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第15章~些細なすれ違い~
第75話
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「というか、私がそんな小さなことでいちいち嫉妬するような男に見えるのかい? お友達と食事するなんて当たり前のことだし、私に何も言わずに出掛けたって別に怒ったりしないよ。いい大人なんだから、余程変なところに行かない限りは自由にしていいと思う」
「それは……」
「それとも、そうやって一生懸命言い訳するってことは、やっぱりやましい気持ちがあったってこと? 私に『浮気だ』とみなされるくらい、怪しいことをしてたってこと?」
「ち、違う! それは絶対にない!」
強い口調で否定する。
浮気するなんてまずあり得ないし、そもそも自分は兄以外の人は眼中にない。やましい気持ちなど抱く余地はないし、今後も誰かに気持ちが移ることはあり得ないだろう。
――むしろ俺の方が、兄上に愛想を尽かされないか心配しなきゃいけないくらいなのに……。
すると兄はにこりと微笑み、こう言ってきた。
「だったらいいじゃない。お前は浮気してないし、私も気にしていない。これ以上言うことはないでしょ。……まあ、どうしても不安だっていうならあえてお仕置きしてあげてもいいけど」
「えっ!? い、いや、それは……」
「ふふ、希望するなら夜までに考えておいてね。……で、結局夕飯はどうするの? さっきスープ食べてたし、軽めにする?」
「あ、ああ……そうだな……」
「それは……」
「それとも、そうやって一生懸命言い訳するってことは、やっぱりやましい気持ちがあったってこと? 私に『浮気だ』とみなされるくらい、怪しいことをしてたってこと?」
「ち、違う! それは絶対にない!」
強い口調で否定する。
浮気するなんてまずあり得ないし、そもそも自分は兄以外の人は眼中にない。やましい気持ちなど抱く余地はないし、今後も誰かに気持ちが移ることはあり得ないだろう。
――むしろ俺の方が、兄上に愛想を尽かされないか心配しなきゃいけないくらいなのに……。
すると兄はにこりと微笑み、こう言ってきた。
「だったらいいじゃない。お前は浮気してないし、私も気にしていない。これ以上言うことはないでしょ。……まあ、どうしても不安だっていうならあえてお仕置きしてあげてもいいけど」
「えっ!? い、いや、それは……」
「ふふ、希望するなら夜までに考えておいてね。……で、結局夕飯はどうするの? さっきスープ食べてたし、軽めにする?」
「あ、ああ……そうだな……」
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