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第三部 天 獄
65貴方の声が聞こえる②
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とりあえず、離れたか。
胸を撫で下ろしたレオンはそのままナシェルを庇いつつ、肩越しにレストルの様子を窺う。
……や否や、突然レストルの体が視界から消えた。
急に横っ面を張り飛ばされたレストルは寝台の上から壁際まで吹き飛ぶようにして転がり、強かに背中を打ちつけ床に這いつくばった。
殴ったのは、息子を引きはがしたアレンだった。
「この……痴れ者が……ッ! 兄上の前で何たる様だ……!!」
殴りつけた拳が、まだ握られたまま小刻みに震えている。
レオンは沈黙を保った。アレンに同調して怒鳴りたてるより今は一刻も早くこの二人を別の場所に引き離すべきだ。
それを察したか、巨漢のアレンはさっと短く一礼し、壁際にうずくまるレストルの胸倉を軽々と掴みあげて辞去した。
レオンはもはやそれを目で追うこともしなかったが、やがて壁を隔てた隣室からは彼が息子を繰り返し散々に殴打する音が響いてきた。
レオンは表情を殺し目を閉じた。天王の命にたとえ一時たりとて刃向かったこと、その罰を天王自身が下すよりは、よほど温情ある制裁であろう。アレンのそれは暴挙に見えてその実、父親らしい行動だった。
レオンは首を一つ横に振り、今度はナシェルの様子を窺う。
巻きついてくる腕を優しくもぎ離し、見下ろした。
「……なんということだ、」
ナシェルは、明らかに尋常ではない様子だ。
黒髪が湿った綾織り布のように寝台に広がり縺れている。露わな両肩には深々とした愛咬の痕……、甥の狂情を色濃く残している。
「君……大丈夫か?」
レオンは声をかけ抱き起こした。ぐらりと頭が傾ぎ、乱れた髪の間から朱に染まった相貌が顕れる。緋色の汁にまみれ、呼吸は乱れ、焦点は定まらない。止めに入ったレオンのことも分からぬ様子だった。何か薬でも盛られているのか。……この、甘い匂い……緋色の、果実。これは。
「しっかりしなさい!」
鋭く呼びかけると、どんよりとした群青の眼差しが、ふらふらと宙に彷徨う。
「どうした?何処か痛むのか」
「…………父上…………?……」
ナシェルの唇がうっすらと開き、思いもかけぬ呼びかけがレオンに向けて発される。
虚を突かれ静止したレオンの胸元を、闇の御子の嫋やかな手が力なく捉えた。
濡れた唇から再び掠れ声が漏れた。
「……我が王……」
(幻の中にいる……? 私をセダルと、間違えているのか)
◇◇◇
同刻、冥王セダルは煉獄の階を抜け、ついに天上の雲門を破る。
炎獄界の火山脈の熱波を浴びながら、ここまで一息に駆け上がってきた。
道ならぬ道を無理やり押し通った冥王に対し、大火山は噴火すれすれの嚇怒をもって岩漿で攻撃した。追いすがる灼熱の双腕をくぐるようにして火口から天上界へ至ったのである。
……この火山道を使えば天上界の神どもは、セダルが至近に顕われるまで存在に気づかぬはずだ。
炎獄界の火山道は、標高のかなり高いところまでが冥界の領土。その境に存在する人間界は、薄い空気の層だけだ。界境に存在する時空の歪みも、王の黒天馬の力強い羽ばたきの前には大した問題とはならなかった。
風を孕んでふくらむ黒装束の裾にはしかし未だ、火の粉がしぶとく燻っている。
はためく黒髪の先も、噴き上げる岩漿をくぐった際に焦げついていた。
だがぱらぱらと雲海に舞い落つ煤は逆に、セダルの秀麗な姿を、今は勇ましく彩っている。
裾にけぶる炎と灰の粉にも構わず、冥王は手綱を緩める。馬の腹を蹴る。
供として従うは王馬・闇嶺と、腰に佩くひと振りの神剣のみ。……たった一騎。眷族たる闇精や死精の供も得ず。三界の一つを治る冥王の行幸には甚だ似つかわしくない。
ましてや、駆け抜ける雲海の先は、敵地。
しかし無謀を承知で乗り込む彼の表情は堂々としたものだ。
逡巡もなければ、気負いも焦りもない。ただ静美な、感情を殺した紅瞳が、真っ直ぐに遙か遠き天宮の主塔を射貫いていた。
半身ナシェルを見失って以来、冥王は僅かな微睡にさえ落ちることはできなかった。孤独は彼から遂に意識を手放させようとはせず、彼を異常なまでの覚醒感の中に留め置き続けていた。
忌わしき故郷に足を踏み入れる今、彼の瞳はしかし疲労という言葉を知らぬ者のように暗光を放っている。
ナシェルの己を呼ぶ幽けき声が確かに今、冥王の耳に届いていたからだ。
(聴こえる、そなたの声が!……余を呼んでいるのだね)
セダルは広大な天界を紅の瞳で睥睨し、半身の神気を探し求めた。愛しい声が切なくか細く、悲愁に満ちて己の名を何処かで叫んでいると感ずるや、王の心臓は鼓打つように拍動を早める。躯の中心が熱く燃え盛り、軽い興奮に包まれて昂りさえ覚えるのだった。
いくつもの、光の司を感ずることはできる。大きな気が数え切れぬほど幾つも……。王女の気も感じる。無事のようだ。
だが己に似た唯一の、闇の神司を感じ取ることはできなかった。
セダルは紅い双眸を閉ざした。心を定め、胸に指を置く。
そして喉の奥で言葉を転がすように、呪いを低く深く唱え始めた。血の深い繋がりを軸に、振り子の如く離れて行った半身の魂を、己の許へ吸いよせるための重々しい呪言を。
王の呪は口中で呟かれるものにも関わらず、大気を鳴動させるほどに響き渡る。
――雲は裂けて散り、風はたちまち一処に集まり王の許に渦巻く。
――やがて複雑な呪は王から思考と精神の一切を失わせた。
止め処なく溢れる言葉はひとつひとつの意味をさえ失い文字の羅列となってゆく。
王はひたすらに唱え、心に半身の姿を強く想い描いた。ナシェルの呼び声に耳を澄ませながら、滔々と滑らかに吟じる。
雷鳴の轟きのように悲愴に。
優しき焔の熱情を込めて。
奏でられる言葉の音階は魂を揺さぶり、呪は口にすればするほど冥王を導く。躯の芯が一本の大きな精神の槍となって半身のいる方角へと向かってゆく。
(余を呼べ、もっと強く! 我が血潮をその身に流す者、我が愛しき分身。そなたの血の伴侶はここに居るぞ! そなたを救いに来たぞ……)
王はやがて半身の幽かな気配を胸の内に得、瞼を見開いた。その視線は、彼方に燻るひときわ大きな浮島と、その上に聳える天宮、そして林立する尖塔らに注がれる。
(やはり、天王の所か)
冥王は鋭く一喝して闇嶺を早翔けさせた。焼き千切れた裾をたなびかせる黒影は、みるみる雲間を突きぬけ天王宮目指して駆けあがってゆく。
――それに応えるナシェルは、うすぼんやりとした幻のなかに確かに父王の声を聴きとっていた。
冥王の呪法が近づいてきて、ナシェルの躯をぐるりと見えない茨で抱きとったような感覚がある。
同時に今までと異なる幻が押し寄せてきていた。
躯の奥を流れる血油に不意に火種が投げ入れられ、忽ちに燃え上がった火が内から全身を熱く包む……。その火は王の眼差しと同じ、紅の色をしている……。他に譬えようのない、甘美な感覚でもあった。
王の呪言は見えない腕となってナシェルを包みに訪れたのだ。
(貴方の声がする。貴方の気配を感じる。近くに……。王が私を包んでいる……!)
明るい光につつまれて、目が眩んで見えないが、確かに冥王の声が己を呼び、優しい手が差し伸べられるのを感じていた。ナシェルは冥王の声を確かめようと腕を伸ばし、声の主の頬を挟んで引きよせ、耳を擦りつけた。
「父上……本当に、貴方なのですか」
眼が見えない。神司も感じ取れない。こんなことは初めてだ。
ナシェルは未だ媚薬の果実の造り出す幻に囚われていた。
父の声が何か、囁くのが聞こえる。
大丈夫か? そう云ったように聞こえた。ナシェルは歓喜に震えながら王に縋り、早く想いを遂げさせてくれと懇願した。昂った躯を鎮めてくれと。
冥王と思いこみ取り縋った者が、その双子の兄だとも分からずに。
胸を撫で下ろしたレオンはそのままナシェルを庇いつつ、肩越しにレストルの様子を窺う。
……や否や、突然レストルの体が視界から消えた。
急に横っ面を張り飛ばされたレストルは寝台の上から壁際まで吹き飛ぶようにして転がり、強かに背中を打ちつけ床に這いつくばった。
殴ったのは、息子を引きはがしたアレンだった。
「この……痴れ者が……ッ! 兄上の前で何たる様だ……!!」
殴りつけた拳が、まだ握られたまま小刻みに震えている。
レオンは沈黙を保った。アレンに同調して怒鳴りたてるより今は一刻も早くこの二人を別の場所に引き離すべきだ。
それを察したか、巨漢のアレンはさっと短く一礼し、壁際にうずくまるレストルの胸倉を軽々と掴みあげて辞去した。
レオンはもはやそれを目で追うこともしなかったが、やがて壁を隔てた隣室からは彼が息子を繰り返し散々に殴打する音が響いてきた。
レオンは表情を殺し目を閉じた。天王の命にたとえ一時たりとて刃向かったこと、その罰を天王自身が下すよりは、よほど温情ある制裁であろう。アレンのそれは暴挙に見えてその実、父親らしい行動だった。
レオンは首を一つ横に振り、今度はナシェルの様子を窺う。
巻きついてくる腕を優しくもぎ離し、見下ろした。
「……なんということだ、」
ナシェルは、明らかに尋常ではない様子だ。
黒髪が湿った綾織り布のように寝台に広がり縺れている。露わな両肩には深々とした愛咬の痕……、甥の狂情を色濃く残している。
「君……大丈夫か?」
レオンは声をかけ抱き起こした。ぐらりと頭が傾ぎ、乱れた髪の間から朱に染まった相貌が顕れる。緋色の汁にまみれ、呼吸は乱れ、焦点は定まらない。止めに入ったレオンのことも分からぬ様子だった。何か薬でも盛られているのか。……この、甘い匂い……緋色の、果実。これは。
「しっかりしなさい!」
鋭く呼びかけると、どんよりとした群青の眼差しが、ふらふらと宙に彷徨う。
「どうした?何処か痛むのか」
「…………父上…………?……」
ナシェルの唇がうっすらと開き、思いもかけぬ呼びかけがレオンに向けて発される。
虚を突かれ静止したレオンの胸元を、闇の御子の嫋やかな手が力なく捉えた。
濡れた唇から再び掠れ声が漏れた。
「……我が王……」
(幻の中にいる……? 私をセダルと、間違えているのか)
◇◇◇
同刻、冥王セダルは煉獄の階を抜け、ついに天上の雲門を破る。
炎獄界の火山脈の熱波を浴びながら、ここまで一息に駆け上がってきた。
道ならぬ道を無理やり押し通った冥王に対し、大火山は噴火すれすれの嚇怒をもって岩漿で攻撃した。追いすがる灼熱の双腕をくぐるようにして火口から天上界へ至ったのである。
……この火山道を使えば天上界の神どもは、セダルが至近に顕われるまで存在に気づかぬはずだ。
炎獄界の火山道は、標高のかなり高いところまでが冥界の領土。その境に存在する人間界は、薄い空気の層だけだ。界境に存在する時空の歪みも、王の黒天馬の力強い羽ばたきの前には大した問題とはならなかった。
風を孕んでふくらむ黒装束の裾にはしかし未だ、火の粉がしぶとく燻っている。
はためく黒髪の先も、噴き上げる岩漿をくぐった際に焦げついていた。
だがぱらぱらと雲海に舞い落つ煤は逆に、セダルの秀麗な姿を、今は勇ましく彩っている。
裾にけぶる炎と灰の粉にも構わず、冥王は手綱を緩める。馬の腹を蹴る。
供として従うは王馬・闇嶺と、腰に佩くひと振りの神剣のみ。……たった一騎。眷族たる闇精や死精の供も得ず。三界の一つを治る冥王の行幸には甚だ似つかわしくない。
ましてや、駆け抜ける雲海の先は、敵地。
しかし無謀を承知で乗り込む彼の表情は堂々としたものだ。
逡巡もなければ、気負いも焦りもない。ただ静美な、感情を殺した紅瞳が、真っ直ぐに遙か遠き天宮の主塔を射貫いていた。
半身ナシェルを見失って以来、冥王は僅かな微睡にさえ落ちることはできなかった。孤独は彼から遂に意識を手放させようとはせず、彼を異常なまでの覚醒感の中に留め置き続けていた。
忌わしき故郷に足を踏み入れる今、彼の瞳はしかし疲労という言葉を知らぬ者のように暗光を放っている。
ナシェルの己を呼ぶ幽けき声が確かに今、冥王の耳に届いていたからだ。
(聴こえる、そなたの声が!……余を呼んでいるのだね)
セダルは広大な天界を紅の瞳で睥睨し、半身の神気を探し求めた。愛しい声が切なくか細く、悲愁に満ちて己の名を何処かで叫んでいると感ずるや、王の心臓は鼓打つように拍動を早める。躯の中心が熱く燃え盛り、軽い興奮に包まれて昂りさえ覚えるのだった。
いくつもの、光の司を感ずることはできる。大きな気が数え切れぬほど幾つも……。王女の気も感じる。無事のようだ。
だが己に似た唯一の、闇の神司を感じ取ることはできなかった。
セダルは紅い双眸を閉ざした。心を定め、胸に指を置く。
そして喉の奥で言葉を転がすように、呪いを低く深く唱え始めた。血の深い繋がりを軸に、振り子の如く離れて行った半身の魂を、己の許へ吸いよせるための重々しい呪言を。
王の呪は口中で呟かれるものにも関わらず、大気を鳴動させるほどに響き渡る。
――雲は裂けて散り、風はたちまち一処に集まり王の許に渦巻く。
――やがて複雑な呪は王から思考と精神の一切を失わせた。
止め処なく溢れる言葉はひとつひとつの意味をさえ失い文字の羅列となってゆく。
王はひたすらに唱え、心に半身の姿を強く想い描いた。ナシェルの呼び声に耳を澄ませながら、滔々と滑らかに吟じる。
雷鳴の轟きのように悲愴に。
優しき焔の熱情を込めて。
奏でられる言葉の音階は魂を揺さぶり、呪は口にすればするほど冥王を導く。躯の芯が一本の大きな精神の槍となって半身のいる方角へと向かってゆく。
(余を呼べ、もっと強く! 我が血潮をその身に流す者、我が愛しき分身。そなたの血の伴侶はここに居るぞ! そなたを救いに来たぞ……)
王はやがて半身の幽かな気配を胸の内に得、瞼を見開いた。その視線は、彼方に燻るひときわ大きな浮島と、その上に聳える天宮、そして林立する尖塔らに注がれる。
(やはり、天王の所か)
冥王は鋭く一喝して闇嶺を早翔けさせた。焼き千切れた裾をたなびかせる黒影は、みるみる雲間を突きぬけ天王宮目指して駆けあがってゆく。
――それに応えるナシェルは、うすぼんやりとした幻のなかに確かに父王の声を聴きとっていた。
冥王の呪法が近づいてきて、ナシェルの躯をぐるりと見えない茨で抱きとったような感覚がある。
同時に今までと異なる幻が押し寄せてきていた。
躯の奥を流れる血油に不意に火種が投げ入れられ、忽ちに燃え上がった火が内から全身を熱く包む……。その火は王の眼差しと同じ、紅の色をしている……。他に譬えようのない、甘美な感覚でもあった。
王の呪言は見えない腕となってナシェルを包みに訪れたのだ。
(貴方の声がする。貴方の気配を感じる。近くに……。王が私を包んでいる……!)
明るい光につつまれて、目が眩んで見えないが、確かに冥王の声が己を呼び、優しい手が差し伸べられるのを感じていた。ナシェルは冥王の声を確かめようと腕を伸ばし、声の主の頬を挟んで引きよせ、耳を擦りつけた。
「父上……本当に、貴方なのですか」
眼が見えない。神司も感じ取れない。こんなことは初めてだ。
ナシェルは未だ媚薬の果実の造り出す幻に囚われていた。
父の声が何か、囁くのが聞こえる。
大丈夫か? そう云ったように聞こえた。ナシェルは歓喜に震えながら王に縋り、早く想いを遂げさせてくれと懇願した。昂った躯を鎮めてくれと。
冥王と思いこみ取り縋った者が、その双子の兄だとも分からずに。
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