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第23章~間幕・透ノ国へ~

第41話

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「そうだったんですか……」

 それはありがたい話だ。

 あのヴァルキリーたちが延長を承諾したのは不可解だが、ケイジと戦えるのは事実。今の自分の力を、思いっきりぶつけることができそうだ。

 アクセルは丁寧に礼を言った。

「ありがとうございます、ケイジ様。戦う機会を残しておいてくださって、本当に嬉しいです。決勝で戦えるのを楽しみにしています」
「うむ、私も楽しみにしているぞ。何があったかは知らぬが、今の弟君ならいい死合いができそうだ」

 そう言ってもらえると、すごく励みになる。

 アクセルは兄と家に帰り、夕飯までの間庭で軽く身体を動かすことにした。

 まずは準備体操がてら、筋肉を解すストレッチを行う。ピピも小屋から出てきて、その様子を見ていてくれた。

「うーん……身体の柔らかさはさほど変わってない気がするが……」
「ぴ……?」
「まあ、変わったのは中身だからな。素振りをすればきっと違いがわかるだろ」

 そう思い、軽く走り込みをした後、素振りを行った。

 太刀筋矯正のために使っている柱の間に何度も小太刀を振り下ろしたところ、一度も引っ掛かることはなかった。

 ――以前はほとんど感覚で振り下ろしてたんだけどな。今は自分の太刀筋が見える……。

 動体視力が上がっているのだろうか。それなら、ケイジの動きも目視できるようになるかもしれない。

 嬉しくなり、アクセルは夢中で鍛錬に打ち込んだ。走り込みもみっちり行ったし、腹筋・背筋・腕立て伏せ、スクワットもしっかり行い、全身の筋肉に負荷をかけた。
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