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第十五話 リトル・ドラゴンスレイヤー
いきなり登場⁉︎ リトルドラゴン
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そこにいたのは、当のリトルドラゴン! 緑のウロコに覆われた体で、体の横からワイバーンのように大きな翼が生えている。鞭のようにしなる長いシッポ、トカゲみたいな頭に、鼻先に鋭い角と口から覗く牙……。大きさ以外は昔話に出てくるドラゴンそのものだ。
しきりに羽を振り回しているところ、下から見上げるナガレと目があった。
「さぁ来いっ! 探す手間が省けたぜ! オレの昇格がかかってるんだ……絶対に負けないぞっ」
ナガレは素早くマルチスタッフを展開して、ジャキンッ! と構えた。長棒の真ん中には、キラキラ輝く黄色の魔法石がはめられている。
「グオォッ! ……グォォンッ!」
リトルドラゴンもナガレを見つけているのか、こちらへ向かってゆらゆらと降下して来る。
バサバサ……バサァッ!
「グ、グォン! グォォォッ……ゴォッ!」
バサバサバサッ……。
「……んっ? なんだ、様子が変だぞ?」
ナガレは「あれ?」と訝しんだ。リトルドラゴンの飛び方にどこか違和感を感じる。初めて見たナガレでも分かるほどに、しきりに羽をばたつかせていた。人間が腕を振り回すように、空中で体を起こして暴れている。
普通の鳥ならあんな飛び方はしない。その姿はまるで、何かを振り払おうとしているようだ……。
その時再びナガレと目があったリトルドラゴン。……すると……。
「グォォォォーーーーッ!」
ゴォォォォッ!
「うわーっ⁉︎」
なんといきなり空中で息を吸い込み、リトルドラゴンの体ほどありそうな火球をいきなり吐き出してきた!
「くそっ、いきなりか! はぁっ!」
バシィッ!
マルチスタッフを振り抜き、火球を叩いて破壊するナガレ。火球はその場で爆発して、ナガレは風圧で押し流される。
「あちちっ! は、話が違う! メチャクチャ怒ってるじゃん⁉︎」
ジョーから聞いた話では、リトルドラゴンは縄張りに入った邪魔者を見た場合、まず咆哮を開けて存在を誇示する。弱い獣ならそれだけで逃げていくが、それでも逃げないものには空中からちょっかいをかけていく。尻尾で軽く打ったり、羽ばたきで風を起こすなど。それでも獲物が引かない場合、やっと本気を出すはずだが……。
「オレを見た最初の攻撃が火球かよ! 何をそんなに怒ってるんだ……⁉︎ ケッ、まぁいいさ! かかってこい!」
声を張り上げて挑発するナガレ。
バトルスタートだ! ……と、思いきや……?
「グォッ! グォン! ……グォォォッ!」
「……はれぇ?」
しかしリトルドラゴンは、まるでナガレに構っていられないとでも言うように、また空中でバタバタし始めた。
しきりに羽を振り回しているところ、下から見上げるナガレと目があった。
「さぁ来いっ! 探す手間が省けたぜ! オレの昇格がかかってるんだ……絶対に負けないぞっ」
ナガレは素早くマルチスタッフを展開して、ジャキンッ! と構えた。長棒の真ん中には、キラキラ輝く黄色の魔法石がはめられている。
「グオォッ! ……グォォンッ!」
リトルドラゴンもナガレを見つけているのか、こちらへ向かってゆらゆらと降下して来る。
バサバサ……バサァッ!
「グ、グォン! グォォォッ……ゴォッ!」
バサバサバサッ……。
「……んっ? なんだ、様子が変だぞ?」
ナガレは「あれ?」と訝しんだ。リトルドラゴンの飛び方にどこか違和感を感じる。初めて見たナガレでも分かるほどに、しきりに羽をばたつかせていた。人間が腕を振り回すように、空中で体を起こして暴れている。
普通の鳥ならあんな飛び方はしない。その姿はまるで、何かを振り払おうとしているようだ……。
その時再びナガレと目があったリトルドラゴン。……すると……。
「グォォォォーーーーッ!」
ゴォォォォッ!
「うわーっ⁉︎」
なんといきなり空中で息を吸い込み、リトルドラゴンの体ほどありそうな火球をいきなり吐き出してきた!
「くそっ、いきなりか! はぁっ!」
バシィッ!
マルチスタッフを振り抜き、火球を叩いて破壊するナガレ。火球はその場で爆発して、ナガレは風圧で押し流される。
「あちちっ! は、話が違う! メチャクチャ怒ってるじゃん⁉︎」
ジョーから聞いた話では、リトルドラゴンは縄張りに入った邪魔者を見た場合、まず咆哮を開けて存在を誇示する。弱い獣ならそれだけで逃げていくが、それでも逃げないものには空中からちょっかいをかけていく。尻尾で軽く打ったり、羽ばたきで風を起こすなど。それでも獲物が引かない場合、やっと本気を出すはずだが……。
「オレを見た最初の攻撃が火球かよ! 何をそんなに怒ってるんだ……⁉︎ ケッ、まぁいいさ! かかってこい!」
声を張り上げて挑発するナガレ。
バトルスタートだ! ……と、思いきや……?
「グォッ! グォン! ……グォォォッ!」
「……はれぇ?」
しかしリトルドラゴンは、まるでナガレに構っていられないとでも言うように、また空中でバタバタし始めた。
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