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第2章 少年期

21話 初めてのお泊まり会

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 父様達が招待客のお見送りをしている間にも私達子供勢は楽しく遊んでいた。

「あ!、天華 見~つけたっ!」

「キュキュ~」天華『見つかってしまいましたか』残念そうな声を出しながら私の元にくる天華

「後1人~!」

 木の枝の後ろに隠れている小竜の聖獣(本当は神獣)の天華を見つけた隠れんぼの鬼の私は 残り後1人を見つけると勝ちと言う所まで来ていた、
残りの1人は最初は乗り気では無かった 同じく子虎の聖獣(本当は神獣)の夜月を探すことに専念する。

「どこに隠れたのかな?夜月~ど~こ~だっ!「バサッ」・・・あれ?ここじゃ無かった?」

 お茶会の為に設置していたテーブルの下に隠れていると思ってテーブルクロスを上げて覗いてみたが夜月はいなかった。

「あれ?夜月は毛並みが乱れるのが嫌いだから大きい空間に隠れたと思ったのに……、ここじゃ無いとするとどこに行ったかな?」

 それから少し探していると、

「あ!そこにいる~、ずるいよっみんなで隠してるなんて~!」

 そこは隠れんぼで見つかった人が待機する場所だった 一本の木の下にシートを敷きそこに見つかった皆んなが座っていた、その後ろに夜月は寝そべって隠れていたのだった。

「夜月、見~つけたっ!」

「なぁ~う」夜月『うむ、見つかってしまったか』

ベイサン「あ~、これでまたアトリー様の勝ちか~」

へティ「後少しで時間終了でしたのに~」

イネオス「本当だね、後 数秒だったよ!惜しかった!」

ソル「く、また勝てなかった!」

「わ~い僕の勝ち!」

 見つかった皆んなは悔しそうにしていたが何処か楽しそうにもしていた。

カミィ姉様「あらあら、またアトリーの勝ちなの?凄いわね、でも そろそろ喉も乾いたでしょう?お茶を飲んで水分補給をしたら?」

「は~い、今行きまーす!」

 椅子に座って私達を見守っていた カミィ姉様が休憩を促してきたので返事を返した。

「皆んな、お茶飲みに行こう!少し汗かいちゃったからね」

 そう言うと皆んなでワイワイ話しながら お茶会のテーブルの所まで戻って来ると既に冷たい果汁ジュースが用意されていた。

「あ、有り難う、オーリー」

 用意してくれたオーリーに礼を言い、皆んな座って喉を潤していると。

父様「おや?、もう皆んな遊び終わったのかい?」

 両親とジル叔父様がやって来た。

「あ、父様、母様にジル叔父様、今は少し休憩中です 父様達はどうしたんですか?お茶会は?」

父様「あぁ、お茶会はもう終わったよ、今はジルとお友達のご家族だけが残っている状態だね」

「え!、そうなんですか!僕お見送りして無いです、ごめんなさい父様 僕 遊びすぎたんですね…」

父様「あ、あぁ違うよアトリー、元からアトリーはお見送りしなくて良かったんだよ、基本 子供達はお茶会のお見送りはしなくて良いんだよ、お友達が帰る時とか身分が高い人が帰る時はした方が良いけどね」

「そうなんですか?、あ、でもロブル大叔父様達やサフィアス叔父様はお見送りしていません」

父様「そうだね、陛下達はかなり前にシベラスが王城に連れて帰って行ったから 気にしなくて良いよ」

「シベラス叔父様も?・・・良いのかな?」

父様「陛下や先王陛下は仕事を残したまま来てたみたいだから、早めに帰ったんだよ シベラスはそのお目付役で仕方なく王城に戻ったんだ そんな顔しなくてもまた今度遊びに来てくれるよ、アトリー」

 シベラス叔父様も帰っていた事にちょっと寂しく思っていると父様がまた来てくれると頭を撫でながら慰めてくれた。

母様「アトリー、また来てくれた時にたくさんお話ししてもらいましょう?それに今日はジル叔父様に冒険のお話しをお聞きするんでしょう?」

「!、はい、母様、またシベラス叔父様が来たときはその時にちゃんといただいたプレゼントのお礼を言います、それにジル叔父様の冒険のお話も楽しみです!」

母様「良い子ねアトリー」

 頭を撫でられながらジル叔父様の方を見てると。

ジル叔父様「はははっ、そんなに期待した目で見られても大した事は話せないぞ」

 と、笑いながら用意された席に座っていた。

父様「ジル すまないね、付き合わせしまって、イネオス君達も良かったら一緒に話を聞いてみるといいよ、今日は君達とご家族はこの屋敷に宿泊する事が決まったからね」

「「「‼︎えっ」」」

 イネオス達3人は何も知らされていなかったようで急な事で固まってしまっていた。

「え!本当ですか!父様!」

父様「あぁ本当だよアトリー、今ご両親達は用意している部屋に案内されている所だよ」

「わ~、じゃあ今日は皆んなで遅くまで遊んで良いんですか?」

(やったー初のお泊まり会だ♪)

父様「良いけど、明日のお出かけも一緒に行くから あまり夜更かししない様にね」

「明日のお出かけも一緒に行けるんですか!やったー!嬉しいです!あ、…でも皆んなは良いのかな、ご迷惑では?」

(もし、予定があったなら迷惑だよね)

 と、思いイネオス達を見た、見られた事に気づいた皆んなは申し訳なさそうに。

イネオス「え!、むしろ良いんですか⁉︎」

へティ「こ、こちらこそ、ご迷惑になるのでは?」

ベイサン「ぼ、僕は嬉しいですけど、本当に良いのですか?」

父様「ふふっ、気にしなくていいよ、ご両親も一緒に行くから安心しなさい」

 皆んなは両親も一緒に行く事を知って目を輝かせながら顔を見合わせて嬉しそうに返事を返した。

イオネス達3人「「「はい、有り難う御座います♪」」」

 皆んなで「わ~い」と喜んだ後 父様と母様は明日の事でイネオス達のご両親達と何処に行くか打ち合わせするからと屋敷の戻り、
私達はジル叔父様の今まであった冒険話や冒険者あるある などを聞いたり質問したりとしていると皆んなのご両親とソルの家族が私達のいる庭園に来た。

ジル叔父様「さて、皆んな すまないが俺はそろそろ帰らないと行けないから、続きはまた今度な」

「色んなお話しして下さって有り難う御座いました、ジル叔父様♪」

ソル達4人「「「「有り難う御座いました!」」」」

ジル叔父様「おう、どういたしまして、強くなりたかったら剣や魔法の訓練は怠るなよ、じゃあな!」

 と、手を上げて父様達が出て来た方に歩いて行った、皆んなで「さようなら~」と手を振り見送っていると、ジル叔父様は去り際にこちらに近づいて来ていた父様達に何か話すとそのまま屋敷に入って行った。

父様「皆んな話は面白かったかい?」

私達5人「「「「「はい!楽しかったです♪」」」」」

父様「そうか良かったね、ではそろそろ屋敷の中で遊びなさい、後、イネオス君達のご両親達は一旦 王都のお屋敷に戻って明日の着替えなどを取りに行くそうだから 皆んなはアトリーの部屋か応接室で好きなように遊びなさい夕食前にはご両親は戻って来るだろうから、着替えが終わったら夕食を皆んなで食べようか」

(あらら、お泊まり道具待ちか、何して遊ぼうかな?)

私達5人「「「「「はい!」」」」」

父様「良いお返事だね、さぁ、中に入って遊びなさい、アトリー 頂いたプレゼントを開けても良いよ皆んなで遊べるおもちゃが入ってるかもしれないしね」

「分かりました父様 あ!、そうだジル叔父様がさっき、今日くれたプレゼントは皆んなで分けなさいって言っていたのでそれから開けて良いですか?」

(お話に出てきた物が入ってるって言ってたし、皆んなで見てみたいねって言ってたからそれ探したいんだよね~)

父様「良いよ、けどカミィ達 他の兄弟にもちゃんと了承を得てから分けるんだよ?」

「はい、先程カミィ姉様達からイネオス達に分けても良いって了承を貰ってますから大丈夫です!」

(根回しは完璧だよ!キランッ)

 心の中でそんな事を言っていると呆れた顔で私をみている聖獣3人、今は一つの椅子の上で3人で丸まって寝そべっている、カミィ姉様達は「クスクス」笑っていた。

父様「そうか、なら喧嘩せずに皆んなで分けるんだよ」

「はい、父様!」

母様「貴方、私は子供達の所にいますから、後の事お願いできますか?」

父様「あぁ大丈夫だよ、じゃあ子供達を見ていてくれ、オルガノ、カルベイン達も子供達を応接室で遊ばせてくれ、頼んだよ」

専属4人「「「「畏まりました」」」」

「じゃあ、父様、イネオス達のご両親の皆様、先に屋敷に入りますね」

父様「良い子で仲良く遊ぶんだよ」

 イネオス達のご両親も「お世話になります」とか「お気遣い有り難う御座います」とか言って挨拶した後で、許可も貰ったので早速 聖獣3人を抱え 母様や兄弟、イネオス達皆んなで屋敷に入りプレゼントを応接室に運んでもらうようにして貰った。

 応接室に到着すると既に結構な数のプレゼントが山になって室内に置いてあった。

ソルとイネオス達3人「「「「わ~!」」」」

「わーなんか凄い数が置いてあるね、こんなにいっぱい貰ってたんだね…」

オーリー「アトリー様、こちらは王族の方から頂いた物だけをこちらに保管して置いてある状態です、ドゥーガ公爵様から頂いた贈り物は他の置き場からこちらに今からお運びしますので少々お待ち下さい」

私と他か4人「「「「「ええっ‼︎」」」」」

 私達はこれで全部だと思っていたら違っていたみたい これ全部で王族の方々からのプレゼントだったらしい。

(うわー、サフィアス叔父様とロブル大叔父様夫婦だけでこれだけあるんだから、残りはどれだけあるんだろう・・・、!、ちょっと待てよこれ全部開けるの私だよね…、うん、大変そう……、よし!ソルに手伝ってもらおう、そうしよう!)

 と、本人の了解も得ずに手伝って貰う事を勝手に決めてジル叔父様のくれたプレゼントが来るのを待っていた。

 一方その頃の大人達は…


>ーーーーー<>ーーーーー<>ーーーーー<

    父:アイオラト 視点    

 子供達が応接室に向かって行った後 私達大人組は先程までの打ち合わせ通りヴィカウタ子爵邸に着替えなどの荷物を取りにヴィカウタ子爵達が一時帰ることに、そのついでにジルを屋敷まで送ってもらう様に頼んだ。

「すまないね、ジルを送ってもらって、先に着替えを取りに行ってから送ってくれれば良いから」

ヴィカウタ子爵「あ、はい、王弟殿下をお送りするのはとても光栄なのですが本当に後で宜しいのですか?」

ジル「あぁ、気にしないでくれ、私は独り身で屋敷で待ってる者もいないからね、それに私を先に送ると移動が面倒だからね、送ってもらうのに手間はかけさせられないよ、だから先に君達の屋敷に寄ってから送ってくれるとこちらも気兼ねなく送って貰えるからさ」

ヴィカウタ子爵「王弟殿下がそう仰るのでしたら 先に当家の屋敷に行かせていただきますね」

ジル「有り難う、よろしく頼むよ、いつも通り歩いて帰ろうとしたらラトがうるさいからね」

「当たり前だ、そんな格好で歩いて屋敷まで帰っていたら途中で物取りに捕まるのが目に見えてるよ、ジル」

ジル「つい、いつも通りの装備で出てる気分で馬車を返してしまったからな、久しぶりに貴族らしい格好してるのを忘れていたんだよ」

 と、軽い口調で場を和ませるジル。

ジル「それと私のことは気軽にジルと呼んでくれ、歳も近いしいいだろ?」

「あははははっ」と笑いながらヴィカウタ子爵の肩を叩いていた。

ヴィカウタ子爵「え、あ、はい、ではジル様で良いでしょうか …」

ジル「あぁ、それでいいよ、最初から呼び捨てはむずかしいだろうからな!、よし!もう行くか?ブラーブ殿?」

ヴィカウタ子爵「あ、はい、そうですね そろそろ出ませんと遅くなってしまいますからね、では公爵様しばらくの間 失礼して出てまいります、その間 子供達をお任せして申し訳ございませんが宜しくお願い致します」

「こちらこそ、手間をかけさせてすまないね、子供達はしっかり見ているので気にせず行って来てくれ」

 と、律儀に挨拶をかわして馬車は出発した、馬車が門をくぐって出ていくのを見送りながら1人呟いた。

「・・・さてと、あちらはどう出るかな?上手くやってくれよ“ジル“・・・・・」



>ーーーーー<>ーーーーー<>ーーーーー<

    ヴィカウタ子爵 視点

 デューキス公爵家の屋敷を出て自分の屋敷に近づいて来た時。

ジル様「ん?、あそこがブラーブ殿の屋敷かな?」

 同じ馬車の対面の席で進行方向の外を眺めていらしたジル様が聞いて来たので隣に座っていた妻と共に自分でも確認してみる為に馬車の両側の窓からそれぞれ進行方向の外を見てみると。

「あ、はい、あの門がそうです、ね・・・、?、あの馬車はなんでしょう?」

クラジュール「あ、動き出しましたわ、うちの屋敷に用があったのでしょうか?」

 屋敷の門の少し先に馬車が停車していたが すぐに動き出していなくなってしまった、不審に思ったが何か故障でもしたのか、それとも例の侯爵家の馬車なのか気になるが判断が付かなかったので馭者にそのまま屋敷に入るようにと伝えた。

ジル様「う~ん、私からは何も見えなかったがあの馬車は紋章か何かあったかい?」

「いえ、私の方からでも見えませんでしたが……」

クラジュール「私も見えませんでしたわ」

ジル様「そうか………、まぁ いいか…、おっとっ! それより早く荷物をまとめないと夕食に間に合わないぞ、あそこの食事は美味かったからな」

 何か気になることがあったのだろうか少し考えられていらっしゃったがすぐに思い直され 先を促されたので時間がないのを思い出し少し焦った。

「あぁ!そうですね!すぐ済みますので応接室でお待ちいただけますか?」

ジル様「あぁ、了解した、だがそんなに慌てると危ないからな、気をつけて用意するんだぞ 私はそこでのんびり待たせて貰うから」

 屋敷の前で馬車が止まり、急いで屋敷の使用人にジル様を応接室に案内させお茶を出すように指示して、私達6人はそれぞれの部屋で使用人にも手伝ってもらい荷物をまとめるために素早く行動した。

「では、それぞれ必要な物だけマジックバックに入れて応接室に集合しよう、いいな」

オスト「あぁ、分かった!」

ツァル「あまり お待たせする訳にもいけませんからね、早めに済ませるようにしないと」

 互いに頷き合い部屋に急いで向かった。

数分後・・・・・・

クラジュール「貴方、服の方は大体 詰め込んだわ、用心の為とは言え自分の屋敷で過ごせないのは落ち着かないわね、しかも公爵家のお屋敷にお世話になるなんて…」

「そうだな…、まぁ心配してくださっての事だからな、子供達は楽しそうにしていたから良かったのかもしれないな」

クラジュール「そうね、子供達は楽しそうにしていたけど…、それにしても今日間近で見たアメトリン様はとてもお綺麗だったわね 昨日とはまた違った雰囲気でしたし、それに聖獣様達も大変お可愛らしくて 首にお付けになってたリボンもアメトリン様とお揃いでしたし」

「確かに、昨日とは違った印象だったな」

 と、アメトリン様の事で話に花を咲かせていると何やら下の玄関が騒がしい 急いで部屋を出て玄関に続く階段までくると下から我が家の使用人に怒鳴っている人物がいる、他にも数人大人の男性がいるようだ。

?「何故 私が帰らねばならんのだ!当主に話が有るからを出せと言ってるではないか!貴様!使用人の分際で侯爵家当主の私に指図するとは!身の程を弁えろ‼︎」

執事長「で、ですから、本日は当家の旦那様はご用事がお有りで来客をお断りしておりますと・・・」

 なんと下で騒いでいた人物は例の“アロガイン侯爵家当主“だった、やはり先程の馬車は侯爵家の監視だったかと思いつつ、侯爵 相手に怯みつつも今日は面会を断るように言いつけられていた執事長は丁寧に対応して断っていた、その執事長に一緒に来ていた背が低く小太りの男性が執事に近づき脅しをかけてきた。

?1「良いのか、下級民のお前が私達のすることに逆らうと、どうなるか分かっていて指図しているのだろうな!無礼打ちにされたくなかったらさっさとこの屋敷の当主を呼んでこい‼︎」

(陛下達のご懸念が当たってしまったか…)

 流石に これ以上はまずい、と思った私は二階の階段入り口に騒ぎに気づき駆けつけていたオストやツァル達に手でそこで待つ様にと合図し階下に向かい階段を降りて行った。

「騒がしいですね、どちら様ですかあなた方は 私に何か御用ですか?本日は用事があり面会の予定は入れておりませんが…」

?1「やっと出てきたと思えば、なんと失礼な言い草だな、これだから下位貴族は平民どもと変わらんな!」

アロガイン侯爵「ふんっ、まぁいい今はその無礼には目を瞑ってやる、私はアロガイン侯爵家当主ガビード・ノブル・アロガインだ、今日はお前達に話があって来たのだ、後 お前の息子と一緒にいた他2人の子供の親もここにいるのだろう、呼んでまいれ」

 急に他の2家の家族も連れてこいと傲慢な態度で言ってきたアロガイン侯爵、私はあまりの言い草に一瞬 “何言ってるんだこの人“ と口に出しそうになるのを耐えた。

「ぐっ、・・・・何故、…突然 面会の約束も無しに怒鳴り込んできた貴方がたに当家の客人を合わせなければならないのですか?」

?1「なんだと、貴様!たかが子爵位のくせに我ら高位貴族の当主の命令が聞けないのか‼︎」

「なんと言われようとここは私の屋敷であり、ここに滞在している方達は私の客人ですから、貴方がたに指図される覚えはありません、それに私達は先日の招待状の返信の通り 寄親のマルキース侯爵家ご当主様を通していただいて マルキース侯爵様のご許可がありましたらお会いしますと、そう返信のお手紙に書いたはずです」

?2「なんだと、貴様如きにわざわざ、面会の許可を取れと⁉︎ふざけるのも度が過ぎると不愉快だな」

 背の高い細身の男性が口を開いたかと思えば私が言ったことがふざけて言っていると思ったみたいだ。

「何一つふざけてはいませんよ、なので マルキース侯爵様のご許可をいただいてからまたお越しになって下さい」

 そう言い追い返そうとすると、

?1「き、貴様!痛い目に会いたい様だな‼︎」

アロガイン侯爵「・・・・その様だな、今のは見逃せんな 調子に乗り過ぎてるようだ、多少痛い思いをしたら すぐ素直になるだろう、お前達やれ!」

その合図でアロガイン侯爵達の後ろにいた 3人のガラの悪い冒険者の装備をつけたガタイのいい男達が周りの物を壊しながら私に近づいてくる。

ブゥンッ! ガシャーンッ!

 棍棒のような物を振り回して花瓶や家具を壊している。

「‼︎、くっ!、貴様らやめろ!お前達は自分のやってる事が分かっているのか⁉︎これは確実に貴族に対しての器物損壊罪だぞ!」

ガラの悪い冒険者風の男1「俺はそんなこと知らねえなぁ、棒を振ったら勝手に倒れて割れちまっただけだからなぁ、ガハハハハッそうですよねぇ侯爵様!」

アロガイン侯爵「そうだな、勝手に倒れて割れただけだ」ニヤニヤッ

 侯爵はニヤけながら男の言葉を肯定した。

(くっ!こうやって他の弱い立場の人達を脅して言いなりにしていたんだな‼︎なんと卑怯な!)

 この状況を見ていた屋敷の使用人の1人が貴族街の衛兵に通報しようと動こうとした時に 後ろから他の男が棘のついた棍棒で使用人に殴りかかろうとした。

チンピラ2「勝手に 動くんじゃねぇ‼︎」

ブゥンッ!男が武器を息良いよく振り上げた。

「危ない‼︎逃げろ!」

ヒュッ、トン・・・ドサッ

 何かが目の前を横切り使用人に殴り掛ろうとした男が急に倒れた、よく見ると男の首に房のついた長めの細い針が刺さっていた。

コツンッ、コツンッ、コツンッ

 足音がして振り返るとそこには応接室にいるはずのジル様が立っていた・・・

ジル様「何やら、うるさいと思って見に来てみれば……、ここで何をしてるんだい アロガイン侯爵?」









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