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第1章 幼少期

10話 初めての魔物

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 どうも私です!最近めっきり暑くなって来ました、夏真っ盛りです!

 最近 “手繋ぎ歩き“  も慣れてきて手放しでも少しの間 自力で歩けるようになってきた、
けど やっぱり自分の頭が重すぎてバランスが取れなくて まだ外では手を繋がれてしまう、、、
 くぅー‼︎ 何時になったら1人でお散歩で様になるんだ!努力有るのみ‼︎


 と、言うことで!いつも元気にお庭のお散歩です!ん?何?飽きないかって?
ふっ、チッチッチッ、公爵家を舐めてはいないかね?私が最初に行っていた“花畑“は 春の庭園 なのだよ今私がいるのは夏の庭園だ!
そう!、季節によって植える草花の場所を分けているのだよ‼︎・・・・てか私もついこの間、夏の庭園 に連れて来られて知ったんだけどね!・・・・・

 そんな 夏の庭園 は 春の庭園 の“花畑“ って感じじゃ無くて前世で言う“イングリッシュガーデン“って感じ、
石畳の小道の脇を彩る 夏の花々 にアーチ状になった 植物のトンネル や綺麗に切り揃えられた生垣に囲まれた ガゼボ(東屋)、
どれも見ていて飽きがこない作りになっている。

 まぁ、そうゆう事で飽きたりはしていないんだよ!

 それについ先日まで カミィ姉様達が学園の夏期休暇で王都から帰って来てたので退屈はしなかったね、学園の夏期休暇は7月の1日から8月の28日まで2ヶ月丸っと休みと前世の学校より少し長めだ、
まぁ、どうしても 親の領地が遠いい学生は領地にある屋敷に帰り着くまで2週間掛かる時もあるらしいから長めに設定してあるそうな。
 我が公爵領は王都から10日掛かるからカティ姉様達は余裕を持って8月の17日に王都に向かって行った。

(その時はカミィ姉様泣かなかったよ!成長したね‼︎)

 カミィ姉様達が王都に行って5日目なので今は8月の22日 “初のお庭デビュー“から3ヶ月 いやぁ月日が経つのは早いよねってしみじみ思いながら。

 今日も 夏の庭園 にあるガゼボにあるテーブルセットで夏の爽やかな風を感じながら絵本を読んで貰ってます!最近のマイブームは お庭で絵本を読んでもらう事!
 絵本は事実に基づいた 冒険物語 さすが魔法が存在する世界だけあってスリル満点だよ‼︎母は私が飽きないように色んな絵本を読んでくれるから楽しいよ♪

(しかし ここ数日何か視線?気配? を感じていて中々絵本に集中できないんだよねぇ)

 何処からか分からない気配?を探すように周りを見渡す。

母「どうしたの?アトリー、虫さんでもいたかしら?」母は感じてない様だ。

「んーん、なーい」(くっ…、子供舌で 上手く喋れないのも困るな~)

 しかし何処だろう?首を傾げてると(⁉︎、急に気配?が強くなった⁉︎)気配?がする方を見た。

 急に気配と呼べるものが強くなって 一拍おいて 母やリアさん セルドスさんがほぼ同時に気づいて 同じ方向を見た2人が母と私を庇うように前に出た。

ガサッガサッ!

 と、生垣がある方から音がして、“何か“がいるみたいだ。

リア「お下がりください奥様‼︎」

 と、叫んだリアさんは私を抱き上げ 椅子から立ち上がった母の前に左腕を広げ私達を隠すようにした 右手は何処から出したのか分からないが刃の細長いナイフを構えていた。

バサッ‼︎ズシャ!

 “何か“が飛び出して来た音がした 私からは見えないが…

セルドス「何処から入って来たんだ⁉︎くっ 信号弾使います!上を見ないで!少し煩いですよ!」

 そう言いながら 作業用のベルトバッグから筒の様な物を取り出して穴が空いてる方を上に向けた。
 それを見ていた私の目に母の手が添えられ 塞がれた と、思ったらホイッスルの様な笛の音。

ピュルルルルゥゥ~!

 の後にかなり上の方で炸裂音が、

スパッーン

 と、したその瞬間 一瞬 周りが明るくなった。

 一拍おいて母の手が退けられると 視線の先に先ほど生垣から飛び出して来た“何か“が見えた。
 見た目は耳の大きな小柄なオオカミ、前世でのコヨーテの様な動物がいた だが前世と違うのが鼻筋の上の方に小さい角が付いていた。

リア「アレは、ショートホーンウルフ!この地域にいない魔物がなぜこんな所に!」

 ショートホーンウルフと呼ばれた魔物が私をジッと見ている なので私も警戒しつつ見ていたら。

『み ずげ だ、がみ゛の にえ゛ぇ』「グルァァガァァーーッ‼︎」

(えっ!喋った‼︎今このオオカミ喋った‼︎)

大人3人「「「っ⁉︎」」」

 1人 見当違いな驚きをよそに 生垣からまた2匹ショートホーンウルフが出てきてセルドスさんに向かって走ってきた。
 セルドスさんが何処から出したか分からない刃渡り80センチほどの ロングソードを振り襲いかかってきた2匹のショートホーンウルフを牽制した。

(あの剣 何処にあったんだろ「ガキンッ」おぉセルドスさん凄い!2匹相手でも負けてない!ん?2匹?)どこか他人事のように見ていたら…

セルドス「くっ‼︎1匹そちらに行ったぁ‼︎」セルドスさんが叫んだ。

 気づいたら 最初に出てきたショートホーンウルフがいないっ!何処に行った⁉︎と目で探したら私達がいるガゼボの前までせまって来ていた、
(速い‼︎)と思っているとジャンプしてガゼボの手すりに脚をついて そこを起点に私達に飛びかかって来る!

(来る‼︎逃げられない!!!)襲われる‼︎と思い反射的に目を硬くつぶり衝撃に備えるように身を縮めると母が庇う様に私を抱きしめた。

 でも、衝撃は来なかった不思議に思い目をそぉと開けると目前にリアさんの後ろ姿があった よく見るとナイフに血がついていた。

リア「奥様 お怪我はありませんか⁉︎」

 顔を半分だけ振り向かせ目は前を見ながら安否を聞いてきた。

母「大丈夫よ 何処も怪我してないわ アトリーも無事よ」

 母は腕の中の私の様子をうかがいながら答えた。

「かーた…」

 自分でもビックリするぐらい震えた声が出た、ナイフの血を見たことで今ごろ恐怖が湧いてきたのだ。

母「アトリー大丈夫よ母様がついてるわ」

 顔色が悪くなってきた私を励ますように背中をさすってくれる、気づいたら母の服にしがみついていたらしい そのまま辺りを見回すとセルドスさんは2匹のショートホーンウルフに時々 (多分) 氷の魔法 を撃ちながら戦っていた 致命傷を相手に与えたようだ。

 私達に襲い掛かってきたショートホーンウルフは右脇腹辺りから血を流し唸り声を出しながらこちらを警戒して見ている。

 リアさんもナイフを構え直しショートホーンウルフの動きを見逃さないように注意深く警戒している。

 互いに動かない膠着状態になって睨み合っていると、屋敷がある方向から光の矢が飛んで来てショートホーンウルフに当たったと思ったらそのままショートホーンウルフの体が横に飛んでいって視界から消えた。

「ふぇ?」

 一瞬何が起きたか分からないぐらい早い展開だった 呆気にとられていると。

父「2人とも!無事か⁉︎」

 父が凄い速さで駆け寄ってきて私を抱いている母の肩に手を置き傷の有無を確認している。

 魔法を撃った人物は父だった信号弾に気づいてすぐ駆けつけてくれたのだろう。

父「怪我はなさそうだな、よかった無事で…」

 父は安堵して母と私を包み込むように抱きしめた。

 父が抱きしめた事によって間に挟まれた私は 両側から来る温もりで恐怖から来る緊張の糸が切れ、目に涙が溢れ出してきた。

「うっ、うぅ、うぅぅ、かぁーた、っ、とぅーたぁー!う゛ぇぇぇ~~~ぇ‼︎」

 気が緩んでとうとう泣いてしまった。

母「アトリー 怖かったわよね、よしよし」

 母に背中をポンポンされても母にしがみ付いて泣くのが止まらなかった。

父「アトリー 怖いのはもういないよ、大丈夫、大丈夫」

 父が頭を撫でてくれる。

「う゛ぅぅ~、がぁ~だ、うぅ~、どぉ~だっ、うぅ、ごっかっだ~、う゛ぅぅ~~」

 父と母に怖かったと伝えると2人がまた抱きしめてくれた、しばらく抱きしめられてたら気持ちが落ち着いてきて泣いたことで疲れて眠くなって来た。

「うっく、ひっく、ひっく、、ひっく、、、」

 目を擦り 涙を拭うとしゃっくりが付いた 頭もふらふらし出した。

母「さぁ、疲れたわね、寝ましょうね~」

 また背中をゆっくりポンポンされて眠気に逆らえず 意識が遠くなる。

「ひっく、うぅー、ひっく、ひっ、ひっふ、ひっふすー、ひっふすー」

父「可哀想に 泣き疲れて寝てしまったね、シリー、君は大丈夫かい?」

母「私は大丈夫ですわ、でも ラトあの魔物 先ほど………」

 そのままその日は夕食の時間までぐっすり寝てたみたいだ、起きたら 家族皆んなに心配されてしまった、泣いてスッキリしたので寝起きは良かったですよ!ただ泣きすぎで喉が少し痛かったけど…

 その後夕食をしっかり食べたら すぐお風呂に入れられて 早めに寝かされてしまった、さっき起きたばかりだから 眠くないのに~と思っていたけど、体はまだ疲れてた見たい、ベッドに入ってすぐ寝ちゃってた、気づいたら朝だったよ!

(そいえば、昨日初めて魔物見たかも)

 嫌な初対面だったな、次は可愛い猫さん辺りを見てみたいね、異世界の猫は同じ姿なのかなぁ?本で調べたらわかるかな?


*泣いた事でオオカミが喋った事は頭からすっぽ抜けてたアトリー













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