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第21章~トーナメント・第四死合い~

第33話(フレイン視点)

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 もちろん、弟がこちらに来るずっと前の話だが。

 当時は治安もよろしくなくて、見栄えがいい男や少年みたいな男がガラの悪い集団に路地裏に連れ込まれたものだった。昼だろうが夜だろうが関係なかった。

 今は比較的安全だからだいぶ過ごしやすくなったけれど、新人戦士の中にはヴァルハラの掟を知らず、学もモラルもないようなしょうもないヤツも少なくない。

 いちいち斬り捨てるのも面倒だし、それなら人の少ない夜に出歩こう……となるのはごく自然なことだ。

「それにしても最近、やたらとイベント多いよねー。なんか変な感じー」

 と、ミューが言う。

「ヴァルキリー達もネタ切れなのかなー。ヴァルハラの管理に困ってる雰囲気が薄っすら伝わってくるよー」
「……彼女たちが真面目に管理しているとは言い難いけどね。でも確かに、イベント増やしてごまかしている感は否めないかな。トーナメントの前は団体戦だったし、それと並行していつもの死合いもやってるし」
「んー、管理に困ってるなら中途半端に管理しようとせずに、完全放置でいいのにねー。後は僕たちで上手くやるしさー」
「それが嫌なんだろう。ヴァルキリーは私たちを常に見下してるからね。自分より下だと思っている生き物に、ヴァルハラを譲り渡すのが気に入らないんだよ」
「ふーん? よくわかんないや。僕がヴァルキリーなら、面倒なことを丸投げできてラッキーって思っちゃうけどなー」

 フレインは苦笑した。ヴァルキリーが全員ミューのように自由奔放だったら、こちらももう少し気楽に過ごせるのだが。
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