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第17章~トーナメントに向けて~

第18話

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「……ん?」

 視界の端に修行場らしきものが映って、アクセルはおや、と目を凝らした。木々の間に隠れてハッキリとはわからなかったが、修行用の丸太や大岩、水辺などがあるのが見えた。

 ――もしかして、あれか……?

 目を凝らさないと見えないレベルだが、視界に映るくらいだからここからそう遠くないのではないだろうか。

 水分は残り少ないけれど、どうせここまで来たのなら最低限辿り着くところまでは行きたい。

「……よし」

 アクセルは軽くなった鞄を再び担ぎ、また一歩先へと踏み出した。

 目的地が見えてきたせいか心なし気持ちが上向きになり、ついでに足取りも軽くなって思った以上にサクサク踏破することができた。

 休憩していた場所から続けざまに二つの岩を越え、足を滑らさないように慎重に最後の岩を下りていった先に、目的の場所はあった。

 ――や、やった……どうにか辿り着いた……!

 かなり苦労したが、何とか修行場に到着した。さすがに今からガッツリ修行するのは無理だけど、どんな設備があるのかは見て帰ることができる。

 次回、ここに来た時のためにも修行場はしっかりチェックして帰らなくては……。

「む? 貴殿は確か、フレイン殿の弟の……」
「……えっ?」

 声がした方に顔を向けると、修験者のような見た目をした大男がこちらに視線を送っていた。普段はあまり絡みがないけれど、朝早くの市場で蒸かしたての饅頭を売っていたのを覚えている。
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