【白銀の黒帝：19】落下地点にいた少年

1章：出会い編

私はイレーナ・フローシア

私は、イレーナ・フローシア　16歳。　これでも、セロウノ大陸にある魔道国家の王女なのよ。
今は、魔道国家の学園都市にある名門の学園の1年生。

私には双子の兄であるエドワード、愛称はエドがいる。　
双子の兄妹って事で比べられる事が多い。　エドは、王太子殿下でもあるから、幼少期の頃からよく勉強している。　私だって、帝王学以外はエドと共に学んだ。　それに、剣術、体術と魔法も学んでいる。　
この国の法律で、継承権を持つのは男子のみ。　私は継承権がなく、過去の女性達は結構自由な職種についている。　冒険者もいたくらい。

私には、まだこうなりたいって夢がない。　昨日も、祖父に会った時に色々言われた。
もうイラつく。

「イレーナ、何そんなに苛立ってるんだよ！」って、彼は私とエドの幼馴染のダン・フリークス。　
フリークス家は代々中立組織のギルドの本部ギルドマスターをしてるし、彼も将来はギルド隊員になって、父親とおなじように本部のギルドマスターになるのだろう。　ちなみに彼は、身長は185cmで短めの茶髪でやや緊いのいい。

私イレーナは、168cmで、濃い青色のミディアムの長さの髪を１つで纏めてる。　理由は、今ダンと木刀で撃ち合ってるからだ。　場所は、学園にある森。　休日になると、エド含めてダンと3人でよくピクニックに来る。
今日はエドは呼んでない。

「うるさいわね。　ダン」といい木刀でつきをするが、ダンによっていなされ、木刀をはたき落とされた。
「俺の勝ち」ってダンが笑いながらいう。　悔しい。　子供の頃は勝てたのに、今はもう全然。　女である自身が嫌になる。

私が木刀を拾い、息をととのえながら「はぁー、ダン、あなたまた強くなったんじゃないの」といい、クリルって振り向いた。　悔しい顔は見せられないもの。
「これでも、日々鍛えられてるからね。　まぁ、魔法じゃぁ君の兄には負けるよ。」っていう。　もう、またエドの話。
「あの魔法オタクの話ししないでよ！」ってイラつきながらいってしまった。
「何、エドと喧嘩したの？」ってダン。
「あ！　やっぱここにいた」と、私と同じ顔立ちで身長は180cmの長身で髪型はショートの男子生徒、って私の兄のエドが来た。

「よぉ、エド」と手をあげるとダン。
「ダン、イレーナの相手悪いね」と苦笑いしながらくる。　
「エド、なんでくるのよ！」といってそっぽをむく私。　今日は、エドに会いたくなかったから、ダンだけ誘ったのに。　もう、なんで来るのよ。

◇◇◇

ダンがエドに木陰ですわりながら小声で「何を、そんなにイレーナの奴怒ってるんだ？」って聞いている。
「まぁ、イレーナが僕にあーなのはいつもの事なんだけど、昨日祖父に僕を見習って少しは魔法にも力を入れろ、マナーとかとか、色々小言いわれてね」てエド。
2人の前で仁王立ちしながら引きつった顔をした私。　ちゃんと聞こえてたわよ。
「あなたたち2人に、私の気持ちはわからないわよ！」って大声で言ったわ。

ダンとエドがお互いを見て笑いってる。　そういう態度もイラつくのよ。
「お祖父様がいってたろ。　僕達、まだこの学園にはいって4ヶ月だって。　イレーナは、なんなら冒険科でもいいってね。」
「さすが、ここの元国王だな。」ってダン。
「俺は、フリークス家だし、選択の余地なく冒険科だしな。　イレーナもそうすればいいんじゃん」っていうダン。
「私、私は何をしたいかわからない」ってボソって呟いて、その場で座りこんだわ。　もう、なんかみじめな気分。

エドが私の頭を撫でながら「ゆっくりでいいんだよ」って言ってきた。
「わかってるわよ。　ただ焦ってるってのも。」と小声で下を向いていった。　でもエドに慰められるのも嫌。
「エドのそういうところが嫌い」と言って立ち上がり、森の中へかけていく私。

2人の事は大好きだけど、でもやっぱり私の気持ちを分かってくれない。

「イレーナ」って叫んで追いかけてきてくれるエドとダン。

もういいから、私の事を1人にしてほしいのって思って、無視して森の中をかけている私。