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第19章~トーナメント・第二死合い~

第46話

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 ――と、とりあえず洞窟踏破は最終手段にとっておこう。

 今日のところはいつも通りのトレーニングをすることにして、アクセルは庭でストレッチや素振り、筋トレを行った。

 翌日も同じようなメニューをこなそうとしたのだが、お昼頃になってどうしてもコニーの様子が気になってきてしまい、偵察がてら鍛錬場に行ってみた。

 弓矢の鍛錬をしているかなと思ったが、鍛錬場にコニーの姿はなかった。

「コニー? ここしばらく見てないぞ。自宅で弓の練習してるんじゃないか?」

 鍛錬場の男がそう教えてくれる。

「あいつ、ランゴバルト様に特別扱いされてるだろ? だからここにいなければ、ランゴバルト様の自宅の鍛錬場を使わせてもらってるんだよ。まああっちの方が広いし、飛び道具の練習には向いてるんじゃねぇかな」

 なるほど、そういうことか。自宅で鍛錬できるなら、そちらの方がいいに決まっている。

 教わった通り、今度はランゴバルトの屋敷に向かった。ランゴバルトは庭に大きな闘技場を持っているので、遠くからでも場所がわかりやすい。

 正面から訪ねるのはちょっと勇気が必要だったので、庭外から様子を窺ってみた。何かしら鍛錬している音が聞こえていたので、ちょうどいいと思ったのだ。

「……って、え?」

 だが、その光景を目にしたら度肝を抜かされた。

 ――ちょ、え……? 何だコレ……?

 開けた闘技場に、矢の雨が降り注いでいる。上からだけではなく横からも、無数の矢が飛び交っていた。

 しかも矢を放っているのはコニーただ一人。複数人で乱れ撃ちしているのではなく、たった一人で間髪入れず早撃ちしていた。
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