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第2章 少年期
23話 お茶会の後は… 第三者 視点
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時間は少し遡り・・・・
お披露目会が終了して王城に先代国王の姉“ブルダイア・ノービレ・ヘルツォーク前公爵夫人“とその夫“フィデス・ノブル・ヘルツォーク前公爵当主“が訪れた頃・・・・
>=====<>=====<>=====<
第三者 視点
サフィアス王と先代国王がデューキス事務補佐官に見守られながら仕事をこなしていると。
コンコンッ
侍従長「失礼します陛下、只今 ヘルツォーク前公爵ご夫妻がお見えになっておいでです」
「「ガタッ!」」
と、知らせが入った、知らせを聞いたサフィアス王と先代国王は立ち上がろうとして失敗していた、何故ならその腰から下には綺麗な装飾のされた氷の柵で固めてあったので立ち上がることができないでいた。
サフィアス王「クッ!、シベラス 頼むから コレを解いてくれ!」
先代国王「あぁ、もう遅い…」
シベラス補佐官「そうですね」
先代国王とシベラス補佐官の視線の先には知らせを持ってきた 侍従長の後ろに立つヘルツォーク夫妻の姿があった。
ヘルツォーク夫人「あら、聞いた通り本当に綺麗な氷の柵ね、凄いわシベラス」
ヘルツォーク前公爵「本当だね、しかし今回もそんなに仕事を溜めていたのかい、ロブル?」
シベラス補佐官「お褒め頂き有り難う御座います、ブルア叔母上」
先代国王「こ、今回はたまたまです、フィデス義兄上」
サフィアス王「お、お二人とも急にどうしたんです?お茶会は終わってんですか?」
ヘルツォーク夫人「心配しなくともお茶会が終わってから こちらに来ているんです、後 私は伝言でちゃんと言ったでしょう?“お2人に“お話がありますと」
サフィアス王「あ、えぇ、それは聞きましたがお茶会で話したでは無いですか」
ヘルツォーク夫人「何を言ってるのです?あそこには他の方達がいたでは無いですか 私がしたいお話は2人に聞きたい事があるのですよ」
サフィアス王と先代国王は冷や汗をかきながら自分達が何か悪い事をしただろうかと一生懸命、震えながら考えていると。
シベラス補佐官「ブルア叔母上、お2人に御用でしたら私は退席いたしますね」
ヘルツォーク夫人「あぁ、ラス 貴方もいた方がいいわ、むしろ貴方に聞いて貰ってた方が今後デューキス家のためになると思うから」
シベラス補佐官「?、はい、ブルア叔母上がそうおしゃるのでしたら、同席させて頂きます」
何の話をするのか見当もつかないと頭を捻りつつ、言われた通りにサフィアス王達と話を聞く態勢に入ったシベラス補佐官、彼にソファーを勧められてヘルツォーク前公爵夫妻が座るとタイミングよく侍従長の指示でお茶が運ばれて来た、お茶で一息つくとヘルツォーク夫人が話を切り出した。
ヘルツォーク夫人「今回 お話があると言うのは今日のお茶会の主役だったアメトリン君の事です、貴方達は彼の噂の件でどれだけ把握しているのか聞きたくて王城にきたのです、それと6年前の事件の詳細を詳しく教えてもらえますか?」
ニッコリッと圧のある笑顔で聞いてきたヘルツォーク夫人の顔を引き攣った顔で見つめている国王と先代国王。
シベラス補佐官(長くなりそうだな、また公務が滞るな)
と、思いつつもヘルツォーク夫妻の聞きたい事の事件の詳細や噂の出どころなど、互いに持っている情報の摺り合わせを行い、ある程度の状況の把握ができたところでこの中で1番の年長者のヘルツォーク前公爵が情報を纏めて言った。
ヘルツォーク前公爵「ふむ、では6年前の事件は複数の犠牲者が出しつつも解決したと思われていたが、あの後もアメトリン君が執拗に狙われていて国外から新たに入ってきた何者かに使役された魔物に襲撃されていて、その襲撃して来た魔物を使役していた黒幕は未だ捕まっていないと…、
・・・しかし魔物に襲撃されたのは知ってはいたが犯人がいまだに捕まっていないとは知らなかったな…」
ヘルツォーク夫人「それなのに貴方達は自分の興味本意だけで当時一歳のアメトリン君を王都に呼び出そうとしたの?よく そんな事ができたわね、幼い子供をそれも誘拐されそうになった我が子を安全な領地の屋敷から危険を承知で王都まで連れて来い なんて貴方達そんな酷いことをラトやシリーちゃんによく言えたわね?」
言葉の端々に棘を含ませながら 国王と先代国王に言うヘルツォーク夫人、夫人に言われて初めて、あの時の自分の行動は迂闊だったと反省する2人を少し冷めた目で見つめているシベラス補佐官。
サフィアス王「面目御座いません ブルア叔母上、・・・シベラス、デューキス家にも改めて謝罪の手紙を出させてくれ」
シベラス補佐官「それで陛下の気が済むならそうなさいませ、私はもう何も申しません」
サフィアス王「すまない、シベラスお前は止めてくれていたのに…」
先代国王「止めなかった、儂も同罪か…」
そう言いながら下を見つめていた。
反省している2人を見ながらヘルツォーク夫人はもう一つの話題の事を考えていた。
ヘルツォーク夫人(この2人の反応を見ると あの悪意のある噂の件に2人は関わって無いようね、そうなると別の何者かが意図的にアメトリン君の悪い噂を流し、その噂を払拭するためにアメトリン君が領地の屋敷から出て王都の遺族達にお披露目させるのが1番手取り早い、
その何者かはアメトリン君を表に出させたかった?でもあの噂をわざと否定せずに放置していたのはイディ達だったから、相手の思惑通りにはなっていないのが幸いね、でもなぜアメトリン君を表に出したかったのかしら?それにあの噂を鵜呑みにして広めていた貴族はそんな根も葉もない話をどこから聞いて来たのかしら?)
ヘルツォーク前公爵「ブルア どうしたんだい?急に考え込んで…」
ヘルツォーク夫人「あぁ、フィディー、少し気になっていたことがありまして、あの噂広めていた貴族達はどこからその話を聞いて来たのかと、それも何故あんなに全て事実であると自信がある話ぶりで噂を広めていたのが気になって、それにアメトリン君の悪い噂を広めて何がしたかったのかと思って」
ヘルツォーク前公爵「確かに余りにも不自然な広まり方をしていた、普通は不確定要素が大きい噂は詳細が曖昧になりがちだが、今回のアメトリン君の噂だけはやたらと詳細が詳しく伝わっていたな……、それに目的か・・・公爵家を陥れたいならもっと有り得そうな悪事を噂するはずだ、わざわざ まだ7歳にもなって無いその三男の出来が悪いなんて噂を流す意味が分からないな…」
先代国王「確かに悪い噂が広まったとしても“祝福“を受ければそれが事実ではないとすぐバレてしまったしな、不細工で出来が悪いなんて何処を見て言ったんだっ、と言うぐらい神々しく優秀な子だ アメトリンは…」
ヘルツォーク夫人「あら?、神々しい?、あの子は確かに綺麗で可愛い子でしてけれど神々しいとは?」
先代国王「あぁ、姉上は見ていないから分からないでしょうが 昨日の“洗礼と祝福“の儀礼用の服を来たアメトリンはそれはもう息を呑むほど美しく神々しい雰囲気を醸し出していたんですよ…」
その時のアメトリンを思い出して遠くを見た。
サフィアス王「話には聞きましたが私は見ていないので 今日見たアメトリン君からは想像もできませんね、私の感覚ではどちらかと言うと可愛い感じでしたからね」
ヘルツォーク夫人「あらまぁ、ロブル、貴方がそこまで言うとは…、その時のアメトリン君を私も見たかったわぁ」
ヘルツォーク前公爵「そうだねぇ、私も見たかったな」
口々にその時のアメトリンを見たかったと言っている人達の中でシベラス補佐官1人だけが黙って耳飾り型の魔道具を2つ取り出しこう言った。
シベラス補佐官「そんなに見たいんでしたら見せて差し上げる事もできますよ?」
「「「「‼︎」」」」
サフィアス王「それは!“記録の魔道具“⁉︎」
シベラス補佐官「“ただし“、コレを見せるには条件があります」
先代国王「それはどのような条件だ、シベラス」
少し警戒した様子で聞いてきた。
シベラス補佐官「そんな難しい条件では無いですよ、少しやりたい事がありまして 陛下を含め叔母上達にも少しお手伝いしていただけると嬉しいなと思いまして」
ヘルツォーク夫人「シベラスったら、そんな事しなくても私は貴方の力にいつでもなりますよ?」
ヘルツォーク前公爵「そうだよ、シベラス、君は私達にとっても息子のような存在なんだから」
シベラス補佐官「ふふっ有り難う御座います、叔父上、叔母上、分かってはいますがタダでお手伝いして頂くのも心苦しいので 先払いの報酬とでも思っていただけると気を使わなくて済むかなっと私は思いますので」
少し照れつつ嬉しそうに提案した
ヘルツォーク夫人「ふふっ分かったわ、ラス、貴方がそれで気兼ねなく頼ってくれると言うならそうしましょう、ねぇフィディー?」
ヘルツォーク前公爵「あぁ、それならしょうがないね その条件をのもう、で、手伝って欲しい事とは何かな?ラス」
「有り難う御座います」とお礼を言い、シベラス補佐官はサフィアス王を見た。
サフィアス王「くっ、私には嫌な予感しかないんだが!しかもまだこの氷の柵は取れてないし」
先代国王「諦めろ、サフィアス」
その視線だけで何か勘づいたのか サフィアス王は映像は見たいが出される条件が怖いと複雑な気持ちでシベラス補佐官を見ている、先代国王は悟りを開いたかのように諦めた顔をしている。
サフィアス王「父上は良いですよね!本物をマジかに見ているんですから!くそっ味方がいない!ぐぅ・・・・えぇい、分かったシベラス!何をして欲しいんだ!」
国王のその返事を聞いて嬉しそうに笑いながら条件を口にした。
シベラス補佐官「了承いただき、有り難う御座います 陛下、条件はそんなに難しい事ではありませんよ、
今から見る映像に写ってる人物達の中でアトリーに対して 他とは明らかに違う“感情“で見ている者達を探しだし調査して貰うだけですから」
サフィアス王「?、他とは違う“感情“?、どう言うことだ?・・・!、そうか!、その映像の中に噂を広めた者達がいるかも知れないんだな!」
シベラス補佐官「えぇ正解です、陛下 、この“記録の魔道具“は兄上から預かった物でして この様に二つありまして兄上が“洗礼と祝福“の日に両耳に付けて全体の様子を写していた物なんですが、その時兄上が周りの貴族達から違和感を感じたそうなんですよ、
よく見ていると大半がアトリーを見て単純に驚いている人達の中で驚いた後なぜか忌々しそうな表情で見ている者がチラホラいたそうなんです、
その表情の貴族達が今回の噂を広めた物達なのでは?と思ったそうで その貴族の特定と調査をして欲しいと頼まれまして」
ヘルツォーク前公爵「うーん、確かにそんな表情で見られる言われは無い筈だからね、それにアメトリン君には神殿にいた人達はほぼ全員「初めまして」と言っていいぐらい知らないし会った事も無い貴族ばかりなんだからね、そう思うと中々失礼な事をしているよね、その噂を広めた貴族達は」
ヘルツォーク夫人「そうよねぇ、いきなり知らない大人達に嫌そうな顔で見つめられるなんて、アメトリン君はさぞかし居心地が悪かったでしょうに」
シベラス補佐官「まぁ元々 兄上達でも噂が出始めた時に出どころは調査していたようなんですがその時、特定した噂の出どころの貴族の数より、その忌々しそうな表情をした貴族が多いいそうなんです、なのでその貴族の特定とその貴族達の関係性の調査を皆様にお手伝いのお願いしようかと、
それとデューキス家で調査した貴族のリストはもらってますのでそこも照合しながら調査したら何か分かるかもしれませんね」
サフィアス王「そうか今年は人数が少ないと言っても約70家の貴族達が参加していたんだから一人ひとりの顔を見るのは骨が折れるな…、そう言う事なら喜んで手伝うよ、調査の方も影騎士を使って調べさせてもいいぞ」
シベラス補佐官「有り難う御座います 陛下、ではお言葉に甘えて 影騎士をお借りいたしますね」
先代国王「?、手伝いとはそんな事で良いのか?シベラス、デューキス家にも影はかなりの数がおるだろう?」
シベラス補佐官「影はいますがどうやら今 我が屋敷の警戒警備で手が足りてない様なんです」
先代国王「そんなに影の警備が必要か?」
シベラス補佐官「えぇ、明日はアトリーが“初めての王都散策“をするのと今 神殿での出来事を知った敬虔なリトス教の信者の貴族が屋敷の周りに集まり聖獣様達を一目見たいと屋敷に向かって祈りを捧げているそうで何が起きても良いように厳重に警備しているそうなんです」
先代国王「そうか、屋敷の周りに信者が集まっているのか、それにアメトリンが街に出るとなるとそれなりの警備が必要か…、王城からも警備を出すか?」
ヘルツォーク夫人「ダメよ、ロブル 城から警備の兵が来たりしたらアメトリン君は賢くて良く気がきくから 警備の兵に気を使ったりしてお友達との交流を楽しめなくなると可哀想でしょう?」
シベラス補佐官「えぇ、そうですね 兄上もそう思って影の大半を警備に回したみたいですし」
先代国王「そうだな、友人との交流は大事だからな、そう言う事なら警備はあちらに任せて こちらは先程の手伝いに専念するか!」
シベラス補佐官「では、映像を再生させる準備をしますね」
と、“記録の魔道具“専用の映像を再生させる“映像再生の魔道具“があるその魔道具に“記録の魔道具“を設置するとそこに記録された映像が見る事ができストップや巻き戻し、範囲拡大などもできる優れもの、例えるならブルーレイレコーダーのような物だ、だが“映像再生の魔道具“の形自体はは大きなノートパソコンの様な形をしている。
シベラス補佐官が“映像再生の魔道具“をヘルツォーク夫妻とサフィアス王と先代国王2人の前に一台づつ置き、耳飾り型の“記録の魔道具“をノートパソコンのキーボード部分にあたる大きな四角い凹みに魔力を流しながら置いた、するとノートパソコン型の画面部分に映像が映し出された。
そこには“洗礼と祝福“の時の服装に身を包んだアメトリンの姿が移し出された。
「「「「っ‼︎」」」」
場面は家族に支度を整えて見せに来た時の映像だ、映像の中のアメトリンは楽しそうに家族と会話している。
先代国王「はぁーっ、何度見てもこの時のアメトリンには気圧されるな」
ヘルツォーク前公爵「ほぉ、確かに今日見たあの子とは全然 雰囲気が違うね、ロブルが神々しいと言ったのが分かるよ…」
ヘルツォーク夫人「はぁ、本当に美しいわぁ、しかもあの子のアメトリン君の神秘的な瞳が一段と輝いて神々しさに拍車をかけて要るわねぇ」
サフィアス王「これは本当に人の子なのか?今日、彼に会って聖獣様に挨拶をした時と同じ雰囲気を纏っている…」
シベラス補佐官「あの時は詳しく聞きませんでしたが聖獣様と会話なさってたのですか?」
サフィアス王「いや あの時は最初は聖獣様かと思ったが話しているうちに主神様だと気づいた・・・、それほどあの場の空気が重く息をするのもはばかれるぐらい神聖な空間だった」
先代国王「そうか、私にもその感覚には覚えがある 昨日のアメトリンの“祝福“があった時と似た感覚に陥った…、サフィアス、お前は神から“神託“を受けていたのか・・・、周りにいた私達には聖獣様と会話しているように見えていたが、神は何と仰っておられた?」
先代国王の言葉で全員の視線がサフィアス王に向いた、その視線を受けながらサフィアス王は神と交わした言葉を思い出しながら話し出した。
サフィアス王「あの時 私は・・・・・・・・・」
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国王:サフィアス・レイ・ウェルセメンテ 視点
あの時 私はシベラスからやっと挨拶の許可を得て 聖獣様に挨拶をした時だった。
「う、うむ、紹介が遅れて申し訳ない、私はこの国を預かり統治している国王のサフィアス・レイ・ウェルセメンテと申します、聖獣様方には我が国の王族の血筋である公爵家三男のアメトリン・ノブル・デューキスの元に来ていただいた事 誠に嬉しく思います、先の神々の警告文での文言通り我が国はアメトリン・ノブル・デューキスへの必要以上の干渉または接触を本人が望まぬ限りしない事を改めてここに国を代表して御約束致します」
片膝をつきながら頭を下げた、その時、
テンカ様「キュキュー」
?『その約束、しっかり守ってくださいね』
竜の聖獣様のテンカ様が鳴いた、そして急に周りの空気が重く神聖な雰囲気が漂い出したと思ったら直接 頭に響くような 美しい女性の声が聞こえた。
(⁉︎、なんだ⁉︎空気が変わった?)
?『この子、アメトリン君は私達の大切な子、なので今の約束を違えない様にして下さい、もし彼の自由を妨げた場合は神罰でスキルを剥奪することになります』
「⁉︎、は!承知しました!」
私は神罰の内容を聞いてこの声の主が主神リトスティーナ様だと確信した。
(スキルの剥奪、そんな事が出来るのは神々だけだ…)
主神様『この国の王よ、貴方の言葉を信じましょう ですが これからも私達はこの子を見守っている事を忘れてはいけませんよ』
「は、はい、神々のご信頼、有り難く思います」
主神様『では、“貴方の国に祝福“を・・・・これで貴方がこの子を“失望“させない限り作物の収穫は安定するでしょう』
「あ、有り難う御座います」
(作物の収穫の安定、なんて“破格の祝福“だ・・・)
主神様『それでは、国の王よ、我々の信頼を裏切らぬように・・・・・・』
「肝に銘じます…」
(神聖な空気が消えた、やはり今のは神の声か・・・)
周りを軽く見渡すと私以外神の声を聞いていた者はいない様だった。
正面にいたアメトリン君は肩の上にいた竜の聖獣様の方を向き何か話している様だった、私は彼に近づき。
「と、言うことで、アメトリン、君は好きな事好きな時にしなさい 正し、悪いことはしないようにね♪」
と、言うだけに留めた・・・・他に言いようもなかったが
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第三者 視点
サフィアス王「・・・・と言う事があってその時の周りの雰囲気にこの映像の中のアメトリン君の雰囲気が似ているんだよ、て言うか映像なのに何故ここまで雰囲気が今も画面から漂っているんだろうね?」
ヘルツォーク夫人「まぁ、そんな事があったのね聞いていた通り神々から特別に扱われているのね、アメトリン君が纏う雰囲気はそのせいなのでは?」
先代国王「しかし、いつの間にか“国“に神から“祝福“を頂いているとは、これで領地が不作に陥っていた所が救われる!“破格の祝福“だ!」
ヘルツォーク前公爵「だがそれは陛下がアメトリン君を“失望“させるような事をすると効力を無くすのだろう?多分、神は“祝福“の効力が続く間に 何も対策をしなければより一層 彼が“失望“する様なことになりかねないから、今のうちに対策をしなさいと言う事なのでは?」
シベラス補佐官「そうですね、アトリーが私達大人に愛想を尽かす前に不作の原因を解決しなければいけませんね」
サフィアス王「…日々精進せよと言うことか…、ならまず今は彼の噂の真意を明らかにするか、て 事で続きを見るか」
全員が頷き映像の続きを再生した。
映像は神殿前に着いて中に入ろうとしている所を映し出していた、神殿内に入り案内係の神官がアメトリンに目を奪われている様子までハッキリと写していた。
先代国王「あの時のアメトリンに目を奪われない者は何処にもおらんだろうなぁ」
と、1人呟いていると場面は進み神官が大きな声でデューキス家の名を呼んだ後の場面だ、神官の声に反応して神殿内の全員がアメトリンに注目した。
ヘルツォーク夫人「あらまぁ、皆んな凄い勢いで振り向いたわね、まぁこの時点でかなりの人数が怪しい感じね」
ヘルツォーク前公爵「そうだね・・・ん?、この者の顔は忌々しいと言うより苦々しいと言う表情をしているよ、シベラス、この貴族はリストに乗っているかな?」
シベラス補佐官「どれです?・・・・、あぁ、この人は兄上の報告書にあった“ブーゼ男爵“ですね、彼は兄上達が王都に来るとき認識阻害ローブを着たアトリーを見て、『あのおつむの出来が悪い噂は事実で、美しいと噂の容姿も本当は醜いので顔を隠している』などと周りに吹聴した人ですね」
ヘルツォーク夫妻「「はぁ?」」
ヘルツォーク夫妻はその言葉を聞いて心底意味が分からないと言う顔をした
ヘルツォーク夫人「え?、ちょっと待って?その方はアメトリン君の顔をしっかり確認もせずにそんな事を噂で広めたの?その方は本当にこの国の貴族なの?」
ヘルツォーク前公爵も同意するように頷いている。
サフィアス王「あの報告にあった噂か、私が聞いた噂内容は『顔を隠さないといけない程 醜いに違いない』と言う噂を報告で聞いたよ、最初 報告を聞いた時はつい聞き返したよ、しかし その“ブーゼ男爵“って何故そう思ったんだろうねぇ…、
それだけじゃない今回の噂を広めているとされている貴族達は何故そんなにも簡単に人ずてに聞いた話を鵜呑みにして、わざわざ自分の爵位より上のしかも王家の血が入ってる公爵家の子供を陥れるような噂を流したんだろうね、その事で自分の立場が悪くなると思わなかったんだろうか、私もそこが不思議でならないよ・・・
あぁ、でも“ブーゼ男爵“の件は単純かもしれないね彼はあの“ズローバ伯爵“の寄子だからね まぁ大方 デューキス家の醜聞を広めて嫌がらせしたかったに違いない」
シベラス補佐官「そうですねぇ、以前に増して最近は“ズローバ伯爵家“がちょっかいを掛けてくる事が増えてきたと兄上が愚痴っていましたからねぇ…、それに そろそろ父上の我慢の限界がきて“ズローバ伯爵家“の屋敷を粉々にしてしまいそうだと言ってました」
ヘルツォーク夫人「あらあら イディったらヤンチャねぇ、しかし そんなにしつこいの?中々 諦めないわねぇ どうやっても“ズローバ伯爵家“があそこの領地の領主になる事はできないのに今だにあの領地を狙ってるのねぇ」
先代国王「あそこの土地は特別だからな 王家の血を引く“公爵家“以外はあの土地を任せられない と何度説明しても理解できんのだろう なぁ……、はぁ、
あの伯爵家はいつもギリギリ犯罪にならない所で嫌がらせをして来るから 処罰もできなくてイライラが溜まってるんだろう」
ヘルツォーク前公爵「そうなのかい?イディも大変だねぇ…、・・・ん?でも今回の噂の件で“ブーゼ男爵“を尋問して、“ズローバ伯爵“の指示だったと証言を得ることができれば名誉毀損で少しは罰を下すことが出来るんじゃないかな?」
「「「「!」」」」
シベラス補佐官「それは、いいですね上手くいけば 今までの嫌がらせの証拠を突きつけてしばらく黙らせることが出来るかもしれませんね」
フフフッっと悪い顔で笑う シベラス補佐官、その彼を見て「うわぁ~」と言いながら引いてる サフィアス王と先代国王、ヘルツォーク夫妻は「良かったね~」と微笑ましそうに笑って見ていた。
その後は引き続き、映像を見ながら表情の怪しい人物をピックアップすることに。
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