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第十四話 女王への叛逆

元凶

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「……いえ。プロデューサーが私たちのことを助けてくれてたのは知っています。私たちに色々クエストを回して貰ったり、影でお給料をしっかり足しておいてくれたり……直接的に助けるわけには行かなかったんですよね」
「……ありがとうフローレンスちゃん。その言葉でずいぶん救われたよ」
(……フローレンス。すごいヤツだよ、オメーはさ)
 真摯に応えるフローレンスに、ナガレは内心で称賛を送った。
「よし、話を続ける。……確かにトレメインたちは人気者だった。正直なことを言えば、手放したくはなかった。……だが今回のことでその気持ちが変わったんだ。彼女らはラストハーレムズに危機を招いた。それも、外部の連中とつるんで……そんなことをするような者をいつまでも所属させていたら、チームの士気に関わるからね」
「……そ、そうなんすか」
「そりゃ妥当な判断だ。士気は大切だよな。チームの雰囲気次第じゃ格上にだって勝てるし、雑魚モンスターに負けることもある」
「タネツ、詳しいわね~」
 士気の重要性を説かれたところで、ふとナガレはベアンたちの様子に気がついた。なんだか全員俯いてプルプル体を震わせている。

「よ……よ……よ…………」

「「「よっしゃ~~~~っ!」」」
「うお!」
 突然ベアンたち三人は、飛び上がって大きくバンザイ! 喜びのまま大声で歓声をあげた!
「いやった~~っ! ざまーみろ!」
「これで討伐組のみんなも喜ぶッス。私たちが一生懸命倒したモンスターを、アイツらの手柄にしなくてすむッス!」
「ほんま天国やで! これでトレメインの手駒になっとった一軍のみんなも解放されるわ!」
「「「イェ~イ!」」」
 そのままお互いにハイタッチ。……結構不謹慎な気もするが、今まで冷遇されて来た彼女たちにとって、トレメインの破滅は何よりもの甘いミツなのだろう。
「……あれ、フローレンス? あんまり喜んでなさそうだけど」
 ポカンとしているバッファローの冒険者たち。ナガレの問いにフローレンスはニコッと笑った。
「いえいえ。とても嬉しいですよ。ただ、さすがにここで喜ぶのは人間として何というか、よくないと思いまして」
「さすがフローレンス。強い心を持ってるね」
「ええ。後残念なのは、あのクソ連中が破滅する瞬間をこの目で見られなかったことです。……もっと描写をはっきりしてほしかったですね」
(……聞かなきゃよかった)
 前言撤回。フローレンスもやっぱり大喜びだった。まぁ最も喜ぶべきなのは彼女なのだから、それも良しとするか。
(……なぁヒズマ。俺たちもこんなに恨まれないように、いい先輩になろうな)
(そ、そうねタネツ~。……いつのまにか恨まれて陰口叩かれたり不幸を喜ばれたりしたら、すんごく心に刺さると思うわ~)
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