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第十四話 女王への叛逆
帰還
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そうして特に怪しまれず、二つ返事でタイガスへ入れたナガレたち。そのまま馬車は大きな橋の向こう、タイガスギルドへ向かっていく。
「サニー、一応これを使って。顔を隠すんだ、誰かがオレたちのことを知っていてもおかしくない」
ナガレは緑のスカーフを手渡した。
「ありがとうございます。……血の匂いと汗の匂いがキツイですね」
「うっせー! オメーの鼻がビンカンなだけだよ!」
「はいはい、ありがたくお借りしますよ」
サニーは長いスカーフをターバンのように巻き口を覆った。
「いいか、みんな。ギルドに入ったら、逆に堂々としていろ。自分たちを英雄だと思って、胸を張って自慢げにクイーンスライムのことを言うんだ。その……なんだっけ、さっき言ってた鎧の奴は言わなくていい。説明は後でも大丈夫……さぁ行くぞ!」
ベアンの一声と同時に馬車が到着する。……ナガレたちは一斉にどやどやと飛び出した!
「あ⁉︎」
「おい、アイツら……」
「さっき職員さんが言ってたわ」
「ラストハーレムズの……? でも『もう助からない』って……」
ギルドの冒険者の視線が一斉に集まっているが、無視。ひたすら突き進むのみ!
「どかんかい! クイーンスライムをぶっ倒したヒーロー一同の登場やでぇ!」
「タイガスのみなさんご安心を! 危険度S級のモンスターは、私らがコテンパンにやっつけて来たッス!」
ジーカとバードが大音量で叫び、冒険者たちへ道を開けさせる。その後ろにナガレたちバッファロー組が続いた。
「あ! ラストハーレムズのみなさん! ああ、よくぞご無事で! ……あれ、後ろの方々は?」
クエストの受付係はベアンたちを見てパァッと表情を輝かせたが、後ろのナガレたちを見て首を傾げた。
「ああ、この人たちがあーしらを助けてくれたんだ。見ろよコレ、クイーンスライムもバッチシぶっ倒してやったぜ!」
ベアンがニヤリと笑う。それと同時にタネツが進み出て、クイーンスライムのコアを取り出した。
「見ろよ、おまけに妙ちきりんな個体だったぞ。クイーンスライムってのは金の体のはずだ。しかしコイツはどうだい、プチラナを出しやがる!」
(……プラチナです。言い間違えてますよ)
(しー! 今は周囲を警戒してよう!)
その影でナガレとサニーはコソコソ話し合う。
職員たちは真っ二つのコアを受け取ると、わらわらと周囲の関係者を集めて会議し始めた。
「プラチナ……? クイーンスライムは金を出すはず……」
「でもこの特徴、確かにクイーンスライムのコアと一致するぞ。まぁ、ギルド保管の資料書で読んだだけで、実際に見たことはないんだけど……」
「どうする? ウソじゃなさそうだけど……」
「まぁ、討伐で良いんじゃないか……?」
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