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3章:迷宮都市編

結局、絡まれた

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変な女に絡まれて、ボブのおかげで先に食堂に戻った俺とリン。
なのに、なかなかボブが帰ってこない。 
ようやく1時間以上経過してかえって来たボブは、疲れきっていた。

そして、ボブ曰く、
女は学園の教師で、生徒と住民のトラブル回避のため見回りをしていたらしい。 
フード被っていても、自分の経験則から未成年と判断しシュンとリンに注意したと。 
思い込みが激しいタイプで、あれから騒ぐので面倒になったボブはギルドにつれていき、女を引き取ってもらうため、学園の関係者を呼びだしてもらったらしい。
ついでに商業ギルドにも来てもらって、シュンとリンが19歳であると証言してもらいようやく間違いに気づいたと。 
そしたら今度は、シュンとリンに謝りたいといってきたが、
シュンが女嫌いの人付き合いも苦手なため金輪際近づくなといってボブは帰ってきたとの事だ。

なかなか面倒ごとになっていたようだ。 ボブが疲れているわけだ。

「たくよ。見回りしてるやつが騒ぎを起こすってどうなってんだか。 
 シュンとリン、お前ら悪いが学園の生徒がいる間は家にいろ。 
 仕入れや買い物は、俺とライラでいく。 
 俺らが外出している時は、店も閉めて、誰かきても対応しなくていいぞ。 不便かけるが、いいか?」
とボブに言われた。

まったくもって問題ない。
「ああ、全然いいぞ。 
 俺 1日中 部屋にいても苦にならんしっていうか用事なきゃ外出しねぇーし。」って俺。 
「そういえば。 シュンもリンちゃんも店の用事以外出かけないわね。」ってライラがクスクス笑うのだった。

結局、その間、俺は食堂の下ごしらえや、リンと一緒に洗濯などライラやボブがやっていたことを変わりにする以外は、部屋で読書や作業場にいたり、遊技場で遊んだり、リンとの訓練をしていたりとのんびり過ごしていた。 

缶詰にしてしまい、当初申し訳ないと思っていたボブとライラだったみたいだが、
まったく苦にしていない俺とリンの姿をみて安心したようだ。

もちろん、俺は、女に絡まれた日は、ダンジョン課に連絡してしっかりダンジョンの魔物に八つ当たりした。

◇◇◇

そして、ようやく学生が帰る日が近づいていたある日、食堂の昼の営業が終わり、俺たち4人は昼食を食べ終えたところだった。 
食後のコーヒーでも準備するかというときに、2名の男女が閉店しているのに食堂のドアを叩いたのだった。 
1人はあの女だ。

それを見て嫌な予感しかしない。 
そうそうに、ボブが、俺とリンを部屋にいかせ、ボブとライラで対応することになった。

部屋にいるが、食堂からボブの怒鳴り声が聞こえる。
「いい加減にしてくれ! あいつら夫婦は、今の生活がいいって言ってるんだ! 
 それを勿体無いとかお前らが決める権利はない! もう2度とくるな! 帰れ!」
「そうですよ。 将来を決めるのはあなた達じゃない。 彼らは十分大人でしっかりしてるの。 帰って!」とライラも怒鳴っている。

その後”バン”とドアが閉まる大きな音がする。

それから少しすると、食堂から「シュン、リン 帰らせたぞ 夜の準備するぞ」とボブに呼ばれた。

俺たちが夜の準備をしながら事の顛末をボブがはなしてくれた。

俺とリンの事を調べたようで、計算もでき字も読める。 
しかも魔力もある。 
年齢は、19歳といっても見た目は若いのでちゃんとした教育を受ければ、食堂で働くのではなくいろんな道があると。 
学園に入って魔法を学び、そして将来をもっと広げたほうがいいという話だったが、ボブとライラで断ったとの事だ。

「ほっといてくれっつーの。 だから学園って嫌いなんだよ。 
 それに、偽善者ってやつも嫌なんだ。 ありがとな ボブ、ライラ」って俺。
「いいって事よ。 おめぇら見てんと、学生向いてねぇもんな。」と笑いながらいうボブ。 
「ええ、特にシュンは無理ですよ。 私も嫌ですもん。」というリン。
「好きな事してんのが一番だな。」といって、エールをのみだすボブ。 
それを見て少し呆れるライラだったが、
「今日はもう無礼講よ。 シュンも飲みながら仕事しちゃいな」といわれた。
「ああ」といって俺もエールを飲む。

心の中で、学園がこのまま引き下がってくれることを祈った。 
てか、わざわざ学生から離れるため年齢を19歳にした俺とリンなのに。

それから、軍がきたが特に『ボブの食堂』には影響もなく日々は過ぎた。

そして、学園云々は定期的に案内書が届くだけでとどまり、月日の経過とともにそれも来なくなった。
来ても速攻捨てたしな。
こうして、俺とリンが迷宮都市にきて2年が経過していた。
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