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第二十一話 髑髏の龍と禁忌の龍
ドラゴン・チェイス!
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「これはオレの意地だ! ケンガたちは逃げろ!」
「「そう言われるとやるしかなくなるだろうが(なるでしょうが)~~っ!」」
下を見下ろせば町がジオラマのように小さく見える。数十メートル上空でもメチャクチャ高い! 吸い込まれそうな星空、オレンジ色のまぶしい夕陽、そしてエメラルド色の巨大湖が何度も視界に移っては消える。
ブンブン! バシューッ!
「プココーーッ!」
「「「ぎゃあぁぁぁぁーーーーっ!」」」
三人の悲鳴が町中にこだまして、多くの人が空を見上げた。撃ち落とそうと飛び道具を構えて、その後「誰かが掴まっている!」と驚愕する警備兵たち。物陰や建物の路地などから驚いて空を見上げる住民たち。必死で戦う冒険者たちはさすがにそんな余裕はなかったが……。
「……コココッ⁉︎」
街の外で地上戦を繰り広げるスカルドラゴンは、これを目ざとく発見した。具体的には必至でしがみつくナガレたちではなく、街の上空で大暴れするキメラドラゴンを。
「カカカッ! コンコココッ!」
体内の骨をかき鳴らし見上げる。そして群がる冒険者を睨んで、爆音で咆哮した。クラッキングの音ではない、獣のような爆音だ!
「「「グォォォォォーーーーンッ!」」」
「うわーっ!」「きゃあっ!」「ぐあぁー!」
凄まじい大音量は空気を震わす衝撃波となって、冒険者たちを吹き飛ばす。遠くの遠距離部隊も、思わず耳を塞いでしまった。
「カッコココン! コココココッ!」
そしてスカスカの骨羽を羽ばたかせ、一気に上空へ飛び上がる。
「いまだ! 撃てーっ!」
ドォンドォンドォン! と一斉に大砲から砲弾が放たれる。だがスカルドラゴンは、今回は全く怯まない。体内の新緑の炎が、爆発の威力を薄めてしまう!
「い、いかんっ! 街に入る!」
クリフが焦ってももう遅い。スカルドラゴンは防護壁を易々と飛び越え、街の上空へ侵入してしまった。
「カココココーッ!」
ボォォォォッ!
スカルドラゴンは空中で緑の炎を火球のように何度も乱射する。それは目下の街ではなく、その上のキメラドラゴンへ向かっていく!
「……っ! な、なんだ!」
「す、スカルドラゴンです! ここここっここ攻撃してきますぅ~!」
「グワーッ! ヤメロー! ヤメロー!」
「オレたちごと撃ち落とすつもりだ! や、やめてくれぇ~!」
キメラドラゴンは危なっかしい飛行でこれを回避し続ける。身体のすぐそばを燃え滾る火球が通過していき、その度に悲鳴を上げるナガレたち。
「コココン! カカカカッ!」
「「そう言われるとやるしかなくなるだろうが(なるでしょうが)~~っ!」」
下を見下ろせば町がジオラマのように小さく見える。数十メートル上空でもメチャクチャ高い! 吸い込まれそうな星空、オレンジ色のまぶしい夕陽、そしてエメラルド色の巨大湖が何度も視界に移っては消える。
ブンブン! バシューッ!
「プココーーッ!」
「「「ぎゃあぁぁぁぁーーーーっ!」」」
三人の悲鳴が町中にこだまして、多くの人が空を見上げた。撃ち落とそうと飛び道具を構えて、その後「誰かが掴まっている!」と驚愕する警備兵たち。物陰や建物の路地などから驚いて空を見上げる住民たち。必死で戦う冒険者たちはさすがにそんな余裕はなかったが……。
「……コココッ⁉︎」
街の外で地上戦を繰り広げるスカルドラゴンは、これを目ざとく発見した。具体的には必至でしがみつくナガレたちではなく、街の上空で大暴れするキメラドラゴンを。
「カカカッ! コンコココッ!」
体内の骨をかき鳴らし見上げる。そして群がる冒険者を睨んで、爆音で咆哮した。クラッキングの音ではない、獣のような爆音だ!
「「「グォォォォォーーーーンッ!」」」
「うわーっ!」「きゃあっ!」「ぐあぁー!」
凄まじい大音量は空気を震わす衝撃波となって、冒険者たちを吹き飛ばす。遠くの遠距離部隊も、思わず耳を塞いでしまった。
「カッコココン! コココココッ!」
そしてスカスカの骨羽を羽ばたかせ、一気に上空へ飛び上がる。
「いまだ! 撃てーっ!」
ドォンドォンドォン! と一斉に大砲から砲弾が放たれる。だがスカルドラゴンは、今回は全く怯まない。体内の新緑の炎が、爆発の威力を薄めてしまう!
「い、いかんっ! 街に入る!」
クリフが焦ってももう遅い。スカルドラゴンは防護壁を易々と飛び越え、街の上空へ侵入してしまった。
「カココココーッ!」
ボォォォォッ!
スカルドラゴンは空中で緑の炎を火球のように何度も乱射する。それは目下の街ではなく、その上のキメラドラゴンへ向かっていく!
「……っ! な、なんだ!」
「す、スカルドラゴンです! ここここっここ攻撃してきますぅ~!」
「グワーッ! ヤメロー! ヤメロー!」
「オレたちごと撃ち落とすつもりだ! や、やめてくれぇ~!」
キメラドラゴンは危なっかしい飛行でこれを回避し続ける。身体のすぐそばを燃え滾る火球が通過していき、その度に悲鳴を上げるナガレたち。
「コココン! カカカカッ!」
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