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第26章~狩りの引率~

第25話(フレイン視点)

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「ああいう感じの山だったら、上位ランカーの引率なんていらねぇと思ったんだよ! 第一、お前らだって最初はアクセルさんのこと舐めてたじゃねぇか! 『さん』付けもしてなかったしよ!」
「あいつが上位ランカーだって知らなかったんだから、仕方ねぇだろ! 名乗られてからは一応従ってたよ!」

 ごちゃごちゃ言い訳を続ける三人に、いい加減イライラしてきた。

 フレインは愛刀を一振りし、三人の肩をまとめて斬りつけた。

「ぐあっ……!」

 男の潰れたような声と共に、泉に赤い血が溶け出していく。

 それを見てあえてにこりと微笑み、痛みに悶えている彼らを見下ろした。

「ごめん、順番を設けるべきだった。そんな風に話されたら、こっちも何がなんだかわからないや」
「っ……」
「じゃあまずは黒髪のきみから。きみはさっきの実行犯? を止めてたみたいだからね。詳しく話を聞かせてもらおうか」
「は、はひ……」

 黒髪に赤いメッシュが入った男は、ブラッドと名乗った。

 それによると、アクセルが山に連れて行ってくれた途端、ドムとかいう髭面の新人が勝手に一人行動を始め、狩りの得意な別の新人と共にどこかに行ってしまったのだそうだ。

 自分たちは周辺なら探索していいと言われたが、念のために緊急呼び出し用の鈴を持たされたという。

 ――ああ、あの子自分の鈴を分けてあげてたのか……。

 如何にも弟らしくてちょっとホッコリしてしまう。トラブルに見舞われても新人のことをちゃんと考えられるなんて、本当に優しい子だ。

 まあ、その優しさが仇になることも多いのだが……。
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