2,221 / 2,730
第21章~トーナメント・第四死合い~
第40話
しおりを挟む
「止めるなよアクセル! お前だって悔しいだろ!? オレ達の命懸けの死合いをこんな風に馬鹿にされて!」
「そりゃあ悔しいよ! 悔しいけど! こんなところで暴れても俺たちの不利になるだけだろ!」
「何で不利になるんだよ! オレ達、何も悪いことしてねぇだろうが!」
アロイスの言うことももっともである。
後ろ暗いことは何もしていない――というか、おかしいことを指摘しに来ただけなのに、それが自分たちの不利に繋がるのはどう考えても理不尽だ。
向こうが同じ戦士だったら、当たり前のように叩きのめして自分たちの意見を通していたように思う。
ただ、今回の相手はヴァルキリーだ。管理に問題があるとはいえ、気安く喧嘩を売っていい相手ではない。逆ギレされた挙句、何かしらのペナルティーが科せられる可能性は否定できない。
腹立たしい気持ちはよ~くわかるが、頼むから受付で暴れないでくれ。できれば話し合いだけで穏便に済ませたいんだ……!
「あら、どうかなさいましたか?」
その時、受付に一人のヴァルキリーがやってきた。女性にしてはすらっと背が高く、身体の線が出るスマートな鎧を身に纏っている。遠征帰りなのか、鎧がところどころ血に汚れていた。
手にはヴァルキリー共通の得意武器・長槍を装備しており、そちらにはあからさまな汚れが付着している。
「シグルーンお姉さま……!」
受付をしていた三人のヴァルキリーが、一斉に彼女――シグルーンとやらに駆け寄った。
「そりゃあ悔しいよ! 悔しいけど! こんなところで暴れても俺たちの不利になるだけだろ!」
「何で不利になるんだよ! オレ達、何も悪いことしてねぇだろうが!」
アロイスの言うことももっともである。
後ろ暗いことは何もしていない――というか、おかしいことを指摘しに来ただけなのに、それが自分たちの不利に繋がるのはどう考えても理不尽だ。
向こうが同じ戦士だったら、当たり前のように叩きのめして自分たちの意見を通していたように思う。
ただ、今回の相手はヴァルキリーだ。管理に問題があるとはいえ、気安く喧嘩を売っていい相手ではない。逆ギレされた挙句、何かしらのペナルティーが科せられる可能性は否定できない。
腹立たしい気持ちはよ~くわかるが、頼むから受付で暴れないでくれ。できれば話し合いだけで穏便に済ませたいんだ……!
「あら、どうかなさいましたか?」
その時、受付に一人のヴァルキリーがやってきた。女性にしてはすらっと背が高く、身体の線が出るスマートな鎧を身に纏っている。遠征帰りなのか、鎧がところどころ血に汚れていた。
手にはヴァルキリー共通の得意武器・長槍を装備しており、そちらにはあからさまな汚れが付着している。
「シグルーンお姉さま……!」
受付をしていた三人のヴァルキリーが、一斉に彼女――シグルーンとやらに駆け寄った。
10
お気に入りに追加
840
あなたにおすすめの小説
病気になって芸能界から消えたアイドル。退院し、復学先の高校には昔の仕事仲間が居たけれど、彼女は俺だと気付かない
月島日向
ライト文芸
俺、日生遼、本名、竹中祐は2年前に病に倒れた。
人気絶頂だった『Cherry’s』のリーダーをやめた。
2年間の闘病生活に一区切りし、久しぶりに高校に通うことになった。けど、誰も俺の事を元アイドルだとは思わない。薬で細くなった手足。そんな細身の体にアンバランスなムーンフェイス(薬の副作用で顔だけが大きくなる事)
。
誰も俺に気付いてはくれない。そう。
2年間、連絡をくれ続け、俺が無視してきた彼女さえも。
もう、全部どうでもよく感じた。
腐男子(攻め)主人公の息子に転生した様なので夢の推しカプをサポートしたいと思います
たむたむみったむ
BL
前世腐男子だった記憶を持つライル(5歳)前世でハマっていた漫画の(攻め)主人公の息子に転生したのをいい事に、自分の推しカプ (攻め)主人公レイナード×悪役令息リュシアンを実現させるべく奔走する毎日。リュシアンの美しさに自分を見失ない(受け)主人公リヒトの優しさに胸を痛めながらもポンコツライルの脳筋レイナード誘導作戦は成功するのだろうか?
そしてライルの知らないところでばかり起こる熱い展開を、いつか目にする事が……できればいいな。
ほのぼのまったり進行です。
他サイトにも投稿しておりますが、こちら改めて書き直した物になります。
推しの完璧超人お兄様になっちゃった
紫 もくれん
BL
『君の心臓にたどりつけたら』というゲーム。体が弱くて一生の大半をベットの上で過ごした僕が命を賭けてやり込んだゲーム。
そのクラウス・フォン・シルヴェスターという推しの大好きな完璧超人兄貴に成り代わってしまった。
ずっと好きで好きでたまらなかった推し。その推しに好かれるためならなんだってできるよ。
そんなBLゲーム世界で生きる僕のお話。
嫌われ者の長男
りんか
BL
学校ではいじめられ、家でも誰からも愛してもらえない少年 岬。彼の家族は弟達だけ母親は幼い時に他界。一つずつ離れた五人の弟がいる。だけど弟達は岬には無関心で岬もそれはわかってるけど弟達の役に立つために頑張ってるそんな時とある事件が起きて.....
愛され末っ子
西条ネア
BL
本サイトでの感想欄は感想のみでお願いします。全ての感想に返答します。
リクエストはTwitter(@NeaSaijou)にて受付中です。また、小説のストーリーに関するアンケートもTwitterにて行います。
(お知らせは本編で行います。)
********
上園琉架(うえぞの るか)四男 理斗の双子の弟 虚弱 前髪は後々左に流し始めます。髪の毛の色はご想像にお任せします。深い赤みたいなのアースアイ 後々髪の毛を肩口くらいまで伸ばしてゆるく結びます。アレルギー多め。その他の設定は各話で出てきます!
上園理斗(うえぞの りと)三男 琉架の双子の兄 琉架が心配 琉架第一&大好き 前髪は後々右に流します。髪の毛の色はご想像にお任せします。深い緑みたいなアースアイ 髪型はずっと短いままです。 琉架の元気もお母さんのお腹の中で取っちゃった、、、
上園静矢 (うえぞの せいや)長男 普通にサラッとイケメン。なんでもできちゃうマン。でも弟(特に琉架)絡むと残念。弟達溺愛。深い青色の瞳。髪の毛の色はご想像にお任せします。
上園竜葵(うえぞの りゅうき)次男 ツンデレみたいな、考えと行動が一致しないマン。でも弟達大好きで奮闘して玉砕する。弟達傷つけられたら、、、 深い青色の瞳。兄貴(静矢)と一個差 ケンカ強い でも勉強できる。料理は壊滅的
上園理玖斗(うえぞの りくと)父 息子達大好き 藍羅(あいら・妻)も愛してる 家族傷つけるやつ許さんマジ 琉架の身体が弱すぎて心配 深い緑の瞳。普通にイケメン
上園藍羅(うえぞの あいら) 母 子供達、夫大好き 母は強し、の具現化版 美人さん 息子達(特に琉架)傷つけるやつ許さんマジ。
てか普通に上園家の皆さんは顔面偏差値馬鹿高いです。
(特に琉架)の部分は家族の中で順列ができているわけではなく、特に琉架になる場面が多いという意味です。
琉架の従者
遼(はる)琉架の10歳上
理斗の従者
蘭(らん)理斗の10歳上
その他の従者は後々出します。
虚弱体質な末っ子・琉架が家族からの寵愛、溺愛を受ける物語です。
前半、BL要素少なめです。
この作品は作者の前作と違い毎日更新(予定)です。
できないな、と悟ったらこの文は消します。
※琉架はある一定の時期から体の成長(精神も若干)がなくなる設定です。詳しくはその時に補足します。
皆様にとって最高の作品になりますように。
※作者の近況状況欄は要チェックです!
西条ネア
社畜だけど異世界では推し騎士の伴侶になってます⁈
めがねあざらし
BL
気がつくと、そこはゲーム『クレセント・ナイツ』の世界だった。
しかも俺は、推しキャラ・レイ=エヴァンスの“伴侶”になっていて……⁈
記憶喪失の俺に課されたのは、彼と共に“世界を救う鍵”として戦う使命。
しかし、レイとの誓いに隠された真実や、迫りくる敵の陰謀が俺たちを追い詰める――。
異世界で見つけた愛〜推し騎士との奇跡の絆!
推しとの距離が近すぎる、命懸けの異世界ラブファンタジー、ここに開幕!
美少年に転生したらヤンデレ婚約者が出来ました
SEKISUI
BL
ブラック企業に勤めていたOLが寝てそのまま永眠したら美少年に転生していた
見た目は勝ち組
中身は社畜
斜めな思考の持ち主
なのでもう働くのは嫌なので怠惰に生きようと思う
そんな主人公はやばい公爵令息に目を付けられて翻弄される
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる