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第十六話 進化の道
稼げるオシゴト
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「ああ、どうも……まぁ機会があったらね」
適当にはぐらかすナガレ。でも、見た感じでは悪い人間じゃなさそうだ。
「ようリーダー。なんで俺様を仲間に入れたのか言ってやってくれよ。昔のダチだし見栄張りたくてな」
そう自慢ったらしく言うケンガ。自信過剰なところも、それに嫌味を感じないのも、以前と全く同じだった。
「ははは……僕たちがクエスト帰りに、森林で猛特訓するケンガを見つけたんだ」
「え!」
これにはナガレも反応した。あの自信家のケンガが特訓を!
「放っておいたら死んでしまいそうなほど、傷だらけだったんだ。その後も何回か見たんだけど、必ずどこかしらが血で汚れていた」
「おうよ。あの時は森でサバイバルしてたからな。小さい森だが獣もいたから食うにゃ困らなかった」
「すごいな……」
サバイバルをしながら特訓とは、まるでブートキャンプだ。それにケンガ一人では、もし何かあっても助けてくれる人はいない。たとえモンスターに襲われても、たまたま誰かが通ったりしなければ助からない……。
「見過ごすこともできなくて、僕たちがスカウトしたんだ。どんなモンスターでも勇敢に向かっていくから、みんな頼りにしてるよ。……正直、Cランクに収まる器じゃない」
「そういうこった。俺様はずっと強くなった」
そう言ってケンガはキッとナガレを睨みつける。
「……もう俺様は『よわむしケンガ』じゃねぇ! もう誰の同情も慰めも受けねえ!」
「ケンガ……」
ナガレの複雑な感情は、言葉にしにくかった。あの頃のお調子者の雰囲気が消えてしまって、なんだか別人になった気分だ。
だが、ナガレは口角を上げてニッと微笑んだ。
「ケンガ。……お前に何があったのかは分からない。だけど……こうして無事に会えて良かったよ。お前まだ冒険者続けてたんだな。ホッとした……」
「ッ! お、お前……!」
するとケンガは突然ギョッとした表情になった。目を見開いて、数歩後ずさる。
「チッ……チョーシ狂うな、さすがはナガレだ。なんも変わっちゃいねえ。……そんなことより、ここに来たのはお前らにいい話があってだな」
(さっき『近くに来たから』って言ってなかった~?)
(会話にボロが見えるな。何を隠しているんだ)
小声で話すタネツとヒズマ。それを無視してケンガはニヤリと笑った。
「俺様たちはこれから、キンテツ村に向かう。もうすでに復興が進んでてなぁ。冒険者ギルドもやっと復活したんだ」
「え! キンテツ村⁉︎」
「そうだ……俺様たちの因縁の場所だ。そして我らがドルーシバの本拠地でもある」
適当にはぐらかすナガレ。でも、見た感じでは悪い人間じゃなさそうだ。
「ようリーダー。なんで俺様を仲間に入れたのか言ってやってくれよ。昔のダチだし見栄張りたくてな」
そう自慢ったらしく言うケンガ。自信過剰なところも、それに嫌味を感じないのも、以前と全く同じだった。
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「え!」
これにはナガレも反応した。あの自信家のケンガが特訓を!
「放っておいたら死んでしまいそうなほど、傷だらけだったんだ。その後も何回か見たんだけど、必ずどこかしらが血で汚れていた」
「おうよ。あの時は森でサバイバルしてたからな。小さい森だが獣もいたから食うにゃ困らなかった」
「すごいな……」
サバイバルをしながら特訓とは、まるでブートキャンプだ。それにケンガ一人では、もし何かあっても助けてくれる人はいない。たとえモンスターに襲われても、たまたま誰かが通ったりしなければ助からない……。
「見過ごすこともできなくて、僕たちがスカウトしたんだ。どんなモンスターでも勇敢に向かっていくから、みんな頼りにしてるよ。……正直、Cランクに収まる器じゃない」
「そういうこった。俺様はずっと強くなった」
そう言ってケンガはキッとナガレを睨みつける。
「……もう俺様は『よわむしケンガ』じゃねぇ! もう誰の同情も慰めも受けねえ!」
「ケンガ……」
ナガレの複雑な感情は、言葉にしにくかった。あの頃のお調子者の雰囲気が消えてしまって、なんだか別人になった気分だ。
だが、ナガレは口角を上げてニッと微笑んだ。
「ケンガ。……お前に何があったのかは分からない。だけど……こうして無事に会えて良かったよ。お前まだ冒険者続けてたんだな。ホッとした……」
「ッ! お、お前……!」
するとケンガは突然ギョッとした表情になった。目を見開いて、数歩後ずさる。
「チッ……チョーシ狂うな、さすがはナガレだ。なんも変わっちゃいねえ。……そんなことより、ここに来たのはお前らにいい話があってだな」
(さっき『近くに来たから』って言ってなかった~?)
(会話にボロが見えるな。何を隠しているんだ)
小声で話すタネツとヒズマ。それを無視してケンガはニヤリと笑った。
「俺様たちはこれから、キンテツ村に向かう。もうすでに復興が進んでてなぁ。冒険者ギルドもやっと復活したんだ」
「え! キンテツ村⁉︎」
「そうだ……俺様たちの因縁の場所だ。そして我らがドルーシバの本拠地でもある」
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