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第十六話 進化の道
久しぶりの二人
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「……もっと目立つ格好でくれば良かったですかねー。ビキニみたいなトップスにキラキラのスパンコールつけて……」
「……寒いと思うぞ」
「背中にカラフルな鳥の羽の飾りをつけて、後トサカみたいなカチューシャを……」
(……サンバ?)
ほっとくとドロシーがどんどん妄想を膨らませていくので、流石にジョーがツッコミを入れた。
「……やめておけ。そんなに気になるならあっちに混ざってくれば……」
「ドッロシーッさーんっ!」
ガシィッ!
「うごぉ⁉︎」
……ジョーが言い切る前に、向こうから絡んできた。ドロシーの首根っこを掴んだのは、顔が真っ赤になったアリッサだ!
「飲んでる飲んでるぅ? ほらほらほらぁちょっとこっちで話そぅよぉ~」
「え、いや私の外見的に、お酒を飲むのはちょっとコンプラが……」
「そんなのいーからいーから! あたしとはあんまり話したことないでしょー? ご紹介とばかりにほら一杯~っ!」
「うわーっ!」
ドロシーがジタバタしても、酔って制御が効かないアリッサには敵わない。そのままアルクルとの間に引き摺られていった。
「……よ、良かったのう。ちゃんと認知されてたみたいじゃ」
「マスター……無理して良い感じにまとめなくってもいいんだぜ」
「…………そうかのぉ」
ジト目のルックにそう言われて、レンは黙ってジュースを飲み干した。炭酸は割と苦手な方だが、今日は特別な日。ちょっとだけ美味しく感じる。
ガタッ……。
……と、レンの隣に誰かが座った。
「やぁマスター、飲んでます~?」
「お、ナガレ君⁉︎」
「ナガレお兄ちゃん、こっち来たの……?」
それはお皿とジョッキを持ったナガレ。タネツたちはあんなに出来上がっているのに、未だに顔色ひとつ変えていない。
「おう! ほら、子供にゃこっちの方が良いでしょ? これ、バーテンダーさんから貰ってきたんだ」
そう言ってお皿を机に置いた。いかにも美味そうな匂いのケチャップつきフライドポテトと、さっぱりしたドレッシングをかけたレタスサラダが盛られている。
「ドリンクだけじゃ物足りないでしょ」
そう言ってナガレはターショに顔を近づける。そして小さく口を開いて、ごにょごにょ呟いた。
「へへっ、実は抜け出す機会を狙ってたんだ。お酒ばっか飲んでるから、喉がカラカラよ……なぁジョー、サイダー貰っていいか?」
「え? ……ああ、ほらよ。一度も口つけてないから、これ飲んでいいぞ」
「いやいや、そりゃ悪いさ。これもらうよっ!」
そう言ってナガレは、サイダーの入った大きめのボトルを傾けジョッキに注ぎ、そのままぐいっと飲み干した。甘い感触と爽やかな風味、ほんのりパチパチする炭酸……。
「うん、オレはやっぱりお酒よりジュースのが好きかもな」
「フッ、先輩付き合いも大変だな」
ジョーも目を細めて笑い、初めて手元のサイダー入りジョッキに手をつけた。
それと同時に、レンたち全員がチラリとそちらを見る。
(お? ……マスクを取るのか?)
(素顔が見れそうかのう?)
(どんな口元なんだろう……)
シュバッ!
「……へ?」
「……うまいな」
なんとコンマ数秒の間に、一瞬でマスクを外す→ジュースを飲む→またつけるという凄技をやってのけた! 残像が見えるほどのスピードで、口元どころか飲んだ瞬間すら見えなかった……。
「「「えぇーーーーっ⁉︎」」」
これには三人ともびっくり仰天!
「す、すごっ⁉︎ いまのなんじゃ⁉︎」
「は、早すぎて見えなかった……」
唖然とする一同、気まずそうにするジョー、そしてなんとかしようと頭をフル回転させるナガレ。
「えーと、えーと……」
「「「うぉうぉうぉーーっ!」」」
突然の大音量にビクッとして振り向くと、呑兵衛の五人(拉致されたドロシー含む)が歌い出したところだった。
「おーれたーちゃ西部のいーなかーもの~♪」
「飼い葉をかーえて薪を割りぃ~♪」
「ひっつじーをなーがめーてひと眠りぃ~♪」
「たったひとつの楽しみはぁ~♪」
スラガン地方に伝わる民謡だ。よそ者のナガレやジョーはよく知らないが、この地方に生まれた物なら誰もが歌えるものなんだとか。
「……寒いと思うぞ」
「背中にカラフルな鳥の羽の飾りをつけて、後トサカみたいなカチューシャを……」
(……サンバ?)
ほっとくとドロシーがどんどん妄想を膨らませていくので、流石にジョーがツッコミを入れた。
「……やめておけ。そんなに気になるならあっちに混ざってくれば……」
「ドッロシーッさーんっ!」
ガシィッ!
「うごぉ⁉︎」
……ジョーが言い切る前に、向こうから絡んできた。ドロシーの首根っこを掴んだのは、顔が真っ赤になったアリッサだ!
「飲んでる飲んでるぅ? ほらほらほらぁちょっとこっちで話そぅよぉ~」
「え、いや私の外見的に、お酒を飲むのはちょっとコンプラが……」
「そんなのいーからいーから! あたしとはあんまり話したことないでしょー? ご紹介とばかりにほら一杯~っ!」
「うわーっ!」
ドロシーがジタバタしても、酔って制御が効かないアリッサには敵わない。そのままアルクルとの間に引き摺られていった。
「……よ、良かったのう。ちゃんと認知されてたみたいじゃ」
「マスター……無理して良い感じにまとめなくってもいいんだぜ」
「…………そうかのぉ」
ジト目のルックにそう言われて、レンは黙ってジュースを飲み干した。炭酸は割と苦手な方だが、今日は特別な日。ちょっとだけ美味しく感じる。
ガタッ……。
……と、レンの隣に誰かが座った。
「やぁマスター、飲んでます~?」
「お、ナガレ君⁉︎」
「ナガレお兄ちゃん、こっち来たの……?」
それはお皿とジョッキを持ったナガレ。タネツたちはあんなに出来上がっているのに、未だに顔色ひとつ変えていない。
「おう! ほら、子供にゃこっちの方が良いでしょ? これ、バーテンダーさんから貰ってきたんだ」
そう言ってお皿を机に置いた。いかにも美味そうな匂いのケチャップつきフライドポテトと、さっぱりしたドレッシングをかけたレタスサラダが盛られている。
「ドリンクだけじゃ物足りないでしょ」
そう言ってナガレはターショに顔を近づける。そして小さく口を開いて、ごにょごにょ呟いた。
「へへっ、実は抜け出す機会を狙ってたんだ。お酒ばっか飲んでるから、喉がカラカラよ……なぁジョー、サイダー貰っていいか?」
「え? ……ああ、ほらよ。一度も口つけてないから、これ飲んでいいぞ」
「いやいや、そりゃ悪いさ。これもらうよっ!」
そう言ってナガレは、サイダーの入った大きめのボトルを傾けジョッキに注ぎ、そのままぐいっと飲み干した。甘い感触と爽やかな風味、ほんのりパチパチする炭酸……。
「うん、オレはやっぱりお酒よりジュースのが好きかもな」
「フッ、先輩付き合いも大変だな」
ジョーも目を細めて笑い、初めて手元のサイダー入りジョッキに手をつけた。
それと同時に、レンたち全員がチラリとそちらを見る。
(お? ……マスクを取るのか?)
(素顔が見れそうかのう?)
(どんな口元なんだろう……)
シュバッ!
「……へ?」
「……うまいな」
なんとコンマ数秒の間に、一瞬でマスクを外す→ジュースを飲む→またつけるという凄技をやってのけた! 残像が見えるほどのスピードで、口元どころか飲んだ瞬間すら見えなかった……。
「「「えぇーーーーっ⁉︎」」」
これには三人ともびっくり仰天!
「す、すごっ⁉︎ いまのなんじゃ⁉︎」
「は、早すぎて見えなかった……」
唖然とする一同、気まずそうにするジョー、そしてなんとかしようと頭をフル回転させるナガレ。
「えーと、えーと……」
「「「うぉうぉうぉーーっ!」」」
突然の大音量にビクッとして振り向くと、呑兵衛の五人(拉致されたドロシー含む)が歌い出したところだった。
「おーれたーちゃ西部のいーなかーもの~♪」
「飼い葉をかーえて薪を割りぃ~♪」
「ひっつじーをなーがめーてひと眠りぃ~♪」
「たったひとつの楽しみはぁ~♪」
スラガン地方に伝わる民謡だ。よそ者のナガレやジョーはよく知らないが、この地方に生まれた物なら誰もが歌えるものなんだとか。
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