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北方遠征編
迫りくる時 2
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「では、ステラクラス。そなたはどう思う?」
ロルフはステラクラスの前に指し棒を置いた。
ステラクラスは指し棒を見たが、手には取らない。
「サフアンから押してみて終わり、じゃないですかね。いがみ合っていたとはいえ、人間憎しで俺らは一致しているので、陛下が来られる前は人間側としては纏まられるのが嫌だった。で、今はどれほど纏まったのか確かめたい。そう考えると辻褄が合う気がします」
「カイーブにもたくさん武器食糧が運び込まれているのですよ」
スパイトフルが静かに言った。
「じゃあ、カイーブからも押すんだろ。複数方向から押して、集団の抵抗力があるかを確かめる。どっかの誰かさんが取引なんてしようとしたから、其れに足る文明があるか知りたいとかかもなあ」
茶々を入れられたのが癪に障ったのか。
口角を上げてステラクラスがスパイトフルに視線をやった。
「アレイスター、そちの意見はどうかの?」
言い返しが始まる前に、セスが断ち切る。
アレイスターは一度頭を下げると、腰の剣を鞘ごと抜き取って地図の上にかざした。
「備えとしては、三方に満遍なく兵力を揃え、フロスト・ブレイヴに多めの予備兵力を確保しておいた方がよろしいかと。どう攻めて来るにせよ、どの方向にも援軍を送ることができます」
アレイスターは懐から宝石を四つ取り出した。
「現在、火力において優れているのは陛下と陛下直々の皆様」
まずは翡翠の石をフロスト・ブレイヴ中央に。
「メゼス殿はお菓子を配ってくれると子供に慕われております。空気の打破、士気の低下を防ぐ意味合いも込めて、フロスト・ブレイヴに居ていただければ大きいでしょう」
アレイスターは次に黄色い石を取り出した。沼地の手前に置く。
「ガイエル殿は沼地に。口ぶりからアイズオジュからの大軍を警戒されておりますので、他の者が当たるよりも不意を突かれないかと思います」
紅玉はサフアンを睨むように置かれた。
「王妃様はサフアンに。イージスの盾を割るほどの火力、一番大地に傷跡が残るのはこちらです。威力を見せつけるだけでも、大きな効果が期待できましょう」
「わたくしに、セス様から離れろとおっしゃるのですか?」
アレイスターの手が止まった。
それでも、と蒼い石を大河の傍に置く。
「湖を望む領地を持つピルヴァリ殿ら竜人族は是非とも大河にて操船していただきたい。闘牙族はここが苦手ですので、補っていただければと思います」
それから、とアレイスターは剣を両手で持って机から離れた。膝をつく。剣は自身の前に。
「陛下はお好きなところに。陛下の傀儡による大軍、および感染傀儡は人間相手に大いなる効果が期待できます。無論、一番いいところで言えば、サフアン方面だと愚考いたします。川に流されることも沼地に取られることもなく感染傀儡が使えるのではないでしょうか」
ご機嫌取りがうまいなあ、とロルフは素直に感心した。
戦略的にも理にかなっているが、絶妙にシルヴェンヌを宥めて機嫌を良くする言い方だ。
「力自慢の闘牙族が武力を外に頼って他力本願でぬくぬくと、か」
スパイトフルが呟いた。
ステラクラスがその言葉によってか、アレイスターに厳しい視線を送り始める。
「語弊があるようだの」
セスが手を横にやった。
メゼスが新しい指し棒をセスの手に渡す。
「あくまでも主力を闘牙族にするための初期配置であるの、アレイスター」
「仰せの通りにございます」
セスが黄色の宝石を指した。
「ロルフはアイズオジュからの軍勢を警戒しておる。ならば索敵も密に行い、敵が仕寄って来たときの連絡も神狼族の足で近い距離を駆けるのだ。わざわざ沼地に釘付けにせずとも済む」
次に紅い石。
「シルの破壊力は随一ぞ。その気になれば、サフアンの城壁も割って見せよう。さりとて、あくまでも威嚇。捨て身の戦法を取られては数が足らぬ。覚悟を決めるまでに闘牙族を送る必要があるの」
三番目に蒼い石。
「ここも、時間稼ぎだの。ピルヴァリの兵力では大河を渡らせないのはできても、渡られてしまえば危険になってしまう。故に、本格的に交戦が始まるまでの時間稼ぎをして、フロスト・ブレイヴから闘牙族を送る。どの局面にも、多数の闘牙族を送ることで短期決着を狙う戦法。そうだの?」
「流石は陛下。ご明察にございます。あくまでこれは、闘牙族の戦い。故に、一番血を流すのは我らでなくてはいけません。何、五倍程度の兵力差に臆するような者は闘牙族にはおりませんので、人間の一万や二万、すぐに排除して見せましょう」
後半はステラクラスとスパイトフルを焚きつけるようにアレイスターが言った。
上手く乗ったのはステラクラスで、鼻息荒く気合十分。
逆にスパイトフルは、つまらなさそうに椅子に深く腰掛けた。
「ピルヴァリ。そちはどうかの?」
「操船技術、大河での戦闘を期待してもらっている所悪いのですが、私はカイーブ近くの大河を見たことがなく、船も持ってきておりません。期待しているような成果を挙げることは難しいかと。もちろん、陛下が行けと言えば行きますが」
大局に関しては関与せず。
評価を下げかねないが、変な勘繰りを躱し、無駄な警戒をされにくい方法ではあるだろう。
(文字通り興味がないだけかもしれないけどさ)
メゼスには、メゼスがただお菓子を焼いて振舞ってのんびりとしている以上、闘牙族の前では聞かないだろう。シルヴェンヌにも、恐らく。
セスが指し棒を置いた。アレイスター、レオニクスのヘネラール兄弟。次にステラクラス、クワントと見た後にスパイトフルを見た。一番時間が長い。とは言っても秒単位の違いでしかないが。
「ピルヴァリよ。その方は全ての竜人族を連れて大河に行け。カイーブからの侵攻に備えよ」
「かしこまりました」
「アステ」
アステ、とはフェガロフォトのことである。
「は」
末席で待機していたフェガロフォトが声を上げる。
「そちは翼人族を率いてサフアンの睨みに入れ。陣地を確保すればシルも向かわせる。すまぬな、シル」
シルヴェンヌが誰に向けるでもなく昏い目をして、セスに近づいた。
「陛下の仰せのままに」
フェガロフォトが朗々とした声を響かせた。
「メゼス」
「は」
「そなたはフロスト・ブレイヴに留まり警戒を続けよ。されど、我の下に分身を一人寄越すがよい」
「仰せのままに」
相変わらずの身の変わりようである。
「ロルフ」
「何?」
ロルフは自分で返事をしておきながら、凄い落差だなと自嘲した。
「神狼族を率いて沼地に向かえ。情報収集を密に行い、人間の覚悟とやらを見極めよ」
「りょーかい」
「アレイスター」
「は」
「闘牙族の指揮はそなたに任せる。闘牙族の戦いだというのであれば、最善の策とやらを見せてみよ。今後も似たようなことが増えよう」
アレイスターが深々と頭を下げた。
ステラクラス、レオニクス、スパイトフルと続いて頭を下げる。
「かしこまりました。時に陛下、フロスト・ブレイヴのアファナーン殿、アイズオジュの備えのガイエル殿は軍監としての役割もあるとみてよろしいでしょうか」
「そうなるの。好きに動かすことを許しはせぬが、困った時は相談するがよい」
ピレアが不思議そうな目をロルフに向けてきた。
要するに、陛下はどこに行くのでしょうか、ということだろう。
「ピルヴァリよ。そなたの船ではないが幾艘か我(われ)が用意しよう。アルケミーゲルの高速船を模したものなど癖の強いのもあるが、通常の船もあるでの」
「ありがたき幸せ」
「そうそう。鉄甲船の試作も使おうぞ。そなたらが実際に乗ってみて、どこが足らぬか、あるいはどこを変えればよりよくなるか、是非とも意見を聞きたい。無論、我の結界から取り出す故、我もピルヴァリに同行して大河に向かおう。ナギ」
そこでセスが言葉を切った。
シルヴェンヌの雰囲気が剣呑なものに変わる。
「ロルフ。一名か二名、足の速い者を見繕ってくれぬか? 我の護衛として連れて行きたいでの」
「りょーかい」
(まあ、陛下は別に完璧超人ではないからねえ。ナギサの名前を出しかけるくらいには精神的に追い込まれててもおかしくはないか)
領地の防衛線、それも大規模なものになりそうというのは、先代魔王が死んだ戦い以来だろうか。
しかも、今回は纏まり切っていない闘牙族と、数の少ない神狼族、翼人族、人間と比べれば少ない竜人族に戦闘以外の後方支援としてのニチーダが見繕った者たちしかいないという不安要素の多い戦い。しかも、ガーゴイルをシルヴェンヌが討ったと知っていれば、その不安は大きくなるだろう。
とりあえず、セスよりは年長であるからとロルフはいつも通りでいるようにと心に強く刻んだ。
ロルフはステラクラスの前に指し棒を置いた。
ステラクラスは指し棒を見たが、手には取らない。
「サフアンから押してみて終わり、じゃないですかね。いがみ合っていたとはいえ、人間憎しで俺らは一致しているので、陛下が来られる前は人間側としては纏まられるのが嫌だった。で、今はどれほど纏まったのか確かめたい。そう考えると辻褄が合う気がします」
「カイーブにもたくさん武器食糧が運び込まれているのですよ」
スパイトフルが静かに言った。
「じゃあ、カイーブからも押すんだろ。複数方向から押して、集団の抵抗力があるかを確かめる。どっかの誰かさんが取引なんてしようとしたから、其れに足る文明があるか知りたいとかかもなあ」
茶々を入れられたのが癪に障ったのか。
口角を上げてステラクラスがスパイトフルに視線をやった。
「アレイスター、そちの意見はどうかの?」
言い返しが始まる前に、セスが断ち切る。
アレイスターは一度頭を下げると、腰の剣を鞘ごと抜き取って地図の上にかざした。
「備えとしては、三方に満遍なく兵力を揃え、フロスト・ブレイヴに多めの予備兵力を確保しておいた方がよろしいかと。どう攻めて来るにせよ、どの方向にも援軍を送ることができます」
アレイスターは懐から宝石を四つ取り出した。
「現在、火力において優れているのは陛下と陛下直々の皆様」
まずは翡翠の石をフロスト・ブレイヴ中央に。
「メゼス殿はお菓子を配ってくれると子供に慕われております。空気の打破、士気の低下を防ぐ意味合いも込めて、フロスト・ブレイヴに居ていただければ大きいでしょう」
アレイスターは次に黄色い石を取り出した。沼地の手前に置く。
「ガイエル殿は沼地に。口ぶりからアイズオジュからの大軍を警戒されておりますので、他の者が当たるよりも不意を突かれないかと思います」
紅玉はサフアンを睨むように置かれた。
「王妃様はサフアンに。イージスの盾を割るほどの火力、一番大地に傷跡が残るのはこちらです。威力を見せつけるだけでも、大きな効果が期待できましょう」
「わたくしに、セス様から離れろとおっしゃるのですか?」
アレイスターの手が止まった。
それでも、と蒼い石を大河の傍に置く。
「湖を望む領地を持つピルヴァリ殿ら竜人族は是非とも大河にて操船していただきたい。闘牙族はここが苦手ですので、補っていただければと思います」
それから、とアレイスターは剣を両手で持って机から離れた。膝をつく。剣は自身の前に。
「陛下はお好きなところに。陛下の傀儡による大軍、および感染傀儡は人間相手に大いなる効果が期待できます。無論、一番いいところで言えば、サフアン方面だと愚考いたします。川に流されることも沼地に取られることもなく感染傀儡が使えるのではないでしょうか」
ご機嫌取りがうまいなあ、とロルフは素直に感心した。
戦略的にも理にかなっているが、絶妙にシルヴェンヌを宥めて機嫌を良くする言い方だ。
「力自慢の闘牙族が武力を外に頼って他力本願でぬくぬくと、か」
スパイトフルが呟いた。
ステラクラスがその言葉によってか、アレイスターに厳しい視線を送り始める。
「語弊があるようだの」
セスが手を横にやった。
メゼスが新しい指し棒をセスの手に渡す。
「あくまでも主力を闘牙族にするための初期配置であるの、アレイスター」
「仰せの通りにございます」
セスが黄色の宝石を指した。
「ロルフはアイズオジュからの軍勢を警戒しておる。ならば索敵も密に行い、敵が仕寄って来たときの連絡も神狼族の足で近い距離を駆けるのだ。わざわざ沼地に釘付けにせずとも済む」
次に紅い石。
「シルの破壊力は随一ぞ。その気になれば、サフアンの城壁も割って見せよう。さりとて、あくまでも威嚇。捨て身の戦法を取られては数が足らぬ。覚悟を決めるまでに闘牙族を送る必要があるの」
三番目に蒼い石。
「ここも、時間稼ぎだの。ピルヴァリの兵力では大河を渡らせないのはできても、渡られてしまえば危険になってしまう。故に、本格的に交戦が始まるまでの時間稼ぎをして、フロスト・ブレイヴから闘牙族を送る。どの局面にも、多数の闘牙族を送ることで短期決着を狙う戦法。そうだの?」
「流石は陛下。ご明察にございます。あくまでこれは、闘牙族の戦い。故に、一番血を流すのは我らでなくてはいけません。何、五倍程度の兵力差に臆するような者は闘牙族にはおりませんので、人間の一万や二万、すぐに排除して見せましょう」
後半はステラクラスとスパイトフルを焚きつけるようにアレイスターが言った。
上手く乗ったのはステラクラスで、鼻息荒く気合十分。
逆にスパイトフルは、つまらなさそうに椅子に深く腰掛けた。
「ピルヴァリ。そちはどうかの?」
「操船技術、大河での戦闘を期待してもらっている所悪いのですが、私はカイーブ近くの大河を見たことがなく、船も持ってきておりません。期待しているような成果を挙げることは難しいかと。もちろん、陛下が行けと言えば行きますが」
大局に関しては関与せず。
評価を下げかねないが、変な勘繰りを躱し、無駄な警戒をされにくい方法ではあるだろう。
(文字通り興味がないだけかもしれないけどさ)
メゼスには、メゼスがただお菓子を焼いて振舞ってのんびりとしている以上、闘牙族の前では聞かないだろう。シルヴェンヌにも、恐らく。
セスが指し棒を置いた。アレイスター、レオニクスのヘネラール兄弟。次にステラクラス、クワントと見た後にスパイトフルを見た。一番時間が長い。とは言っても秒単位の違いでしかないが。
「ピルヴァリよ。その方は全ての竜人族を連れて大河に行け。カイーブからの侵攻に備えよ」
「かしこまりました」
「アステ」
アステ、とはフェガロフォトのことである。
「は」
末席で待機していたフェガロフォトが声を上げる。
「そちは翼人族を率いてサフアンの睨みに入れ。陣地を確保すればシルも向かわせる。すまぬな、シル」
シルヴェンヌが誰に向けるでもなく昏い目をして、セスに近づいた。
「陛下の仰せのままに」
フェガロフォトが朗々とした声を響かせた。
「メゼス」
「は」
「そなたはフロスト・ブレイヴに留まり警戒を続けよ。されど、我の下に分身を一人寄越すがよい」
「仰せのままに」
相変わらずの身の変わりようである。
「ロルフ」
「何?」
ロルフは自分で返事をしておきながら、凄い落差だなと自嘲した。
「神狼族を率いて沼地に向かえ。情報収集を密に行い、人間の覚悟とやらを見極めよ」
「りょーかい」
「アレイスター」
「は」
「闘牙族の指揮はそなたに任せる。闘牙族の戦いだというのであれば、最善の策とやらを見せてみよ。今後も似たようなことが増えよう」
アレイスターが深々と頭を下げた。
ステラクラス、レオニクス、スパイトフルと続いて頭を下げる。
「かしこまりました。時に陛下、フロスト・ブレイヴのアファナーン殿、アイズオジュの備えのガイエル殿は軍監としての役割もあるとみてよろしいでしょうか」
「そうなるの。好きに動かすことを許しはせぬが、困った時は相談するがよい」
ピレアが不思議そうな目をロルフに向けてきた。
要するに、陛下はどこに行くのでしょうか、ということだろう。
「ピルヴァリよ。そなたの船ではないが幾艘か我(われ)が用意しよう。アルケミーゲルの高速船を模したものなど癖の強いのもあるが、通常の船もあるでの」
「ありがたき幸せ」
「そうそう。鉄甲船の試作も使おうぞ。そなたらが実際に乗ってみて、どこが足らぬか、あるいはどこを変えればよりよくなるか、是非とも意見を聞きたい。無論、我の結界から取り出す故、我もピルヴァリに同行して大河に向かおう。ナギ」
そこでセスが言葉を切った。
シルヴェンヌの雰囲気が剣呑なものに変わる。
「ロルフ。一名か二名、足の速い者を見繕ってくれぬか? 我の護衛として連れて行きたいでの」
「りょーかい」
(まあ、陛下は別に完璧超人ではないからねえ。ナギサの名前を出しかけるくらいには精神的に追い込まれててもおかしくはないか)
領地の防衛線、それも大規模なものになりそうというのは、先代魔王が死んだ戦い以来だろうか。
しかも、今回は纏まり切っていない闘牙族と、数の少ない神狼族、翼人族、人間と比べれば少ない竜人族に戦闘以外の後方支援としてのニチーダが見繕った者たちしかいないという不安要素の多い戦い。しかも、ガーゴイルをシルヴェンヌが討ったと知っていれば、その不安は大きくなるだろう。
とりあえず、セスよりは年長であるからとロルフはいつも通りでいるようにと心に強く刻んだ。
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