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第17章~トーナメントに向けて~
第28話
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そう言ったら、兄はきょとんとした顔になった。……何か変なことを言っただろうか。
「あの道って? お前、一体どこを通っていたの?」
「どこって……麓の修行場から続く道だよ。その道がとんでもない岩山になってて、鎖も取っ手もなしでフリークライミングする羽目になったんだ」
「ええ? 何それ? そんな険しい道あったかな……」
「あったんだよ。きっとケイジ様が途中の道に細工して、岩山をたくさん作ったんだろう」
すると兄は、ますます怪訝な顔をして首をかしげた。そしてこんなことを言い出した。
「お前、それ道間違えてない?」
「……え?」
「ケイジは確かに修行バカだけど、道中まで険しい道のりにしたなんて聞いたことないよ。というか私も何度か山奥の修行場に行ったことあるけど、そんな岩山を越えた記憶はございません」
「えええ?」
思わずレモン水をこぼしそうになった。
道を間違えたとはどういうことだ? 山奥の修行場に続く道は、あれ一本だけしかなかったはずなのだが。
「おかしいな……一体どこで間違えたんだろう。道なんて間違えようがないはずなのに、どうして……」
そうやって首を捻っていると、兄は呆れたように腰に手を当てた。
「ホント、お前一人で行動すると何かしらやらかしてくるよね。今回は怪我なく帰ってこられたけど、もしその岩山? から転落してたらタダじゃ済まなかったよ」
「う……すまない……。俺も間違えるつもりはなかったんだが……」
「あの道って? お前、一体どこを通っていたの?」
「どこって……麓の修行場から続く道だよ。その道がとんでもない岩山になってて、鎖も取っ手もなしでフリークライミングする羽目になったんだ」
「ええ? 何それ? そんな険しい道あったかな……」
「あったんだよ。きっとケイジ様が途中の道に細工して、岩山をたくさん作ったんだろう」
すると兄は、ますます怪訝な顔をして首をかしげた。そしてこんなことを言い出した。
「お前、それ道間違えてない?」
「……え?」
「ケイジは確かに修行バカだけど、道中まで険しい道のりにしたなんて聞いたことないよ。というか私も何度か山奥の修行場に行ったことあるけど、そんな岩山を越えた記憶はございません」
「えええ?」
思わずレモン水をこぼしそうになった。
道を間違えたとはどういうことだ? 山奥の修行場に続く道は、あれ一本だけしかなかったはずなのだが。
「おかしいな……一体どこで間違えたんだろう。道なんて間違えようがないはずなのに、どうして……」
そうやって首を捻っていると、兄は呆れたように腰に手を当てた。
「ホント、お前一人で行動すると何かしらやらかしてくるよね。今回は怪我なく帰ってこられたけど、もしその岩山? から転落してたらタダじゃ済まなかったよ」
「う……すまない……。俺も間違えるつもりはなかったんだが……」
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