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第二十二話 闇照らす黄金の太陽
ナガレの過去
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「まあね~」
ナガレは屋根に寝転がった。
「オレの親って割とエライ人なんだけどさぁ。いっつも金持ちと話してて、オレもそのマナーとか叩き込まれてんだ。うまいメシもマズくなるくらいフォークの使い方とかハンカチの使い方とか叩き込まれてさぁ~」
「……?」
ナガレの実家の話を聞くのは初めてな気もするが、それにしては何か違和感がある。金持ちと話す……?
「……ナガレ、実家はかなり金持ちだったりするか?」
「ん、実はそうなんだ。父上が貴族の生まれでその後を継いでる。母上も地方豪族の愛娘。んでその間に生まれたのがオレと妹のスーだ」
「ふうん……」
そう言ってジョーは、気になったことを聞いてみた。
「……そんな金持ちなら、ギルドの資金難を解決してほしいと頼まなかったのか。本当に貴族なら、金などいくらでもあるだろう」
「いんや、そりゃ無理だ」
ナガレは速攻で否定した。
「だってオレ、勘当されてるから。もう親の庇護は受けらんねえんだ」
「……なんだって? どういうことだ。ナガレ、本当に何かやらかしたのか?」
「うん……父上はオレに跡継ぎになってほしかったらしくて、オレもそのつもりだった。けど十歳くらいの時にアーバンと出会ってさ。そこから冒険者になろうってなって、もう大ゲンカさ」
アーバン……頭のバンダナがトレードマークで、ナガレが憧れている冒険者だ。それで父親と衝突してしまったのかと納得するジョー。
星空は静かに二人を見守っている。手を伸ばせば掴めそうだと思ってナガレは手を伸ばすが、ちっとも届かない。
「ハハハ、そっからもう冷遇冷遇また冷遇でさ。メシもみんな高級料理食ってるのにオレだけ従業員と一緒に焼肉食べてんの。そのおかげで従業員とはすげえ仲良くなったけどな。十八歳の時、オレが成人したら勘当された」
「……そうだったのか」
「そん時は小遣い溜めたりアルバイトしたり金貯めて、結構な金稼いでたからな。冒険者養成施設に入学して、二年経って冒険者になった。そこでオレに武器とか魔法を教えてくれた先生がいて、その人の世話になってたんだ」
懐かしそうに目を細めたナガレ。普通冒険者養成施設を卒業するまでには、最短でも半年、普通は一年ほどだが、サボっていたり欠席数が多いと再受講になってしまう。
「だいたい二年くらい、先生の家に居候させてもらってさ。実際は修行したりいろいろ勉強したり働いて金を収めたりしてたから再受講になっちゃったんだけど」
「……その先生が、金をちゃんと払えと?」
「いや、先生は受け取れないって言ってたけど、ちゃんと筋は通さなきゃだろ?」
ナガレは屋根に寝転がった。
「オレの親って割とエライ人なんだけどさぁ。いっつも金持ちと話してて、オレもそのマナーとか叩き込まれてんだ。うまいメシもマズくなるくらいフォークの使い方とかハンカチの使い方とか叩き込まれてさぁ~」
「……?」
ナガレの実家の話を聞くのは初めてな気もするが、それにしては何か違和感がある。金持ちと話す……?
「……ナガレ、実家はかなり金持ちだったりするか?」
「ん、実はそうなんだ。父上が貴族の生まれでその後を継いでる。母上も地方豪族の愛娘。んでその間に生まれたのがオレと妹のスーだ」
「ふうん……」
そう言ってジョーは、気になったことを聞いてみた。
「……そんな金持ちなら、ギルドの資金難を解決してほしいと頼まなかったのか。本当に貴族なら、金などいくらでもあるだろう」
「いんや、そりゃ無理だ」
ナガレは速攻で否定した。
「だってオレ、勘当されてるから。もう親の庇護は受けらんねえんだ」
「……なんだって? どういうことだ。ナガレ、本当に何かやらかしたのか?」
「うん……父上はオレに跡継ぎになってほしかったらしくて、オレもそのつもりだった。けど十歳くらいの時にアーバンと出会ってさ。そこから冒険者になろうってなって、もう大ゲンカさ」
アーバン……頭のバンダナがトレードマークで、ナガレが憧れている冒険者だ。それで父親と衝突してしまったのかと納得するジョー。
星空は静かに二人を見守っている。手を伸ばせば掴めそうだと思ってナガレは手を伸ばすが、ちっとも届かない。
「ハハハ、そっからもう冷遇冷遇また冷遇でさ。メシもみんな高級料理食ってるのにオレだけ従業員と一緒に焼肉食べてんの。そのおかげで従業員とはすげえ仲良くなったけどな。十八歳の時、オレが成人したら勘当された」
「……そうだったのか」
「そん時は小遣い溜めたりアルバイトしたり金貯めて、結構な金稼いでたからな。冒険者養成施設に入学して、二年経って冒険者になった。そこでオレに武器とか魔法を教えてくれた先生がいて、その人の世話になってたんだ」
懐かしそうに目を細めたナガレ。普通冒険者養成施設を卒業するまでには、最短でも半年、普通は一年ほどだが、サボっていたり欠席数が多いと再受講になってしまう。
「だいたい二年くらい、先生の家に居候させてもらってさ。実際は修行したりいろいろ勉強したり働いて金を収めたりしてたから再受講になっちゃったんだけど」
「……その先生が、金をちゃんと払えと?」
「いや、先生は受け取れないって言ってたけど、ちゃんと筋は通さなきゃだろ?」
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