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第28章~魔剣士の台頭~
第32話
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「ただ、ひとつだけ覚えておいてね。私の中の優先順位は、一にお前、二に私で、友人・知人はずーっと下なんだ。家族最優先だから、時には友人を見捨てることもある。例えば『アクセルの側を離れないとジークが死ぬ』みたいな条件になった時は、私は躊躇いなくジークを見捨てるよ」
「…………」
「お前はそれを『冷たい』というかもしれない。でも冷酷になることでお前を守れるなら、私はそれでいいと思ってるんだ。だからこれからも私の優先順位は変わらないし、冷酷な振る舞いをすることもあると思う。それだけは、頭の片隅に置いておくんだよ」
「は、はい……」
アクセルは言われるままに頷いた。
――でも、そうだよな……。家族が大事っていうのは、俺も同じだし……。
もし兄・フレインと友人、どちらか一方しか助けられないという状況に陥ったら、自分も兄を選んでしまうと思う。罪悪感は覚えながらも、きっと兄の方を優先してしまう。
今回は選ぶ余地があったから喧嘩になってしまったけれど、究極の選択を迫られる場面になったら、きっとアクセルは兄と同じ道を選択するだろう。
そういう意味では、自分に兄を批判する資格はないのかもしれない……。
「さ、帰るよ。迷子にならないように、しっかりついておいで」
「わ、わかってるよ……」
兄のマントの端っこを掴み、引っ張られるように兄の後ろをついていく。
別にそんなことしなくても迷うことはないのだが、今は何となく兄と繋がっていたい気分だったのだ。
「…………」
「お前はそれを『冷たい』というかもしれない。でも冷酷になることでお前を守れるなら、私はそれでいいと思ってるんだ。だからこれからも私の優先順位は変わらないし、冷酷な振る舞いをすることもあると思う。それだけは、頭の片隅に置いておくんだよ」
「は、はい……」
アクセルは言われるままに頷いた。
――でも、そうだよな……。家族が大事っていうのは、俺も同じだし……。
もし兄・フレインと友人、どちらか一方しか助けられないという状況に陥ったら、自分も兄を選んでしまうと思う。罪悪感は覚えながらも、きっと兄の方を優先してしまう。
今回は選ぶ余地があったから喧嘩になってしまったけれど、究極の選択を迫られる場面になったら、きっとアクセルは兄と同じ道を選択するだろう。
そういう意味では、自分に兄を批判する資格はないのかもしれない……。
「さ、帰るよ。迷子にならないように、しっかりついておいで」
「わ、わかってるよ……」
兄のマントの端っこを掴み、引っ張られるように兄の後ろをついていく。
別にそんなことしなくても迷うことはないのだが、今は何となく兄と繋がっていたい気分だったのだ。
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