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第15章~些細なすれ違い~

第56話

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 こうなったら、何とか人を掻き分けて見える位置まで進むしかないか。でも、それで変なトラブルに発展したら困るし……。

「あれ、アクセルじゃん。久しぶりだねー、元気だった?」

 人混みに突入すべきかどうか迷っていたら、横から誰かが話しかけてきた。同期のチェイニーだった。

「チェイニーか。本当に久しぶりだな。きみもランキングのチェックに来たのか?」
「そうだけど、オレはもうチェック済んだから帰るところだよ。アクセル、かなりランク上がってたじゃん。頑張ってるんだなー」
「ありがとう。何位になったか気になるから、早く確かめたかったんだけどな……」

 この混雑っぷりじゃ……と、掲示板前の人混みに目をやる。

 兄だったら、「ちょっとごめんよ」と声をかけるだけで自然と人が道を開けてくれるのだが、アクセルの場合はそうではない。影が薄いのか舐められているのか、頑張って声をかけても無視されることが多いのだ。それどころかあらぬ方向に押し退けられたり、「生意気だ」と突き飛ばされたりすることも少なくない。

 なので、強引に人混みに突入するのはちょっと勇気がいるのだ。

 するとチェイニーは軽く笑いながら、一枚の紙を差し出してきた。

「ああ、じゃあランキング表一枚あげるよ。上位一〇〇名しか載ってないけど、アクセルには関係ないっしょ」
「? ランキング表なんて発行されてたっけ?」
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