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第2章 少年期
34話 結界と結果
しおりを挟む?「お前のせいで‼︎お前のせいだ‼︎死ねーーーーーっ‼︎」
「⁉︎」
「「「「「「「「「アトリー(様)!!!」」」」」」」」」「「「「キャァーー!」」」」
周りの人の叫び声が通りに響き渡った。
急に襲いかかって来る男を目の前にして私は酷く冷静にその光景を見ながら恐怖心もなくどう対処しようかと考えていた、突進してきている男は“身体強化“のスキルを使用しているのか、大きい体格をも利用した突進で男に気づき私を守ろうと前に出た護衛騎士を弾き飛ばしてこちらに向かって来ている。
(さて、あの男はどうしようか、あ、そう言えば今日も付けている“アメトリンのブローチ“かなり強力な御守りになってたよね、どんな攻撃でも無効化が出来るって書いてあったけど どんなふうに無効化 出来るのかな?発動する条件はどんな感じ?天華)
天華『そうですね、アトリー様に危害を加える意思があると結界が発動します、後 アトリー様自身が“危険“と思われる事でも発動しますね、それとそのブローチはアトリーのいる場所を詳しく示す為のただの目印代わりですので付けてなくても大まかな座標でも結界は発動します、ただ規模が大きくなるでしょうけど、結界の効果の程は今から見たほうが早いかも知れません』
(ん?分かった、じゃあ今すぐに見たい場合は“危険“と意識すれば良いかな?)
天華『はい、それで発動すると思います』
向かってくる男に“危険“と判断するとすぐに薄く光る半球状の膜が自分を包むのが見えた、その膜にナイフを持った男が突っ込んでくる。
ガッキーンッ‼︎
思った以上に威力があったのか かなり大きな金属音がした男の持ったナイフを光の膜が盾になり防いで弾いた、男はナイフが通らないことに気づいても なおナイフを私に向けて突き出していた。
ギリギリギリッ!
(おぉ凄いこの光の膜は結界かな?しかし この人まだやる気だね目がいっちゃってるし変だな)
夜月『ふむ、微かに悪意のある魔力が残っているな』
(うん?確かに妙な魔力を感じるね、ねぇこの光の幕はこちらから手を出すとどうなるの?)
天華『多分 手の形に光の幕ができます、基本アトリー様の意識一つで様々な機能が付けたり形を変える事ができはしますよ、もちろん解除も』
(ふーん、それじゃあこのナイフの刃を無効化する事は出来る?)
天華『できますよ、ほら』
(へぇ、凄いねじゃあ皆んな危ないから少し降りててね)
思考が加速しているような感覚で夜月達と会話していると、男のナイフの刃が光の膜によってどんどん崩れて塵になり無くなっていっていた。
それを見た私は皆んなに少し間 下に降りるように言い、皆んなが私からある程度離れたのを確認した後 ニッコリ笑顔で手を男に向けて手を伸ばし光の膜を解除する。
男はいきなり光の幕がなくなってバランスを崩した、その隙を逃さず私は伸ばした手を男のナイフを持った腕の手首と襟元の服を強く掴み“身体強化“のスキルを発動させながら自分に引き寄せつつ背中に乗せるように体を捻り、その後は思いっきり体を丸め男を前方に気合いを入れて投げ飛ばした。
「はぁっ!」
ブンッ ズダンッ‼︎
・・・そう、前世で言うところの“一本背負い“をしたのだ。
?「ぐはぁっ!」
「「「「「「「「「「はぁ⁉︎」」」」」」」」」」
叩きつけられた事によって背中を強打された痛みで仰向けのまま身動きを取る事ができずにいた男に私は、
「“アースバインド“」
土魔法の拘束呪文を唱え 地面から出てきた土の棒が逆さU字になり男の手足や首を拘束し硬い石のように変化して地面に縫い止めた。
?「ぐっ!離せぇ!」
(ふむ、意外とやろうと思えばできる物だね)
ジュール「グルゥゥーッ!」『アトリーちゃん!もう良いよねコイツに罰を与えても!』
今まで大人しく見ていたと思っていたが実はかなり我慢していた様子のジュールが私の横に来て罰を与えていいか聞いてきた。
(ジュール、後 少し待ってね)
ジュール『ヴゥー!後少しだけだからね!』「グルルゥーッ!」
(有り難うジュール)
“無限収納“から手元に先程ハント親方から貰った“脇差“を取り出し鞘から抜き放つ、そして ずっと拘束から抜け出そうともがいている男の首元に当てた。
チャキッ シュッ ピタッ
?「ひっ!」
「ねぇ、おじさん、どうしてこんな事したの?」
護衛騎士「ア、アトリー様!」
今までの一連の出来事を呆気に取られていた護衛騎士の1人が我に返り 私を止めに入ろうとしたので私は逆に手で彼に止まるように指示を出す。
「どうしたの、言えないの?」
?「お前のせいだっ!お前があの時あんな物を被っていたから!私は周りから馬鹿にされてしまったんだっ!お前のせいでっ!」
(うん?・・・あぁこの人私の顔に関しての噂を流した人だな、って事は完全なる逆恨みだね)
天華『この男、知っているのですか?アトリー様』
(うん、顔は知らなかったけど、名前だけは聞かされていたからね、この人、私が王都にくる時に認識阻害のローブを着ていたのを目にして それまでも色々と悪い噂を立てられていた 私に容姿が醜いから隠していると新たな噂を追加させた人だね、名前は確かモブタザル・ノブル・ブーゼ男爵だったかな?)
天華『なんとも、的外れな噂を流したものですね』
夜月『呆れて逆に馬鹿馬鹿しくなって来たな』
(だよねぇ~、それで逆恨みするのはお門違いだと思うんだけど、この人なんかおかしいんだよね、まぁそれより五月蝿いから黙らせるか)
チキッ
ずっと喚いている男に再び刃を当て静かにさせる。
?「ひぃ…」
「ねぇ、それって僕のせいじゃないよね、それに知ってる?そう言うのは自業自得って言うんだよ」
?「う、うるさいっ!お前のせいだっ!お前があんな物を着てなければ!」
図星を突かれた男は顔真っ赤にしてまた私に向かって喚き散らし出した、次は先ほどとは様子が違い目が血走り何かに取り憑かれたように「お前のせいだっ!お前のせいだっ!」と同じことを繰り返し叫び出した。
護衛騎士「アトリー様!おさがり下さい‼︎」
父様「アトリー!こちらに来なさい!」
護衛騎士や父様が心配して私を呼ぶが私は男の異様さを不審に思い“情報開示“のスキルを使い男のステータスを見た。
===================
+ 名前 + モブタザル・ノブル・ブーゼ
+ 年齢 + 38歳
+ 性別 + 男性
+ 種族 + 人族
+スキル+ 《属性魔法》
水魔法3 土魔法3
土魔法4 木魔法2
生活魔法1
《魔法スキル》
召喚魔法1
《戦闘スキル》
今のレベルでは表示できません
《支援スキル》
探索3 先読4
《耐性スキル》
今のレベルでは表示できません
《技術スキル》
今のレベルでは表示できません
《特殊スキル》
今のレベルでは表示できません
+ 加護 +
+ 称号 + ブーゼ男爵家当主
ズローバ伯爵の腰巾着
マルヴァジタ教の信徒 *新マルモーヴェ教の信徒
*洗脳されし者
*借金男
※上記の*マークは隠蔽中です
+ 備考 + あの方が私に恥をかかせた こいつを殺せば私は救われるといった!こいつがいなくなれば救われる!こいつがいるから!こいつのせいでっ!
====================
(ん?この人洗脳されてるって…どうりで、言動がおかしいと思った)
天華『洗脳を解除しますか?』
(できるの?)
天華『聖魔法の“マインドリベレーション“で洗脳解除できますよ、アトリー様がしますかそれとも私がしますか?』
(うーん、したこと無いけどやって見る 成功しなかったら天華がしてくれる?)
天華『分かりました』
(有り難う天華、それとジュール解除が終わったら罰を実行していいよ、だからもう少し待ってね)
ジュール『うぅー!、はぁい、もう少し待ってる~』
(良いこだね)
思考を現実に戻し男に手のひらを向けて魔力を練り頭の中のもやを晴らすイメージで呪文を唱えた。
「“マインドリベレーション“」
呪文を唱えると白い光がブーゼ男爵を包み込んだ、同じことを何度も叫びながら暴れていたブーゼは次第に大人しくなり仰向けで放心状態になった、そこにジュールが近づきブーゼの頭の上あたりで止まった、私は少し後ろに下がり脇差を鞘に収めジュールを見たジュールは思いっきり息を吸い込んで上を向き。
ジュール「オオォーンッ‼︎」
「「「「「っ⁉︎」」」」」
と、遠吠えした、すると空から細い光の筋がブーゼの額に当たり中に入って行った、ブーゼは一回身震いするとまた上を向いたまま動かなくなった、一仕事終えたジュールはドヤ顔で私の足元に戻って来たのでかがみ込み。
(お疲れ様、我慢してくれて有り難うジュール)
ジュール『ちゃんと待ってたよ良い子でしょ?』
(うん、とっても良いこ!)
と、空いてる右手でジュールを撫で回した、ジュールは嬉しそうに尻尾を振り私の隣に座り込んだ。
(ふふっ可愛い、しかしあれが神罰の光なのか神罰の内容はどうなってるんだろう?見た目 的には何も変化がないように見えるけど)
夜月『本来 あの神罰はあの結界にあたった時点でなされるが元々 神々が良い見せしめにわざとジュールの合図で神罰を降すようにしたのと、アトリーが試したいことがあった様だったからジュールが我慢したようだ、後 神罰の内容はその時々だな今回は重い罰がくだった』
(へ~そうなの?)
夜月『そうだ、当たり前だがアトリーの命を狙ったんだからな妥当な罰だ、内容はスキルで“見て“見ればわかるぞ』
(分かったブーゼに“情報開示“)
===================
+ 名前 + モブタザル・ノブル・ブーゼ
+ 年齢 + 38歳
+ 性別 + 男性
+ 種族 + 人族
+スキル+ 《属性魔法》
生活魔法1
《魔法スキル》
《戦闘スキル》
《支援スキル》
《耐性スキル》
《技術スキル》
《特殊スキル》
+ 加護 +
+ 称号 + ブーゼ男爵家当主
ズローバ伯爵の腰巾着
新マルモーヴェ教の信徒
神の怒りに触れた愚か者
借金男
+ 備考 + ーーーー
====================
(ん?あれ?今まであったスキルがなくなっている生活魔法だけになってる、それに他のスキル欄が“今のレベルでは表示できません“って書いてあった場所が全部空欄になってる?もしかしてスキルが無くなるのが神罰の内容?それに隠蔽されてた“称号“が全部正しく表示されてる?)
夜月『そうだ、起こした罪に対してそれ相応のスキルの剥奪が神罰だ“称号“もその時 隠蔽が剥がれたんだろう』
(うわぁ、これは街の中で生きていく上で必要最低限の生活魔法しか残してないね、外に出て戦闘とかは絶対無理だよね、この人がどれだけのスキル持っていたか知らないけど技術スキルも取られたら仕事にも支障が出そうだよね、それに“称号“も全部見えてるし…、あ、でもまた隠蔽すれば大丈夫なのかな?)
夜月『それがアトリーを殺そうとした罪に対しての妥当な神罰だ、それと“称号“は神罰を受けると魔道具などを使っても隠せなくなる、だがアトリーが気に病む必要はない“自業自得“なのだからな』
(うん…そうだね…)
持っていた脇差を“無限収納“に戻しブーゼから視線を離して父様の方を振り返ったすると目の前に父様の顔があり一瞬ビクッとして。
「と、父様?」
父様は不意にガシッと私の肩に手を置き。
父様「アトリー!大丈夫か!何処か怪我してたりはしてないか!」
と、私の体を見ながら心配そうに聞いて来た。
「あ、はい、大丈夫です、何処も怪我はしていません」
父様「本当だな!・・・はぁ心臓が止まるかと思ったよ」
次はギュッと抱きしめられて、心配をしてくれた事が分かって申し訳ないと思うと同時に不謹慎だけども嬉しいとも思ってしまった。
「心配を掛けてしまってごめんなさい父様…」
父様「あぁ、アトリー 凄く心配した、だがアトリーが悪い訳では無いだろう?、でも自分を襲ってきた者に自ら向かって行くのは駄目だ、アトリーはまだ子供なのだから自分で危ない事をしては行けない、いつどんな時でもアトリーを1番に大切にしている人がいる事を忘れてはいけないよ」
「分かったね」っと言われて頷くと父様が横に移動したその後ろから目に涙ためながら走ってくる母様が見えた
母様「ア、アトリー、大丈夫?本当に何処も怪我いないのね?」
母様が声を震わせ優しく抱きしめながら聞いてきた。
「はい大丈夫です母様、母様心配かけてごめんなさい」
母様「良いのよアトリーとても心配はしたけど貴方が無事なら謝らなくて良いの」
母様は私を抱き上げてまた抱きしめた 父様も私達2人をまとめて抱きしめてくれた。
(また、やってしまった、心配かけないようにって、つい最近決めたばかりなのに…はぁ私って学習能力こんなになかったかなぁ)
少し落ち込んでいると、
リカルド団長「失礼します公爵閣下、夫人 少々よろしいでしょうか」
父様「どうしたんだい?リカルド団長」
リカルド団長「はい、襲撃者を連行したいのですが情けない話ですが アトリー様の出した“アースバインド“が強固すぎて男を立たせる事が出来ていません、宜しければアトリー様に魔法の解除をお願いできないかと…」
「あー…それは」
父様をチラッと見たら遠い目をしていた。
父様「アトリー、魔法を解除して来なさい」
「あ、はい、母様 下に降ろして頂けますか?」
と、頼むと母様はニッコリと笑うと私を抱っこしたままブーゼに少し近づき また私にニッコリ笑うとブーゼを見た。
(あ、降ろす気は無いのね ここから解除しなさいと…)
母様に抱っこされながらブーゼに手をかざし発動させた魔法の魔力を散らすようにイメージして手を横に振ったするとブーゼを地面に縫い止めていた硬い石の輪がその場で土になり崩れ落ちた。
リカルド団長「ご協力 頂き有り難う御座いました、アトリー様」
「いえ、僕がした事ですし、こちらこそ、ご迷惑をお掛けしてごめんなさい」
リカルド団長「謝罪は不要です アトリー様、今回の事は我々騎士団の練度不足が招いてしまった事、お手を煩わせてしまい 深く謝罪致します」
と、リカルド団長は頭が地面に触れるんじゃ無いかと思うほど頭を下げた、それに反応しその場にいた護衛騎士全員が頭を下げた。
(え!、護衛の仕事をちゃんとしていた人を止めちゃったのは私なのに!)
「僕こそお仕事のお邪魔をしてごめんなさい…」
と、互いに頭を下げた状態になってしまったが、
父様「アトリー、皆んなに申し訳ないと思うなら皆んなの謝罪を受け取って許してあげなさい」
と諭され。「はい、父様」
「皆んなの謝罪を受け取りますでも僕も邪魔してしまったのは事実なのでお相子様ということにして下さい」
そう言うとリカルド団長は頭を上げ苦笑いしながら「どなたに似たんでしょうね」と言い姿勢を正すと、
リカルド団長「お気遣い有り難う御座いますアトリー様、今後 2度とこのような事にならぬ様により一層 鍛錬に励み御守りする事とお誓いします」
護衛騎士全員「「「「「お誓い致します!」」」」」
「!、はい、有り難う御座います、皆さん鍛錬 頑張って下さい!」
護衛騎士全員「「「「「はっ!」」」」」
と、全員が拳を胸に置き敬礼をして答えてくれた。
その後 衛兵隊が到着し拘束していたブーゼを引き取り騒ぎに気づき集まっていた人達を落ち着かせていた、現場を衛兵隊の人達に任せて私達は馬車に戻った。
馬車に戻ると先に戻っていた全員に心配された、そしてお子様組はそれぞれのご両親の間に座ることに、大体の理由は母様が私を離さなかったからだが、
他にもお子様組の特にイネオス達3人が襲撃された場面を見て かなりショックを受けていたようだから ご両親の間に座らせて落ち着かせるために次の食事をする店まではそうした方がいいだろうと 大人達の判断だ、ソルはいつも通り私の側に来ようとしてセラスさんに引き留められていた、なので今の所 皆んなと会話は出来ていない。
(トラウマになって無ければいいけど、私と友達になったの後悔してないかな…)
そして私はずっと母様の膝の上に座らされている、聖獣3人は天華は父様の頭の上、ジュールは他の家族の膝の上を行ったり来たり、夜月は私の膝の上、とバラバラに過ごしている特にジュールは楽しんでいるようで何よりだ。
「母様、重たく無いですか?」
母様「いいえ、アトリーは軽いので全然重たく無いですよ」
と、言うばかりで降ろしてくれないその際 必ず 頭を優しく撫でられるので眠気に耐えている状態だ。
(くぅ、母様に撫でられると眠くなるんだよなぁ)
眠気に耐えつつ家族と話をしていたら父様が、
父様「そう言えばアトリー先程はなんの聖属性の魔法をかけたのかな?」
(うん?魔法名が聞こえてなかったのかな、一応声に出して発動させたんだけどな)
「あ、それはあの人 ブーゼ男爵の様子がおかしかったので“鑑定“してみたら誰かに洗脳されていたから“マインドリベレーション“で洗脳を解いてみたんです、そしたら大人しくなったんですけど、あの後大丈夫だったでしょうか、一応 洗脳は解けたと“鑑定“では出ていたんですけど、……どうしたんですか父様?」
話していると父様が険しい顔をしている事に気づき声をかけると。
父様「あ!あぁ大丈夫だよその事なんだけどアトリー誰が洗脳をかけたとか分かるかな?」
「えっと、誰かとは分からないですが称号の欄に“ブーゼ男爵家当主“の他に“ズローバ伯爵の腰巾着“、“マルヴァジタ教の信徒“の後ろに隠蔽されていた“新マルモーヴェ教の信徒“ってありました、後は“洗脳されし者“、“借金男“って書いてありました、なので関係がありそうなのは“ズローバ伯爵の腰巾着“、“新マルモーヴェ教の信徒“、“借金男“の三つぐらいですかね?」
私が“鑑定“で見た称号を教えると周りにいた家族全員が眉をひそめた。
(え、お祖母様達まで険しい顔をしてる、私何か悪いこと言ったのかな、また勝手に人のステータスを見たのが駄目だったのかな、それとも称号のどれかがいけない物だったのかな?)
いきなり家族全員の雰囲気が変わって怒られるのかと思い不安になっていると。
母様「アトリー、皆んな貴方を怒ったりしないわ だから心配しないで」
と、母様がまた優しく頭を撫でてくれた、母様の言葉で周りの家族も私に怒ってる訳ではないと言ってくれて。
(ほっ、私が悪いわけでは無いのなら、やっぱり称号のどれかが駄目な奴なんだ、どれだろう?)
「父様、もしかして“称号“のどれかが関係していそうですか?」
そう聞いた私の顔を少し驚いたように見てすぐに笑って。
父様「ふふっアトリーは本当に賢いねでもごめんね、それは教えてあげられないんだ」
(まぁ、そうなるよね子供に余計な心配させたく無いって言う親心分かるけど、気になる~!・・・はぁ仕方ないかここは引き下がるかどうせ7歳児の私にはできる事はないからね)
「うー、父様のご心配もわかるのでもう聞きません」
父様「有り難うアトリー良い子だね」
そう言われて父様に頭を撫でられるとモヤモヤした気持ちが少し軽くなる
(まあ、大体の検討は付いてはいるんだけどね、称号の中にあった“新マルモーヴェ教の信徒“って奴が1番怪しいんだよねぇ わざわざ“マルヴァジタ教の信徒“なんて偽装までしてあったし それにそんな宗教聞いた事ないし、“あの方“なんて敬称で呼んでいるみたいだったからね)
この国は国教として“リトス教“を崇めているが 強制している訳でもないし、他の宗教の活動も認めているのでブーゼが他の宗教を崇めていてもおかしくは無い、だがこの“新マルモーヴェ教“は国内で活動している宗教の中でも名前を聞いたこともないし 今まで見てきた国内の歴史書などには載ってはいなかった、
有名な宗教の場合 歴史書に記載されていることが多いので 他国の歴史書などには載ってる可能性はあるが今の所プレゼントで貰った他国の歴史書はこの国に隣接している国の歴史書しか持ってないので今の所 情報不足で一概に悪い宗教とは断定もできない。
そんな話をしていると昼食を摂る店に着いたようだ、外を見ると高級ホテルのような外観の高級店と思われるレストランがあった、レストランの正面入り口に馬車を横付けすると護衛騎士達の道ができる、そこでレストランからお祖父様が出てきて馬車に乗り込んできた。
お祖父様「おぉ!アトリー大丈夫か!心配したぞ!」
と、既に先程 起こったばかりの事件を知って心配してくれていた、母様の膝の上に座っている私を母様の承諾を得て抱き上げて 抱きしめてくれた私もお祖父様に抱きつき返して「心配させてごめんなさい」と謝った。
その時私の膝の上にいた夜月は隣にいた父様の膝の上に早々に避難していた、その光景を母様達はニコニコと笑いながら見ていた。
お祖父様「お前が無事で安心したから良いんだよ、さぁ少し遅くなったからお腹が空いているだろう、中で料理人達が沢山食事を用意して待ってるぞ」
と、私はそのままお祖父様に抱っこされたまま外に出てレストランに連れて行かれてしまった、横を見るとお祖母様がすぐそばに来ていて よく見るとお祖父様はちゃんとお祖母様をエスコートしていたみたい 片腕で私を抱っこして反対の腕でお祖母様をエスコートしていた。
(うーん、いつの間に…、器用なことするねお祖父様、てか降ろしてくれれば自分で歩くよ?)
天華『ふふっアトリー様、今は大人しく抱かれていた方がいいですよ、ご家族は貴方が無事なのを触れる事で確かめているのですから、後でお父君にもそうなさった方がいいですよ 最初はお母君に譲られていましたからね』
父様の肩の上に移動していた天華に言われて。
(はーい、それで気が済むのなら それに抱っこされるのは嫌いでは無いからいいんだけど…ただ友達の前でずっと抱っこされるのは少し恥ずかしいんだよね)
天華『まぁそれは我慢ですね、7歳の子供があんな事すれば誰だって心配します』
(うー、正論すぎて反論できない・・・)
夜月『私も流石にアトリーが“一本背負い“をするとは思わなかったからな』
天華の乗っている肩とは反対側の肩に乗った夜月が呆れた声で言った。
(やー、一度してみたかったんだよね、(*'▽'*)
前世で妹が柔道習ってた時があって その時期に妹を馬鹿にした年上の男の子を妹が習ったばかりの一本背負いをその男の子にかましてね、一時期小学校内で話題になってたんだよ、
妹とその男の子の身長差は妹より50センチは高くて男の子の方がかなり大きかったんだよねぇ、年齢も妹が7歳で男の子は11歳だったかな?それ思い出して 今 小さい私でもこの大きな男を“身体強化“を使えば投げれるかな?って思っちゃって つい しちゃったんだよねww)
夜月『はぁ~、しかし自分から結界解くのはあまり関心しないぞアトリー』
(は~い、次からは気をつけまーす)
ジュール『うーん、私はカッコイイと思ったけどね、でも神罰を我慢するのは嫌だからもうしないよ!アトリーちゃん!』
母様に抱っこされたジュールに今回の様な神罰のやり方は我慢できないからしないと言われてしまった。
(うっ、ごめんなさい、そして有り難う 皆んな)
聖獣3人「「「どう致しまして!」」」
会話している間にレストランの中で1番広いであろう部屋に案内されると、今日一緒に来た人達が全員座ることができるほどのとても長いテーブルが一つ置いてあった、そのテーブルに家族ごとに並んで座って 私も父様と母様の間に座り次々くるフルコースの料理を楽しく食べた。
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