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第26章~狩りの引率~

第4話

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「タアアァァッ!」

 熊が後ろ足だけで立ち上がり、丸太のように太い腕を振り回してくる。

 それなりに動きも俊敏だったが、十分目視できる速度だ。避けるのも容易い。

「ハアッ!」

 まずは右の前足を切り落とした。続けざま、熊がよろけた隙を狙って左の前足も切り落とした。

「グオオォォ……!」

 熊が雄叫びを上げた。地響きのような振動が伝わってきたが、アクセルは怯むことなく巨体の中心を小太刀で一突きした。あばら骨を貫通し、心臓を貫いたような手応えを感じた。

「グァァ……」

 巨体を蹴り飛ばして小太刀を引き抜く。それと同時に、熊の身体が地面にどう……とくずおれた。

 しばらくは細かく痙攣していたが、やがてピクリとも動かなくなった。念のために息を確認してみたが、ちゃんと倒せていたので安心した。

「……やれやれ」

 ふう、と額の汗を拭い、小太刀を収める。そして急いでピピに駆け寄った。

 ピピは木の根元に寝そべり、おとなしく熊との決闘を見守っていた。

「ピピ、大丈夫か? 怪我してないか?」
「ぴ……」

 むくりと起き上がってくるピピ。

 一見平気そうに見えたが、お尻の方に爪で引っ掻かれたような傷があり、じわじわと赤い血が滲み出していた。

「って、思いっきり怪我してるじゃないか! 早く泉に行かないと……!」
「ぴぇ……」
「歩けるか?」
「ぴー……」
「よし、じゃあすぐに泉に向かおう。変なことに巻き込んじゃってごめんな」

 アクセルは急いでピピを誘導し、山を離れて泉に直行した。
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