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第二十一話 髑髏の龍と禁忌の龍
緊急の作戦会議
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「はいはい、分かりましたよっと」
そう言ってアルクルはレンを連れて、人混みに紛れて去っていく。お互い硬く手を握り合って離れ離れにならないようにしていた。普段はなんだかんだ言いつつ、二人の友情が感じられる光景である。
(オレもいつかサキミと手を繋いで走りたいなぁ……)
「ナガレさん。私たちも行きましょう」
サニーに言われて、ナガレは邪念を振り払う。今はそんなこと考えている暇はない。
「ああ。みんな、ギルドへ急ごう!」
~☆~☆~☆~☆~☆~
「逃げろー!」
「あんなのに襲われたらひとたまりもないよっ!」
悲鳴や怒号があちこちから響き渡る。一目散に逃げていく人もいれば、どうするべきか分からず右往左往する人、焦りつつも警備兵の言葉を忠実に守りに避難所の建物までいく人……みんな少なからずパニックを起こしている。
「池から離れてください!」
「頑丈な建物の中へ避難を!」
オットリ刀で駆けつけた警備兵が必死に呼びかけているが、大慌ての民衆には少ししか届かない。彼らも祭りを楽しんでいたのだろうに、街の危機で非番の者まで駆り出されていた。
避難所の一つであるタイガス冒険者ギルド本部。砦のように入り組んだ地形は伊達ではなく、実際に外敵を退けるための建築様式だったようだ。
外は無数の人々でごった返す中、冒険者ギルドの中では……。
「みんな、聞いてくれ!」
わずか三十人ほどの冒険者の前で、緑の肌で巨漢オーク族のギルドマスター・クリフが力強く呼びかけた。シンプルなピチピチの白いシャツに長い灰色のコート太い黒のスラックスといったシンプルな格好だ。無くした左腕の代わりに、揺れる袖をぶら下げていた。
彼の前にいる冒険者たちも、みな緊迫した表情だ。彼ら彼女らはスカルドラゴンを見て大急ぎで武器を取り防具を着て、決意を胸にここへやって来た勇敢な者たちだ。中にはナガレたちの姿もある。
「先ほどスカルドラゴンを目視で確認した。敵は間違いなく、このタイガスへやって来ている! ……ちょっと、大人しくしていなさい」
「…………」
「なぜ襲来したのかは分からない。だがもしこの街で暴れられたら、何百人もの人が被害に遭う! ……ほらほらよーしよしよし、大丈夫だからね」
「………………」
冒険者たちの間に、複雑な表情の人が増えて来た。
「どうか君たちの力を貸して欲しい。簡単な任務ではない、危険なクエストだ。今こそ冒険者の底意地を……いててっ、こらヒゲ引っ張らないの!」
(((良い加減にしろぉっ!)))
冒険者たちが心の中で一斉に突っ込んだのは、クリフの周りでわちゃわちゃする彼の幼い娘さんたちだった。
そう言ってアルクルはレンを連れて、人混みに紛れて去っていく。お互い硬く手を握り合って離れ離れにならないようにしていた。普段はなんだかんだ言いつつ、二人の友情が感じられる光景である。
(オレもいつかサキミと手を繋いで走りたいなぁ……)
「ナガレさん。私たちも行きましょう」
サニーに言われて、ナガレは邪念を振り払う。今はそんなこと考えている暇はない。
「ああ。みんな、ギルドへ急ごう!」
~☆~☆~☆~☆~☆~
「逃げろー!」
「あんなのに襲われたらひとたまりもないよっ!」
悲鳴や怒号があちこちから響き渡る。一目散に逃げていく人もいれば、どうするべきか分からず右往左往する人、焦りつつも警備兵の言葉を忠実に守りに避難所の建物までいく人……みんな少なからずパニックを起こしている。
「池から離れてください!」
「頑丈な建物の中へ避難を!」
オットリ刀で駆けつけた警備兵が必死に呼びかけているが、大慌ての民衆には少ししか届かない。彼らも祭りを楽しんでいたのだろうに、街の危機で非番の者まで駆り出されていた。
避難所の一つであるタイガス冒険者ギルド本部。砦のように入り組んだ地形は伊達ではなく、実際に外敵を退けるための建築様式だったようだ。
外は無数の人々でごった返す中、冒険者ギルドの中では……。
「みんな、聞いてくれ!」
わずか三十人ほどの冒険者の前で、緑の肌で巨漢オーク族のギルドマスター・クリフが力強く呼びかけた。シンプルなピチピチの白いシャツに長い灰色のコート太い黒のスラックスといったシンプルな格好だ。無くした左腕の代わりに、揺れる袖をぶら下げていた。
彼の前にいる冒険者たちも、みな緊迫した表情だ。彼ら彼女らはスカルドラゴンを見て大急ぎで武器を取り防具を着て、決意を胸にここへやって来た勇敢な者たちだ。中にはナガレたちの姿もある。
「先ほどスカルドラゴンを目視で確認した。敵は間違いなく、このタイガスへやって来ている! ……ちょっと、大人しくしていなさい」
「…………」
「なぜ襲来したのかは分からない。だがもしこの街で暴れられたら、何百人もの人が被害に遭う! ……ほらほらよーしよしよし、大丈夫だからね」
「………………」
冒険者たちの間に、複雑な表情の人が増えて来た。
「どうか君たちの力を貸して欲しい。簡単な任務ではない、危険なクエストだ。今こそ冒険者の底意地を……いててっ、こらヒゲ引っ張らないの!」
(((良い加減にしろぉっ!)))
冒険者たちが心の中で一斉に突っ込んだのは、クリフの周りでわちゃわちゃする彼の幼い娘さんたちだった。
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