制のためにできた協定法じゃなかったっけ?』

『ティーナ…、お前がちゃんと書類を読まないことが 今 よく分かった、・・・はぁ、あれには他に“人間に対して本人の望まない過度な干渉は禁止“とあるそれに“他世界の管理神の了承無しに世界の管理に手を出すのは禁止“とも書いてある“領域侵犯“に当たるからな』

『え、そうなの⁉︎じ、じゃあ私達も怒られるんじゃ・・・・・』

少し焦った様に今までしたことを思い出している様ですね

『心配入りませんよ、本人が望まない干渉は禁止されてますが私達はアトリーちゃんに嫌がられてないでしょう?アトリーちゃんが嫌と言えば協定法の禁止事項に触れますがそうじゃなければ大丈夫です、それにアトリーちゃんを転生させる時ちゃんと次元神様の方に報告もあげて許可もいただいているので罰せられたりしません』

 許可を得るときに来た 許可証の中に誠心誠意 謝罪したのち他世界で困らない様に手厚いサポートをする様にと注意文が入っていましたしね。

『ですから、問題ないのでこの事は私に任せて下さい、それに次元神様はお優しい方ですから心配入りませんよ』

『そうね…、じゃあそちらは天照ちゃん達に任せるとして私はこちらの痕跡調査を進めますか!』

『では、私も地球世界の神々から聞き込みと痕跡調査に専念する、何か分かればすぐに連絡をする、そちらも何か動きがあれば連絡をくれ』

『えぇ、私も何か分かり次第すぐに連絡します、集合はいつも通りこちらの重複神域内でいいですか?』

『うん、それでいいわ、私は今から少し自分の神域に篭るから連絡くれたら、ここにすぐ来るわね』

『じゃあそうしよう、ではまた後程』

 月詠は次元の門を出しその中に消えていった。

『ティーナちゃんあまり無理はしないように手伝いが欲しい時はいつでも言ってくださいね』

『うん、ありがとう天照ちゃん!でもアトリーちゃんの為にも早く見つけ出さなきゃね!頑張るぞ!おー!』

 と、握り拳を上に突き上げて気合を入れながら自分の神域に姿を消した。

『よし!、私も頑張りますか!おー!』

 私も近隣世界の神域への門を作り重複神域を後にした・・・










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