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第二十三話 希望と絶望の復活
ジョー・アックスの怒り
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「……ジョーの奴、だいぶカリカリしてるな」
「仕方ないですよ。イビル教団はジョーさんの両親を……」
「……無駄口を叩いてないで、早く行け!」
ナガレとフローレンスの小声の会話はジョーによって阻まれた。
「……どうした、早くしろ! 置いていくぞ!」
「「あ、アイアイサー!」」
心配になるくらいに、ジョーのイライラが伝わってくる。何も起こらなければいいのにと、ナガレはつい不安になってしまった。
~☆~☆~☆~☆~☆~
そうしてしばらく谷を下っていくと……。
「ありゃ、行き止まりだぞ」
「これを超えるのは大変そうね~」
ナガレたち一行は、道を塞ぐ大岩にぶち当たった。落石によって落ちてきたのか、ピッタリ道を塞いでしまっている。数メートルも大きな岩で、乗り越えるのは骨が折れそうだ。
「……確かに、谷底に何かあると言う訳ではない。だがこんな道を塞ぐほどの大岩が放置されているのは妙だな……」
腕を組んで考え込むジョー。ナガレも大岩を見上げながら仲間たちに聞いてみた。
「みんな、どうする? 頑張って乗り越えるか?」
……返事がない。振り返って見ると……。
「……」
「…………」
「………………」
全員武器を構えたまま、無茶苦茶険しい顔で周囲を警戒していた。
「うひゃあ⁉︎ おいバカ何そんな怖い顔してんだよ!」
「だって、いつ敵が来るか分かんないし! ここ敵さんの本拠地かもしれねーのよ⁉︎」
「……ナガレ、センチアの言う通りだ。いつどこから襲ってくるか分からない。気を抜くな!」
「でもナガレさん……私、なんだか誰かに見られてる気がして落ち着かないんです」
「へ?」
突然フローレンスが妙なことを言った。周囲にはナガレたちしかいないのだが……?
「なんだ、フローレンスちゃんもか? 実は俺もなんだよ。谷に入ってから、ずっと誰かに見られてる気がしてなぁ」
「誰かに? どういうことですか」
タネツもそう言って、他のメンバーも次々に頷いた。
「えぇ~、みんなか⁉︎」
「……誰かいる気配は感じる。だが、どこにいるかは分からない」
「ジョーまでか! それじゃあ……どこから見てるんだろう?」
ジョーがそういうなら、おそらく本当だ。誰かがこちらを見ているのかもしれない。
「でも……じゃあ、どこから?」
「それが分かれば苦労しないわ~……」
「……そういえば、手紙に書いてあったな。……アジトへの入り口は、魔法でカモフラージュされていると」
「あ! それじゃあここの近くに……⁉︎」
そうと決まれば早速捜索だ!
「仕方ないですよ。イビル教団はジョーさんの両親を……」
「……無駄口を叩いてないで、早く行け!」
ナガレとフローレンスの小声の会話はジョーによって阻まれた。
「……どうした、早くしろ! 置いていくぞ!」
「「あ、アイアイサー!」」
心配になるくらいに、ジョーのイライラが伝わってくる。何も起こらなければいいのにと、ナガレはつい不安になってしまった。
~☆~☆~☆~☆~☆~
そうしてしばらく谷を下っていくと……。
「ありゃ、行き止まりだぞ」
「これを超えるのは大変そうね~」
ナガレたち一行は、道を塞ぐ大岩にぶち当たった。落石によって落ちてきたのか、ピッタリ道を塞いでしまっている。数メートルも大きな岩で、乗り越えるのは骨が折れそうだ。
「……確かに、谷底に何かあると言う訳ではない。だがこんな道を塞ぐほどの大岩が放置されているのは妙だな……」
腕を組んで考え込むジョー。ナガレも大岩を見上げながら仲間たちに聞いてみた。
「みんな、どうする? 頑張って乗り越えるか?」
……返事がない。振り返って見ると……。
「……」
「…………」
「………………」
全員武器を構えたまま、無茶苦茶険しい顔で周囲を警戒していた。
「うひゃあ⁉︎ おいバカ何そんな怖い顔してんだよ!」
「だって、いつ敵が来るか分かんないし! ここ敵さんの本拠地かもしれねーのよ⁉︎」
「……ナガレ、センチアの言う通りだ。いつどこから襲ってくるか分からない。気を抜くな!」
「でもナガレさん……私、なんだか誰かに見られてる気がして落ち着かないんです」
「へ?」
突然フローレンスが妙なことを言った。周囲にはナガレたちしかいないのだが……?
「なんだ、フローレンスちゃんもか? 実は俺もなんだよ。谷に入ってから、ずっと誰かに見られてる気がしてなぁ」
「誰かに? どういうことですか」
タネツもそう言って、他のメンバーも次々に頷いた。
「えぇ~、みんなか⁉︎」
「……誰かいる気配は感じる。だが、どこにいるかは分からない」
「ジョーまでか! それじゃあ……どこから見てるんだろう?」
ジョーがそういうなら、おそらく本当だ。誰かがこちらを見ているのかもしれない。
「でも……じゃあ、どこから?」
「それが分かれば苦労しないわ~……」
「……そういえば、手紙に書いてあったな。……アジトへの入り口は、魔法でカモフラージュされていると」
「あ! それじゃあここの近くに……⁉︎」
そうと決まれば早速捜索だ!
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