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第1章 幼少期

4話 友達として

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   咲子 視点

『お~い、咲子!起きろー』

(ん~むぅ~、ふあぁ~いっ!、っ⁉︎、ちかっ‼︎びっくりした~!)

 神様達が何か真剣に話し合っていて暇になったから ぼーとっしていたら※(寝てたとも言う)気づいたら月詠様の顔が目の前にあってドキドキで心臓が口から飛び出るかと思った、身体がないから意味ないけどWW

『長く待たせてごめんなさい、もう大体の事は決まったから後は咲子ちゃんの転生先の希望がないか聞きたいの』

 と天照ちゃんが聞いてくる。

 おぉ転生先の事まで希望を聞いてくれるとは思ってもいなかったよ、でも急にどこが良い?て聞かれてもなぁう~ん・・・あ!、うん、それしか無いよね。

(えっと、我儘かもしれないけど、何不自由無く、のんびりと暮らせる所がいいです…ダメ、かな?)

『『『・・・・・・・』』』神様達が黙っちゃった。

 やばい!調子に乗って高望みしすぎちゃった!少し貧乏でも平気だよとか言えばよかった‼︎どうせなら山奥の村でも良い‼︎調子に乗ったらダメだって!いっつもコレで失敗してたのに!分かってたのに!どうしよう呆れられたかな………嫌われたかな……嫌われたな…あぁ、泣きそうだ、我慢、我慢、私が悪いんだから…

『待って!待って!泣かないで!駄目なんて言ってないでしょう?』

(でも、さっき、呆れ『大丈夫よ!、嫌いになんてなってないから私達、友達でしょう?』っ‼︎えっ⁉︎友達⁉︎)

『え!違ったの⁉︎ティーナちゃんって呼んでくれたのに……』

 ティーナちゃんと天照ちゃんが悲しそうな顔をしている。

(え、だって…、私なんかが神様の友達でいいんですか?)心底びっくりした。

『いや、逆になんで友達じゃないと思ってたのにあんなに仲良く話したんだ?』

(え、そうゆうロールプレイがお望みかと・・・)

 月詠様が聞くので素直に答えてみた。

『どこら辺でそう思った?』少し声が低くなった。

(名前のちゃん付けを“強要“されたぐらいですかね?)

『“強要“されたと思ったのは何故かな?』

(初めてあったばかりですし友達じゃなかったから?ですかね?)

『じゃあ友達になるにはどうしたらよかったのかな?』

(えっと、友達になってと言われたらですかね?)

 なんだこの一問一答は。

(それに私には友達になっても何も返せる物がないからなんのメリットも無いのにわざわざ私の友達になりたいなんて思わないでしょう?)

『君はっ………君は、メリットがないと友達になれないのかい?』

 月詠様が悲しそうな顔する。

(いえ、私が何かを貰っても他の人に何も返す物がないから友達になれないんです何も返せないと友達じゃいられないですから、
それに私そんな価値ないですから、なんでも中途半端だし最近の流行りも分かんないから一緒にいても楽しくないですよ?)

『『『っ!咲子』ちゃん』』

 ?、どうしたんだろ?やっぱり駄目だよね私になんか勿体なさすぎる、ティーナ様や天照様が友達なんて恐れ多すぎる、2人とも美人だし優しいし何より神様だし…やっぱり私なんかには勿体なさすぎる……

『『そんな事ないっ‼︎』』

『咲子ちゃん私はっ!いえ、私達は咲子ちゃんから何か物を貰えなくてもいいからお友達になって下さい‼︎』

『そうよ、私だって咲子ちゃんが天照ちゃんと楽しく会話してた時から面白くて良い子だなって、
本当にそう思ったから名前を呼び合って友達になりたいなって思ったから……だから友達になって‼︎』

『私も君と見返りを求めない気軽に話せる友人になって欲しいな』

(ぇ、ほんとうに?・・・本当に?何も返せない私なんかが神様達の友達になってもいいですか?・・・・・今の私何の役にも立ちませんよ?)

 どうしてだろう、私には分からない。
 今まで見返りを求めない数少ない友達は急に遠くに引っ越ししたり連絡が取れなくなったりしていなくなったから、
やはりただ一緒に遊ぶだけじゃ駄目なんだと思って遊びに行く時はみんな分のお菓子やジュースを買って合流したり、
友達が家に遊びに来る時はこっちから車を出して迎えに行ったりご飯の用意したりしてたのに…

 何もいらないから友達になってなんて・・・、どうしたらいいか分かんない・・・

『“普通“のお友達でいいですよ』

(“普通“?)天照様が“普通“の友達って?

『そう“普通“、みんな自分で集まって、その辺のカフェで日々のくだらない話をしながらお茶したり、ショッピングモールのお店を見ながら歩いたり、
天気のいい日には公園でスポーツしたり、何も気負う事の無い、それが“普通“の楽しく遊んでくだらない事でも話せる友達・・・』

 ティーナ様が“普通“を教えてくれた。

(それが“普通“?遊びに行く場所を調べなくてもいいの?調べなかった時に迷子になちゃって怒られた事があるし)

『しなくていいんだよ迷子になってもみんなで調べればいい、それが良い思い出になるよ』

 月詠様がそれも思い出だって。

(そうなんだ…、いいんだ…、事前に調べたりしなくても…“普通“ってそんな簡単な事だったんだ!あれ?…でも昔は当たり前にしてた様な?何で今まで忘れてたんだろ?)

(でも私なんかが本当に神様と“普通の友達“なんてなっていいのかな?)

『咲子ちゃんっ!“私なんかが“なんて言っちゃ駄目です!私は咲子ちゃんだからお友達なりたいんです!』

 天照様が怒った。

『いくら咲子ちゃん本人が“私なんかが“って言っても私が許さないんだからね!私の大事な友達なんだから友達の悪口は駄目なのよ!
それとも、私と友達なんていや?』

 ティーナ様、言い方がずるいや。

『そうだね私も大切な友人の悪口は聞きたくないかな?』

 月詠様まで…

(皆さんずるいや…、私そんな事言われたら絶対、断れないし、断らないもの……私で、いえ、私と友達になって下さい‼︎)

『『『はい!よろしく‼︎』』』

 皆んな笑顔だなんだか恥ずかしいけど嬉しい‼︎

(ふふっ、あれ?でも何でさっき転移先の希望を聞いた時みんな黙っちゃったの?)

 沈黙って結構傷付くんだよね。

『あ~あれはだね『みんな驚いてたのよ』まぁそうだね』

 月詠様に被せるようにティーナちゃんが言う。

(驚く?何に?希望が高すぎて?)

 やっぱり高望みし過ぎたかな?

『逆ですよ、逆に希望が低すぎて驚いていたんです』

(逆に?低い?)何でだ?

『85年の寿命をもった命を奪った側としてはどんな無理難題を言われようともなるべく希望に沿うようにしようとしてたんですよ、
それこそ裕福で美形な王族の所がいいなんて言われても叶えようとしてましたからね』

 そんなことを天照ちゃんが平然と言う。

(えー!そんな具体的な所まで、王族とか自由とかなさそうだから嫌だな~裕福なのはいいけど、
あと美形ね~顔は今より良かったら良いなぁ~ぐらいだよ、それより何より家族がギスギスしてないのが一番大事だと思うな!)

『ふふっ、そうね、仲良しが一番だよね♪大丈夫!咲子ちゃんの希望に当てはまる家族を今 探してるから♪その間に加護を付与しましょ!』

 ティーナちゃんが楽しそうに声を弾まして言う。

『そうだな、では私から、・・・・・《咲子、其方に死と夜を司どる神“月詠“の愛し子として加護を与える、災いが降りかかる時、其方を守る光となること願う》』

 月詠様の纏っていた神々しいオーラが光を増し 夜に輝く月のような柔らかい銀光が月詠様の手元に集まったかと思うと私の方に飛んできて“すぅ“っと入り込んだ。

『では次は私が、・・・・・《咲子ちゃん、愛しき友に生と昼を司どる神“天照“の愛し子として加護を与えます、愛しき友に心温かな日々が訪れますよう》』

 天照ちゃんも神々しいオーラが優しく輝く太陽のように温かな金光が手元に集まり飛んできて私の中に溶けるように入っていった。

『じゃあ最後は私ね、・・・・・《咲子ちゃん、大事な我が友に主神たる“リトスティーナ“の愛し子として加護を与えます、我が友に幸 多からんを願う》』

 ティーナちゃんは神々しいオーラをキラキラと宝石のように輝かせ色んな色の宝石を一つ一つ集結した様な光の球を優しく私に飛ばした宝石の光球は私を包み込むように消えた。

(ふぅわぁ~キラキラ綺麗~何だか温かい、ありがとう月詠様、天照ちゃん、ティーナちゃん!)

 なんかフワフワするな~気持ちいい~何だか眠いや。

『どういたしまして♪、さて、そろそろスキルも定着したかな?・・・⁉︎っ何で⁉︎』

 ティーナちゃんが急に驚愕した。

『どうしたんですか、ティーナちゃん?』

 天照ちゃんが心配そうに聞いてる。

『っ!そう言うことか!』

 ティーナちゃんは辺りを見回して呟いた。

『どう言うことだ⁉︎何があった!』

 月詠様は不安そうだ。

『ちょっと待って後で説明する!今は咲子ちゃんを早めに転生させないと転生先候補の母親が産気付いてるの!今のうちにしなきゃ次はかなり先になるわ!
咲子ちゃん!ちょっと急だけど今から転生させるね!』

(ふぇ?う、うん宜しくお願いします?)

『大丈夫!困った事があったら教会に来て祈ってくれたらいつでも相談に乗るから!』

 少し焦ったようにけど頼もしい顔で言うティーナちゃん。

(うん、分かったその時は相談に行くね!みんな短い間だったけど本当に楽しかったありがとう!)

『今生の別れじゃないんだ、いつでも相談に来なさい』

 優しげに微笑んだ月詠様。

『そうですよ、相談だけじゃなくてもたまに顔を見せに来て下さいね』

 天照ちゃんは少し拗ねた後優しく笑ってくれた。

(ふふっみんな優しくて大好き!じゃあ行って来ます!)

 周りが光り出した。

『『『それじゃあ良い人生を‼︎』』』

 と神様達に明るく送り出された私は意識が薄れていった。



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