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第8話
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「ごめんね。この通り常識のない人だから」
「あ、いえ、そんな……」
「それよりきみ、よくさっきの薬を飲んだね」
「えっ?」
「普通はこんな怪しいもの口にしないだろう? おかしいとは思わなかった?」
すると少年は、ちょっと視線を落としてこう言った。
「思いましたけど、この際、騙されてもいいやと思って……」
「どうして?」
「スーパー混んでて遅くなっちゃったし、卵も割れちゃったし……どうせ怒られるんだから、薬を飲んでも同じかなって」
「怒られるって、お母さんに?」
「いえ、父です。母はいないので……」
何かワケありの様子だった。珍しく、夢野博士も同じ感想を抱いたようだった。
ちょっと気になったので、直人と博士は少年を家まで送っていくことにした。
***
純と名乗った少年は、家までの道すがら、夢野博士と楽しそうに会話していた。博士が童心の塊だからか、年齢は全然違うのに(多分20歳くらいは違うはず)、意外にも話が盛り上がっていた。
(それにしても、博士と話が合う人がいるなんてなあ……)
直人なんか15年も一緒にいるけど、未だに8割近く言っていることがわからない。どうせ理解できないから普段は「はいはい」と軽く聞き流しているのだが、ああやって二人で盛り上がられると自分だけ置いてけぼりになったみたいでちょっと寂しくなる。
「あ、いえ、そんな……」
「それよりきみ、よくさっきの薬を飲んだね」
「えっ?」
「普通はこんな怪しいもの口にしないだろう? おかしいとは思わなかった?」
すると少年は、ちょっと視線を落としてこう言った。
「思いましたけど、この際、騙されてもいいやと思って……」
「どうして?」
「スーパー混んでて遅くなっちゃったし、卵も割れちゃったし……どうせ怒られるんだから、薬を飲んでも同じかなって」
「怒られるって、お母さんに?」
「いえ、父です。母はいないので……」
何かワケありの様子だった。珍しく、夢野博士も同じ感想を抱いたようだった。
ちょっと気になったので、直人と博士は少年を家まで送っていくことにした。
***
純と名乗った少年は、家までの道すがら、夢野博士と楽しそうに会話していた。博士が童心の塊だからか、年齢は全然違うのに(多分20歳くらいは違うはず)、意外にも話が盛り上がっていた。
(それにしても、博士と話が合う人がいるなんてなあ……)
直人なんか15年も一緒にいるけど、未だに8割近く言っていることがわからない。どうせ理解できないから普段は「はいはい」と軽く聞き流しているのだが、ああやって二人で盛り上がられると自分だけ置いてけぼりになったみたいでちょっと寂しくなる。
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