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第19章~トーナメント・第二死合い~
第49話
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「というか、アクセルさんが優勝を目指しているなら僕は不戦敗でも構いませんよ? トーナメントで敗退したからって、普段のランクが下がるわけではないですからね」
「いや……。それ、初戦のショーンさんにも同じようなこと言われたけど、そうやって勝ちを譲られるのはちょっと違うと思うんだ。そんな方法で優勝しても意味がないし……やるなら、ちゃんと戦って勝ち上がりたいんだよ」
「あら、そうですか。アクセルさんがそう言うなら、正々堂々戦いましょうね」
にこりと微笑んでくるコニー。
やや顔を引き攣らせながら、アクセルはそそくさとその場を立ち去った。そして急いで家に戻った。
――どうしよう……まるで勝てる気がしないんだが……。
勝ちを譲ってもらうわけにはいかないものの、だからといって今の状態のまま戦って勝てるとは思えない。やはりもっと回避率を上げるとか、狂戦士モードの継続時間を伸ばすとか、そういう訓練が必要だと思われる。
「はぁ……」
やっぱりあの洞窟に行かないといけないのかなぁ……あそこ苦手だし、丸一日潰れちゃうからなるべく行きたくないんだよなぁ……。
「おや、どうしたんだい? そんな落ち込んだ顔して」
帰ったら兄に心配された。
簡単に経緯を説明したところ、今度は呆れた顔をされた。
「お前、対戦相手の偵察行く度に落ち込んでない? 相変わらず変なところで自信がないねぇ」
「でもコニーの弓は本当にすごかったんだよ。特に早撃ちが凄まじい精度で……。ランゴバルト様が回避の練習にしているくらいだから、どんな感じか何となくわかるだろ?」
「いや……。それ、初戦のショーンさんにも同じようなこと言われたけど、そうやって勝ちを譲られるのはちょっと違うと思うんだ。そんな方法で優勝しても意味がないし……やるなら、ちゃんと戦って勝ち上がりたいんだよ」
「あら、そうですか。アクセルさんがそう言うなら、正々堂々戦いましょうね」
にこりと微笑んでくるコニー。
やや顔を引き攣らせながら、アクセルはそそくさとその場を立ち去った。そして急いで家に戻った。
――どうしよう……まるで勝てる気がしないんだが……。
勝ちを譲ってもらうわけにはいかないものの、だからといって今の状態のまま戦って勝てるとは思えない。やはりもっと回避率を上げるとか、狂戦士モードの継続時間を伸ばすとか、そういう訓練が必要だと思われる。
「はぁ……」
やっぱりあの洞窟に行かないといけないのかなぁ……あそこ苦手だし、丸一日潰れちゃうからなるべく行きたくないんだよなぁ……。
「おや、どうしたんだい? そんな落ち込んだ顔して」
帰ったら兄に心配された。
簡単に経緯を説明したところ、今度は呆れた顔をされた。
「お前、対戦相手の偵察行く度に落ち込んでない? 相変わらず変なところで自信がないねぇ」
「でもコニーの弓は本当にすごかったんだよ。特に早撃ちが凄まじい精度で……。ランゴバルト様が回避の練習にしているくらいだから、どんな感じか何となくわかるだろ?」
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