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第1章 幼少期

8話 公園デビューならぬ、お庭デビュー!

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 どうも!私です!最近順調に“つかまり立ちと伝い歩き“をマスターして“手繋ぎ歩き“が出来るまで成長した私です!

 そんな私ですが遂に1歳になって初めての公園デビューならぬ、お庭デビューする時が来ました‼︎

 つい先ほど母が…

母「最近、季節も暖かい気候に入ってきたし沢山お花も咲き出したから、そろそろアトリーもお庭のお散歩に連れて行こうかしら?」

 と言ってたので近いうちにお庭デビュー確定なのだ、母が言うには我が“デューキス公爵家“にはかなりの広さのお庭があるそうな。

(あ、そう言えば我が家の家名は“デューキス“と言うらしい、なので私はアメトリン・デューキスになる、まぁまだ誰もフルネームで呼ばないけどね)

 それはさておき、今、母は父の所にお散歩の許可を取りに行ってる、まぁ許可はすぐに下りるだろう父は母に甘いからな!

 楽しみだなお庭デビュ~♪

 一方その頃、母は・・・・

>ーーーーー<>ーーーーー<>ーーーーー<

  母:シトリス 視点

「で、どうかしら、ラト」今、そろそろ良い季節なのでアトリーをお庭で遊ばせてみては?と提案してみたなのだけど…

「うーん季節は良い頃合いなんだが…」こんな感じでなかなか了承の返事が来ないの。

「どうしてそんなに悩んでるんです?」

「それが、今 丁度、春の魔物の繁殖期で領地内の森が騒がしい時期だから街道に魔物が出てきて被害が出てくる前に街道の巡回警備に人を割り裂いてるんだが、屋敷の警備の者も少し出ている状態でね今の警備状態でアトリーとシリー、君達を庭に出すのが不安なんだ」

「そう言えばそんな時期でしたね、でも敷地内から出る訳ではないのですから心配ないのでは?リアもいますし」

「それはそうなんだがうーん、リアがいれば問題無いか?・・・・・」

「駄目ですか?アトリーも楽しみにしているし」コテンッと首を傾げた

「ぐっ、(可愛い!こんな所が無防備で不安になるんだよな)ボソッ、分かった、庭を散歩する時はなるべく私も参加するよ、では日にちを決めるから後でリアに執務室に来るように言ってくれ」

「分かりましたわ、ありがとう、ラト一緒に行けるのを楽しみにしてますね♪」

 つい嬉しくて声が弾んでしまったわでも了承を貰えたわ、しかも一緒に行ってくださるそうです!アトリーも喜ぶわ、早く教えてあげましょう♪


>ーーーーー<>ーーーーー<>ーーーーー<

  父:アイオラト 視点

 妻シリーが楽しそうに出ていった扉をしばし見つめていた。

「旦那様、戻って来てください」

 少し呆れた声で話かけてくるのは幼い頃から良く私を補佐してくれている専属執事兼従者のカイルだ。

 母の専属メイドの息子で私より2つ年上の幼馴染で良く私を弟扱いしてくる気心の知れた友だ。

「しょうがないだろ!最後の可愛いくて楽しそうな笑顔!抱きつくのを我慢するのに苦労したんだぞ!」

「奥様が可愛いのは分かりましたから仕事の続きをして下さい でないとアトリー様のお部屋に行けませんよ」

 うっ、最近こうやって頻繁に脅しを掛けてくる、有効なのだが・・・

「分かってる、しかし先ほどの話、私が行けない時はどうしようかな何かいい案はないかカイル?」

「そうですね・・・それでしたらお二人がお庭に出る時間帯に庭師のセルドスを案内としてそれとなく配置しては如何でしょう」

「庭師のセルドス、あぁ、父上が引退したのを引き抜いてきたと言う元影騎士のセルドス・ソンブラか確かに元影騎士なら適任か」

「はい、腕も確かですし同じ歳のお孫さんもおられるのでアトリー様とお会いしても大丈夫でしょう」

「そうかなら小さい子供には慣れてるか、ではセルドスを呼んできてくれ」

「かしこまりました、ではその間にこちらの書類に目を通しておいて下さい」

 仕事机の上ににあった書類の束を指差す。

「くっ、分かってる、早く行ってこい」

「では失礼します」礼をしてカイルが部屋を退出する。

「はぁ、仕事の続きをするか…」(アトリーに会いに行けないのは嫌だからな)


>ーーーーー<>ーーーーー<>ーーーーー<

 メイドのリアさんに見守られながら“伝い歩き“で部屋を歩き回ってると、母が父の所から戻って来ました何やらご機嫌の様です。

 母が私を抱き上げながら。

「アトリー、まだ日にちは決まってないけどお庭にお散歩行ける事になったわよ~♪それに時間が合えば お父様も一緒に行くそうよ♪」

「とー?」(おぉ父もか、だからご機嫌なんだね母、母は父大好き人間だからね)

「そう、父様と一緒よ 楽しみね♪アトリー、あ、そうだリア、ラトが貴女に用があるそうよ、執務室に行ってあげて」

「かしこまりました、では奥様 少しの間 失礼します」

「えぇ、行ってらっしゃい」

 リアさんが部屋を出た後も母はご機嫌だったそんな母と頑張って“手繋ぎ歩き“の練習をした私です。

(早く自分1人でお散歩できる様になるのが目標です‼︎)


>ーーーーー<>ーーーーー<>ーーーーー<

  父:アイオラト 視点

 書類に一通り目を通して重要な書類に署名や判子を押していると。

コンコン

「失礼しますリアです、入っても宜しいでしょうか?」

「入れ」リアが先に来たようだ。

ガチャ

「失礼します、お呼びとの事ですが」

「少し待ってくれ、もう2人来るからその時に一緒に話す」

「かしこまりました、ではお茶の用意を先にいたしますね」

「あぁ頼む」

 そう話してリアは隣の部屋にある執務室専用の応接室に向かった、私も書類の処理に戻った、少し経つとリアがお茶をトレイに乗せて持ってきた。

「失礼致します」そっとお茶を机の上に置いてくれた。

「ありがとう良い香りだ、で、そろそろ、その話し方やめないか?」

 気軽に話しかける。

「はぁ、今だけですよ、旦那様、で、何かあったのかい、ラト」

 いつ見てもなかなかの変わりようだ、いつもはピシッと伸びた姿勢を崩し、ぶっきらぼうな口調で尋ねてくる。
 彼女の本名はリーファン・イエイン元冒険者で 今結婚10年目の旦那と4人の子供がいる子育ての先輩だ、リア達との出会いは偶然だったが強い縁を感じる、リアの子供達も家の子供達と仲良くしてくれているしね。

 仕方ない先に話しておくか。

「あぁ、最近、魔物の活動が活発化してきているだろう?」

「それは私も聞いている 深刻なのかい?」

「いやそこまでは行ってないが早めに手をうって戦力を出したんだ」

「あぁそう言う事か確かに最近 警備の者達が少ないと思ったら、そちらに回したのか」

「そう言う事だ、だから今からくる元影騎士の庭師と一緒にシリーとアトリーの警護を頼むよ」

「分かったよ、相変わらず過保護だねぇ~」

「当たり前だろ家の妻と子供は天使の様に可愛いのだから!」

「言い切ったね・・、ま、言いたいことは分かるけどね、最近アトリー様はますますシリー様に似て来てたまに性別を間違えそうになるくらい可愛いくなって
、この間の“つかまり立ち“のお祝いの時に屋敷の使用人たちの間でファンクラブを作るとかで騒いでたね」

「そうなのかもうそこまで行ったか、さすがアトリー!」

「まぁ、そんなんだから警護の話なんだね」

「あぁ、それもある」

 リアが何か言いそうに口を開きかけたと思ったら急に口を閉じて廊下に繋がる扉の方を見たあとすぐに崩していた姿勢を正し壁際に立つ。

「来たか」相変わらず凄い感知能力だよ。

コンコン

「失礼します旦那様、庭師のセルドスを連れて参りました」

「あぁ、入ってくれ」

ガチャ

カイル「失礼します」

 入室したカイルの後ろから50代半ばの作業用の服を着た細身の男が入って来た。

セルドス「失礼します旦那様、お呼びと聞き参上しました」

 さすが元影騎士なだけあって綺麗な姿勢で頭を下げた。

ラト「あぁ、頼みたいことがあってね、話がしたいから頭を上げてくれ」

セルドス「はい」すぐに頭を上げて話を聞く体勢入った。

 見た目は人当たりの良さそうな好々爺だがその流れるような動作はかなりのやり手だなと確信した。

ラト「これで揃ったね、セルドスとリアは初めてではないよね」

リア「はい何度かお会いしております」リアの言葉にセルドスも頷いた。

ラト「では自己紹介はいらないね、リアには先に少し話たが、先月1歳になった私の末の子が 手繋ぎで歩けるようになったのでそろそろ庭を散歩させないかと、妻が提案して来たので許可を出したのだが、今、屋敷の警備が心元ないので2人には庭で散歩中の妻と息子の警護を頼みたい」

セルドス「旦那様、少しよろしでしょうか、リア殿は若いのでよろしいでしょうがなぜ私の様な老人に警護なのですかな?」

ラト「老人などと自分を卑下するものじゃないよセルドス、君が元影騎士なのも知ってるし実力もまだ衰えてないだろ?」

 セルドスは眉間に皺を寄せた。

セルドス「バラしたのは大旦那様ですな、まぁそれは今度 大旦那様に苦情を入れるとして、今そのように警戒するような事柄がありましたかな?」

リア「セルドス殿、旦那様はご家族に大変過保護なのですよ」

カイル「特に奥様に」2人して酷い言いようだ、事実だが・・

ラト「2人とも私をからかって楽しいか?だが理由としては半分だけしかあってないぞ」

カイル「おや、てっきりそれが理由かと、しかし半分とはなぜですか?」

ラト「3人とも瞳と魔力の関係性は知っているな」

セルドス「えぇ知っております、瞳の色が濃ゆいほど生まれた時の魔力量が多く、透明度が高いと魔法を放った時の威力が高いとされてますがそれが何か?」

 まあ、常識だからな、問題はそこでは無い。

ラト「その通りだ、だが最近の研究で人の容姿にも魔力との関係が深く関わっていることが判明したそうだ、自分で言うのもなんだが王族顔の者達は魔力の質や量も他より明らかな差があることは事実だ、だが王族顔とは別系統での容姿端麗な者達がいる、
それが我が妻の血筋の者達だその中で妻は魔力の量が一族随一を誇るそうで、妻が幼い頃 魔力量が少ないものが彼女を見ると吸い寄せられる様に無意識に近寄って来たらしい、
その中で良からぬ考えを持つものに誘拐されそうになったことが何度もあるそうだ、まぁ、妻本人はあまり覚えていないらしいが」

リア「アトリー様にも同じことが起きえるとゆうことですか?」

 さすがリア察しがいい。

ラト「私は絶対に起きると確信しているね」

カイル「確信ですか?」

ラト「あぁ、あの子の魔力量は妻を超えているだろう、それにあの子は妻に似ている、似過ぎている」

セルドス「似過ぎるとは?」

ラト「あの子は男の子だ、なのに女性特有の美しさを現した妻に似ているとなると将来、性別を超えた美しさを備えた男になるんだよ アトリーは、それに…」

 アトリーを知っているリアとカイルは予想ができたのだろう少し険しい顔になった。

セルドス「まっまだあるのですか?」少し困惑気味だな。

リア「“瞳“ですね?」

セルドス「“瞳”?ですか?」

ラト「そうだ、セルドスは私の母上に会ったことは?」

セルドス「はい、お会いしたことはございます、お子様の瞳の色が大奥様の瞳とご一緒なのも存じ上げています」

ラト「それは知っているか、だがあの子 アトリーはそれだけでは無いんだ“瞳の色“が左右で色合いが異なる、それだけで希少性が一気に跳ね上がるし
直接見ると分かるがあの子の瞳は他とは全く違う綺麗な色をしているんだ透明度も凄く高い」

セルドス「・・・・・・・」

 さすがのセルドスも予想外なのだろう、黙ってしまった。

ラト「ただでさえ珍しいとされている母上の瞳の色と それ以上に珍しい左右の色違いの瞳に 性別を超えた愛らしい容姿 さらには規格外の魔力量と質…」

「ふぅ…」神はあの子にアトリーに何をお望みなのかお聞きたいくらい全てを与えておられる、親としては心配で仕方ないんだが。

ラト「これだけ理由があるんだよ我が子には警護が必要な理由がね、まぁ、辛うじて魔力量のことで寄ってくる物達は将来的にはいなくなるらしい」

リア「なぜ ですか?」

ラト「7歳の“洗礼と祝福“の時に魔法が使える様になって、魔力をコントロールできるようになったら それまで体外に無意識に放出してた魔力を体内に止めることで 魔力に反応して無意識に近寄って来ていた者が来なくなったそうだ、それに元々魔力量が一定以上あれば無意識に近寄ることは無いそうだ」

リア「それは良かったとは言い難いのですが容姿と瞳の問題はどうにもできませんからね」

ラト「そうだね、それは7歳の時に受ける祝福でどんなスキルを授かるかに掛かってるね、後は自分で鍛えて撃退できる様になってもらうしか無いかな」

カイル「それしか無いですね、他に気の許せるご友人ができればよろしいのですが…」

 友か、気心が知れた相手ができればいいが…

ラト「そう言えばセルドスには孫がいるんだったね、良かったら たまに連れてきてアトリーの遊び相手になってくれると良いんだが…、アトリーには同年代の子が近くにいないからね、それで、セルドス、アトリーとシリーの警護はお願い出来るかな?」

セルドス「はっ、ご下命承ります、気を引き締めて警護に当たらせていただきます、孫に関しては娘に聞いてみませんと何とも言えないですが…」

 孫の事は濁らされてしまったかな?

リア「私も全力を尽くさせていただきます」

ラト「2人とも長期の任務になるがよろしく頼む」

 セルドスとリア「「畏まりました」」2人が揃って頭を下げる。

ラト「では、日程を決めようか」

 そのあと互いの予定をすり合わせアトリーの散歩の予定を組んだ。

 さてこれで大体の用意はできたがアトリーは喜んでくれるだろうか…






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