【白銀の黒帝 22】神に贖う者

2章：異世界召喚編

スキルって何

俺らの事を無視しつつ話しは進んだ。
銀盤のプレートは、ステータスカードといい、レベル、種族、体力、魔力、スキルが表示されるらしい。

この国の一般兵でレベル20-30だそうだ。
プレートに魔力を注げばわかるらしい。　俺ら3人以外は魔力なんてわからないが、そこは王女様がフォロー。
「魔力については、皆様、召喚時に身体に付与されていますので、力を注ぐイメージでプレートに触れれば大丈夫です。」と屈託のない笑みで説明していた。

召喚組は、素直に応じるながら各自プレートを力を込めて触ると淡い光りがプレート全体を覆っていく。
「おお、すげぇーな」
「すごい」
「文字も読める」
「うん、本当に異世界にいるんだ」
などなど、召喚組は驚きつつも感嘆しているようだ。

お決まりのように宰相が各自のステータスを読み上げていく。　
個人情報の保護という概念はないらしい。
「トウドウ様、レベル70 種族:人族　体力：SS　魔力：SS スキル<限界突破>
素晴らしいですぞ。　古の勇者と同じスキルです！」と興奮しながらいうと、王女は東堂の手をとっている。
「トウドウ様、いえ勇者様、是非お力を！」って言っている。

正義感の強い東堂は、可憐で清楚な王女の一言にまんざらでもないようで頬を赤くしてる。
「僕で役に立てるなら是非」とか返事をしているし。

テンプレかよってツッコミたくなるように、勇者がでれば、聖女とおなじスキルの<祝福><豊潤>もでる。
委員長は、剣聖とよばれた人と同じスキルの<一刀両断>だ。
御曹司は、<覇王>たるスキルで戦闘スキルが異常に高いらしい。　
あとは、賢者たる<魔道>ってスキルだったりだ。　中には防御特化の<結界>だ。

勇者君でいいな、彼のレベルは他より高いが召喚組のレベルは大体50ー60だ。　
体力、魔力にいたっては、個々のスキルによって違うが、皆最低でSだ。

7人の発表が終わり、すでに周りは興奮しており、皆様、彼らをやる気にさせるためにに喝采している。

俺らはただただ内心呆れながら、様子をみていた。
俺、リン、シリル、お互いのプレートを見せ合った時は、笑いを堪えるの必死だった。
なんせ、こんな感じだ。

シリル　レベル¬　種族　魔族　体力ー　魔力ー　スキルー
リン　　レベル￡^54 　種族　人族？　体力SSS ++ 魔力ー　スキルー
シュン　レベル￡¬　種族　ー　体力ー　魔力ー　スキルー

シュン:「おいおい、レベルが文字化けしてんな。　俺、種族も含めて測定不能だ。　笑えんな。」
リン:「われは一応人族っぽいな。　レベルも最後だけ数字で、体力は測定してる。」
シリル:「俺は、種族以外はシュンさんと同じだぞ。　ただ種族が魔族になってるんだぞ。　」
シュン:「書き換えねぇとマジィな。　スキルの情報が無さすぎんだよな」
シリル:「うん、困ったぞ。」

そんな念話をしてたら、「お前らも召喚されてたのかよ。　早くプレート見せろ」って俺らのプレートと取り上げたのは、ウザい御曹司とその腰巾着たちだった。

「おいおい、まじかよ。　こいつらマジ使えねぇー」
「何これ、マジでー」
「高畑君達、やめなよ」と言って俺らが罵倒されている間にはいったのは勇者君。　そして委員長も一緒だ。

彼らも俺らのプレートをみて、あり得ないって顔をしている。
王女と宰相もきて、驚愕な顔をしつつ、王女は王女で一瞬蔑む表情になったと思ったら作り笑顔になった。
「2名がスキル無しとは。。　1名は、スキルでも底辺でも魔法ですか。。」って宰相。
「他の方々と比べると劣ってしまいますが」とまた余計な事をいい、王女は悩ましい表情を浮かべてる。
「才能が後で開花する場合もありますし、一般訓練を受けてから考えましょう」って言われた。
勝手に方針きてめくなよな。

「王女さんよ、スキル無しの男2人はさっさと見限ったほうがいいと思うぜ。」ってウザい御曹司君。
「高畑君、同じクラスメイトでこれから一緒に戦う仲間になんてこというんだ」って勇者君。
「東堂、同じクラスメイトっていっても、こいつらつい2週間前に転校してきたんだぜ。　それを、仲間っていうのもな」
「そうそう、私達彼らの名前も覚えてないのよ。　あなた知ってるの？」
「っう、僕も名前は。。」
「ほーら、影薄いからあだ名しか知らないじゃない？」
「いや、そんな事はないよ。　ねぇ、委員長なら知ってるよね。」
急に話しを振られた委員長の顔はやや険しい。
そして俺らのほうを向きながら、「ごめんなさい。　まだ名前覚えてないの。　教えてください。」と頭を下げてきた。

そんなやり取りを聞いて、困惑している王女と宰相。
「ちょっと待て、委員長。　僕のスキルみたいなんだけど、クラス全員の名前、誕生日、血液型まで把握している委員長が、転入生の名前を覚えていないっておかしいよ。」って勇者君。
「スキルだと思うんだけど、彼らは確かに僕達と一緒に召喚された。　けど、僕の感だけど、彼らはクラスメイトじゃ無いってことはわかる。」

その言葉を聞いて宰相が、驚いた顔している。
「素晴らしい。　まだ召喚されて間もないのに、勇者様は既にスキルの看破をつかえるとは。」と拍手しつつ俺らのほうを見て、「さてお主らはどうやってこの世界に来た？」って聞かれた。

これは、まいったな。